まぁ、自分でも丸くなったもんだと思う。
「今日集まってもらったのは外でもないわ」
ダイニングにメンバー全員を集めて口火を切る。
いつもはくだらないダベりやらコーヒーを飲むシーンやらで始まるんだけど、
今回はうんざり生活の今後に関わる重要な案件を話し合う予定だからおふざけは一切抜き。
コーヒーは飲んでるけど。
「来いっていうから来たがなんか悩みでもあんのか?難しい顔してお前らしくもねえ。
話してみろよ」
水の入ったコップを持ちながらも飲もうとせずに問うルーベル。
彼女が察しているように差し迫った問題で頭を抱えているあたしは深刻な面持ちで語る。
「うん、実は困った事態に陥っててね。このままじゃどうにもならなくなりそうなの」
「お姉さま、パルフェム達が力になりますから何でも打ち明けてくださいまし」
「そうです。わたくし達は仲間なんですから!悩みを聞くくらいならわたくしにもできます」
「お姉ちゃん。ワタシに、何かできるなら、言って」
「……ありがとう。このうんざり生活の更新頻度が週一どころか隔週、
酷いと月2、3回に落ち込んでることはみんなも知っての通りだと思う。
そりゃあ、決して読者数が多いとは言えないダメ企画だってことはわかってるけど、
毎回最低2名の方が読んでくださってることがわかっている以上、
現状を放置しておくわけにはいかないのよ」
エレオノーラもテーブルの上で小さな手を組んで目を閉じながら考えてくれてる。
「早急な改善が必要な問題ですね。昔は週一と言わず数日に一度のペースで投稿していたのに、
どうして今のような鈍足更新になってしまったのでしょう」
「年のせいか飲み過ぎのせいかは知らないけど、“奴”の想像力低下が原因なのは間違いない。
質はともかく、昔は間欠泉のようにストーリーが勝手に湧いてきたらしいんだけど、
最近は乾いた雑巾を絞るようにアイデアひねり出して書いてる有様なんですって」
その時何かに思い当たったのか、ルーベルがポンと手を打って考察を述べる。
みんなにはバカの尻拭いを手伝ってもらって申し訳ないと思ってるわ。
「飲みすぎで思い出したが、あいつ去年病気で3ヶ月くらい休んだことあったよな?
まだ治りきってないのに無理に再開したから傷口が開いたとか」
「せっかくだけどそれはないと思う。
休載以前から既に週一ルールは崩れてたし、長い時には一月くらい間が空いてたからね」
続いてピーネがお茶菓子を頬張りながらぶーたれた。
「ろくに1企画も安定供給できないのに、ダンガンロンパになんて手を出すからよ。
ちょっと好評だったからって、欲をかいて第二幕なんて始めるから
こっちが疎かになるんじゃない」
あら意外。この娘と意見が合うなんて珍しいこともあるもんだわ。
「はい!それじゃあ、週一は無理でも月に3回とかこれだけは絶対~っていう
緩めのノルマを設けて徐々にペースの回復を図るってのはどうでしょうか?」
元気よく手を挙げて意見を出してくれたけど、正直現実的じゃないわねぇ。
「あのねジョゼット。奴にノルマなんてものが守れるならこうして集まってる意味なんてないの。
それに月3だっけ?
今さらっと過去話の更新日時を確認したけど一月に2回しか書けてなかったこともあるのよ。
放っておけばダラダラと週一が月一になり、月一が隔月更新に、
やがては季節毎1回にまで落ち込む。当然お気に入りは激減してついにはゼロ。
あたしらは今それほど追い込まれてるわけ」
「そんな……それじゃあ、わたくし達はどうすればいいんでしょう」
「ムー!誰かあいつのお尻を鞭でひっぱたいてくれないかしら!」
「あたしにそれが可能なら鞭じゃなくて特殊警棒でボコボコにしてるんだけどね。
奴が当てにならない以上、自分達でどうにかするしかない」
「どうにかつっても、私達にできることなんてあるのか?」
ついにあれを出す時が来たようね。あたしは優雅な仕草でおさげを腕に滑らせてみせた。
「……フッ、もちろんじゃない。あたしはいかなる時もプランBを用意してる女なのよ」
「最初からそれを出せ」
ルーベルの文句を無視してあたしは立ち上がり、皆に宣言する。
今日メンバーを招集した、本当の理由。
──悪役令嬢に、あたしはなる!
「ジョゼット、悪いが水差し取ってくれ」
「はいどうぞ」
「サンキュー」
「エレオノーラ様、紅茶のおかわりは?」
「あ、いただきます」
「私もジュースおかわりー!」
「だめですよ~。ジュースは1日1杯までです。太っちょになっちゃいますからね」
「こら!ちょっとあんたら聞きなさいよ!!」
某ゴム製海賊のように決意表明したあたしを無視して好き勝手始めやがったメンバーを一喝する。
「人が莫山先生の爆弾発言したんだから驚くなり感激するなりしなさいな!」
みんなとりあえずこっちを見るけど、その目は冷め切ってる。
「……お姉さま、露骨なツッコミ待ちはみっともなくてよ」
「ツッコミ待ち?あなたにはこれがツッコミ待ちのボケに聞こえてるわけ?
体を張った現状打開の渾身の策が!」
「体は張ってるが滑ってることに気づけ」
「滑る滑らない以前にギャグじゃない!聞きなさい!」
「はんっ」
「ねえ。今、鼻で笑ったの誰。誰だって聞いてんの!!」
「里沙子さん落ち着いてください!」
特殊警棒を振るう相手が増えたけどエレオに止められた。運の良いやつ。
「わたし達も悪役令嬢という思いも寄らない言葉が出てきたので戸惑っているのです。
何か妙案があるようですが詳しく説明していただけませんか?」
「チッ、エレオに免じて見逃してやるわ。感謝して拝聴しなさい。
長くなるから地の文で説明するわよ?」
知らない読者の方も多いだろうからここで説明するけど、少し長くなるわ。ごめんなさいね。
あたしが言いたいのは、最近ブームの悪役令嬢モノをやろうってことなのよ。
どういうお話かっていうと、普通の女の子が乙女ゲーの憎まれ役に転生しちゃって
悲劇的結末を変えてやろうと奮闘するってのがテンプレ。
乙女ゲーってのはギャルゲーの反対。
男が女に、じゃなくて女が男にモテるのを楽しむ女性向けゲーム。
ここで肝心の悪役令嬢が出てくるわけよ。
女の子がひょんなことからこの悪いやつに生まれ変わるのよ。
いいとこのお嬢様だけど性格悪くて、平民の主人公に散々嫌がらせするけど
最終的には悪事の数々を暴かれて国外追放なり処刑される。
そんな立場に立たされている事を知った女の子が死亡フラグを回避するため、
人が変わった令嬢に驚く仲間達とてんやわんやするストーリーが受けてるみたい。
「……わかってくれた?このクソみてえな人生変えてやるには、うんざり生活の方向性を
行きあたりばったりの垂れ流しから悪役令嬢に定めるしかないと思うのよ。
現に、ハーメルンを始めとした各小説サイトも悪役令嬢モノであふれかえってるし、
4月からはアニメも始まる。
ここでブームに乗っかれば枯れたストーリーの泉も蘇るかもしんない」
相変わらず白けた目であたしを見る面々。ここまで言ってまだわからんとは。
しばしの沈黙を置いて、ルーベルがひとつため息。
「はぁ。流行なんざお前の嫌いなものランキングに入ってそうだがな。
“ミーハー連中と一緒にしないで”とか言い出しそうでよ。何位になるかは知らんが」
「あんた、あたしの事わかってるのかわかってないのかいまいち不明よね。
確かに10位以内には入ってるけど、この際贅沢言ってられないのよ。
そうだ、アニメで思い出したけど
あたしらがアニメ化された時のCV誰がいいか考えときなさいよ?
個人的には沢城みゆきさんがいいんだけど、高望みしすぎかしら」
「捕らぬ狸にも程があるぞ、恥を知れ。大体どうやってお嬢様になるつもりだよ。
確かにお前は有名になったが、貴族やら爵位とは逆に離れちまった。
そりゃそうだよな。酒と銃が生きがいのお前がドレス姿で社交界デビューなんて想像できねえよ」
「喧嘩売ってるのかしら。方法ならある。
爵位なんか金で買えるし、まずは立派な家とドレスを用意してお嬢様生活を始めるわ!
酒もエールからワインに変える。
ワイングラスに注いだ辛口の赤をくゆらせて悦りながらこんなこと言っちゃうの。
“さながらルビーを思わせる朱が私の心を奪い、芳醇な香りが歴史を語り…”とか」
あたしの完璧過ぎる未来予想図に一同が騒然となる。
うんうん、みんな真剣になってくれてなにより。
「待ってください!
と言いますと、里沙子さんはここから引っ越すということなのですか!?」
「そゆこと。こんなボロ屋に住んでちゃ綺麗なおべべ着てたってお嬢様とは言えないじゃない?
あ、みんなはそのまま住んでていいから安心して。
こっちの暮らしが落ち着くまで生活費は振り込むから」
「バカ言ってんじゃねえ!全員がここに居なきゃ意味ねえんだよ!
もちろんお前だって例外じゃねえ!
この教会に住んでる私達のくだらなくてものんびりした日常を眺めたくて、
258人(3/14現在)の読者がお気に入りに登録してくれてるんじゃないのかよ!」
「大丈夫だって!準備が整ったら信号弾を打ち上げるからみんな来て。
新しい教会で今まで通りの暮らしをすればいいのよ。
まぁ、あたしは女らしい振る舞いをしなきゃならなくなるから少し窮屈な生活になるだろうけど」
「無―理!里沙子が女らしくなんて絶対無理!
それに、あんたの都合で引っ越しするなんてイヤよ!」
「だめ。お姉ちゃんは、お姉ちゃんのままで、いて……」
「そーです!わたくしだって、お酒にだらしなくてものぐさだけど、
困ったときに助けてくれる強くて優しい里沙子さんがいいんです!」
「ジョゼットさんの言う通りです。
それに、イエス様が降り立ち祝福を与えてくださった教会はここにおいて他にありません。
わたしも、離れたくはないのです」
困ったわねえ。真剣になってくれたはいいけど何故か猛反対を受ける。
うんざり生活の未来がかかってるっていうのに。
ルーベルがふてくされた様子で肘をつきながら聞いてくる
「で!?最後になったが、悪役になったところで誰に嫌がらせするつもりだ!」
「一応ユーディが貴族だから、屋敷にRPG-7撃ち込もうかと思ってる」
「……そうかよ。私も一応この企画の将来を考えてたお前に免じて教えてやる。
お前は、悪役令嬢にはなれない」
「やっぱり、そうなの……!!
心が美しすぎるあたしには例え中身が別人でも悪役を演じることは」
自らの無力さに拳を握る。その場に立ち尽くしていると隣の妹が小さく袖を引っ張ってきた。
「お姉ちゃん、ルーベル、行っちゃった」
「えっ?本当だ。あいつどこ」
会議はまだ終わってないのにとんだ不届き者ね。とっちめてやろうと2階に行こうとしたら、
ルーベルの部屋のドアが短い間隔で開閉し何かを持ってとんぼ返りしてきた。
「おー、あったあった。しっかしたくさんあるよな」
持っていたのはリングに通した小さいメモ用紙の束。ほら、英単語の暗記なんかに使うアレ。
何やらびっしり書いてあるけど、とにかくそれを読みながら席に戻った。
「何してたのよ」
「ん?お前が悪役令嬢になれない理由を客観的証拠と併せて説明してやろうと思ってな」
「客観的証拠?」
「おう。結論から言うぞ?お前は、既に、悪人だ」
「はあ!?馬鹿言ってんじゃないわよ!あたしのどこが悪人だっていうのよ!
もしミドルファンタジアじゃなくて本当に悪役令嬢ポジに転移してたら
メイドやら王子やらに“すっかりお人柄が変わられて……”なんて心配されるくらい
純真無垢なあたしに向かってああああ怒りで言葉が出ない!!」
「ぷぷぷ、わかってたけどやっぱり里沙子は悪人だったのね!ルーベル、説明お願~い」
「あんたは黙ってなさいピーネ!小遣い要らないの!?」
「あー、そういうお金の力を振りかざすとこも悪人だと思う!」
「人間社会の99%は金で動いてるのよ!頼って何が悪いの!」
「二人共落ち着け。
待ってろ、頭に血が上ってるやつを落ち着かせるには誰の目にも明らかな証拠が効果的」
「証拠証拠って一体あたしが何したってのよ!」
落ち着き払ってメモをめくるルーベルの姿が余計腹立つ!
……だけど、次の瞬間読み上げられた言葉で本当にあたしは凍りついた。
「銃砲刀剣類所持等取締法違反」
「え……?」
「第二条。この法律において「銃砲」とは、けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他
金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃
(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、
内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に
危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)をいう」
「あー、待ちなさい。それはね。今までのエピソードを読み返してほしいんだけどさ」
「アハハ!里沙子いっぱい持ってるよねー!」
「第三条。何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、
銃砲又は刀剣類を所持してはならない。
“各号”に関しては、里沙子はどれにも当てはまらないから省略」
「だから聞いてって。
それは日本の法律であって、あたしはこの企画のために世界観に合った装いを」
「第三条の十三。何人も、道路、公園、駅、劇場、百貨店その他の不特定若しくは
多数の者の用に供される場所若しくは電車、乗合自動車その他の不特定若しくは
多数の者の用に供される乗物に向かつて、又はこれらの場所
(銃砲で射撃を行う施設(以下「射撃場」という。)であつて内閣府令で定めるものを除く。)
若しくはこれらの乗物においてけん銃等を発射してはならない。
ただし、法令に基づき職務のためけん銃等を所持する者がその職務を遂行するに当たつて
当該けん銃等を発射する場合は、この限りでない。
……お前、なんかトラブルがある度に所構わず撃ちまくるよな?同人誌騒ぎのときもそうだった」
「あの時は、ほら、ちゃんと懲役刑くらって刑期満了したじゃん」
ルーベルはただ無表情で日本の刑法をひたすら読み上げる。
「第五章罰則」
「あんただってピストル持ってるでしょうが!」
「お姉ちゃん。ルーベルは、ミドルファンタジア生まれ。拳銃も、ミドルファンタジア製……」
「詭弁だわ!生まれや銃の生産国で刑罰が違うなんて!人種差別よ!」
「残念ですが、警察権のあるカシオピイアさんがおっしゃるなら間違いないかと……」
「そーだ!バレットM82はどうなんのよ!あれは!?」
「ルーベルさんも覚悟の上で告発されているのです。
あれを彼女に渡したのは里沙子さんですよね?第三条の七の“譲渡し等の禁止”に該当するので、
あまり触れないほうが里沙子さんのためかと……」
「なんでエレオまで知ってんの!?」
「第三十一条の三。
第三条第一項の規定に違反してけん銃等を所持した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
この場合において、当該けん銃等の数が二以上であるときは、
一年以上十五年以下の懲役に処する」
「2つどころじゃありませんわよね、お姉さま」
「わーい!里沙子が15年間牢屋行きだー!」
「お黙んなさい!ピーネもルーベルも!」
「まだあるぞー。こりゃひでえ。爆発物取締罰則」
「読者が知らなくて良いことをわざわざ教えて何になるっていうの!
誰が得してるの、今の流れは!」
「第一条。治安ヲ妨ケ又ハ人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用シタル者及ヒ
人ヲシテ之ヲ使用セシメタル者ハ死刑又ハ無期若クハ七年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス。
……読みにくいから要約すると、よーするに悪いことするために爆弾とかを使ったやつは
死刑か無期懲役か7年以上の懲役か禁錮刑。お前、企画初期の頃よくダイナマイト使ってたよな。
アンプリ騙してニトログリセリンちょろまかして」
「その頃まだあんたは影も形もなかったから知らないだけなのよ。
暴走魔女っていう悪党を成敗するために仕方なく使用しただけであって、
あんたの言う悪い事のために使ったわけじゃない」
「刑法204条傷害罪。
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
……以前、雑魚の集団がうちに襲撃かけてきたことがあったよな。
お前、ご自慢の特殊警棒で魔女の一人を半殺しにしてただろ」
「あれは正当防衛でしょうが!下手すりゃあたしが殺されてたのよ!」
「日本の弁護士先生がそれで納得してくれるといいな。
降伏の意思を示した相手を全身の骨が粉々になるまでぶん殴った上に窓から投げ捨てる。
過剰防衛の判決は免れんと思うが、私は事実を読み上げるだけさ」
「もういいからやめなさい。どっからそんな悪知恵仕入れてきた?」
「街の図書館に“六法全書”っていうアースの法律書があったから読んでみた。
里沙子の故郷に興味があったからな。次、武器等製造法」
「やめろって言ってるのがわからないのかしら!?」
「第四条。武器の製造は、前条の許可を受けた者(以下「武器製造事業者」という。)で
なければ、行つてはならない。
但し、試験的に製造をする場合その他経済産業省令で定める場合において、
経済産業大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
ねーわな、許可なんか」
「あんたこの企画潰したいの!?」
「罰則。第三十一条。
第四条の規定に違反して銃砲を製造した者は、三年以上の有期懲役に処する。
2、営利の目的で前項の違反行為をした者は、無期若しくは五年以上の有期懲役又は無期若しくは
五年以上の有期懲役及び三千万円以下の罰金に処する。
ガトリングガンで大儲けしたからバッチリアウトだわな」
「そ、そーです!あの時はさすがにわたくしも怒りました!」
「どいつもこいつもうるさーい!……わかった、もういいわよ。悪役令嬢は諦める。
これ以上続けるとハーメルンの利用規約(4)禁止事項・その他法律上問題のある行為
(犯行示唆/名誉棄損など)に引っかかる恐れがあるからね」
夢破れて肩を落とすと、
ずっとぶつぶつ日本の法律を垂れ流していたルーベルが、ようやくメモをめくる手を止めた。
メモをしまうと、少し寂しそうな困ったような、複雑な表情をあたしに向ける。
「わかりゃいいんだよ。悪く思わないでくれ。なんかお前が変な風に突っ走ってたからさ。
別にいいじゃねえか。月一更新だって。私がいて、みんながいて、お前がいる。
マンネリ気味でもいつもの日常を待っててくれてる人もいる。そう信じようぜ」
その視線を受けて何か言おうとしたけど上手く言葉にならない。
まごまごしていると、カシオピイアの反対側に居たジョゼットが、そっとあたしの手を取る。
「里沙子さん。がんばりましょう。
ルーベルさんの言う通り、わたくし達はわたくし達のやり方で物語を作っていけばいいんですよ」
「……あんたに励まされるなんてあたしもヤキが回ったわね。あー、やめやめ。
今更だけど、キツいドレス着てどこの馬の骨とも知らないやつと社交ダンスするなんて
恐ろしいこと考えてたわ。毛糸のセーター着て鉄のさじでガンパウダー調合するほうがマシ」
「よかった、いつものお姉さまに戻ってくださいましたわ!」
「お姉ちゃん……嬉しい」
「ふーんだ。どっちかと言えば馬の骨は里沙子の方だし~」
「あんたの小遣いカットは滞りなく実行ね」
「何それ最低―!」
今回は一歩もダイニングから動かなかったけど、
前回まで凄く頑張ったような気がするからまあいいでしょう。
そういや前回のお話はクリスマススペシャルだけど……?うん、頑張った頑張った。
それじゃあ皆さん、今後ともよろしく。
あとごめん。エリカの存在を素で忘れてた。