別に筆者はエンデヴァーに夢を見ている訳ではありません。
アニメでは長男パパ似っぽいですしね。
ただ、緑谷君視点で集めた情報で轟君を精神攻撃しようとするとこう言う話になるのです。
「お父さんの個性を使わずトップを取って完全否定だっけ? おかしな話だよね。普通に考えたらお父さんを完全否定するなら、半分しか継げなかったお父さんの個性でトップになってこそでしょ。個性が悪かった訳じゃなくて努力が足りなかったんだって見せつける。それが一番正しいんだよね」
「しかも君、戦闘においては絶対に使わないって……都合良すぎでしょ。救助には使うんだ? もうお父さんとはまるでスタートラインが違うのに、どうやって完全否定するのさ」
「僕にはさ、ただお父さんから逃げたいだけにしか見えないんだよね。まあ、救助には使うって所に君の本心があるんだけど」
「ああ君も忘れてる君の本心だよ」
「君さ、お父さんに憧れてヒーローを目指したんだよ?」
「っふ、愛の無い時代錯誤の個性婚? ぷぷっ、本気で言ってるの? 自分で物事調べる脳みそ無いの? いい? 個性婚ってのはそもそも愛の結晶なんだよ。誰だって自分の子供が自分の個性に食いつぶされて死ぬのなんて見たくないからね」
「君の両親もそう。お互いの個性を継いだ子供が、その暴走で万が一にも死なないように、それを押さえられる人間同士で結婚したんだよ。そもそもはサポート専門のサイドキック候補だったんだけどね」
「そう、思いのほか早く子供が出来ちゃってね、サイドキックどころじゃなくなっちゃったんだ。子供のためにパパは頑張ってたんだよ? 焦凍君。一生懸命働いて、稼いで、でもねー、そうするとどうしても子供の個性ってお母さんに似ちゃうんだよねー。だって個性って遺伝しないもん」
「ああ、個性に付随する体質は遺伝するよ? 炎系の個性の人の耐火性能の高い皮膚とか。君の場合は身体を冷却するための超量貯水体質とか。でも個性は実は遺伝しないんだよねー。遺伝すると思われてるのは、親の個性を見てそれに憧れて自分の個性にしちゃうからだよ」
「ああそう。君のお兄さんもお姉さんも、あんまり家にいないパパの個性に興味なかったんだよねー。個性暴走させるたびに全力で家に帰ってきて必死に助けてくれてたのに、その顔怖いって怯えて泣いてたんだよ。酷いよね」
「でもさ、君は見てたでしょ?」
「必死に帰ってきたお父さんがお兄ちゃんとお姉ちゃんを助けるところ。だからお父さんの個性に、お父さんに、ヒーローに憧れたんでしょ」
「お父さん喜んだよね。ようやく自分を認めて、自分を継いでくれるって子供に自分と同じ個性が発現したんだから。愛しい奥さんとの完璧な愛の結晶だよ? また下の子が産まれたとして、その子が個性を暴走させたとしてもこの子が守ってくれるって確信があったはずだ」
「しかも、パパカッコいい! パパみたいなヒーローになる! なんて言われたらパパ冥利に尽きるよね。そりゃ多少弱音を吐いたって厳しい愛の鞭をもって接するのも仕方ない」
「え? 何言ってるのかって?」
「君の家族を壊したのは君だって話だよ」
「君が弱音を吐くたびに不安だったろうね、お父さん。ようやく自分を認めてくれたはずの自分の子供が、今にも離れて行こうとするんじゃないかって。不器用すぎてどう接すればいいのかわからなくて、どんどん壊れていったよね。お母さんもきっと、どうすればいいのかわかんなくなっちゃうよね」
「ああ、そうでしょ? そうなっちゃうよね。そうなっちゃうよ。でも、君が悪いんだよ」
「君が全部のきっかけだったんだよ」
side:オールマイト
何故だ?
『それではこのエキシビションマッチのルールを確認をします』
何故こうなった?
どうしてだ緑谷少年!?
『ルール1、3分以内に三回クリーンヒットを入れれば勝ち』
『ルール2……というかハンデね。オールマイトは各一分の最後の5秒にしか攻撃してはならない』
『なおかつ、オールマイトは攻撃する前の5秒は一度ステージを外れ、その間ステージ内に一瞬たりとも留まってはならない。衝撃波も禁止』
『まあ、簡単に言えば、55秒の緑谷君の攻撃ターンと5秒のオールマイトの攻撃ターンの繰り返しね』
『って、本当にこんなルールでいいの? 緑谷君、何かこう、もっとウェイトを付けるとかあると思うんだけど』
「いえ、これでいいです」
自爆して保健室に運ばれた爆豪少年、彼は今後……そして心をえぐられて立上がれなくなった轟少年も、今エンデヴァーが彼に付き添いに行っている。体育祭もなにもかもめちゃくちゃだ。
なんでだ。
あげく私とのエキシビションだって? 本当に一体、何を考えているんだ。
『いやー、もう本当何がどうなってんのかわかんねーけど、最後に盛り上がるイベントがあって良かったぜ! 生でオールマイトが動くの見れるなんて、めったに……いや、わりとあるか』
『おい、心操、流石にもう全員洗脳解けてるよな。これを見逃すのは流石に無い』
山田君も相澤君も何故止めてくれないんだ? 校長も許可したようだし……
「あ、オールマイト、よろしくお願いします」
「あ、ああ、緑谷少年……君は」
「本気か? とか聞かないでくださいね。手を抜いたら、貴方の弱体化ばらしますから」
「君! 本気で何を言ってるのかわかっているのか!?」
「あ、手加減したらじゃないな。貴方が万が一にも僕にクリーンヒットを入れられたら、その瞬間にばらします。だって無個性に傷を付けられるNo.1なんてこの世界には必要ないですから」
「……ほん……いや、わかった。一瞬で終わらせよう」
ルールはクリーンヒット三回だが、一回で気絶させればそれでいい。いや。それこそ眼にも留まらない速度で試合開始と同時に気絶させれば彼は連戦で疲れていたと言うことに……いや、流石にばれるか。やはりやるなら55秒適当に耐え、自分のターンが来たら一撃で終わらせる。それが正しい手順だ。
trrr... trrr...
む、通信機が……
『やあオールマイト、大丈夫かい?』
「こ、校長先生、何故こんな試合を許可したんですか!?」
『彼に可能性を感じたからだよ。残酷な、可能性をね』
「そ、それは一体?」
『君は彼に本物の正義を感じたと言ったね。同時にその背後に悪の気配を』
「ええ、確かに」
『じゃあこんな考察はどうかな? 正義を持つ物が悪に従う理由、最も多いのは何だと思う? そう、人質さ!』
「何と!?」
『もしそうだとしたら、彼は何を思ってここにいると思う?
「ま、まさか私を頼って? 悪に絡めとられ、大切な人を人質にとられ、その心細い中私をたよりに……?」
『まあ、あくまでそう言う可能性があるという話さ! それを念頭において、どう闘うかちゃんと決めるんだよ!』
『あの、オールマイト? そろそろ始めたいんですが?』
「あ、ああ、すまない! 準備はいつでもいいよ!」
フー……
ステージの上に立つ。
向き合った緑谷少年の姿に不自然なところは無い。とても自然体だ。
だがその背後にどこか狂気のような物を感じる。
悪の誘い、人質、であるならば、私の弱体化を告げたときの反応にも少し納得いくところがある。彼の今の心情は、いったいどんな物なのだろうか。
『それじゃレディイイイ!』
私は……私が彼を救わねば。
『START!!』
静かに立つ彼と目が合う。彼の中に渦巻く何かがその瞳を透けて来るようで……
『おo
はっ!?
oっとオールマイト棒立ちぃ!?』
「ごっ!?」
脇腹を貫くような、ストレート。それも、以前脳無にやられた場所を貫き肺をねらうように的確な……
違う! 何を私は突っ立っているんだ!
反……撃はルール上無理、この場を離だっ……
「がは!?」
飛び退こうとした背中側から突き刺さる頂肘! なんて重い……いや、これは私の運動能力を見越したカウンター! しかし私の全力に耐えられるほど緑谷少年は体重が無いようだな! 吹き飛んで転がって行くのを見てひっそりため息をつく。
『オールマイトにクリーンヒット1! 緑谷君が吹っ飛んだから二発目は無効!』
『なにが起ったぁ!? ふつーにぬるっと動いただけなのにオールマイト反応できず! しかもとっさに離れようとした動きを見越してもう一撃入れようとしたぞー!?』
『俺も一回やられたな、あいつ、こっちの意識がそれた瞬間に肉薄してきやがる……昔はそういう技術を扱う職業もあったらしいが……』
『あー、ショービジネスの一種ね。今でも時々大道芸で見るけど』
相澤君と山田君が解説してくれるが……本当か? 本当にそんな小手先の技術なのか!?
ゆたりと立上がる緑谷少年と目が合う。
立上がったまま動かない。なにを考えている? それとも警戒されている状態では流石にあんなことは出来ないと言うことか?
5秒……10秒……30秒……45秒……
『オールマイト、ステージから出てください』
「あ、ああ」
私の攻撃ターンか……何故何もしてこなかった? 諦めたのか?
まあいい。一発で終わらせよう。
狙って、行って、適度に打つ。折り返して、狙って……ギリギリまで狙って三発が限界だろうな。一瞬で三発撃ち込んだところでクリーンヒットとしては一発の扱いだろうし、ルールを配慮すればこのターンに安全に攻撃できる回数は私と言えど二回が限界だ。
だが、私の目的は一撃で彼を戦闘不能にすること。漫画じゃ無いから首トンは無理だが、みぞおちに一発入れて呼吸できなくするか、そもそも舞台から落としてしまう、後は的確に会場の屋根にでも投げれば制限時間以内にここにもどって来れないようにすることだって出来る。うん、やりようはいくらでもあるな。
「よいしょっと」
よし、ステージを外れた。次は緑谷少年を狙って……
「え?」
「やあオールマイト」
ごあ!? が、顔面に、膝? シャイニングウィザード!?
『オールマイトにクリーンヒット2……』
「ぬるすぎですよオールマイト。なに気を逸らしてるんですか? 貴方が攻撃できるようになるターンってだけで、僕が攻撃できない訳じゃないのに」
んな!? は、そ、そうだ! 反撃を!
跳び退き地面に伏せる彼を追うように拳が動き……かわされた!? いや、ふるった拳で後を追うなんてことがそもそも無理があったんだ! 拳を振るった時点でかわされていた! 地面に突き立った腕を引き抜きその場から全力で跳び去る。
「はぁっ、はぁっ……」
何故だ? 何故こんなにもいいように……?
「オールマイト、僕ら無個性は5千年以上かけて肉体を操作する術を磨き続けて来たんですよ? 個性なんてぽっと出の力をふるって得意になるあなた方は滑稽でしょうがない。まるでレース用の自転車を勝ったからレースに出られるとはしゃぐ小学生みたいだ。現実は違う。新しい道具も、最新の家電も、使いこなせなきゃただのガラクタ……資源と金の無駄だ。個性ってのはまるっきり人を誇大妄想に取り付かせる病原菌だ」
「約束を忘れたんじゃないよな? 無個性舐めるな、ポンコツ」
馬鹿な、そんな、まるで言ってることが違う。あの日彼は言っていた。
「オールマイトォ! あなたの弱点はぁ!!」
っいかん! 黙らせねば! 対
side:ミッドナイト
オールマイトが吹き飛んで行く。衝撃波を生み出しながら、それこそ眼にも留まらない速度で飛び出したオールマイトが、14歳の少年に止められ、血を吹き、追撃の拳で吹き飛ばされて行く。
「あなたの弱点は、個性が強力すぎる点だ。貴方は最高速度を出した時、文字通り眼にも止まらない速度を出せる。それはつまり、貴方自身も何も見えてないってことだ」
放物線を描くオールマイトが、控え室につながるゲート直前で地面に叩き付けられ、そのままゴロゴロと闇へ消えて行った。
「走るルートはあらかじめ設定しなきゃ走り出せない上に、その速度で殴られれば大概の人間は当然死ぬ。そうならないために、必死で反射を身につけたんだろう。拳が当たった瞬間に拳を引くことを。どっかのベクトル操作能力持ちの反射能力を無効にするのとおなじ要領だ。ま、単なる手加減なわけだけど」
思わず全力で個性を使う。あのゲートの先に誰かがいたら? オールマイトが……まさかとは思うけどオールマイトが気絶してあの事実が誰かに知られたら?
「つまり走り出した後何かに触れれば、その瞬間一瞬動きが鈍る。これは同時に身を守るためでもあるよね。だって眼にも留まらない速度で自分が動いてるってことは、周りの物も同じように動いてるわけだし、その速度で動く物が急所に当たれば貴方もただじゃ済まない」
緑谷君の解説に心が乱される。修善寺先生! 修善寺先生に応援を頼んで……
「だから貴方が動き出す瞬間にジャージを捨てて、動きが鈍った貴方にカウンターを入れた。多少遅くなっても、貴方が出してる速度自体は相当な物だからね。普通なら僕だって吹き飛ぶ。だから先に地面を攻撃さs」
!? あわてて振り向くのと緑谷君が崩れ落ちるのは同時だった。左二の腕の肉が破れて骨が……右膝も!? 足が地面に刺さって……なんてむちゃくちゃなことを!!
『マイク! 黙ってないでコールを!』
『お、あ、しょ、勝者、緑谷出久! おい、マジやベーって! 婆さん呼べ! 超特急だ!! セメントス! そいつの足引っこ抜いて固めろ! そっとな! あとオールマイト! ああ手が足りねぇ!!』
ひとまず緑谷君に駆け寄る。支えてあげるなり何なりしないと、右足が……
……緑谷君の口が微かに動いてる。
「なにっ? どうしたのっ?」
「だから……足を埋め……吹き飛ばされないように、身体を……固定……後は270キロくらいなら、火事場の馬鹿力で……」
これは、意識が無いのかしら? 相当の激痛でしょうに、眠り香が効いた?
理由はわからないけれど、都合がいいから余計なことを言う前に舞台からおろしましょう。
最初彼の話を聞いたときは、何かが変わればと思った。
『僕達は……無個性だけど、出来る……オールマイトを……倒せる……だから……』
しまった、マイクが彼の声を拾ってる!
『どこかにいる、僕とごほっ、僕とおなじ、虐げられてるぶっ、うっ、個性の、皆。聞こえる? 僕がいる。僕が来た。次は……次は君だ』
『どっかのベクトル操作能力持ちの反射能力を無効にする』
対セロリさんの木原神拳ですね。あそこまで精密な動作をしなくてもいいので、ひたすら当たった瞬間ちょっと手を引く練習をするだけで習得できる……はず。まあ習得っていうかパブロフの犬なんですが。精神コマンドの手加減が使えたら話は速いのですが。あれなら熱血だろうと魂だろうと10のこりますし。
原作オールマイト(八木俊典)
個性:OFA(ワンフォーオール) 『力』をストックする個性(エネルギーの最大値を更新し続ける個性) 条件を満たした相手に個性を譲渡する個性
個性体質:個性制御感覚(OFA譲受後発現) 熱量制御体躯(OFA譲受後発現)
自分の個性を把握する方法が普通に考えたら無いので、恐らく一人目の継承者はパートナー(妻・恋人)か実子だったのでしょうね。この場合の『力』をストックすると言う言葉の意味がわからないのですが、某灼眼にでてくる零時迷子に仕込まれた術式のようなものを想像しています。単純な筋力とかではなく、運動エネルギー的な物の最大値を記録し、そこで固定する個性と言うことですね。ストックと言うと消費されるような気もするのですが、そう言う気配もないですし。
純粋な増強系ではないので、出力以外は上がりません。ボクサーだって最速の自分のパンチが見える訳ではないので、最高速度を出した彼は移動中殆ど何も見えなくなります。
体質の方は壊理ちゃんのように個性を制御できない子供もいれば、仮免補習編で出てきた異様に使いこなしているお子様達もいるので、多分個性の感覚を掴める第六感的な物は生まれつきある奴もいるんだろうなと。最初から壊れず使いこなせる体躯があったとしても、手加減まで完璧にできるのはおかしいですし。
熱量制御体躯はあれです。マッスルフォームのことです。緑谷君はマッスルフォームになったりしませんし、個性譲渡前はあんなにムキムキじゃありませんでしたし。