B-2ed   作:管蘿乃

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本日最後、6話目の投稿です。


B_17thD『救助訓練編 リザルト&おまけ』

SIDE:オールマイト

 

 連続強盗殺人犯『僧坊ヘッドギア』が道ばたに座り込み何かをぶつぶつ呟いている……

 そのニュースが私の壱日の始まりだった。通勤がてらに様子を見に行き、他のヒーロー達が彼を護送するのを見送った直後にひき逃げ事件が発生。思わず犯人を捕まえに走って、警察に引き渡すと同時に自分でも何をしてるのだろうと後悔。今度こそ通勤……というところで隣町での立てこもり事件が発生したとの情報が入り再び駆けつけることになった。

 焦っている自覚はある。だが、私がいるというのに犯罪をおかす輩が現れるということは、平和の象徴としての私自身の存在が揺らいでいるということだ。焦らずにいられるだろうか? いや、ない。

 

 『揺らぐことなき平和の象徴としての私』か。

 

 そもそも五年前、とある事件で私は致命的なダメージを負った。呼吸器官半壊、胃袋全摘、度重なる手術と後遺症で弱り切り、日一日と憔悴していった。丸壱日の昏倒から、回復に当たっての長期休養。一日あたりの活動時間の限定。もちろん長期休養中もファンサービスは怠らなかったし、存在も示し続けていた。だがもはや()()を取り戻すことは叶わないだろう。なればこそ、私は力の限り平和の象徴であり、平和の使徒であらねばならない。去年の今頃は間違いなく3時間強あった活動限界も徐々に短くなりつつあるが、だからといって歩みを止めるわけにはいかんのだ。私の個性『ワンフォーオール』を託し、次代の平和の象徴となるものを育て上げるまでは!

 ……勤務時間外の事情で授業に支障が出るようでは問題外だが。

 

 とは言え多少はまだ時間がある。授業をフルで出る時間はないにせよ、後半だけでもきっちり生徒達を見てやらなくては。

 

 そう思ってのんびりとトゥルーフォーム……自身の怪我を隠さない弱り切った姿だが、授業時間に校内を移動するくらいなら正体もばれないだろう……で(うその)(さいがいや)(じこルーム)に向かっていたのだが、何故かそのUSJから花火が上がった。いや、花火と言うか……なんだろう? 真っ赤な煙がまっすぐ空に立ち上り、妙な破裂音がパンパンパン、パパンパパンパパン、パンパンパン、パンパンパン、パパンパパンパパンと……SOSだこれ!?

 瞬間全身に力を漲らせ、マッスルフォームになり走り出す。同時に、ポケットから取り出した携帯で校長に連絡を飛ばす。

 

「こ、校長、はい! 今USJからSOSが! はい、私は先に現場に向かいます!」

 

 何をやっているんだ私はーッ!

 全力で走りUSJの入り口までたどり着くと、そこには信煙弾を打ち上げる八百万少女とコスチューム備え付きの通信装置を使う上鳴少年の姿が!!

 間もなく他の教員も来ることを告げて中に入り、そして告げる。

 

「『もう大丈夫 私が来た』」

 

 入って真っ先に目に入るのは倒れ臥す13号。そして、私を見て明らかに気を緩める飯田、口田、障子少年。

 少し遠くの中央部広場では相澤君と常闇君がやはり倒れており、それに向かって毒手を伸ばす黒い服の少年が……っとイカン! ビリビリ感じる悪の気配に、目の前の4人に対してケアする間もなく戦場に飛び込まざるを得なくなる。

 こんな危機的な状況で、私は一体何をしているのか。自分で自分を罵倒しつつ、目につく限りの(ヴィラン)を叩き伏せていく。

 相澤君と常闇少年……なんてこった。顔を潰されている……これはリカバリーガールの治療でも間に合うかどうか……近くにいた主犯格と思わしき二人を殴り飛ばし、二人を抱えて一旦引いた……んん? なにか、妙な感触だったが……

 何か違和感を覚えて目をやると、そっちじゃない方ににらまれた。

 

「やっぱり本当だったのかな、弱ってるって話……! 脳無!!」

 

 ……知っているのか? なぜ? (ヴィラン)はそんなことを考える暇も与えてくれない。正面から突っ込んでくる黒い異形の両腕をかい潜り、その胴に拳を打ち込む。強すぎて殺してしまう可能性を考慮し、最初は5%ほどの力でになるが……まるで効いていない様子だ。では徐々にギアを上げていこうか!!

 10%!

 20%!!

 40%!!!

 80%!!!!

 ううん、全然堪えた様子が無いな! ならばくらえ!!! 100%SMASH!!!!!

 

「『これでもか……全然堪えないな……』」

「効かないのはショック吸収だからさ! 脳無にダメージを与えたいなら、ゆぅっくり肉を引き千切るのとかがお勧めだね……不粋に刃物とか持ち出すなよ? 平和の象徴」

「『? わざわざサンキュー! そういうことならやりやすい!』」

 

 なるほど、そういう個性か。刃物が無粋とか若干よくわからない話はあったが、個性を教えてくれるというなら対処はわかりやすい。多少手荒にしても死なない保証があるなら相応の扱いをさせてもらおう! どうにも妙な……拘束狙いか、抱きつくような両腕の動きをかわして背後に回り込み、バックドロップに持ち込む。地面に突き立てて身動きを封じさせてもらう!

 ……な、に? これは……地面に突き立てたはずの異形……脳無とやらの上半身が、地面から生えて両手で五指を揃え私の脇を貫いている? イタタ……傷口を押さえられている。そこは弱いんだ、やめてくれ! くそ、焦ったか? 校長にも連絡してあったし、上鳴少年も通信していた。無理して相性の悪い相手をねじ伏せようとする場面じゃなかった!

 なんとか指を抜こうともがくが、とんでもないものが目に入った。相澤君と常闇少年が(ヴィラン)の一人に担ぎ上げられている!?

 

「これは上まで運ばせてもらうよ」

「『な、あ、ちょ! 君!? っだ、あイタ!! 君ら初犯でこれは覚悟しろよ!?』」

「その格好ですごまれてもただのコメディだな」

 

 まるでこちらに興味が無いという口調でそう告げた彼は、宣言通り入り口へと歩き出す。そして入れ替わりにやってきた掌で全身をかざった男が私の顔を覗き込んで話しだす。

 

「人の心配してる場合か? わかるだろ、このままお前をゲートに引きずり込んで閉じさせる。そしたらお前はどうなるかなぁ?」

「私の中に血や臓物があふれるのは嫌ですが……あなたほどのものなら喜んで受け入れよう」

 

 くっ! 宣言通り全身を引きちぎらんとする強力な圧力……こうなったら一時的に脱力して (トゥルーフォームにもどって)無理にでも抜け出すか……? それか指の刺さった部分を引きちぎって……そう思った瞬間、冷気と二本の透明な帯と、爆音がこの場に殺到した。

 轟、瀬呂、爆豪少年か!

 

「スカしてんじゃねえぞモヤモブが!」

「平和の象徴はお前らなんかに殺れねえよ」

 

 瀬呂少年が砂藤少年達と協力して相澤君と常闇少年を奪還し、爆豪少年がワープゲートの個性を、轟少年が脳無とやらを凍らせた。私に冷気が届かない繊細なコントロールには味方ながら戦慄を覚えるが……有り難い!

 

「『あ、こら! 君! ああもう!』」

 

 って、こらそこの(ヴィラン)、まっすぐ入り口に向かうんじゃない!

 轟少年も追撃するが、空を飛んでいる相手に追いつけていない。慌てて脳無の指を逃れゲートから抜け出す。くっそ! 早く追いかけなくては……だがこの場に轟少年と爆豪少年を置いていくのか? 相澤君と常闇少年を回収した瀬呂少年達にだって(ヴィラン)達の関心が向きかねない。どうする?

 

「脳無、黒霧を取り返せ」

「Qua」

 

 凍り付いた部分がくだけて……再生!? いかん! とっさに爆豪少年を庇い、脳無の拳を受けた。何という威力……!!

 

「『加減を知らんのか……!』」

「仲間を取り戻すためさ。しょうがないだろう? 大切な仲間だからな。なあ、美談みたいなもんだろう? 認められないのか? なんでだ? ヴィランだからか? ヒーローじゃないからか? おかしいだろう? 変じゃないか? 暴力に貴賤なんかありゃしない。この世界は歪んでるんだよ! 何が平和の象徴! 何がヒーロー! お前らなんて単なる抑圧のための暴力装置さ! お前を殺してそれを世に知らしめるんだ!」

「『まるででたらめだな……そう言う思想犯の目は静かに燃ゆるもの。お前は自分が楽しみたいだけだろう、この嘘つきめ!』」

「くくく……あっさりバレた。だが、ヒーローと生徒が何人も潰された現状を言い訳できるのか……?」

 

 む……

 

「そこの残りの生徒を潰して……ん?」

「どうしました、死柄木弔」

「黒霧、さっきの帯の奴……確か脳無が潰したはずだよな?」

「言われてみれば……」

「『何だ、何の話をして……?』」

 

 BLAM BLAM BLAM (バキュン)!!

 

 これは、スナイプの! 他の教師陣が間に合ったか!

 

「時間切れか……帰るぞ黒霧」

「『な、待て!』」

「俺たちの相手より、傷ついたガキやヒーローの相手をするべきじゃないか? 脳無、俺を守れ」

 

 BLAM !!

 

 スナイプの狙撃を脳無が受け止める。くっ! 止められない! 逃げられてしまった!!

 ……言われるままなのは癪だが、傷ついた子供らや生徒達を見てやるべきか。

 まず相澤君と常闇少年をリカバリーガールの元に連れて行かなくては!

 

 

 

 

SIDE:緑谷出久

 ……

 …………?

 ………………!

 あれ、生きてる。このなんかのっぺりした天井は……保健室か。

 

「ん……起きたか、緑谷」

 

 ……この声は尾白君だな。声のする方を見ると、僕と同じ保健室の簡素なベッドで横になる尾白君の姿が目に入った。尻尾のせいかうつぶせになってるけど、よく僕が目覚めたことに気がついたな。そんなことを考えつつ左右を見渡すも、どうも僕と尾白君以外に人の気配はないようだ。リカバリーガールもいない。

 

「みんな無事?」

「俺とお前以外は……なんか、襲撃者の中に自警団 (ヴィジランテ)が混じってたらしくて、治されてたらしい」

「そっか……」

 

 自警団 (ヴィジランテ)……あのとき完全再現をしたエミネのことだな、多分。とりあえず相澤先生や常闇君の治療はしてくれたらしい。そして、それで僕が生きているってことは……多分、そういうことなんだろうな。

 そっか。

 そっかぁ……っ、こみ上げて来る吐き気をこらえる。体力の無駄な消耗は避けるべきだ。泣くのも、嘆くのも。

 たとえ自分の中の絶対譲ってはいけない一線を踏み越えてしまったのだとしても、それで傷つくのは僕じゃない。泣いちゃだめだ。

 

「……緑谷」

 

 ……何だよ。

 

「なあ、なんで俺たちだけ放っておかれたんだろうな」

「……治す価値がないと思われたんじゃない?」

「……」

 

 かの有名な敵 (ネームドヴィラン)『ヒーロー殺し』のステインになぞらえて適当なことを言ってみる。まあ、あっちは生かす価値がないと言うか、見せしめにして役に立ててやると言うか、うん。

 ただ少なくとも僕に関しては大筋間違ってないだろう。治す価値が無いと言うか、いい加減ヒーローになるのは諦めろ的な。エミネは気のおけない友人だし普段は助けてくれるけど、だからと言って無条件で僕の夢を受け入れているわけじゃない。むしろ僕を思ってこそ厳しいことも言うタイプだ。まあ、尾白君に関してはどういうつもりなのかはわからないけれど、僕個人からの嫌味を込めてそういうことにしておく。だいたい、なんか状況が状況だからこうして話してるけど別に僕らは仲直りした訳でもない。いや、仲直り以前に喧嘩すらしていない。友達でもないし。

 

「そういえば緑谷は一人だったのか?」

 

 ……だというのになんかぐいぐい来るな尾白君。

 

「多分。ヴィラン同士が仲間割れしてるところに放り込まれたからそれどころじゃなかったし」

「俺は切島と一緒に入り口のすぐ左のエリアだった。全員叩き伏せたと思ったら、カメレオンみたいな個性の奴に後ろから刺されてたよ」

「ふーん」

「警察が来て皆に状況聞いて擦り合わせしたから、他の皆の状況もだいたいわかるけど……聞くか?」

「いや、別にいいや。それよりこれって家に連絡行ってるの?」

「まだ行ってないと思うけど……」

「そっか、ありがとう」

 

 話を切り上げ、なんとか身を起こしてベッドから下りる。

 そのまま地面に転がった。

 足に力が入らない。胸が痛くて息が出来ない。両腕もろくに動かない。

 

「がひゅ……」

 

 喉から変な音が出た。

 

「お、おい何やってるんだよ! リカバリーガールがお前の治療に三日かかるって言ってたんだぞ!」

 

 焦った尾白君の声が聞こえる。そう言うことは先に言ってほしい、だってもう治してもらってると思うじゃないか。ついさっきまで痛くも何ともなかったし……

 尾白君がベッドから立ち上がり肩を貸してくれる。あぐぅ……胸が……これってあれ? 肋が折れてるってやつ? 漫画とかで、『くっ、肋が二本いったか……』とか『大丈夫だ、肋が何本かいっただけだ』とかやってるけど、そんな余裕全然ないぞ。尾白君にされるがままにベッドに戻された。母さんに話が伝わる前に電話したいんだけどな。

 

「尾白君」

「っなんだ?」

「肩貸してくれない? 電話まで」

「俺たちは警察が様子見に来るまで外に出るなって言われてるんだよ」

「先に言ってよ」

 

 ……妙に拗ねたような口調になった。恥ずかしい。っていうか後出しが多すぎるよ尾白君。

 

「何がしたかったんだ?」

「……母さんに電話」

「何のために?」

「それ、尾白君に関係ないでしょ」

 

 そりゃ、嘘をつくために。母さんを心配させない嘘をつくためにだ。

 もちろんそれは母さんのためなんかじゃない。嘘をつくのもつかないのも、心配させるのもさせないのも、全部僕のための、悪いことだ。最悪だな。

 

「それよりさっきの、聞くよ」

「え?」

「みんながどうしてたのか。僕だけこんなになって、惨めな気持ちになるかもだけど」

「……ああ」

 

 尾白君の聞いた話によると……

 

 まず青山君はゾーンとゾーンの隙間に落っこちたらしい。そのまま隠れていて無事だったと。

 

 僕がいたゾーン……暴風・大雨ゾーンは他に人がいなかったので、とりあえず14人の貧血チンピラ敵と、5人の感電死寸前チンピラ敵が回収されたことだけがわかっている。上鳴君に一度容疑がかかったけど、連絡記録等ではれたそうだ。

 

 反時計回りに水難ゾーンでは、やっぱり一人だった轟君がチンピラ敵を瞬殺し、情報収集の後に広場に向かったらしい。オールマイトの救助にも貢献したとか。とりあえずオールマイトの救助って言葉に違和感があるけど、これはまたあとでと言われた。

 

 次は火災ゾーン、砂藤君、瀬呂君、峰田君というバランスの良いメンバーだったため、地味だけど堅実に戦い抜いたそうだ。

 その後瀬呂君は真っ先にゾーンを抜け出し、ピンチだった相澤先生と常闇君を助けようとしたものの脳無に捕まり地面に叩きつけられたり振り回されたりさんざんだったらしい。ただ最終的には無事二人を助けた上に怪我も無くなっていた。謎の自警団 (ヴィジランテ)に助けられたと目される一人だ。

 

 続いて山岳ゾーン。芦戸さん、耳郎さん、葉隠さんの三人は、芦戸さんと耳郎さんの個性の連携により『足場崩落 (みどりやさくせん)』を実行。早々とチンピラ敵を全滅させたのだが、その後エリアから抜け出すのに時間がかかってしまった。とりあえずその恥ずかしい作戦名は二度と聞かないことを祈る。

 

 その次の土砂災害ゾーンの常闇君、黒影君、蛙吹さん、麗日さんは、麗日さんの個性 (ゼログラビティ)と黒影君及び蛙吹さんの馬力で無双したらしい。

 その後、常闇君は僕を探すために無重力で中央広場上空を横断しようとして(ヴィラン)に捕まり一時重体、これも謎の自警団により治療されたとされる。一方蛙吹さんと麗日さんは隣の山岳ゾーンの崩壊を目にし、援護のためにそちらに向かったそうだ。

 双手に別れたのは失敗だったと思うけど、結果的に芦戸さん達と合流できたらしい。

 

 そして尾白君と切島君はさっき聞いた通り。倒壊ゾーンにてチンピラ(ヴィラン)と戦闘。カメレオン(ヴィラン)は切島君が叩き伏せたけど、怪我人の尾白君がいたから身動きがとれなくなった。

 

 最後に入り口だけど、とっさに仲間を庇ったのが飯田君と障子君、庇われたのがかっちゃんと口田君と上鳴君。そして隠れ潜んでいた八百万さんに、13号先生……どうやら僕が突き飛ばしたのは八百万さんだったらしい。

 状況が読めずに突っ込んでいったかっちゃんを庇い13号先生が負傷するも、間髪入れずに八百万さんが脱出。

 靄男はそれを見て撤退。不完全燃焼のかっちゃんがそれを追走。上鳴君は外に出て通信を開始。

 まもなくオールマイトが現れて八百万さんは13号先生の応急処置へ。

 しかしそこに新手の(ヴィラン)が襲撃、13号先生に襲いかかる……のだが、それは実は敵ではなく謎の自警団 (ヴィジランテ)で、13号先生は治療された。その後他の教員も到着し、(ヴィラン)達の主犯格は逃走。自警団(ヴィジランテ)も消えた。

 

 最後に中央広場だ。

 最初はイレイザーヘッドが一人で制圧していたのだが、主犯格の参戦により敗北。同時に常闇君が広場上空を横断しようとするも、跳んできた脳無に捕まりイレイザーヘッドの前で死柄木弔の力で顔面を崩される……と思いきやイレイザーヘッドの個性抹消によりそれを免れる。が、結果的に脳無のアイアンクローでやはり顔を潰された。どうもイレイザーヘッドの矜持をへし折りたかったらしい。

 そして慌てて二人を救おうと瀬呂君はテープを伸ばしたが、それを掴まれ自切する間もなく振り回され壁にたたき付けられ気絶。ただ、この直後に謎の自警団 (ヴィジランテ)に治療されたらしく、主犯格と謎の自警団が()()()交戦。そこにオールマイトが参戦し、謎の自警団は戦闘から離脱、イレイザーヘッドと常闇を治療しさらに13号を治療したが、スナイプの攻撃を受けて消えた。

 一方オールマイトは殆どの(ヴィラン)を叩き伏せ、主犯格と交戦。脳無に拘束されワープゲートの個性により切断されかかるも、靄男こと黒霧を追ってきたかっちゃんおよび、チンピラ(ヴィラン)に対する尋問で事情を全て把握した轟君により救出され、直後教師陣が駆けつけたことで主犯格は撤退した。

 

 これが今日一日の顛末だそうだ。主犯格3人は逃走したものの、殆どのチンピラ(ヴィラン)は捕縛された。殆ど、というのは通信妨害などを担当していた(ヴィラン)が見つかっていないからだ。そのため、僕の話を聞けるのを警察が待っている、と。

 

「なんか青山君の話だけ強烈な違和感を覚えるけど、まあ、みんな無事で良かったね」

「そうだな。じゃあ俺は先生達呼びに行って来るから」

「ああ、そう」

 

 なんで僕が起きてすぐ行かなかったんだ? そんな僕の疑問をよそに、尾白君は保健室を出て行く。

 

「……エミネ、ありがとう」

 

 誰もいない保健室で、僕は一人そう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか、オールマイトが弱っているのが実感できたか」

 

「生徒達が思いのほか強かったようだね。備えが足りなかったか」

 

「なに? 回復系の個性持ちが市井に混じっている可能性がある? それは少し欲しいな。情報を集めてみようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

 

補足・ここまでのキャラクターまとめ

 

『緑谷 出久』

 無個性・白沢の道化師

 幼い頃から無個性故にいじめられてきた。怪我が絶えず母親に心配をかけていたのが嫌で、道化師の力に目覚める。

 能力は血液を消費しての『治癒』『蘇生』。応用として、『蘇生した魂』に『仮の実体』を与えて操ることが出来る。

 強力で万能な治癒能力だが、自分の血液を回復させることは出来ない。また、『魂の蘇生』には一度接触して型を取る必要があり、記憶などの情報は『型』を取った時点のものになる。

 制約は『一日一悪』代償は『正義』。日々の一悪によって正義が揺らぐことを感じながら必死に生きている。

 また一悪 (ころ)した相手の血液を貯める(プールする)ことが出来るのだが、殺したことが無い……というか蘇生してしまうため出久の容量以上の血液は使えない。

 出久は自覚なかったが、今回最後時点では全身重度の火傷及び肉むき出しの傷だらけで、しかも瀬呂にぶつかり吐血までしていたまごうことなき重体者。ぶっちゃけ発見した峰田は死んでると思った。クラスメートや教師にとってもトラウマものである。

 

『エミネ』

 先代『白沢の道化師』・出久の能力の管理者

 正確に言えば、白沢の能力に刻まれた記憶から再生された出久にとって相性のいい人格。出久が精神バランスを大きく崩すと出てこられなくなるが、白沢の能力によって再現できる。

 妖怪という魂自体に力がある存在の命を所有 (ストック)しているため、出久のように『仮の実体』を与える必要がなく、強力な力を低コストで扱えるが、その分出久と比べると技が大味になる。

 親友である将太郎が大怪我をして死にかけたことをきっかけに道化師の力に目覚めるも、制約のため共に歩むことが出来なかった。

 とりあえず出久にはヒーローを諦めて平和に暮らしてほしいと思っている。

 

『緑谷 引子』

 緑谷出久の母親・『ちょっとしたものを引きつける個性』

 出久が小学校中学年のころには持ち直した(様に見える)ため、それほどは太っていない。

 ただ、出久が雄英に通うことに対する心配が大きいため、今後太ってしまうかもしれない。

 

『オールマイト』

 No.1ヒーロー

 なんだかんだで無茶はしていないし、『ワンフォーオール』の譲渡もしていないため約3時間の活動限界を維持している。

 現在の候補者は能力・人格ともに申し分の無い『通形ミリオ』。能力が圧倒的で知名度も申し分無い『轟焦凍』。個人的に人格が気に入っているけれど何かしら後ろ暗い雰囲気があって素行調査中の『緑谷出久』。

 

『常闇 踏陰』

 出久の友人・副学級委員長・個性『黒影』

 影っぽいモンスターを宿す異形系個性の持ち主。

 入試と第一回ヒーロー基礎学を通じて、出久を友人だと思っている。

 人格的な評価は高いが、その実力を過大評価はしておらず、危機的状況では信頼より若干心配が勝る。

 

『芦戸 三奈』

 出久の友人・保健委員・個性『酸』

 体中から溶解液を噴出する能力がある。溶解液の粘度、強度などは自在。ただし強すぎると自身が火傷したり、髪が溶けたりもする。

 第一回ヒーロー基礎学を通じて、出久を友人だと思っている。ぐいぐい来るが、それは彼女の基本スタンスである。

 ただし実力的な評価はあまり高くなく、今回担架で運ばれる出久をみてかなり取り乱した。

 

『飯田 天哉』

 出久の友人・学級委員長・個性『エンジン』

 足が速い。排気筒からの噴射圧だけでも結構速い。走れば走るほど速い。燃料は100%オレンジジュース。

 入試の一件で出久に対する尊敬と負い目を感じている。個性把握テストの時はいろいろ思うことがあったが、『僕』と名乗り自分の弱みを見せたりと、なんだかんだで信じると決めた。決めたのだが、乱数の神様のせいか何故かかっちゃんの面倒をみるポジションに。

 また入試の件や第一回ヒーロー基礎学の成果で、出久を結構過大評価していたが、担架で運ばれる出久を見てかなり落ち込んだ。

 

『八百万 百』

 出久の友人・図書委員・個性『創造』

 生命体以外はなんでも作り出すことが出来る。

 個性把握テストにて相澤の『除籍処分宣告』を虚偽と捉えていたが、どうやらそれが真実らしいと知り若干不安になっており、それが理由で出久に絡む。

 第一回ヒーロー基礎学にて、出久のマフラーが先端におもりをつけて投げやすい形状にしてあることと、テープの両端に錘をつけて投げやすくしたことが似ていると指摘され、さらに出久に絡む。

 出久のサイドキックになりたい発言に若干溜飲を下げるも、今回庇われたためまた出久に絡むことだろう。

 

『麗日 お茶子』

 出久と仲の良い級友・美化委員・個性『無重力』

 指の先端の肉球で触れたものの重量をゼロにする。3tくらいまでいける。自分を浮かすか、容量を超過すると吐き気に見舞われる。

 入試で助けられてから出久に対して強い信頼を抱いているが、なんか縁がなくてあんまり絡まない。

 結構過大評価気味だったので、今回担架で運ばれる出久をみて悲鳴をあげた一人。

 

『峰田 実』

 出久と仲の良い級友・文化祭実行委員・個性『もぎもぎ』

 頭についた謎の球体をもぐことが出来る。もがれた球体は超くっつく。本人とはくっ付かずプニプニ跳ねる。もぎ過ぎると血が出る異形系個性。

 なんか良くわかんないけど出久に芦戸と八百万が絡んでるから話に入るぜ!

 出久にとっては結構話しやすい相手の一人。今回、瀬呂がぶつかったために気絶していた出久を発見し悲鳴を上げた。

 

『蛙吹 梅雨』

 出久と仲良くしたい級友・飼育委員・個性『蛙』

 蛙っぽいことはだいたい出来る。出来ないことも成長次第では出来るかもしれない異形系個性。

 いろいろ思うところはあったが、バスの中での会話で信じようと思った。梅雨ちゃんと呼んでほしいらしい。

 常闇が思うほど出久を過大評価している訳でもないのだが、それでも担架で運ばれる出久をみて後悔した。

 

『障子 目蔵』

 出久と仲良くしたい級友・図書委員・個性『複製腕』

 腕が六本あり、その先端に身体のパーツを複製できる。当然のようにその腕を更に複製することもでき、パーツ自体の基礎性能も高い変形異形系個性。

 入試の一件で出久に軽度の敬意を感じているが、あまり話す機会がない。

 

『口田 甲司』

 出久と仲良くしたい級友・飼育委員・個性『アニマルボイス』

 人間以外の生き物に話しかけ、ある程度操れる。植物は無理な異形系個性。

 緑谷不良説に若干踊らされたが、ヒーロー基礎学の成果で尊敬の念を抱いた。元々無口なのもあってあまり、会話の機会がない。

 

『切島 鋭児郎』

 出久と話をしたい級友・体育委員・個性『硬化』

 身体を硬化させることが出来る。硬度は気合い次第。最強の盾にも矛にもなる変形系個性。

 入試の一件で尊敬と負い目を、個性把握テストの時の相澤の言葉でその負い目に対する八つ当たり的な疑心を感じてしまい、現在消化するために四苦八苦している。

 出久に約束をすっぽかされたことは若干しょうがないと思いつつ、一歩踏み出せないでいる。

 

『上鳴 電気』

 出久の級友・広報(放送)委員・個性『帯電』

 全身に電撃を纏う。放電できるが操れない。出久には電撃(ヴィラン)には及びもつかないと思われている。放電しすぎると一時的にアホになる。発動系。ちなみに本人はかなり電撃に耐性があるので、多分電撃敵に遭遇しても個性で殺されることはほぼ無い。

 緑谷不良説を聞いても無個性だと知っても『ふーん』としか思わなかった。ある意味大物。

 第一回ヒーロー基礎学の成果に対しても『すげー』とかしか思ってない。ただ担架で運ばれる出久には流石に悲鳴をあげた。

 

『耳郎 響香』

 出久の級友・広報(放送)委員・個性『イヤホンジャック』

 音による情報収集能力が高く、同時に自身の心音を相手に響かせることも出来る。ジャック自体は異形系だが、ジャックの操作は発動系に当たる。イレイザーヘッドの個性抹消を喰らっても、手でもって使えばさほど問題ない。

 緑谷不良説を聞いて『げっ』と思ったが、第一回ヒーロー基礎学の成果をみて『ないな』と思い直した。

 若干過大評価気味だったので、今回担架で運ばれる出久をみて悲鳴をあげた一人。

 

『葉隠 透』

 出久の級友・体育委員・個性『透明』

 透明なのは異形系、飲み食いしたものを見せないのは発動系に当たる屈折率操作の個性。

 出久のことはよく知らないけど大して気にしてない。ただ、大変だろうなーとか思ってる。

 担架で運ばれる出久をみて取り乱す芦戸を慰めていた。

 

『砂藤 力道』

 出久の級友・風紀委員・個性『シュガードープ』

 糖分10gにつき3分間パワー5倍。個性抹消を喰らうと発動できないが、発動後に喰らっても問題ない半異形系個性。

 出久のことはよく知らないけど大して気にしてないが、第一回ヒーロー基礎学の成果は凄いと思っている。

 峰田とともに気絶している出久を発見したが、下手に動かしたらまずいと思い手が出せなかった。

 

『瀬呂 範太』

 出久の級友・文化祭実行委員・個性『テープ』

 肘からセロハンテープ的なものを射出できる。操作性と接着力はそれなりだが、火には弱い変形異形系個性。

 緑谷不良説に若干怯えていたが、しばらくしたら忘れた。深く気にするのは良くないなと思っている。

 出久にぶつけられたことは認識していないが、後から知ってちょっとびびった。

 

『轟 焦凍』

 出久の級友・選挙管理委員・個性『半冷半燃』

 右で凍らし左で燃やす、範囲も強度も限界が見えない上に、繊細なコントロールも可能な強個性。

 半燃半冷って言われるとぶち切れる。緑谷? ああ、なんか凄かったな。

 

『尾白 猿夫』

 出久とちょっといろいろあった・風紀委員・個性『尻尾』

 尾が生えていて、自在に動かせる。半異形系個性。一般的には没個性に当たる。

 無個性というものにトラウマ的なものがあり、出久の態度に反発を覚えている。緑谷不良説にも踊らされたし、本人にいきなり殴られたりすればさもあらん。

 その対抗心から今回いろいろ暴走してしまったが、結果的に死にかけたり、死にかけた出久をみてちょっと混乱している。

 

『爆豪 勝己』

 出久の幼馴染み『かっちゃん』・選挙管理委員・個性『爆破』

 汗腺からニトロのようなものを分泌する機能は異形系。その量を任意に増やし、起爆するのは発動系に当たる。大きなデメリットは無いとされているが……

 今作冒頭で出久に『一悪』されたため、出久に大して身体が拒否反応を示すようになる。日々彼の存在に脅かされているのでストレスが酷く、原作ほどのキレがない。空気も読めない。割と残念な子。

 そして正面からその事実を受け止められないため、改善の兆しは無い。

 

『青山 優雅』

 出久の級友・美化委員・個性『ネビルレーザー』

 へそからレーザーが出る。推力にも使える。半異形系個性。コスチュームで膝や肩からも出せるので、やろうと思えばそれで飛び回ったりも出来る。

 緑谷出久に関しては、入試が同会場だったため悪い印象は無い。不良説も鼻で笑った。

 スマートじゃないなぁと思っているが、敬意も抱いていた。抱いていた。

 

入り口 

倒壊ゾーン_

土砂ゾーン_2人

山岳ゾーン_3人

火災ゾーン_2人

水難ゾーン_3人

台風ゾーン_2人

4飯田・11障子は入り口 8切島は倒壊ゾーン確定

4と11の両側は入り口、15轟の前後に16葉隠がいなかった場合15轟は一人

16葉隠は前後が11障子の場合のみ入り口残留

各ゾーン指定人数を満たすか、キャラの条件を満たした場合次のゾーンへ。あまりは最後に上から振り直す。

乱数結果 5 3 2 12 16 7 4 9 11 17 19 10 15 8 1 18 20 6 14 13

 

土砂ゾーン 5 3

山岳ゾーン 2 12 16

入り口 7 4 9 11 17 飯田君と障子君の救助相手がかぶった

火災ゾーン 19 10

水難ゾーン 15 轟君だから一人

8 切島君は倒壊ゾーンへ

台風ゾーン 1 18

 

余った20 6 14 13はなんか役割を与えつつ上から振り分け。

 

入り口 7 4 9 11 17 +20

倒壊ゾーン 8 +6

土砂ゾーン 5 3 +14

山岳ゾーン 2 12 16 人数は三人までで

火災ゾーン 19 10 +13

水難ゾーン 15

台風ゾーン 1 18




今回もお付き合いいただきありがとうございました。
本当はもっと出久を活躍させようかとも思ったのですが、原作通りにオールマイトを助けるのはワンフォーオールを継承していないから無理だし、そもそも活動時間が減っていない設定なので厳しいと思い、電撃ヴィランと戦ってもらうことなりました。
今後も出久はSMASHをかけ声として使わないつもりですが、何かそれにかわる決め台詞が欲しいです。つくづく。

次回は体育祭編です。かなり行き詰まっているので(主にかっちゃんの扱いとか、無個性を体育祭に出して大々的にマスコミの目に晒せるかとか)時間がかかると思いますが、お待ちいただけると幸いです。
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