魔法科?うるさいそんな事より都牟刈だ!!   作:益荒男

15 / 22
 お久しぶりです益荒男です!


 …いやもうほんっっっっとにすいません。何年待たせんだこの馬鹿野郎と自分でも突っ込みたいところですが、おそらくこんな野郎の自分語りなど誰も聞きたくないでしょう、短いですがしさっそく本編のほうへお進みください。

 ですが一つだけ

 無断休載中の間もこの作品を読んでいただいき、感想・評価をしてくださった読者の言葉が私の創作意欲への糧となり、自分の作品への自信となっていきました。本当にありがとうございました。


ラブロマンス(笑)は都合も知らずに突然に

 二人が風紀委員の見学に駆り出されていた同時刻の第三演習室。ここではついさっきまで、二人の生徒、二年生生徒会所属の服部行部少丞半蔵、そして一年二科生の司波達也による模擬戦が行われていた。達也を敬愛する深雪を除き、誰もが服部の勝利で終わると思われていたこの勝負。結果を見れば、達也の特異性による圧勝で幕を閉じる。九重八雲のもとで培った体術と、術式の多数変化を用いた波の合成魔法という規格外の技を使い、テストに現れない実力を服部をはじめとする上級生たちに見せつけたのだった。

 

 

 

 それから暫くたち、真由美が服部をからかうひと悶着を起こしながらも彼が深雪への謝罪を口にしてから、摩利が達也を風紀委員会本部へ連行しようとしていた。

 

「私だ。...沢木か、何かトラブルかでもあったか?」

 

 そのとき、摩利の通信機に連絡が入った。相手は委員の後輩だろうか。まあどうでもいいことか、と達也は今日の出来事を思い浮かべて溜め息を吐く。妹の付き添いで生徒会へと訪れたら風紀委員に推薦され、挙げ句の果てには上級生と模擬戦をする事になる始末。最後に関しては自分から喧嘩を売りに行ったような物だが、理由が理由なので彼にとっては仕方のないことだろう。

 

(さて、風紀委員か。確か全学年から全部で13名選ばれる仕組みだったはず。俺以外にも新入生はいるだろうが...)

 

 これから起こるであろう面倒に思いをはせるも、これからすぐに起こるある種の悲劇を予感すること、今の彼はできないでいた。

 

 

 

 後輩にして、風紀委員の部下である沢木からの連絡を聞き、真理は一人ほくそ笑む。

 

「...ほう、それは面白いことになったな。いいだろう、許可しよう。タイミングも丁度いい、そのまま第三演習室に連れてきてくれ」

 

 そのままデバイスの通信を切る。ああ、今日は良いこと尽くしだ。さっきから機嫌も良かったというのに、今はの摩利の心の中は歓喜で溢れlかえっている。あの二人の試合いつかは見てみたいと思っていたが、こんなにも直ぐにその願いが叶うと思わなかった。そう、さっきの後輩からの通信は達也とは別の風紀委員候補、森崎 駿と政狩 刀弥の模擬戦の許可だった。

 何故、こんなにも興奮しているのか。確かに最初は政狩 刀弥はともかく、森崎 駿へ(評価は元々高かったが)そこまで関心がある訳でなかった。成績はよく、あの魔法発動速度で有名な森崎家の長男。少し調べれば分かる程度のことしか知らず、もし一科生である事を威張り倒すようであれば鍛え直してやろう、そんな風にしか思っていなかった。

 それが変わったのは先日の校門前の騒ぎから。実はあの騒ぎ、割と早い段階から通報を受けていて遠目から観察する時間があったのだ。するとどうだろう、彼は二科生を「雑草(ウィード)」と蔑む一科生達を自らが糾弾したのだ。ここに一科も二科も関係ない、人として最低限の礼儀だと。少々口が悪いと感じられもしたが、それは自身の実力に自信がある裏付けともいえる。

 

(同じ立場である大人数相手に、自身の意志こそが正しいのだと貫き通せる。そうできる奴は多くない)

 

 更には、暴走した生徒が魔法を向けてくると、彼は一気に接近しCADを蹴り飛ばしたではないか。かなりの距離があいていたと言うのに、森崎はそいつがホルスターからCADを抜く予備動作を察知した瞬間に動き出し、術式が発動しきる前に自身の間合いまで近づいてみせたのだ。少なくとも摩利から見て、彼が何かの魔法を使っている様子はなかった。つまり、純粋な身体的能力で為したことだ。しかも、あの動きは何か武術の一端を感じさせるものがあった。まだまだ荒削りだが、いつかはあれを修めることができるだろう。

 

 そして、政狩 刀弥。刀を扱う者ならば最早言わずとしれた古き歴史を持つ、そして他の随追を許さない程の技術を持った刀鍛冶の家、政狩家の人間。最初にその名前を見た時は舞い上がってしまったが、もちろん同姓同名の別人という可能性もあった。そんなものは出会った瞬間に何処かへ吹き飛んでいったが。あったのはただの偶然。入学式が終わった後、彼はホームルームに出ずに中庭のベンチに一人腰掛けていた。今思えば、どうして私は遠目からでもその男子生徒が誰だか分かったのだろうか。何故かは知らない、けど確信があった。彼は()()()()()()()()()()()()()()()。その時私が思いつく中で、その感覚が唯一当てはまるのが政狩 刀弥だったのだ。

 

 彼に向かって一歩踏み出す。これだけの動きで私の気配を感じとったのか、ベンチの上の人影はジッとこっちに視線を向けてきた。これは、いよいよ以て本物か。この時にはもう、私は彼が別人なのではなんて疑念は微塵も無くなっていた。話てみて判ったのは、彼はどうやら興味のないことにはとことん関わろうとしない人間のようだ。私が風紀委員に勧誘したときはなるべく平坦な口調で断ろうとしていたが、また話がしたいという概の言葉を送ると露骨に不機嫌そうな感じになった。表情が変わることは殆ど無かったが、感情の起伏が少ないという訳ではない。寧ろ表情以外の雰囲気で分かりかりやすいくらいだ。恐らくこのまま勧誘を続けても彼を風紀委員に入れるのは不可能だろう。自分も無理強いするつもりはない。

 

 だが、それとは別の側面で政狩 刀弥に強い関心があった。それは武芸者としての性、本能とでも言うべきか。彼の立ち振る舞いからいくらでも察せられる、彼は間違い無く自分より遥か高みにいる者だ。ならばその腕を見てみたいと思うのは当然のことだろう。そして、その彼が一体どの様な魔法を扱うのか、ああ全く興味が尽きない。更に一度彼等のことを同じく興味を持った真由美と協力して詳しく調べてみたのだ。するとなんの偶然か、あの政狩 刀弥と森崎 駿は同じ中学の出身だと分かった。しかも彼等は過去に何度も模擬戦を行い、互いを高めあう仲なのだとか。

 

 それを知ったならこの期を逃す手はない、

 

 

「渡辺先輩、どうかしたんですか?」

 

 通信を切ったきり黙りこくってしまった摩利のことを不信に思い、達也が一度声をかける。が、実にイイ笑顔をしだした彼女を見て、ほんの少し後悔する。これは嫌な予感がすると。

 

「達也君、まだ時間に余裕はあるかな?すまないが本部への案内は後回しにさせて欲しい。時間がないならまた後日にさせてもらうが」

 

 だが出てきた言葉は意外な言葉、どうやら急ぎの用ができたらしい。自分はともかくと達也は深雪の方へと顔を向ける。それに深雪は笑顔で頷いて答えた。ほんとに、自分には勿体無いくらいできた妹だ。

 

「時間に問題はありません。そちらの用がす済むまで待っています」

「そうか、ありがとう。まあ、君にとっても関係ないことではない。見ていって損はないだろう」

「はあ」

 

 一体どういうことだろうか。全く検討のつかない言葉を残し摩利は真由美へ声をかける。

 

「真由美、一ついいか?」

「何かしら」

「其方にも申し訳ないが、ここでもう一戦だけ模擬戦を行わせて欲しいんだ」

「え?」

 

 摩利の言葉に真由美は素っ頓狂な声をあげるが、仕方のないことだ。新学期が始まってからまだ2日しか経っていないにも関わらず、立て続けにに二度の模擬戦申請が来るとは思わないだろう。摩利が風紀委員長に任命されてから確かにその数は増えたが、今日のこれは異例の事態と言える。

 

「それはかまわないけど、一体誰が?」

「真由美も知っているだろう、達也君とは別の期待の新人達だ...っと、てお前か」

 

 摩利が話している途中、演習室の扉が開き風紀委員の腕章をつけた男子生徒が入室してきた。彼は摩利の前に立つと、姿勢を正し手を後ろに回して威勢のいい声で話し始めた。

 

「委員長!本日の任務完了しました!」

「ご苦労だった、沢木。それで、例の二人は?」

「模擬戦の準備の為、CADを事務室に取りに行っているところです!もう暫くすれば到着するかと」

「そうか、わかった。おお、そうだ、お前にも紹介しておこう。生徒会推薦で我ら風紀委員会に入ることになった、1ーEの司波達也だ。さっきまで彼の実力を見るために模擬戦をしていてな、結果はそこでふらついてる服部を見ればわかるだろう」

「まさか、勝ったんですかあの服部に!?逸材ですね」

 

 まさに体育会系というよう言葉を体現したような彼を見て、達也と深雪は少し呆気に取られるが、互いに挨拶を交わして達也は、

 

(風紀委員会にもこういう人物はいるのか。考えていたよりも、居心地が悪い場所ではなさそうだ)

 

 半ば、いや殆ど強引に進められ、諦めるように入ることになったものだが、そう悲観するものでもないと前向きに考え始めていた。

 

 

 

 

 

「それで、お前から見たあの二人、どうだった?」

「それはもう、森崎君も政狩君もなかなかのものですよ。歩き方からスキの少なさが見て取れますし。司波君と同じように、まさに逸材と呼ぶべきでしょうね。それと中学からの付き合いとあって、良い仲だと思います。入学初日から模擬戦をいっしょにやるくらいなんですから。ただ、やはり政狩君は風紀委員会に加入する気は全く無いようです」

「むう…そうか。是非ともその腕をふるってほしかったが」

「荒事、というより面倒ごとを嫌う節があるようなので、自ら問題を起こすということはあまり無いと思われますよ。それにこういうのはあまり強制するものではないですし、今回は諦めましょう」

「そうだな。最後に一度聞いてみて断られば、政狩は素直に諦めるとしよう」

(俺の場合はほぼ強制のようなものだったんだが…まあ、ここまできたらわざわざ口に出すことじゃないだろうが)

 

  有望な下級生とのこれからに思いをはせる悠木は楽しみそうに目を細め、風紀委員に引き入れ親交を深めた後是非手合わせをし、あわよくばその政狩の()()()()()を奮ってもらおうという摩利の企みは潰え、達也の嘆きは先の考えとともにため息へと変わっていく。

 

 そんな中、先の会話に思いがけない反応をする者がいた。彼女にとっては本来これから与えられる役割とあまり関係なく、敬愛する兄の環境が少しでも良いものになることを願う、その程度の内容だった。だが、悠木と摩利が出した一つの名前が、深雪(彼女)の心を大きく揺さぶった。

 

 なぜならば、それは深雪にとって絶対にここで聞くはずのない名前だったから、彼に許されない限り二度と口にしてはいけない願いだったから。聞き間違いではない。でもほんとに彼なのだろうか。ただの同姓の別人なのではないか。そもそも彼が魔法科高校に進学するはずがない。もし仮にそうだったとしても何故ここに来るのか。様々な疑問が深雪の頭を瞬時に埋め尽くす。急に目の前に押し寄せてきた現実を受け止めきれずに、ただ茫然としながら、その思い人の名を呟くことしかできなかった。

 

「まさ、か、り…とう、や…くん」

「深雪?」

 

 異変に真っ先に気がついたのは、彼女の隣にいた達也。最愛の妹が、乾いた喉から絞り出しかのように先の名前を呟いてた時だった。達也が見た深雪の姿は、どう見ても正常な状態を失っていた。目を大きく見開き、唇どころか身体が小刻みに震えて、その震えを抑えるように手を強く握っている。彼女はこれから起こることに、驚愕や戸惑い、歓喜や絶望、様々な感情が入り交じり自分で抑えきれないでいるのか。ただ、達也にとって今の深雪は到底心配せずにはいられない状態だった。

 

「どうしたんだい深雪。どこか具合を悪くしたのか」

「あの、渡辺先輩!さっきの…!」

 

 達也の声を振り切るという、何時もの自分からは考えられない行動さえ気に留めず、深雪は摩利に声を荒らげて先の言葉の真意を尋ねようとする。だが、それを遮るようにドアの開閉を示す電子音が部屋の中にいるみんなの耳に届く。それと同時にふたりの男子生徒が、()()()()()()()()()()()()()()()()演習室を訪れた。

 

「今度こそは僕が勝つぞ、政狩」

「このやり取り何度目?」

「中二の五十からは数えてないな」

「ここまでくると気持ち悪いな」

「様式美と言え。だが、結果までいつも通りだとは思うなよ。今日はこのために色々、と…」

「ん、どうした、って…」

 

 彼らがこちらの存在に気づき、刀弥と目が合う。その目に浮かんだ色を、深雪は正確に推し量ることはできなかった。ただ、久しぶりに見た彼の顔は全く変わっていない、なんてことを深雪は真っ白になりかけた頭の片隅で考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 短いですが、読んでいただきありがとうございました!

 次いつになるかなぁ…書けたらいいなぁ…

 こんな感じでいつまたやらかすかわからない益荒男ですが、皆様のお声をいただけると幸いです。

 こんなご時世ですが、皆さん未来への不安なんてものに負けずに、胸張って頑張っていきましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。