ミニッツリピーター以来のとんでもねえ衝動買いをしてしまったわ。
皆さんお久しぶり。元気してた?毎度おなじみのオススメ映画紹介コーナーを始めるわね。
今回のテーマは『ミスター・ノーボディ』。
“一度西部劇を見てみようかな、でも血生臭いのはちょっと……”って方に是非ご覧頂きたいわ。
確かに銃は撃つし敵も死ぬんだけど、グロいほどの出血表現はないし、
主人公のノーボディ(誰でもない)も飄々としたお調子者キャラ。
彼がゴロツキをコミカルな方法で翻弄してしばき回すのが楽しくて
マカロニ・ウエスタン特有のバイオレンス加減がマイルドになってるの。
でも安心して。終盤でのワイルドバンチ(悪党集団)との決闘では
エンニオ・モリコーネ作曲の勇壮なBGMが流れる中、
伝説の老ガンマンと150人の無法者達との死闘が描かれ、
西部劇の醍醐味である手に汗握るガンアクションもちゃんと用意されてる。
それにしても、汽車の中でノーボディと老ガンマンが食ってた豆のスープみたいなもの、
美味しそうだったわ。レシピがあればあたしも食べてみたいものだわね。それから……。
「やめろ!お前の趣味に何文字使う気だ!真っ先に言うことがあるだろうが!
なにが“でも安心して”だよ!この企画の先行きに不安しかねえよ!」
再開早々ルーベルが意味のわからないことを言う。
喋り続けて喉が渇いたからブラックを一口含んでから尋ねてみる。
「んく、他に何があるっていうのよ。
今日は別に騒動もイベントも伝達事項もないから
このオンボロ教会からうんざり生活をお送りしてるんじゃない」
ま、奴が生き返ってこの企画が再スタートしたわけだけど、
例によって物語が始まるのはここ薄暗いダイニング。
ルーベルがテーブルの向かいからあたしにおもっくそ顔を近づけて凄んでくるけど、
何をそんなに怒ってるのよ。
「や・ま・ほ・ど・あるだろうが!
まず長期休載及び今後もスローペースの更新になることについてお詫び!次に国際会議編の現状!
それになんだ、あのクリスマス特別編は!時間飛び超えてまで変なおっさん連れてきやがって!
ミドルファンタジアはゴミ捨て場じゃねえんだぞ!」
「あたし的にはそれプラス、ハーメルンで歌詞の使用が解禁されたことがビッグニュースね。
これからは綱渡りして歌詞と認められない長さを見計らって
掲載するスリルを味わうこともないんだわ。早速一曲歌おうかしら。
ちなみにヒトラーはアウトバーン延伸を巡って隣接する領地と係争中。
真面目な話、あの内容に賛否両論あることは承知の上だけど、
クリスマスプレゼントとして読者の方々に何か日頃のお礼がしたくて
2019年春頃から書き溜めてたんだから大目に見てやってよ」
「あれが礼だと?とんだ恩知らずだな、おい!!」
テーブルを殴るルーベルは最初から怒りっぱなし。
やだもう、カップのコーヒーがちょっと跳ねたじゃない。大声出さなくても聞こえてるわよ。
「ど、怒鳴らないでよ!正統派のやつが観たいなら『夕陽のガンマン』から始めて……」
「まだ言うか!!」
「わーかったから!
国際会議編第二幕を始めるに当たってみんなを集めて今の状況を確認しましょう。
長くなるだろうからおやつを用意するわ。ちょっと待ってて」
「早くしろよ?」
「はーい」
あたしは冷温庫からこの間仕込んどいたチョコレートムースを取り出し、
キッチンペーパーを敷いたまな板にケーキ型をひっくり返して完成品を取り出す。
うん、いい感じに固まってる。
「おい、“この間”っていつのことだよ。
お前がお菓子作ったことなんてバレンタインデー以外じゃ一度しかねえよな?」
「ああ、それならエピソード『生クリームがいくら混ぜても~』を参照してちょうだい。
マリーのおかげでちゃんと固まった。あと普通に心読むな」
「はぁ!?掲載したの2019年9月1日(日)だろうが!何ヶ月前のブツだよ!
とっくに腐ってるはずだろう!」
「今更何言ってるのよ。いつか言ったけど、この企画は時空がねじ曲がってるから
冷温庫の中の時の流れがちょっとおかしいのよ。数ヶ月前が昨日だったりするから気にしないで。
あんたもあたしも年取らないでしょ?」
「本っ当、適当な企画だよ……」
呆れた様子でブツブツ言ってるルーベルをほっといて、
あたしは少しはずんだ気持ちでチョコレートムースにお湯で温めた包丁を入れる。
そりゃ、クソみたいな企画だけど、何年も暮らしてるとそれなりに愛着が湧いてくるのよ。
日常ってものが戻ってきて嬉しくないわけじゃない。
人数分にムースを切っていると自然と歌が出てくる。
「♪フフンフーン 時間も分からない~ 暗闇の中で~ まばたきもなく~
Deep Breath We need it just focus! Year!!」
「……里沙子。お前、本当は明るいやつだろう?」
「冗談よしてよ。この企画1話から読み返したら?
さあ切れたわ。後はこれを小皿に取り分けて、と」
切り分けたチョコレートムースを小皿に載せてせっせとテーブルに運ぶ。
あら?あたしってこんなに働き者だったかしら。普段なら全部ジョゼットにやらせるのに。
まだ“奴”が本調子じゃないみたいね。まあ、そこら辺はもうしばらく生温かく見守ってやって。
「準備オーケーね。次はメンバーを招集しなきゃ」
「おう。みんなを呼んでくる。待ってろ」
「その必要はないわ」
あたしはまさに深く息を吸うと、腹筋に力を入れる。そして。
──おやつああああああぁぁ!!
教会の隅々まで届くよう大声で叫んだ。
「うるせえな!やっぱり今日のお前おかしいぞ!」
「全員の名前呼んでると時間かかってしょうがないでしょ。ほら出てきた出てきた」
ワクワクちびっこランドの住人ピーネを始めとして、みんなが各自の部屋から集まってくる。
「おやつですって?里沙子にしては気が利くじゃない」
「まあ、ひょっとしてそれはお姉さまの手作り?パルフェム感激ですわ」
「お姉ちゃんの、ケーキ……。嬉しい」
「里沙子さんのお菓子をいただけるのは久しぶりですね。
確か前回はバレンタインという催しがあったときだと記憶しています」
「わーすごい!里沙子さんが女の子らしいことしてます!きちんとケーキの形になってますし!」
「お黙りジョゼット。再開早々ゲンコツ食らいたくなかったら全員に茶を入れなさい」
「あ、はい……」
「ほー。この前作ったチョコレートムースが無事完成したわけですな。
マリーさんも少々手伝ったから出来栄えが楽しみだよ」
「なあ、お前らあの呼ばれ方で普通に出てきたが誰もツッコむやつはいないのか?」
ごめんなさいね。
国際会議編第二幕が始まったけど、物語の本格始動まではまだ時間がかかりそうなのよ。
もうちょっとだけくだらねえ展開にお付き合いください。
それと、エリカがいないのは意図的なものよ。
どうせチョコムース食えないから位牌の中で寝させてる。
とは言え、ここらで“らしい”事しとかないといい加減ルーベルがキレるから、
全員に皿とフォークが行き渡ったところで自分から話を振る。
「みんな飲み物は回ったー?
まず、国際会議編中断時点のあたしらの現状について再確認したいんだけどいいかしら」
「いいよん。ええと、確かリサっちが
スペード・フォーミュラって組織から狙われるようになったことが始まりだよね」
「その際、ハッピーマイルズの街で多くの市民が犠牲になりましたね……。痛ましい事件でした」
「その犯人はどっかの賞金稼ぎかボランティアか放火魔かキ印に殺されたから
一応その件は解決したんだけどね。まだまだ仲間がいやがったのよ、厄介なことに」
「フリーズ、マルチタスク、レプリカ?」
「そ。ありがと、カシオピイア。フリーズって女はあたしと似たような能力者だったんだけど、
なんとか偶然発動したクロノスハック・新世界で追い返せた。
でも悲しいことに、追い返したってことは死んでないってことだから
また来る可能性が大なのよね」
「マリーさんとしてはそう悲観することもないと思うけどなぁ。
皇帝陛下からの連絡によると、こないだ捕縛したレプリカってやつが
取り調べであっさり口を割ったから、連中の潜伏先がわかったらしいんよ」
「本当かよ!それでどうなった!?」
これにはあたしもビックリねぇ。のんびり休載してる間に急展開があったみたい。
ピーネは話に加わろうともしないでチョコムースに夢中になってる。
「帝都の郊外にある豪邸をアジトにしてたんだけど、
奴ら鼻が利くみたいで軍が突入した時にはもぬけの殻だった。
だからこれに関しちゃグッドニュースばかりとも言えないんだなこれが」
「どういうことですの?」
「つまり、彼らは帝国中に散り散りになってかえって捜査が難しくなったということです」
エレオノーラがパルフェムに説明してくれた。
あたしも口の中がケーキで一杯だったから助かったわ。サンクス。
「ま、聖女様の言う通りだけど、
拠点を失ったメンバーは今後ルビアから大規模な支援は受けられない。
そう考えるとスペード・フォーミュラの攻撃規模は縮小されるだろうから
ウチらが隙を見せなきゃ大丈夫とも言える」
「もご。そうそう、ルビアよルビア。何その変な国。北朝鮮みたいな真似して何がしたいのよ」
「サラマンダラス要塞の機密事項だから軽はずみなことは言えないんだけど、
今度の国際会議でトライトン海域共栄圏の結束を崩しにかかってるってのが
マリーさん達の見方だよ。先進4カ国で共栄圏に加盟してないのはルビアだけだからだね。
発言力低下を恐れての暴挙だと思うよ」
「なんとかその国叩けねえのかよ、マリー」
「証拠がないから無理だなぁ。レプリカひとりの身柄だけじゃ、トカゲの尻尾切りが関の山だし」
「本当面倒くさい事態に巻き込まれたもんだわ。あたしが何したってのよ。
ろくな構想もないのに長編なんか始めるから……」
♪リリン、ロン リリン、ロン
その時、ポケットの中のスマホが鳴った。
この世界であたしのスマホに着信がある状況はすごく限られてる。
「ごめんね、みんな。ちょっと待って。
はい、あたし。……ねえ、後にしてくんない?あたしら今大事な話してんのよ!
……ええ?どういうことよ。なになに?もっかい言いなさい!マジなの!?」
“奴”とのやりとりに集中してたけど、皆がただならぬ様子のあたしを見ていることはわかる。
「このドアホ!なんでそういう大事なことをあんたは今まで……!!
もういい、勝手に孤独死してなさい!ったく」
あたしが通話を切ると、ルーベルが恐る恐る連絡の内容を聞いてくる。
「な、なあ里沙子。あいつが、なんだって?」
「みんな、落ち着いて聞いて。実は、このうんざり生活にパクリ疑惑が掛けられているのよ!」
「おーし、話の続きだ」
全員が“驚かせやがって”と言いたげに、鬱陶しさを隠さず佇まいを直した。
「待ちなさい!最後まで聞きなさいな!
この企画の品格や名誉に関わる重大インシデントなのよ!?」
「お前も“奴”も、脳幹に苔でも生えてるのか?
品格や名誉なんざこの企画に一度でもあったのかよ!?その上パクリ疑惑だ?
おおっぴらにゴルゴ13やアサシンクリード、エルシャダイまでパクった今頃になって
疑惑もクソもねえだろうがこの三流SS製造機が!」
「あたしのせいじゃないのに、そこまで言うことないじゃない!」
「じゃあ奴に伝えとけ。お前は三流だって」
「パルフェム言わせれば、“そんなことないよ”って言ってほしい感も漂わせてますわね」
「だから聞いてって。奴だって今まで色んな作品パクってきたことはわかってる。
それがわからないほどバカではない。一応多分ね。でも今度は性質が違うのよ、性質が」
「2分だけ聞いてやるからさっさと説明しろ。気が済んだら目下の課題に戻るからな」
あたしはコホンと咳払いをしてから、
何もわかっちゃいない呑気な住人に差し迫った危機について説明を始めた。
「今までこの企画でメタルマックスのテッド・ブロイラーを始めとした
他作品のキャラをパクってきたことは認めるわ。
でもそれは明らかにパクリですよ~ってわかるタイプのパクリ。
つまり簡単に引用元がわかるパロディと呼べる可愛げのあるものだったのよ」
「言っとくが、断ればパクっていいわけでもないからな?」
「わかってるってだから!でも今回はそんな甘っちょろいもんじゃない。
読者にばれないようにこっそりアイデアを盗む悪質なパクリをしているかもしれないという容疑が
この企画に掛けられてしまったの!」
「お茶のおかわりはいかがですか?」
「ジョゼットもいいから聞きなさい!
いい?今回の事件が発覚したのは奴がプチ入院してた時のこと。
暇つぶしに病室でFate/Grand Orderっていうスマホゲーをプレイしていたときに
気づいたらしいの」
「病で伏せっているなら、遊んでいないで寝ているべきだったと思うのですが……」
「エレオの言うとおりだけど今は聞いて。その時、奴がとんでもないことに気づいてしまったの」
「もったいつけておらず話を進めるのじゃ」
「あ、エリカいたの?
とにかく、そのゲームじゃ戦闘時に他のプレイヤーの育てたキャラを1体借りられるんだけど、
候補の中にエレシュキガルって女の子がいたらしいのよ」
「そいつがどうした」
「なんと、その娘はランタンを使って使い魔で攻撃をするのよ!
しかもググってみたら冥界の重要人物らしいじゃない。……ここまで聞いて誰か思い出さない?」
そこまで説明してようやくみんな首を傾げて考え始めた。
そして一番初めに気づいたエリカが素っ頓狂な声を上げて、
あたしの意味するところを酌み取った。
「おおっ、それはまさに死神の……。誰であったか?」
「ポピンス!体の大きなお子ちゃまよ!
あいつだってランタンで魂やら操るし、死神っていう冥界の関係者じゃない!
ヒエラルキーは多分下の方だろうけど!」
「偶然じゃねえの?いちいち気にしてたらキリがねえって」
「そうですね。
前書きにも“読者に伝わるか考慮せず、作者の興味のあるネタを断り無く盛り込む作風”だと
断り書きが書かれているので、心配する必要はないのでは」
「それだけじゃないわ。
魔王編の決戦の時に、サグトラジルってとこの領主が
チェーンブレードっていう鎖状の刃物を使ってたわよね?」
「思い出せねー。そんなやついたっけか?」
「いたのよ!そして恐ろしいことに鎖の武器を使ってるキャラもFate/Grand Orderにいた!」
「誰?」
「うん、全然興味なさそうなのに聞いてくれてありがとうカシオピイア。
その名は……。アスフォルト!女の子みたいな男の子よ!
彼女っていうか彼も剣を持ってるのに
どういうわけか斬りかかるときには鎖でズタズタに敵を引き裂くの」
「あのう、結局里沙子さんというより電話の主は何を言いたいんですか?」
「あたし達が知らず知らずのうちに悪質なパクリを繰り返しているかもしれないってことよ!
確かに“奴”はFateシリーズについてはほとんど何も知らない。
スマホゲーを始めたのも単に流行ってるからなんとなくプレイしたに過ぎない。
だけど、Fateは歴史あるゲームでメディアミックスも多方面に渡ってるから、
知らないうちに問題の2人を目にして無意識のうちに
彼女達の特徴を自分のキャラとして盛り込んでしまった可能性が否定できないの!」
「そっか……。そりゃあ、なんとなく私達としても不本意だな。
ウチがどうにもならないダメ企画だってことはとっくに諦めてるが、
それでも越えちゃいけない一線ってものは守ってきたつもりだ」
「ようやくわかってくれたのね、ルーベル。
それじゃあ、同じ過ちを繰り返さないように対策会議を始めましょうか」
「それは断る」
「なんで!?」
「Wordの左下見てみろ。今何文字だ?このくだらねえダベリでもう6000字も使ってるんだぞ!
ネタかぶりの問題なんざ奴の発想力の貧弱さが招いた自業自得だろうが!
自分で気づけないなら、読者に発見次第ご連絡くださいってお願いしろ馬鹿野郎!」
今後、クロスオーバーやパロディの範囲を超える引用元の掲載なき
剽窃と思われる表現を発見された場合、ご連絡を頂けると幸いです。
表現の変更など可能な処置を取らせていただきます。ご協力よろしくお願い致します。
「こちらについては“パクリなんかじゃないよ”と言ってほしい
構ってちゃん根性が見え見えですわ。みみっちい男ですこと」
「そもそも、“クロスオーバーやパロディの範囲を超える剽窃”って
どのくらいが該当するんでしょう。基準がわかんないです……」
「そうねぇ。エピソード『ウィスキー買ったけど~』が目安になるんじゃないかしら。
ポ○テピピックの4コマネタ丸パクリだったじゃない。
あんまりひどい出来だから一時期削除することも考えたけど、
反省と自分への戒めとしてまだ残してある、らしいわ。」
「いいから座れ、里沙子。国際会議編に話を戻すぞ。あー、怒鳴りすぎて喉が痛え」
「ちぇー、わかったわよ」
いつの間にか立ち上がっていたあたしは、
当企画のコンプライアンス遵守に前向きでない住人に失望しながら席についた。
……ついた途端、異変に気づく。あたしだけじゃない。
さすがにピーネもフォークを止めて聖堂の方を見る。
強烈な圧迫感と突き刺すような気配が閉じた扉から流れ込んできて、
皆、自然と呼吸が浅くなり否が応でも緊張感がピークに達する。
「……玄関ノック以外で厄介事が訪れるのは何気に史上初かも」
「里沙子さん」
「だーいじょうぶ。エレオ達はここにいて。面倒事はあたしが対処してこそこの企画なんだから。
パッと片付けて帰ってくるわよ」
「あんま死亡フラグ立てんなよ。……なるべく早く、だぞ?」
「そのセリフも死亡フラグってことわかってる?」
ガンベルトをしっかり締めると、あたしは聖堂に向かい、
ピースメーカー片手に頑丈な造りの玄関を一気に開け放った。外は芝が生い茂るなだらかな丘。
そこに、不気味な気配の元凶がいた。
魔法使いのようなつばの広い黒の三角帽子に同色のロングコート。
背が高く左頬に長い傷跡を持つ男が、黙ってあたしを見つめている。
腰のホルスターには、あたしと同じくSingle Action Army。
しばらく見つめ合っていると、彼の方から口を開いた。
「斑目、里沙子か」
「……ふーん。見た所あんたがスペード・フォーミュラのリーダーってことでいいのかしら。
スラッシュやフリーズとは全然殺気が違う。名前は?」
「ジ・エンド」
「“終わり”かぁ。どうせろくでもない能力持ってるんでしょうね」
「お互いに、な」
「フリーズって人、お元気?できれば二度と会いたくないんだけど」
「もう来ることはない。ここでケリをつけよう。俺とお前の存在を賭けて」
「やっぱそうなっちゃうのね。腰のピースメーカー、バレル7.7インチの
重厚感のあるフレームがイカスけど、あたしの体格じゃ早撃ちには不向きなのよ。羨ましいわ」
「
「おたくら本当に何者?
アースの銃を知ってる割には、私魔法使いですって言わんばかりの帽子被っちゃってさ」
「じきに、わかる。生き延びられればの話だが」
「そう。このくらいの腕前なら生きて帰れるかしら…ね!」
あたしはクイックドローでピースメーカーを抜き、ファニングでジ・エンドの帽子を撃ち抜いた。
2つの銃声が奔り、大きな三角帽子が宙を舞う。これは先制攻撃じゃないのよ?
彼は地に落ちた帽子を視線だけ動かし視界に入れた。
「……穴が、3つ。1つの穴に2発目を撃ち込んだか。腕は、互角」
「早撃ちに限れば、そうかもしれないわね」
「そろそろ始めよう。古き良き決闘。そうはならないだろうが」
「望むところよ、いらっしゃい!」
唐突に始まった銃撃戦。あたしとジ・エンドは、コルトを構えて
今度こそ互いの急所を射抜かんとする、本当の殺し合いに突入した。