『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第88話

東を三振に抑えた後の成宮は、続く青道打者達にも見下ろしながらボールを投げていった。

 

「まったく、生意気な白髪の小僧やな…。」

 

ベンチに戻った東は、そんな成宮の投球を食い入る様に見ている。

 

「やけど、あの小僧の放るボールは本物や。今日の試合は1点勝負になりそうやな。」

 

成宮は東に続く青道の5番打者も三振に抑えると、マウンドの上で軽く舌を出していた。

 

「俺がフォーシームと思って振ったあのボールはなんや?カットボールか?」

 

東が首を捻りながら6番打者の結城と成宮の対戦を見ていると、成宮はチェンジアップで

結城を三振に抑えていた。

 

「それに加えてあのチェンジアップや。あれはアカン。ボールが来ないだけやない、

 エグ過ぎる程に落ちよるわ。」

 

東が頭をガシガシと掻いていると、結城がベンチに戻って来た。

 

「去年までの俺だったら間違いなく打てんかったな。バット振ってきて良かったで。」

 

東はそう言いながらグローブを手に取ると、3塁手の守備位置へと向かう。

 

「高校通算50本まで後8本やったな…。今日で7本以下にさせてもらうで、白髪の小僧。」

 

3塁手の守備位置についた東は、青道の誰よりも声を出していくのだった。

 

 

◆

 

 

2回の裏も三者三振に成宮が抑えると、多くの者達が予想した通りに試合は投手戦となった。

 

3回の表までにパワプロは稲実打線から7三振を奪う好投を見せる。

 

対する成宮は8番バッターの御幸に連続三振を止められてしまったが、

パーフェクトは継続して8三振を奪っていた。

 

4回は双方共に三振を1つずつ奪って迎えた5回。

 

本日2度目となる4番バッターとの対決。

 

パワプロは原田をカーブで三振に抑えたが、成宮は東に甘く入ったカットボールを

三遊間に運ばれるヒットを打たれた。

 

だが、成宮は後続を抑えて追撃を許さない。

 

試合は進んでいき7回の裏。

 

3度目となる成宮と東との対決。

 

ワンボール、ツーストライクに追い込まれた東は、7球連続でファールを打つ粘りを見せた。

 

だが、7球目のファールとなったフォーシームとの緩急を活かしたチェンジアップに、

東のバットは空を切ってしまった。

 

パワプロと違い4回でノーヒットが終わった成宮だったが、ドラフト候補と噂される

東を抑える力投が球場に歓声を引き起こさせる。

 

東は悔しさのあまり、金属バットでヘルメットを被る自身の頭を叩いていた。

 

球場の雰囲気が稲実に流れて迎えた8回の表。

 

青道のマスクを被る御幸は、マウンドのパワプロの元へと向かったのだった。

 

 

◆

 

 

「パワプロ、大丈夫か?」

「ん?まだまだ行けるぜ!成宮との投げ合いは楽しいからな!」

 

パワプロの言葉を御幸は素直に頼もしく思う。

 

そんなパワプロを信じて、御幸は勝負を掛ける事を決断した。

 

「パワプロ、この回はスライダーを使うぞ。」

「おぉ!?ようやくか!待ちくたびれたぜ!」

 

パワプロの笑顔を見た御幸は勝ちたい、パワプロを勝たせたいと強く思った。

 

「パワプロ、俺達で流れを引き寄せるぞ!」

「おう!」

 

御幸はミットをパワプロのグローブと合わせると、キャッチャーボックスに戻る。

 

(俺にあのスライダーが捕れるのか?)

 

もしパスボールをしたりすれば、青道の皆の緊張感が無くなってしまうかもしれない。

 

(捕れるかどうかじゃない…、捕るんだ!)

 

御幸は打席に入った原田を一瞥すると、球場内に響く歓声が

聞こえなくなるほど集中するのだった。




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