ハイスクールD×D 水色の殺人鬼紛い   作:まるきゅー

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第四話 喫茶記(切っ先)

「ーーーーーーそうだな、今は『玖賀出流』が俺の名前だ。で?何の用、なんてすっとぼけた台詞は嫌いだから分かるぜ。さっきの惨殺の事だろ?」

 

「ええ、その通りよーーーーーー単刀直入に言うわ。貴方は「何」?」

 

そう言って、紅髪に豊満な女体を持つ絶世の美女とも言える、一見天使にも見える女性ーーーーーーリアス・グレモリーは、コツコツと靴音を鳴らしながら近づいてくる。

土足かよ…………まあ、敵かもしれない相手だしなぁ。

俺は警戒を少々緩めながら、靴を脱ぎ、普通に帰宅する。

そしてそのままリアスの隣まで歩き、

 

「ーーー上がれよ。茶ぐらいは出す」

 

「あら、ありがとう」

 

家に、正式に招いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

*???*

 

…………………………。

どうしたものか。まさか彼の家がバレてしまうとは……………。

設計に携わった一人としては、原因究明して然るべきーーーだがやらない。

彼もそれ程焦っていないようだし、私の出る幕では無いだろう。

もう暫く、見定めるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*リアス*

 

私は新しく下僕になった兵藤一誠、イッセーと呼びましょうか。イッセーの命が危機に晒されているのを感知し、堕天使に襲われたイッセーの下へと駆けつけたの。

だけれど、何故かイッセーは無事で街中を走り回っていて、悪魔の体だろうと流石に疲れたみたいで、疲労困憊の体といった感じだったわ。

とりあえずイッセーを家の自室まで送り、これまた何故か消えていた堕天使の気配があった最後の場所を調査しにいったら…………。

 

 

 

『んーと、針金は拾ってきたモンだからあまり強度は無いが、そこそこ使えたな。唐辛子あればなぁ………しょうがないから電柱折るか?………いや、たかが堕天使に殺り過ぎ、いや惨殺は惨殺だし……………あぁもういいや、電柱は削って利用しよう。ついでに筆箱の中身全部使うかな』

 

 

 

 

 

惨殺屋がいた。

 

 

こういう荒事には多少なりとも慣れたつもりだったけれど、強烈な吐き気を覚えたわ。

身震いして、怖気が立ち、寒気がした。

気配を消せるように仲間の悪魔と一緒に自身に魔力を施していたのだけれど、もし無かったら、私ももしかしたら、あの堕天使のような死体になっていたのかもしれない。

正直彼の事はあまり知らなかったけれど、私は彼の行いを見て、その『特質』に気づいたの。

兄から耳にタコが出来る程に言われたある事。

 

 

 

 

『ーーーーーーリアス。君は上級悪魔として、決して劣った実力は持っていない。才能もあるし、努力家でもある。故に強いし、まだ伸びしろがある。兄として、私も鼻高々だ。しかし、ーーーしかしだ。幾ら君が強くなろうと、精神的に強靭になろうと、敵対してはいけない組織、いや規模的には集団が存在する事を、決して忘れてはいけないよ。彼らには力は通じない。揺さぶりも通じない。脅しは通じない。搦め手は通じない。暗殺は通じない。魔力も魔法も魔術も通じない。殺せはするが、全滅は無い。いつまでも存在し、いつまでもその存在意義を真っ当に全うするんだ。だからね、リアスーーーーーー妹の身を案じ、忠告に忠告を重ねるほどに伝えるよ。彼ら、『玖賀』ーーー惨殺屋とは、敵対してはいけない。そして、ダントツで関わってはいけない人物は、その惨殺屋のリーダーでもあり、最強の惨殺屋として名を馳せるーーーーーーーーー玖賀出流だ』

 

 

 

 

 

魔王のお兄様が、あそこまで警戒する者ーーー玖賀出流。

偽名として、糸牧詩弦、という名を用いているけど、間違いない。

人間でありながら、堕天使をあれ程までに、原型が無くなる程に惨殺出来るのは、私の知識では、彼以外にはいなかった。

お兄様は、関わってはいけない、と言っていたけれどーーーーーー。

私は、私の領地で、勝手な真似をした惨殺屋なんて危険人物を、放ってはおけないわ。

幸いにして、彼の追跡は然程難しくは無かった。彼は追跡では無く不意打ちに注意をしているようで、気配を消した私には気がついていなかったわ。

トイレには流石に入らず、遠間から転移魔法陣と思しき術式を発見し、彼より先に転移したの。そこから、彼の気配が濃いこの部屋で、待ち伏せていたわけ。

正直、かなり面倒くさかった道中だったけれど、ここからが本番よ。

 

「悪りぃな、ボロボロで。………あー、何か座りやすそうな場所に座っててくれ。茶を用意する」

 

「えぇ、ありがたく頂くわ」

 

出来るだけ内心を悟られないよう細心の注意を払いながら会話する。

お兄様をして関わってはいけないと言う人物ーーー恐らくは、私よりも強い。

下手に刺激するわけにはいかない。

………それにしても、彼の言葉は謙遜では無かったようね。

ソファにテーブル、テレビにキッチン、あと二つのドアがあるけれど、どれもこれも古ぼけていてボロボロね。壁も崩れてる箇所がチラホラ……………。

いつ壊れてもおかしく無いはずなのに、何故か安心するような、暖色系でコーディネートされた部屋。

 

「中々良い家ね。嫌いじゃないわ、こういうインテリアも」

 

「世辞なら要らないぜ。あと、お嬢様にそんな事言われても、見下されてるようにしか感じない。あんた、自分が住む場所、例え普通の一軒家だとしても豪邸に変えるぐらいお嬢様気質だろ」

 

「失敬ね。いくらなんでも一軒家を豪邸に変えたりしないし、例え可愛い可愛い下僕悪魔の家だとしても、誰かの家に住んだりしないわ」

 

「詳しく反論すると将来の自分の首を締める事になりかねないぞ。それに、あんたみたいに下僕悪魔に愛情を注ぐヤツに限って、ガチの恋愛をしちゃうんだぜ?」

 

「まさか。私は確かに下僕を大切にしているし、愛情を注いでいるけれど、恋愛感情を抱く事は無いわ。我ら悪魔の長、魔王様に誓って、私は下僕悪魔と恋愛関係にならないわ」

 

「なぁーんか、しょうもない結末が見えた気がするなぁ。………さて、紅茶なんて普段淹れないんだが、作ってみた。味は期待するなよ」

 

そう言って、彼はキッチンから紅茶を二つ持ってくる。

私は暫く逡巡したけれど、比較的綺麗なソファに座り紅茶を頂いた。バレないように魔力で毒味をしながら。

味はそこそこね。普段淹れないとしたら、中々の腕前よ。

 

「美味しかったわ」

 

「どうも。で、さっきの質問に答えようか?」

 

「…………!」

 

私は居住まいを正し、いつでも戦闘に入れるように集中しながら、彼にーーー玖賀出流に質問する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「玖賀出流君ーーーーーー貴方は、私たち悪魔にとって、『何』?」

 

 

 

 




ヒロイン募集中です。
詳しくは活動報告を。前話でも述べましたが、感想欄にアンケートの答えは書かないで頂きたいです。
では、熱中症に気をつけてお過ごしください。
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