玖賀。
くが。
クガ。
俺が属する集団だ。規模は三十人から三十五人が平均の人数だ。
集団としての仕事は無い。基本的に個人個人で金とかを調達して個人個人で生活する。
これといって規則は無い。強いて上げるならば、仲間を見捨てない。仲間の危機には必ず向かう。まあ、これは規則以前の当然の事として皆考えてるがな。
けど、鉄則ならある。
玖賀に敵対した者は、ーーーーーー誰であろうと皆殺しにして惨めに殺す。
これは玖賀の初期から続いている鉄則だ。故に、玖賀は誰もが警戒し恐れ忌避して蔑む。
それに、『俺達』は合図を出せる。合図を出せば仲間全てに伝わり、何処にいようとも全ての玖賀がその場に集まる。
一人一人が高い戦闘力を持っているのに、それが集団で群れて連んで連携して殺しにかかるんだ。生き残れるモンじゃあ無い。今までで生き残ったのは、リアス・グレモリー。お前の兄であるサーゼクス・グレモリーと、その親友であるアジュカ・アスタロトだけだ。二人は滅多に『本気』を出さないんだが、ガチで戦ってもらって、深い傷をつけてやったよ。今度見せてもらえよ。サーゼクスには胸に心臓まで届いてる十字傷があるはずだ。
ん?集団で戦うと言っても、数が少ないんじゃ意味が無い?
まあ、確かに。『俺達』は悪魔や天使みたいな人外の世界じゃなくて、人間の世界の『裏側』を根城にしてるから、悪魔からしたらそう感じるのかもな。
裏側のプレイヤーってのはな、まず弱者は一瞬でくたばる。
そこにいる木場祐斗や塔城小猫はまず死ぬな。この二人程度のレベルじゃあ三下にも負けるかもな。
人間の『裏側』の世界ってのは、単純に力が無くちゃ入って二秒であの世行き、なんてのがまかり通る世界だ。その世界で常に生きて、生き延びているだけで、そいつは強者なんだよ。
『俺達』玖賀は、そういう意味では全員が強者だ。誰も彼もが死線をくぐり抜けて、絶体絶命絶死必死の状況から生き延びた連中だ。そいつら三十五人が、一斉に惨殺せんと向かってくるんだぜ?
どっかの無限でも無い限り、愉快で虫唾が走る死体になるだろうな。
集団としての戦闘力が高いのはわかったな?
けど、玖賀ってのは元々独りなんだよ。
孤独な惨殺狂が、生き延びるために群れたんだ。
玖賀の性質は、『突発性殺人衝動』。
ある日突然、人型の物体を殺したくてしょうがない状態になるんだ。
一度人型の物体を殺したら、もう二度と戻れなくなる。
永遠に、永久に、永続的に、殺人衝動が続くんだ。死ぬまでずっと。
そんな迷惑な奴、誰だって見逃さないだろう?いずれは誰かに殺されて惨めに死ぬんだ。
惨めに殺して、惨めに生きて、惨めに死ぬ。
俺は、それが嫌だったんだ。
惨めに殺して、楽しく生きて、嗤って死ぬ。
そんな狂者になりたかった。
だから、玖賀を作った。
惨殺狂が集まって、例え誰かに殺されそうになっても、仲間が助けて生き延びる。
まあ、快楽殺人者とか言われても仕方ないな。
殺すだけ殺して、嗤って死にたいなんざ、甘ったれだがな。
仕方ないんだよ、惨殺が『俺達』の唯一の生き様だ。
意味無く惨殺するし、理由無く惨殺するし、無意識に惨殺する。
理解しなくていいよ、お前らは。
まあ、玖賀ってのは、纏めれば惨殺狂の集団だ。
敵対しなけりゃ、いやそもそも出逢わなければ、危害も危機もない。
………今この街には結構な数の玖賀がいるが、まずすれ違う程度なら見逃してもらえるだろうから、街では絶対に知り合い以外と話すな。
話しかけたり、かけられたりしたら、まず死ぬ。
っとまあ、そんなトコだ。
説明はもういいだろ?昨夜も言ったが、くれぐれも敵対するなよリアス・グレモリー。
相手が三大勢力だろうが無限だろうが、敵対したら惨殺するからなーーーーーーーーー『俺達』は。
改悪業者、
交渉人、
惨殺屋、
流浪組、
忍軍、
他人攫い、
者売り、
そして、最強最悪と呼ばれるーーーーーー色取り取り、
『裏側』の中でも恐れおののき避けられる組織。
いつの間にか、その一角を担うようになってしまった。
さらには、無飾の連中とまで仲良くなっちまった。
少しばかり、玖賀はでかくなり過ぎたのかもしれない。
玖賀は元々は、たった七人のメンバーから始まったはずなのに。
初期メンバーの内、生存が確認出来てるのは俺含めて二人。あとの五人は消息不明。三人ぐらいは死んだという噂もある。
初めは愉快にやっていけた。オーフィスやシヴァとも殺り合って、皆で嗤って。
でも、今の玖賀は、人数が増えれば増えるだけ、窮屈になる。
新人や後輩が調子に乗り、リーダーである俺や初期メンバーに、玖賀の中でもトップクラスの連中に食ってかかってやがる。
「一度、叩いて潰すか。丁度良く、今日は皆集まっているしな」
まあ、どうせ馬鹿騒ぎをしてるんだろうな、彼奴らは。
苦笑いをしながら、俺は旧校舎から帰路へ歩いた。
*現在、街にいる玖賀の名簿*
他六名。
*出流*
この街は存外田舎に入ると個人的には思う。
割と施設や住宅も整備されてるが、まだ未開発や再開発の地域も多々あるからだ。
だから、そういった開発されてない土地には、はぐれ悪魔や不良などのならず者、生い茂り自然の力を静かに誇示する森林などがある。
その再開発の一つ。辺りに廃ビルや古ぼけた壊れかけの木造建築が立ち並ぶ地域。
面倒なヤツに出くわした。
リアス・グレモリーへの説明をほぼ一方的に終わらせ、デパートで今夜の玖賀の会合に集まる連中の飯を用意し、あとは帰るだけ、となった辺りの、ちょっと気が抜けた時に出くわした。
ランニングシャツにホットパンツ、活発そうな顔立ちはにこやかな笑顔を輝かせ、ボーイッシュな印象を与えるが、セミロングの銀髪が少しばかりミスマッチな俺とあまり歳は変わらない少女。
夢魔、ピュタン・メールド。通称メル。
玖賀が唯一長時間接しながら惨殺していない者だ。
だが、
何故ならーーー
「………あはっ、久しぶりだね。出流クンーーーーーー少し、ボクと話さないかい?夜、皆が、ぐっすりと眠る時間まで……………」
夢魔であるメルは、夕方から明け方前まで、非常に性欲が高まり、異性を誘惑してしまうのだ。
今も艶めかしく唇を舐めながら、俺にしなだれかかって、腕に小さくない胸を押し付けてくる。
さらに、隙あらば眠りに誘い夢の中で淫夢と快夢を見せ、閉じ込めるのだ。彼女自身は、そんな『夜の自分』を嫌っているそうだが。
とりあえず、ただでさえリアス・グレモリーに時間を取られたのに、これ以上は流石に遅れたくない。先輩としての実力だって見せる予定なのだ。
「話はまた今度な。というか、また出殲にくっついて会合に混ざる気か?出殲だって迷惑してるだろうし、お前は一応悪魔側だろう?あまり玖賀とつるむと冷たい目で見られるだろう」
「あれ?心配してくれるの?やっぱり出流クンは優しいなぁ。ますます気に入ったよ」
ペロッと。
俺の首に舌を這わせ、弄るメル。
チロチロと舐め、猫のようにざらりとした舌を彼方此方に這わせ、まるで垢を取るようにこそぎ取る。
だが、俺は至近距離まで来ているその額にデコピンを喰らわす。あまり、そういった行為は好きじゃないんだよ俺は。
うわっ、と額を抑え離れるメル。ぷくっと頬を膨らませ怒ってるアピールをするが無視して帰路を進む。
「ほら、さっさと来い。茶菓子ぐらい出してやるよ」
「ーーーーーーふふ、やっぱり出流クンは優しいなぁ」
オリキャラ、そろそろ打ち切りますので、もし提案して下さるのならばお早めに!
しかし、ヒロインアンケートはまだまだ募集中です!
※オリキャラ、アンケートの答えは感想欄に書かず、活動報告にて御願いします。