ハイスクールD×D 水色の殺人鬼紛い   作:まるきゅー

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出流チートの回。
そしてアーシアとレイナーレとの初邂逅。



第十七話 流星(流世)

流止逆流の水色(ドリフト・ストップ・アンド・バックワード)』。

簡単に言えば、流れを操る能力だ。俺の名前である出流の元となっている。

時間の流れを操れるし、空気の流れを操れる。水の流れを操れるし、超常の力の流れも操れる。

流れの速度を速め、加速させる。

流れを止め、停止させる。

流れを逆流させ、戻らせる。

流れを変え、軌跡を変える。

多様性応用性に富み、万能とも言える能力だ。

今は、俺以外の時の流れを止めた。

 

「今は、俺のみが流れている。誰も流れはしない」

 

シスターを連れ去ろうとする堕天使。

こいつも、時がとまり、躍動する翼もピタッと止まっている。

続いて俺は、ポケットの中の手を微動させる。

「絃角」という、目に見えない極細の糸だ。斬れ味は最悪。鈍らよりも酷い。

だが、俺が使えば、何よりも鋭く刃を煌めかせる業物になる。

さらに、この絃角を扱う者は俺しかいないが、絃角を扱う上で一人前とされる技術がある。それはーーーーーー

 

「糸を絡める対象が、例え相手のみだったとしても、何事も無く戦えるもの」

 

糸という武器は、様々な物体に絡めて使うモノだ。

絡める対象が、敵対者のみだと、個人差はあるが不利になる場合が殆どだ。糸を万全に扱えないがゆえに。

だが、俺は例え地も壁も天井も無い、空中だろうとも、絃角の腕前を鈍らずに発揮できる。

 

「一対………下位堕天使か」

 

楽勝だな。

そう言って、指一つ動かさずに、絃角を操る。

堕天使の両翼が、根元から切断された。

切り飛ばした翼は、風の流れを操って細切れにする。

 

「時の『流れ』は元に戻る」

 

呟くと、時間がまた刻まれる。

瞬間、シスターを落とし、地へ墜落する堕天使。

 

「かっ……はぁ、あぁっ!?な、ぜ、私の、翼がァ!!」

 

「アーシア!」

 

「イッセーさん!」

 

兵藤がシスターをキャッチし、落下を防ぐ。

アーシア……?まさか、な…………。

と、そこで眼前に光の槍が投げられた。

光力の流れを掻き乱し、霧散させる。

 

「貴様………貴様が、私の翼を切ったの!?」

 

「その通りだ堕天使。ついでに首を切り落としてやるよ」

 

堕天使は立ちあがり、両手に光の槍を現す。

右手の槍を此方に突きつけながら、悪態をつく。

 

「脆弱で醜悪な人間風情が、よくも私の崇高な翼を傷つけたわね!万死に値するわ!千の苦しみと万の屈辱を与えてから殺してやるッ!!」

 

「三下ってさ、口から出る言葉は賞賛に値するが、内容は牛の糞以下だと思わないか?」

 

「なんのこと!?」

 

「てめぇの事だよ牛糞女」

 

ブチィッ!と堕天使から聞こえた気がした。

地が抉れる程に初速を出し、俺の喉に槍を突き出す堕天使。俺はその動きが全てわかっている。

時を逆流させ、もう一度流す。

つまりは、やり直しだ。

(時間Aの時)俺以外の時を逆流(時間B)させれば、俺のみが(時間A)の内容を知っている事になる。

俺からみれば、過去からのやり直し。

端からみれば、未来予知。

だから、堕天使の台詞も激昂も攻撃も、全て分かっている。

紙一重で槍を躱し、躱した俺にもう一本の槍を突き出す堕天使。

 

「もらった!」

 

必殺を確信したような声を上げる堕天使。それも、知っている。

槍の軌道の先に、糸を張り巡らせ、通過した瞬間に雁字搦めに縛る。

ビタァッと止まる槍に、勢いを殺せずに前のめりになる堕天使。その顔に、肘打ちを当て、続けて裏打ちを叩き込む。

肘打ちで鼻骨が折れ、裏打ちで粉砕された感覚がのこる。

 

「ぎゃああああああぉあッッ!?!」

 

端整な顔立ちは歪み、苦痛の表情は醜悪の一言。

鼻を抑えよろめく堕天使の脛に、足刀をぶち込む。

下段足刀は、真っ正面から脛を折れる強力な技だ。狙い通り、堕天使の右足を前からへし折った。

絶叫する堕天使に構わず、その鳩尾と腹を中心に蹴りを連続して叩き込み、フィニッシュに顔面に飛び蹴りを当てる。

 

「ぎゅ、がァアッ!?………あ、ァア、アッ、………!!」

 

マトモな言葉さえ話せなくなった堕天使。

翼を切られ、足を折られて逃亡手段を奪われ、鼻骨と肋骨の骨折の痛みで呼吸さえままならない。

体中に激痛と幻痛が襲っているはずだ。

 

「苦しいか?堕天使。安心しろ。手足すり潰して皮剥いだら殺して楽にしてやる。簡単だろう?」

 

「ああ!ああああああ、あぁあぁあぁぁぁぁ…………!!」

 

ずりずりと、体を引きずりながら俺から離れようとする堕天使。その背中を踏みつけ、左腕を捻り上げーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめてください!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

止められた。

先程のシスターだ。

彼女は、兵藤の陰に隠れながら、此方を見据えている。

 

「レイナーレ様は、確かに酷い事をしましたし、私の事だって、利用しようとしました!だけど、同時に私の世話をしてくれたんです!生かしておくためとは分かっています!打算だと理解しています!しかし、それでも、安らかな死は、与えられてもいいはずです!もう充分苦しみました!もう充分罪は贖われました!!一修道女たる私が言うにはおこがましいかもしれません!!ただ、レイナーレ様には、もう痛みを与えないでください!!」

 

涙を浮かべ、叫ぶシスター。

あぁ、そうか。思い出した。アーシア・アルジェントか。

『聖女』であったにもかかわらず、『魔女』と烙印を押され追放された者。

通りで、何か引っかかったわけだ。

噂通りの慈悲だな。俺には理解出来ないが。

 

「ーーーーーー苦しみを与えるな、と?」

 

「は、はい!彼女はもう力も」

 

ゴキッッ!

鈍い音が、レイナーレと言うらしい堕天使の首から鳴る。

 

「え…………?」

 

理解が追いついていない表情を浮かべるアルジェント。

だが、お前自身も今さっき言った事をしただけだ。

安らかな死は、与えられてもいいはず、だと。

 

「…………安心しろ。痛みなんて、感じる間も無く死んだ。結構、難しいんだぜ?楽に殺すのは」

 

「糸牧ィィィィィィィィイイイイイイイイイ!!!」

 

兵藤が、走ってきて襟首を掴んでくる。

 

「殺す必要なんて無かったろ!アーシアが許したんだ!!なんで殺したんだよ!!」

 

「なあ兵藤。この堕天使、今までアルジェントしか危害を与えなかったのか?」

 

兵藤は、ハッとした顔になる。

俺は構わず、さらに続ける。

 

「こいつは今まで人間やらなにやらを、そこそこは殺してきたはずだ。その殺された奴は、この堕天使を許すか?…………許すわけがないよな。アルジェントが例外なだけだよ。普通、過程はどうあれ、こいつは死んでも文句は言えない立場を歩いていたんだ。だから、殺したのは怨まれる行為なのかもしれないが、咎められる行為ではない」

 

「く、で、でも!」

 

「それに、話に聞けば、お前はこいつに殺されたんだってな?まさか、殺意もなにも無かったわけじゃあないだろ」

 

兵藤は、苦虫を噛み潰したような顔になり、拳を震わせている。

 

「それに、俺が殺すべきだと思ったから殺したんだ。それに後悔は無い」

 

悪りぃが、急用があるからな。

そう言って、レイナーレの羽根を一つ、兵藤に渡す。

 

「これは………?」

 

「リアス・グレモリーに渡せ。利用するだろうからな」

 

俺はそう言い残し、兵藤の脇を過ぎ、アルジェントをすぎる。

アルジェントは何か言いたげだったが、ショックから抜け出せないようで、交直したままだった。

構う事無く、隠れ家へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ」

 

「うん」

 

隠れ家へ戻った俺は、すぐに出杜と共に準備を済ませ、緋人のところまで行く。

出杜が詠唱すると、俺らの足下に転移陣が浮かび上がる。

この先に、九龍がいる。

 

 

 

ーーーーーー約束通り、必ず助ける。が、お決まりの台詞は言わせてもらうかな。

 

 

 

「さぁて、…………殺して、崩して、斬り裂いて。廻して、遊んで、捨ててやるーーーーーーーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

惨殺の時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堕天使レイナーレ、惨殺完了。

人間九龍永迴、嘘惨殺継続。




アーシアちゃんマジ天使。
ヒロイン、募集中です!詳しくは活動報告を。
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