ハイスクールD×D 水色の殺人鬼紛い   作:まるきゅー

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あまり進んだ気がしない。
が、中々に気持ち良く書けた回です。
書き方、自分に合わせました。評判悪かったら変えます。


第二十話 採集勅全(最終直前)

太平洋のど真ん中。そこで、大爆発が起きた。

規模で表すなら、東京都が丸々飲み込まれる程の巨大な爆発だ。

水柱が、天まで立ち昇り、深海まで見えるのでは、と思わせる程に海を抉り、遥か彼方まで轟音を響かせ轟かせた、緋人の必殺技が一つ。『緋々色ノ終幕爆炎』。

至近距離どころか、爆発源である九龍の安否は問うまでもない。

 

「ーーーーーーーーー死ぬかと思ったぜ」

 

生存している。

あれ程の大爆発を、零距離で浴びても。

九龍永迴は、無事であった。万全、では無かったが。

コートはボロボロに破け、殆ど炭同然となっており、その下にある柔肌も、酷い火傷を負っている。

しかし、ダメージはあるが、まだまだイケる。

そう、瞳をギラつかせた、九龍の顔が物語っていた。

 

「いやーーー今のは、マジで効いたぜ。火傷なんて、一生負わないと思ってたが、ジワジワくる痛みってのは新鮮で、ありがたいぜ?俺みたいな奴は、つまんない生き方しか出来ないからなぁ」

 

そう言って、首を鳴らす九龍。

肩を回し、体を解す。

 

「さぁてさぁて、少し、真面目に相手を務めてやんよ。安心しろ、緋人ォ。|てめぇ程度、徹頭徹尾手加減足加減して勝ってやるよ《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》」

 

グキグキと骨を鳴らしながら、ゆったりと緋人へと近づく九龍。さっきまでとは、段違いの殺意を孕ませながら。

辺り一面が絶望で彩られる。まるで、死神の脚鎌を受け切られた出艸の時と同じように。

周囲の風景さえもが、緑色の絶望に染まる中。

しかし、必殺の一撃を封じられながらも、緋人は動揺しない。

 

「九龍ーーーーーーお前は何故か、勝ったような気になって、高圧的な態度を取り始めたがな?僕の勝ちは決定しているんだよ」

 

『緋々色ノ人形』が、右拳を上げ、『照準』する。

先程と同じように、爆発させるために。

しかし、九龍は、今日一番の不機嫌顔を晒した。

 

「あぁ?てめぇの勝ちが決定しているだぁ?寝言は寝かしつけられてからほざけよ緋人ォ。それとーーーーーーこの俺を相手によぉ。全く捻りの無い、つまんねぇ同じ攻撃を晒そうとしてんじゃあねぇよッ!クソッタレがぁああああ!!!」

 

空気を震撼させ、かつて無い速度で駆ける九龍。光と見違える程の速度で、緋人へと飛び込んだ。

緋人は、しかし、予め決められていた現象を見るような、冷めた表情で、一言。

 

「爆ぜを担え」

 

爆炎が再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら尊べや」

「黒に包まれ盗もうか」

「右は左に、左は右に。上は中を穿ちて下を回る」

「仮面を付けて画面を渡ろう」

「さあ遊べや」

「回りくどい怪盗劇を」

「しょうもない回答劇を」

「使い古された錯覚劇を」

「夜に闊歩し夜に現れ夜に過ごして夜に消える」

 

 

 

 

「では攫えや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、唐突に来た。

銀髪の女性と、着ぐるみの男が顔を付き合わせずに待機している部屋に、電子音が鳴り響いた。

 

「ーーー行くか」

 

「言われずとも」

 

二人はそれぞれの方法で、電子音の発生者ーーーーーー緋垣緋人の元へと転移した。

部屋を僅かに照らしていた蝋燭が、不明瞭に、不安定に焼け消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連続して、爆発音が轟き破裂する。

絶え間無く、途切れず、間隙も無く。

爆炎の主は、言わずもがな、緋人である。

九龍は、次々と爆発する自分の体に振り回され、彼方此方に吹き飛ばされている。無論、ダメージなど負っていないが。吹き飛んでいるだけで。

 

「くっそーーーーーー逃げ回ってんじゃねぇよ!さっきまでの威勢はどうした!?ああ!?」

 

「逃げ回る?誰が?僕は今為すべき事を為すのみだ」

 

「あの味嫌いだ!」

 

「お前のそれは野菜だ」

 

九龍は茄子が嫌いらしい。

どうでもいい情報である。

 

「ってか、マトモな攻撃しやがれ!」

 

「マトモな飛行をしてくれ、当てづらい」

 

「知った事か!」

 

「僕の台詞だ」

 

「もっと、ガツンとくるヤツ当てろよ!俺に!」

 

「マゾかお前は」

 

御要望にお応えして、威力をあげる緋人。

かなり威力が上がった。

 

「いってぇ!?てめ、ふっざけんじゃねぇぞ!!」

 

「どうしろというんだ…………」

 

理不尽にキレる九龍に、付き合ってられない、とでも言いたげな緋人。

彼の傍で、黙々と右拳の親指を下ろしては爆発させ、下ろしては爆発させを繰り返す『緋々色ノ人形』も、何故か呆れ顔に見えてくる。

しかし、九龍もやられっぱなしではない。

爆発の威力、方向、規模、クセなどを見極め始め、徐々に緋人に近づいてくる。

緋人も負けじとさらに爆発を増やし、間隔を無くしてくるが、それでも九龍は止まらずに向かってくる。

 

「ちっ…………」

 

「カラカラカラカラ。どうしたぁ?俺はもう見切ったぜ!?他になんかないのかぁ!?」

 

遂には爆発さえ利用し、一気に距離を詰めてくる。

爆発。爆発。爆発。爆発。

四撃を利用し、今五撃目により、腕を目一杯に伸ばせば届く間合いに入った九龍。この距離ならば、爆発は出来ない。そう考えての急接近だった。

 

「ほぉらーーーーーーーーー逝け」

 

‘‘一龍(シングルヘッド),,

 

ボッ!!と音を置き去りにし、神速の左ストレートを放った九龍。

緋人は瞬時に『緋々色ノ人形』を盾にし、その緋色の腕をクロスさせ防がせる。

金属が引き裂かれたような金切り音が響き渡る。

『緋々色ノ人形』は両腕を吹き飛ばされ、なお九龍の左ストレートは止まらず、その胴体に突き刺さる。

 

「カラカラカラカラカラカラカラカラーーーーーーーーーーーーこのまま殺ってやっから、腹ァ括って待ってろ!!」

 

ぐぐっ。

と、さらに力を入れ、胴体を貫通させ、『緋々色ノ人形』の後ろにて自分を見据える緋人に、負けじと睨み返す九龍。

めぎめぎめぎ、さらに胴体に腕が突き刺さり、とうとう肘まで埋め込まれた『緋々色ノ人形』。しかし、ギチギチと蠢き呻きの獣声を漏らすその姿は、動きたくても動けない油切れの人形のようだ。

 

「こ、れ、でーーーーーー終わりだぁ!!」

 

一際強く腕を押し込める九龍。『緋々色ノ人形』が苦悶の声を上げ、その胴体の彼方此方には罅がはいり、今にも崩れそうに不快音を鳴らす。

九龍は勝利を目前にし、ニヤニヤとした笑みをその端整な顔に貼り付け、カラカラ、と彼女独特の笑い声を漏らす。

緋人も、汗を滲ませ『緋々色ノ人形』から飛び出てくる九龍の腕を掴み、僅かでも侵入を防ごうとしている。

遂に、緋人の敗北が決定しようとしていた。

しかし、彼は、焦燥の表情でありながらも、口元を笑みの形に歪ませた。

スゥッと、三日月の如く裂け、瞬間目が見開かれる。

 

 

 

 

 

 

 

かかったな(・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌に明瞭にその言葉は響き、九龍の耳に残った。

刹那、『緋々色ノ人形』が内側から緋色の光を放ち、弾けた(・・・)

大規模な大爆発を起こした『緋々色ノ終幕爆炎』の、さらに上を往く強力無比な爆炎が舞い上がり、九龍の視界と体の全てを飲み込み、焼き尽くさんと焔をうねらせた。

 

「さっきのがフィナーレ、だと思ったか?こいつが本命だよ(・・・・・・・・)ーーーーーーーーー『粒爆人形の緋色(スカーレット・グレーン)』」

 

『緋々色ノ人形』が、爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーおー、すげーわすげーわ!緋垣ってあんなに強かったんだなー!」

 

「武将さん、確か仲間だったんだよね………?」

 

「出艸は新人だったから、あんまり詳しい能力や力は知らないんだよ。雑用ばっかでなぁ。よく綾○パシらせたなぁ………」

 

「ねーよ!赤さんと青さんからパシリはあったけどお前からはねーよ!!」

 

「武将さん……………」

 

「え、ちょ、待って待って!出杜その目やめて!可哀想な後輩見る目やめて!嘘だから!この馬鹿の誤報だから!」

 

「つーか、とても深海から泳いできた人間とは思えないよなぁ。流石に深海泳ぎは俺や緋人でもキツイぜ?」

 

「うっセーな。そういう細胞(・・)なんだよ」

 

「水の人、武将さん。そろそろ夜迦の人が来るんじゃないかな?」

 

「お、確かにそろそろだな。グレイフィアに衣笠も来るからな。ほんの僅かな時間でキメるぞ?」

 

「不本意ながらりょーかい」

 

「水の人がリーダーだしね。従わざるを得ないかぁ」

 

「薄情者ども………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『緋々色ノ人形』自体の大爆発は、さしもの九龍にも、著しい大ダメージを与えた。

満身創痍とはいかないが、疲労困憊ではある程に。

しかし、やはりと言うべきか。九龍はまだ倒れない。相当にタフな女性である。

 

「ふむ。あれ程の一撃で、ようやくダメージらしいダメージを受けるか。大戦争から、さらに身体能力が上昇したか?」

 

「…………するわけねぇだろうが。こちとら既に最高点なんだよ…………いってぇ…………」

 

苦悶の声を漏らしながら、しかし双眼から闘争の色を消さず、さらに滾らせる九龍。

だが、そんな苦心惨憺な彼女に、更なる攻撃が畳み掛けられる。

それ(・・)を感じたのは、世界で九龍ただ一人であった。

時間の流れが、止まった(・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ーーーーーーーーー殺して、崩して、斬り裂いて。廻して、遊んで、捨ててやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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