ハイスクールD×D 水色の殺人鬼紛い   作:まるきゅー

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個人的に、一番納得いかない仕上がりになりました。


第十話 火蜥蜴(人影)

さて、と。

とりあえず、気絶やら血飛沫やら何やらで動けないこいつらどうしよう。

出殲とかがいれば楽なんだけどなぁ。魔法使えるし、あいつ。

というか、出騒が遅い。何分掛かってんだ。そろそろキレるぞ、俺も。

仕方ない、携帯で…………。

……………。

……………………。

………………………………。

そういや………連絡先知ってるの………妹だけだったわ……………。

泣いてない。俺は泣いてない。泣いてないったら泣いてない。

携帯使わなくても玖賀同士だから何となく位置は分かる。だから連絡先なんてのに意味は無い。そもそも惨殺屋は携帯を利用しない(大嘘)。

しょうがない、隠れ家で待つか。

とりあえずこいつらは放っておこう。別に命にかかわる傷じゃあない。

そう思い、踵を返した時に。

パチパチパチパチ、と。

拍手が鳴った。

二人分の。

 

「ーーーちょいと、後輩いびりが過ぎねぇか?出流」

 

声だけでその人物が軽い性格だと分かるほどに薄っぺらい声質。持ち主は左、屋上フェンスに寄り掛かって踏ん反り返って俺へ拍手を送っていた。

その傍に二人。幼い少年と、妖艶な女性が佇んでいる。

軽薄な男は、この荒んだ屋上にはとても馴染まない、異常ともいえる格好をしていた。

まるで拘束具だ。白い上下に重ねて黒い千切れ千切れな黒い上下。その上からさらに黒白のベルトを雁字搦めに巻きつけて、傍目から分かるほどにキツく縛っている。

少年はみすぼらしい半袖に、ボロボロの半ズボン。両手首には千切れた縄があり、まるで奴隷のような印象を受ける。しかし、それ以上にそのくすんで薄暗くて濃淡の無い真っ黒い瞳が特徴的な小年。

妖艶な女性は、何も言う事は無い。言う必要が無い。たかが普通の人間だからな。

 

「別に、虐めや八つ当たりとかじゃねぇよ、出艸。久しぶりだな、二人とも。出艸は普通に活動してたからいいけど、出杜、まさか生きてるとは思わなかったぜ」

 

玖賀出艸(くがいくさ)。拘束具。

玖賀出杜(くがいずると)。みすぼらしい少年。

二人とも、俺と同じ初期メンバーだ。

ある戦争で、出艸以外のメンバーは消息不明になったが、出杜はどうやら生存していたようだ。

 

「別に………生き延びたくて生き延びたわけじゃないよ、水の人。そういう水の人こそ、わざわざ力を抑えてまで平和を享受するなんて、らしくもないね。僕からしたら単なる自己満足だよ」

 

「水の事は言うんじゃねぇよ。俺は平和を享受するなんて大それた事をしているつもりは無い。せいぜい現状維持だよ」

 

平坦が過ぎる程に平坦な出杜の声。

こいつは昔から言動行動に感情が見られなかった。本人曰く、内心騒いでるらしい。

そこで、出艸がフェンスに寄り掛かったまま、話を始める。

 

「ところでよ、出流」

 

「何だ?金なら無理だぞ」

 

「ちげぇーよ。金にゃ困ってねえ」

 

「女か?悪いが知り合いはどいつも裏側の人間だ」

 

「お前は俺にどんな評価を下してんだよ。他の初期メンバーの行方、知らないか?」

 

何だ。

出艸も初期メンバーの行方を探していたのか。俺も暇な時に調べてた。

それなら、言ってくれればいいのに。基本的に暇人集団だからな、玖賀は。

 

「行方とも言えんが、何人かの玖賀が、あちこちで、共感覚が疼いたらしい」

 

「共感覚って事は、近くにいる玖賀の位置が分かるアレか。かなり使えそうだな、教えてくれ」

 

「ちょっと待て、確かメモがあったはずだ」

 

ポケットをゴソゴソと弄ると、隠しポケットに、クシャクシャのメモが入っていた。

摘まんで、そのまま出艸に投げつける。風が吹き荒んでいるが、全く関係無く進み、出艸の手に収まる。

 

「どれどれ…………京都、四国の何処か、魔界の上級悪魔アゾット領地、天界付近ーーーーーーちょうどバラバラで、しかも四人か」

 

「ちなみに、天界のは違ったらしいぜ」

 

「添削とかしろよ」

 

そう言って、天界付近のメモに二重線を引いて消す出艸。こういう所、変わっていないな。

にしても、意外だったな。まさか出艸自ら動くとは。

俺の知る出艸って男は、常日頃から強者との「戦い」を望んでいるような、玖賀としては少しどうかと思う思想の持ち主だった。

それが、仲間探しをし始めるなんてな…………。

 

「ねぇねぇ、武将さんに水の人。さっきから何が何だかよくわからない話をしないでくれよ。おいおい、僕は除け者かい?」

 

と、そこで出杜が混ざってくる。

話に混ざれず、少しばかり不満のようだ。よーく、本当によーく見れば、むすっとしているのが分かる。

 

「初期メンバーの話ぐらい、お前だって混ざれるだろう。まさか、メンバーわすれた、なんて言うなよ」

 

「馬鹿にしないでよ水の人。楓さんに、蛇の人、売春婦さんに空の人を、忘れるわけがないじゃないか」

 

字面みたらかなり酷い名称だな。

と、そこで、出艸が唐突に、傍にいた妖艶な女性の足を払う。

 

「ぎゅうゔゔゔ!!」

 

奇怪な声が発せられた。

恐らく、猿轡やら何やら咥えさせられているのだろう。

出艸は、転んだ女性の頭に足を乗せ、ゆっくりと体重をかけていく。

 

ーーーーーーぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ。ぐぐぐぐぐぐぐ。ぐぐぐ、ミシィ、ぐぐぐぐ。

 

ゆっくりと、ゆっくりと。

まるで、女性の反応を楽しみにしているように。

俺からは女性の顔は見えないが、体を暴れさせている所から察するに、激痛が生じているのだろう。っと、頭蓋少し割れたな、今。

 

「んぁゔゔ!むゔゔゔゔゔゔ!」

 

叫び声を上げる女性だったが、一際大きな軋み音が鳴り響く。

女性は事切れた。

とりあえず、聞いてみた。

 

「今のなに」

 

「半年近く、誰も殺してないからな。殺人衝動が溜まっていて、いつ爆発してもいいように捕まえておいた」

 

相変わらず、主義は曲げないのか。

出艸は、極力殺人衝動で人を殺すのを避ける、玖賀で唯一人の人間だ。

玖賀は基本殺人衝動が出た瞬間に人を殺すが、個人差はあれどある程度は我慢出来るから、出艸は今まで殺人衝動を堪えていたのだろう。

まあ、よくいる女性の事などどうでもいい。

聞いておく事がある。

 

「二人は、この後すぐに捜索に行くのか?」

 

そういうと、二人は顔を見合わせ。

 

「俺はすぐに行く」

 

出艸は行くと答え、

 

「僕は暫くここに留まるよ」

 

出杜は留まると答えた。

出艸は行くのか。まあ、思い立ったらすぐ動くからな。

それよりも、出杜が留まるのが吃驚だ。出杜は、初期の頃から単独行動を好んだからな。

一体、消息不明中、何があったのやら。

 

「さて、欲しい情報も手に入ったし、俺はもう行くぜ、出流」

 

出艸は、そう言った。

次の時には、いなくなっていた。

…………忍者かよ。

 

「ーーー戻るか」

 

「飯あるの?」

 

ちゃんとあるよ。

そう答えて、屋上から路地裏へ飛び降りる俺達。

どうせ、まだ出騒は招集で来て無いだろうから、飯を先に作っておこう。

やれやれ、二十人近い人数分の料理とは、面倒だ。

 

「ていうか水の人。料理出来るの?」

 

「出来なかったらにこんな事言わねえよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。

とある、竹林。

竹が自由気ままに成長し、辺り一帯を隙間無く埋めつくしている場所。

そこに、二人の人間がいた。

一人は巨大なバールを持ち、一人は何も持っていない。

二人は、同時に走り出し交差した。

バールを持った人間が崩れ落ち、素手の人間は平然としている。

よくよく見れば、周りに他六人程の人間が倒れている。

素手の人間は呟く。

 

「あーーーーーーーあ。つまんないな、玖賀ってのは存外弱っちい集団だな。この出騒とかいう奴、全然話になんない。弱くて弱くて弱すぎる程に弱いから、逆に負けちゃいそうだったよ」

 

そう呟き、一人佇んでいた人間だったが、また新たに現れた一人の人間を見ると、その口を歪ませる。

 

「また来たな。こいつら、新しくこの街に入った玖賀が殆どだけどさ、玖賀ってのはありがたいね。敵対すれば、そっちから死にに来てくれるんだから」

 

現れた人間は答えない。

その拘束具地味た服装を惜しみなく晒し、その軽薄な雰囲気を崩さずに。

 

玖賀出艸は、素手の人間と対峙する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

????、惨殺開始。

玖賀出萩、死亡。

玖賀出鶴、死亡。

玖賀出野、死亡。

玖賀出傘、死亡。

玖賀出起、死亡。

玖賀出槇、死亡。

玖賀出騒、死亡。




ヒロインアンケート、まだまだ実施中です。
詳しくは活動報告を。

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