『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第78話

青道高校野球部の1軍、2軍、3軍による紅白戦が始まった。

 

まずは、今年入部した1年生と3軍の先輩方による紅白戦だ。

 

この紅白戦で実力を見て、1年と3軍のメンバーから選抜したメンバーと、

2軍の人達で紅白戦をやるらしい。

 

さて、1年生と3軍の人達の紅白戦は、3軍の先輩方の圧勝だった。

 

俺は同じ1年生として残念だと思ったが、先輩方も這い上がろうと必死なんだから、

この結果も仕方ないんだろうな。

 

3軍選抜メンバーと2軍の紅白戦は、これまた順当な結果というべきなのか、

2軍メンバーの勝利だった。

 

だけど、数人の人が3軍から2軍へと昇格したので喜んでいたな。

 

そして、いよいよ俺の出番となる暫定1軍チームと、2軍選抜チームの紅白戦が始まった。

 

ちなみにこの紅白戦、レギュラー当確である東さんと他数名の3年生は参加しない。

 

暫定1軍チームの先発投手は丹波さんだ。

 

丹波さんは先発のマウンドに上がると、2軍選抜チームの打線を抑えていった。

 

3回を投げて、被安打3、奪三振4、失点0という結果だった。

 

マウンドを降りてきた丹波さんは、俺と純さんとハイタッチをした。

 

イエーイ♪

 

4回からは純さんがマウンドに上がった。

 

これに伴い、丹波さんのボールを受けていたクリスさんから、3年生の捕手に交代。

 

純さんはマウンドの上で「行くぞオラァ!」と威勢の良い声を上げている。

 

そんな純さんは3回を被安打1、奪三振2、失点0で抑えた。

 

被安打1という結果だったけど、2本程ヒット性の当たりを、

亮さんがファインプレーでアウトにしたんだよね。

 

亮さんは純さんに「アピールの機会をくれてありがとう」って言ったらしい。

 

純さんはマウンドからベンチに戻ってくる間、そんな亮さんを威嚇していた。

 

でもベンチに戻ってくると、俺と丹波さんとハイタッチをしたぜ!

 

イエーイ♪

 

さぁ、7回からは俺の出番だ!

 

やってやるぜ!

 

 

 

 

「葉輪、今日の紅白戦、チェンジアップ以外の変化球は禁止だ。」

 

7回のマウンドに上がる前、主審をしている片岡さんにそう指示された。

 

う~ん、スライダーの感覚を確かめたかったんだけどなぁ…。

 

「この紅白戦、葉輪の力を見るだけじゃない。お前のボールを受ける御幸のリードも見る。」

 

そう言いながら、片岡さんは俺と一也の顔を交互に見る。

 

「相手が先輩だからと遠慮をするな!1軍の座を勝ち取れ!」

「「はい!」」

 

片岡さんは俺達の言葉に頷くと、2軍チームのベンチへと向かった。

 

選手交代でもするのかな?

 

「パワプロ、今日は投げたいボールのサインに頷いて、他は首を横に振っていいぞ。」

 

マウンドで投球練習をしようと思ったら、一也がマウンドまでやって来て、そう言った。

 

「いいのか?片岡さんが言ってたけど、お前のリードも見られるんだぞ?」

「投手のワガママに応えるのもキャッチャーの仕事だからな。俺の事は気にせずに、

 お前は気持ち良くボールを投げてくれ。」

 

そう言うと、一也は俺の胸をミットで軽く叩いてから、キャッチャーボックスに戻った。

 

『お前は気持ち良くボールを投げてくれ』か…。

 

俺はいつだって楽しんで投げてるぞ、一也。

 

でも、ああ言われると、いいボールを投げたくなるよな。

 

投球練習が終わり、2軍チームのバッターが打席に入る。

 

「行くぞ、一也!」

 

この日の俺の調子はバッチリだったぜ!

 

紅白戦は被安打0、奪三振7、失点0の結果だった。

 

そして、試合後に片岡さんから、俺と一也は1軍残留を言い渡されたのだった。

 

夏の大会前の暫定的なものだけど、俺は素直に喜んだぜ!

 

俺は一也とハイタッチをした。

 

イエーイ♪




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