ワイワイ…… ガヤガヤ……
「……みなさん、こんばんは。
今日はハッピーマイルズ教会パーティー会場からお送りしてるわ。
この会合で……なんというか、
これまでの懺悔というか、贖罪というか、膿を出したいと思ってるの」
「里沙子さん、なんだか元気ないですね?大丈夫ですか」
「大丈夫なわけないでしょう!見なさいよ、この聖堂の有様を!!痛たた……」
“ワーワー!”“ギャーギャー!”“きゃあああ!”“ぶるわああ!”
「これまで“面倒くさがり女のうんざり異世界生活”に登場した連中の、
ほとんどを詰め込んだから、あたしの頭痛がストレスでマッハなのよ!
結構広いと思ってたけど、ちょっと人を集めるとすぐ満員になるのね。
知らなかったわ……」
「里沙子さん、日曜ミサに顔出したことありませんからね。毎週こんな感じですよ」
「これに耐えられるなんて、ちょっとだけあんたのこと尊敬するわ」
「そもそもどうして今日はこんなパーティー開いたんだ?」
「冒頭でも述べたけど、作者の技量不足によって生じた、
伏線の放置、矛盾、キャラの使い捨てを解消しようと思うの。
皆が皆ルーベルみたいなレギュラーになれるわけじゃないからね。
……だから全員静まりなさい!」
パァン!と、あたしは天井に向けて一発撃つ。
一気に場が静まり返って、少し頭痛が和らぐ。
「ああっ!里沙子さん、撃ちましたね!マリア様のお部屋で拳銃を!」
「うるさい!100均で買ったピストル型のクラッカーだから問題ない!話進めるわよ!」
また興奮したせいで頭がズキズキする。あたしは何度か深呼吸して、来賓客に挨拶した。
「えー、みなさん。今日はお集まりいただきありがとう。
さっそくだけど、始めのプログラムを始めるわね。
まずは!“可哀想なキャラに愛の手を”……ほら、拍手」
白けた目であたしを見る有象無象ども。
まったく、誰のせいで苦労してると思ってるんだか。
恩知らず連中を無視してイベントを開始する。
「まずは、エントリーナンバー1。マーカス君。
温かい拍手でお迎えくださらないと、今度こそピースメーカーぶっ放す。
さあ、ステージに上がって!」
パチ、パチ、と嫌々ながらの拍手に包まれ、久々の出番を得たマーカス君は、
なぜか怒り心頭と言った表情でステージに上がった。
「では、自己紹介をどうぞ!」
「……マーカスだ」
「はい、ここにいる全員が知らないだろうけど、彼はプロフィールを除く2話目で、
あたしの財布をスろうとして、スタンガンのカウンターを食らった不遇のキャラです。
キャスケット帽をかぶった、あまり上等とはいえない服装の少年」
「うるせえよ……」
なぜかポケットに両手を突っ込んで、やさぐれてるマーカス君。
「ん?何十話ぶりか忘れたけど、何が気に入らないの。ショボいけど出番は出番よ」
「思わせぶりな伏線張っといてどれだけ放ったらかしにしてたと思ってんだ!
住所まで教えといて!どうせ今の紹介だって、服装のあたりは過去話のコピペだろ!」
「それは否定しないけど……」
「しろよ」
「許してあげてよ。艦これとのクロスしかできなかった作者が初めて挑戦した、
完全オリジナルだったの。何もかも手探りだったことはわかってあげて」
「じゃあ、俺は、なぜ生きてきたんだ!」
「イデ○ンのラストじゃないんだから大げさだって。
……一応奴にもあんたを活躍させる構想はあったみたいよ?」
「どんな!」
「あの後、あたしの仲間になって、ハッピーマイルズで起きる事件解決に協力する、
少年探偵団的なポジションにしようと思ってたらしいんだけど、
結局魔女襲撃やら何やらで忘れ去られたの。
思えばこのころからあらすじ詐欺のほころびは芽吹いていたのね、アハハ」
「ざっけんな!」
「はい、マーカス君にご出演いただきました。席に戻って。はよ」
「くそったれ……」
しぶしぶ席に戻るマーカス。諦めないで。魔王編が終わったらワンチャンあるわ。
「次は、エントリーナンバー2。名もなき召喚士。
かじりついてるサンドイッチを手放してこちらに来てくださる?」
「ん!?んがんぐ!」
「そんなハムスターみたいに詰め込まなくても、
これ終わったらゆっくり食べていいから」
ガリガリに痩せた身体に、
オレンジのローブと三角帽子を被った魔女がステージに上がった。
「今日は来てくれてありがとー!
本当はもう死んでるけど、番外編特権で生き返ってもらったわ」
「名無しの暴走魔女よ……魔女が迫害される世界に絶望して、
魔王様をお迎えしようと思ったんだけど……この女に殺された」
「そーそー。駄目じゃない。
自分が不幸だからって、他人まで巻き添えにしようだなんて。
あたしのように一人でも力強く……」
「もっとも、こいつはあたしを殺した兵器を売りさばいて大儲けしたらしいけどね!」
「ちょっ、それは今言わなくていいの!」
ブーブー!!
会場からブーイングが巻き起こる。ああ、なんとかしなきゃ。とりあえずインタビュー。
「ね、ねえ!さっき迫害された言ってたけど、具体的にはどんな事をされたの?」
彼女の背中をなでながら、優しく問いかける。少しでもイメージ回復を図らなきゃ。
「私の故郷では、魔女に生まれた、ただそれだけで悪魔の申し子だと石を投げられ、
家族は村では除け者にされ、親類縁者からも絶縁状を突きつけられた」
オォーウ……(米国ホームドラマのアレ)
「なんて酷い……そんな人権侵害が蔓延ってるなんて、許せないわ!」
彼女の両手を握って同情する。ふりをする。
「コピペだけどね」
「え?」
「今言ったことも作者の手抜きだって言ってんの!改行や整形してもごまかせないわよ」
うげあああ!!
会場のブーイングが更に激しさを増す。
っていうか、さっきから知的生命体以外が交じってる気が。
「もういい、あんた帰りなさい!一生サンドイッチ食ってろ」
「なによ、そっちが呼んどいて!」
役立たずの召喚士をステージから蹴落として、あたしは出演者リストに目を通す。
ふん、これと言って他に可哀想なキャラはいないわね。
次のプログラムに移ろうとした時。
「はいはーい!次はわたくしです!」
あっ、せっかく忘れてた頭痛がぶり返してきた。
ジョゼットが呼ばれてもいないのに勝手にステージに上がりやがった。
「ちょっと、何考えてんのあんた!」
「可哀想なキャラはここにもいます!この遍歴の修道女、ジョゼットです!」
おおーっ、と会場から歓声が上がる。
ああ、そういや忘れてたわ。この娘は結構カワイイ設定あったこと。
アホキャラに成り下がった今では見る影もないけど。
「言おうとしてたことを地の文で言わないでください!
そうです、自分で言うのもなんですが、わたくしにはそういう設定があったんです!
それが今となっては、里沙子さんにこき使われ、蹴られ殴られの毎日……」
ブーブー!
なーにが不満なのやら。毎月小遣いあげてるし、外食は基本あたし持ちだし。
「皆さんは、“聖者の行進”というドラマをご覧になったことはあるでしょうか。
知的障害を抱えた主人公たちが働く、とある工場が舞台です。
そこでは抵抗する術を持たない彼らに対する、
社長や工員による凄惨な暴力が横行していたのです。確かにわたくしは馬鹿です。
でも、だからといって、ぶたれなければならない理由があるのでしょうか。
そう、この教会は、竹上製作所なのです!」
鬼や、こいつは鬼やで!
ギャラリーうるさいわよ!本当こいつは被害者面するのは得意なんだから!
「馬鹿言ってんじゃないわよ!あのね、あんたはまだ幸せな方なのよ。
紹介しきれなかった、マーカスみたいな使い捨てキャラは他にもたくさんいるんだから。
レギュラーの座を勝ち取ったあんたは幸せなの!」
「マーブルさんがいらした時、25発殴られました……」
やっぱり竹上製作所じゃねーか!
「ジョゼット、黙って」
「助成金目当てで教会運営してるのも一緒ですよね……」
うわーえげつな~い!
「里沙子さん……あなたそんなことを」
キシャアアア!!
「待って、冷静に考えてエレオノーラ。
これらの出来事は、あたしじゃなくて、これ書いてるバカが決めたことなのよ。
……そうよ。どうにもならないことで、
非難を浴びてるあたしが一番可哀想なキャラだと思うがどうか」
ふざけんなー!
それをなんとかするのが主人公だろーが!
その語尾の元ネタ誰もわかってねえぞ!
「わかった!あたしの負けよ!
今度パーラーで食い放題連れてくから、お願いだから黙って!」
「は~い!」
何が“抵抗する術を持たない”よ!なんだかいずれこいつに教会乗っ取られる気がする!
それにこいつら……!あたしの苦労も知らないで!
強引に次のゲストを呼び寄せるべく名簿をめくるけど、手頃な奴が見つからない。
ビートオブバラライカの連中は呼んでない。
全員まともな職に就いたり学校に行ったから。リア充に用はない。
ええと、哀れな奴、哀れな奴……
イエスさんにも頼りすぎた。
世界設定にまで食い込んでるから、これ以上出すと冗談抜きでバランスが崩壊する。
そう言えば、イエスさんに塩の柱にされた、ベネットって魔女もいたけど、
ゴッドパワーで未だに元に戻れない。
ディスプレイの前の皆さんからは見えないだろうけど、ステージの端に飾ってる。
結局、強引に次のプログラムを開始するしかなかった。
「皆さんお待ちかね!続いてのプログラムは“ここがダサいよ!うんざり生活”」
基本全部ダセえだろう!
……いきなりブーイングが飛んでくる。
本当に、ここでガトリングガン乱射して何もかもなかった事にしようかしら。
「ええと、ここでは会場の皆さんに具体的に、
これダサいなーと思うものを挙げてもらいたいと思います。
これだ!というものがある方は挙手願いま~す!」
すると、大きな影が手を挙げた。
「ありがとうございます!では、将軍殿、どうぞ!」
「我の名前自体がやっつけ仕事だと考える。シュワルツ・ファウゼンベルガー。
いかにも作ったような名前ではないか。
キャラ命名サイトで適当に探した感が見え見えであるぞ」
「えっと……それは、その」
「既出の問題であるが、地名の稚拙さも同様である。
他の領地の将軍に自己紹介する時に、我が恥をかいているのがわからぬか。
“ハッピーマイルズの将軍です”と名乗る恥ずかしさは、貴女にわかるまい。
それに、ちょくちょく出番はあるものの、
単に貴女が困った時に辻褄合わせに登場させられている感は否めない。
これは先程のプログラムに通じるところがある」
うん、うん。
どいつもこいつも納得してんじゃないわよ。
数少ない味方にも裏切られて、泣きたいのはこっちのほうよ。
「あの、それは、将軍殿が非常に頼りになる存在であるが故でありまして……
お名前に関してはタレ派の野郎とご相談頂けると非常に助かります」
「要するに、貴女は我については何もしてくれぬと、そういう事であるな?」
「あの、つまりは……そういう事に。他に意見のある方―!」
無理矢理話を打ち切って、別の意見を求めた。っていうか逃げた。
「俺だ」
「はいどーぞ!誰か知らないけど」
「シャリオだ!割と最近登場したばかりだぞ!」
「あー、あんたね。一応意見は聞くけど、文句は受け付けないわよ。
いきなりあたし撃ってきたんだから」
「この銀シャリみたいな名前は何だ!」
「だから、あたしに聞かれても困るんだって。
ええと、確か、キャラ名考案サイトの一つに、星座の名前を集めたサイトがあって、
その星のひとつにシャリオみたいな名前の星があったらしいわよ」
「奴に伝えておけ、もう少しセンスを身に着けろとな!……あと、言っておくぞ。
ここにお前の味方はいない。
一番まともな名前をもらったのはお前なんだからな!」
「えっ……?」
思わず会場を見渡す。今度はブーイングすらない。みんな冷たい目であたしを見るだけ。
「ねぇ、みんなどうしたのよ。あたしの名前は斑目里沙子。
……ははっ、これも作った感丸出しじゃない?みんなと一緒よ?
そんな怖い顔しないで……」
その時、両側から肩を掴まれた。
「なぁ、里沙子……私の名前の由来、何だ?」
やめてルーベル。目が笑ってない。
「あの、それは宝石の名前一覧から髪と同じ赤い宝石を選んだの。
当初はガーネットって名前にするはずだったんだけど、
あんまり直球すぎるから、他の宝石の名前をもじって……」
「里沙子さん、わたしの名前の由来はなんですか……?」
どうしてこの笑顔に恐怖を感じるのかわからない。
「うう……外人の名前一覧サイトから、綺麗っぽい名前を選びました」
「里沙子、後でスパーリングに付き合ってくれよ……」
「里沙子さん、後でマナ感知能力の特別授業を……」
「あ、里沙子さん。ついでにわたくしの名前も出処を教えてくださると……」
「世界樹の迷宮シリーズでいつも女の子キャラに付けてる名前。由来は今となっては謎。
1作目から使ってるから」
「そんな……」
こいつは即脅威にはならないけど、後で何を要求してくるかわからない。
ギャラリー共も騒ぎ出す。
ひどいぞー!
管理責任がなってない!
「なによ、なによ、何なのよ!皆であたしのせいにして!
悪いのは全部ダサいセンスで名付けたアイツじゃない!」
みんながあたしを傷つける!あたしを責め立てる!どうして!?
クソだけどフリーな世界で、
主人公という、ある意味一番辛い役割を演じてきたこのあたしが!
その時、誰か知らないけど会場から声が飛んできた。
“お前の名前の由来はなんだー”
あ、そうよ……どうしてあたしは斑目里沙子なのかしら。手元の資料を慌ててめくる。
あった。
「あったわ!ええと、名字の斑目は、“名字 珍しい”で検索して見つけた。
名前の里沙子については記憶にない、とあるわ。
……そうよ!あたしも半分はみんなと同じ、誰かに頼って命名された、
可哀想な存在なのよ!みんな、あたしを抱きしめてー!」
観客と一体になったことを確信したあたしは、ステージから客席に思い切りダイブした。
「……殴ることないじゃない。四方八方から」
ほうほうの体で暴徒から逃げ出し、ステージに座り込む。
「黙れ、この女江頭2:50が」
「おら、聖なるマリア様云々」
ルーベル、あたしのために出来ることを探しに来たなら守ってよ!
エレオノーラはウンコ座りしながら、回復術式を込めた指先で、
ぐりぐりとほっぺをねじってくる。お願い睨まないで。法王猊下が見たら泣くわよ。
あたしは彼女の雑な治療魔法を受けながら、
この茶番の最後のプログラムを始めようとしていた。
「最後よ。現時点での一番新しい仲間。
会場一番後ろの檻に入れられている、カシオピイアを紹介するわ。
ついでに、キャラ設定もここで固めるわよ。同じ悲劇を繰り返さないように」
「人間は反省するが学習はしない。ヤツの昔の上司が言ってた言葉だぜ」
「ワキャアア!里沙子!ワタシの、仲間……カシオピイアだけの!」
「どーどー。おやつの時間よ。ほら、(コトッ)アップルパイ」
「えへへぇ……おやつ、食べるぅ……里沙子?、いっしょにィ!!」
ペットのようにお菓子をもらって、一瞬下がったボルテージを爆発させ、
全身を檻に叩きつけるカシオピイア。
ああ、カシオピイア。例え(ピー)でも、あたしの味方はあなただけよ。
あなたがこんな扱いを受けているのは、本当に悲しい。
2mくらい距離を取らなきゃ安心できないのは、本当に悲しい。
側の長椅子に調教師のマリーが座っている。
軍服なのに誰も気にしないのは番外編ならではのフリーダム。
「あら、この娘よく見たら2丁拳銃じゃない。ポテンシャルはあるのかしら。
やっぱりアクシスの一員なのね」
「あんまり無駄に設定膨らませないほうが身のためだぜ。後々今みたいな状況になる」
「くはは。リサっち、すっかりピア子に懐かれちゃったみたいだねぇ。
……ところで、マリーさんの名前の由来、知りたいな~。さっき聞きそびれちゃった」
「えーと?資料になかった……諜報部員だから極秘なのよきっと」
「マリーさん、嘘は嫌いだな~……教えろ」
「別作品のキャラから流用したそうです!
こんだけストーリーに絡むとは思ってなかったそうです!
あたしのせいじゃないの!だからアサシンブレードみたいなのしまって!」
「よし、檻を開けようか。みんなの前で骨の髄までしゃぶってくれるよ」
「やめてって言ってるでしょ!条件は!?」
「ジョゼットちゃんと一緒にパーラー」
「わかったわよ、好きなだけ食べなさいな……」
「交渉成立~!じゃあ、このままじゃ喋りにくいだろうから、元に戻すね~
ピア子、ハウス!」
マリーの合図と同時に、暴れてるのか、はしゃいでるのかわからないカシオピイアが、
ピタリと動きを止め、軽く髪を直して立ち上がった。
アレ状態の記憶がないのか、左右を確認して、側のマリーに話しかけた。
「情報官マリー、ここはどこでしょう。今の状況についてご説明願います」
「どっちが“元”だかわかりゃしないわ……」
「うん、ここはリサっちの家。
また君が興奮気味だったから、ちょっと窮屈な思いをしてもらってるよ~」
「里沙子氏の家!?お手数をお掛けして申し訳ございません。
心の安定を保ったまま要塞の外に出られれば良いのですが。
……里沙子氏、少しお話ししたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」
どうしよう。檻に入ってるし、今は正気を保ってるみたいだけど。
あたしは、いつでも逃げられるように、50cmだけ近づいて彼女のそばに立った。
すると、彼女がいつも携えているアクリル板をずいと差し出してきた。
「な、なに……?」
「あの……できれば、サインを、頂けないでしょうか?」
「サイン?」
まともな精神状態なら美人の彼女が、少し頬を赤らめてコクコクとうなずく。
別にいいんだけど、こんなただのちっさい女のサインなんかどうするのかしら。
要塞の入出場に必要なの?とにかく、それくらいで済むならお安い御用よ。
「……ジョゼット、演説台のマジック持ってきて」
「はい」
ジョゼットからマジックを受け取り、“Risako Madarame”と普通に書いた。
芸能人でもないから、書き崩したりできないし。
署名したアクリル板をカシオピイアに檻の隙間から返した。
「これで問題ないかしら?」
「ありがとう……ございます」
彼女は嬉しそうにアクリル板を抱きしめて、黙りこくってしまった。
こうして大人しくしててくれると、目鼻立ちも整ってて、きれいなんだけど、
もったいないわね。お互いずっと黙ってるのも妙な感じだから、声をかける。
「あと、あたしは呼び捨てでいいから。これからよろしく」
「!?……本当に、よろしいのですか?」
「うん。里沙子氏、とかアキバのオタクじゃないんだから」
「はい!では、里沙子。もう一つお願いがあるのですが」
「っ……何かしら」
少し嫌な予感がして、一瞬言葉に詰まってしまった。今は大丈夫なのはわかってるけど。
「この、ワタシの媒体……名前を付けるように、言ってくれないでしょうか。
“アクリル板”じゃないです……」
「あー、本当ごめん。さっさとちゃんとした名前考えるように言っとくわ。
ダサいなりに由来も一緒に頭ひねって考えろってね」
「よろしく、お願いします」
綺麗な背筋でお辞儀するカシオピイア。うん、やっぱりもったいない。
なんでせっかくの美人を、サイコブレイクのラウラにしちゃうかしらね。
自分が不細工だからって、キャラクターに当たるのは良くないわ。
ちなみに、ネットでの評価は最悪だったけど、1作目も大好きよ、あたしは。
さて、こんなところかしら。
「みんな、パーティーはお開き!
このクソみたいな会合が、今後のうんざり生活発展に寄与することを祈ってるわ。
次回から、また魔王編が始まるけど、今日のことはなかったように振る舞うのよ。
わかった!?」
「“クソ”はお母様に叱られるんじゃなかったですか?」
「母さんだって、この有様を見たら大声でFxxkって叫ぶわよ。
さあ、者共、帰った帰った!」
この物語を構成する亡者達が去っていく。
後に残されたのは、食い散らかされた軽食と演説台。あと、ベネットだった塩。
「ふぅ、今日は大変でした~
客席から妙な生き物の声が聞こえてくるし。あれは何だったんでしょう」
「リプリーがエイリアンでも連れてきたんでしょ」
「黒鉄の魔女ダクタイルさん、ですね。
エイリアンネタもその辺にしないと、読者が混乱します」
「わかってるわよ!……あー、疲れた。こんなことは二度とご免だわ」
「タイトル読み返せ。誰のせいだと思ってる」
「だから、あたしだって登場人物の一人に過ぎないんだって……
みんなあたしのせいにしないでよ。もういい、片付けは明日にして、今日はもう寝るわ。
……あ、最後に、読者の皆様にお断りがあるわ。
3月末にファークライ5(PS4)が発売されるの。
えーと、つまり……それにかかりきりになるから数週間ほど更新が滞るわ。
マジでごめんなさい。
十中八九オンライントロフィーがあるから、過疎る前に取得しておきたいの。
終わったら頑張るから許して。お願い」
「トロコンするころには、お気に入りが0になってるかもしれませんね」
「冗談抜きでやめて」
*皆さん、今後ともお見捨てなきようお願いします…
他にもおかしいところがあればご指摘頂ければ幸いです。