『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿1話目です


第77話☆

春季大会が終わると、青道高校野球部の皆は、夏の高校野球選手権大会の

レギュラーの座を勝ち取ろうと練習に励んでいる。

 

俺はブルペンで投げ込みをしているメンバーに目を向けた。

 

3年生が3人に、2年生の丹波さんと純さん、そして俺が現在の1軍投手陣だ。

 

そう、残念ながらノリは春季大会終了と共に2軍に落ちてしまった。

 

ノリ自身、色々と足りないと自覚していたようで、俺に必ず1軍に戻ってくると約束して、

2軍の練習に合流していった。

 

野手の方で1軍に残った1年生は一也だけだ。

 

一也は春季大会において、チャンスの場面でしっかりと結果を残したのが評価されたみたい。

 

そんな一也は、ブルペンで俺のボールを受けている。

 

「パワプロ!スライダーを頼む!」

 

おっと、一也からリクエストが来たので、スライダーを投げるか。

 

俺はツーシームの握りから、スライダーを投げる。

 

ボスッ!

 

俺のスライダーを捕った一也のミットの音は、鈍い音がした。

 

「ナイスボール!もう1球頼む!」

 

俺は一也の返球を受けながら、今の自分の能力を確認した。

 

 

基礎能力

 

最高球速:145km(※160km)

 

制球:S

 

スタミナ:C

 

変化球:カーブ6(※7)

 

変化球2:チェンジアップ6(※7)

 

変化球3:高速スライダー2(※7)

 

 

春季大会終了後に、スタミナと高速スライダーのランクを1つ上げた。

 

次に野手能力を確認する。

 

 

基礎能力2

 

弾道:3

 

ミート:E

 

パワー:D

 

走力:D

 

肩力:B

 

守備:D

 

捕球:C

 

 

野手能力は弾道とミート、そしてパワー等の打撃能力を1ランク上げた。

 

春季大会の関東大会準決勝での東さんのホームランがカッコ良くて、

俺も打ちたいと思ったんだよね。

 

まぁ、今のパワーだとインコースを思いっきり引っ張らないと、

ホームランを打てないけどな!

 

さて、最後に特殊能力を確認だ。

 

 

特殊能力

 

『鉄腕』

『鉄人』

『身長高い』

『リリース○』

『ノビ5』

『キレ◎』

『牽制○』

『バント○』

 

 

特殊能力は新しく『牽制○』と『バント○』を取得した。

 

『牽制○』を選んだ理由は、シートバッティングの時に、ランナーをしていた倉持に

走られまくったからだ。

 

本当は『クイック○』と『牽制○』で悩んだんだけど、クリスさんと一也に相談したら、

「倉持の足でも、後半歩リードを狭く出来れば刺せる」って言ったんだよね。

 

他にもクイックを速くする過程でフォームを崩すのが怖いとかなんとか…。

 

だから、クイックに関しては及第点レベルで出来ているから、焦らずにじっくりと

やっていこうと、2人との話し合いで決めたのだ。

 

『バント○』は現在バッティングがあまり上手くない俺が、攻撃面で少しでも貢献する為だな。

 

「パワプロ、どうした?」

 

おっと、能力画面を見ていたらボーッとしていると思われたのか、

一也に声を掛けられてしまった。

 

「何でもない!」

 

俺はそう言ってから、投球フォームに入る。

 

ボスッ!

 

う~ん、高速スライダーもかなり狙った所に投げられる様になったんだけど、

一也のミットはいい音が鳴らないなぁ…。

 

近々、1軍と2軍、そして3軍で紅白戦をするって片岡さんが言っていたから、

それまでに高速スライダーを仕上げておきたいぜ!

 

その後、俺は気合いを入れて投げ込みをしていった。

 

でも、今日の投げ込みではスライダーで一度もいい音をさせる事が出来なかった…。

 

う~ん、残念!

 

 

 

 

「いってぇ~…。」

 

パワプロが投げ込みを終えた後、御幸は赤く腫れてしまった左手を氷で冷やしていた。

 

そんな御幸の所に、片岡がやって来た。

 

「御幸、クリスから報告を受けているが、葉輪のスライダーはどうだ?」

「捕球しきれなくて、ご覧の有り様ですね。」

 

御幸は冷やしていた左手を、片岡に見せながら苦笑いする。

 

「夏には使えそうか?」

「キャッチャーが捕れるかを別にすれば、間違いなく使えます。」

 

御幸の言葉に、片岡は頷く。

 

「そうか。最悪、カーブとチェンジアップで行くことを想定しておけ。」

「はい!」

 

御幸の返事を聞くと、片岡はその場を後にした。

 

だが、残っている御幸は真剣な目で、自身の左手を見詰めていた。

 

「監督にはああ言ったけど…俺にも捕手としての意地があるんだよな。」

 

御幸はニッと笑うと、宣言をする様に思いを言葉にする。

 

「絶対にパワプロのスライダーを捕れる様になってやる!」

 

そう言うと御幸は、まだ赤いままの左手を握り締めたのだった。




本日は5話投稿します

次の投稿は9:00の予定です

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