クィデッチ優勝戦の朝となった。
私たちグリフィンドール・チームは、大広間に入ると割れるような拍手に迎えられた。
スリザリン生は、他の選手には野次を飛ばせていたが私には応援してくれた。
「ドラコ大丈夫?顔、良くないわよ?」
「あぁ…セティナか…ちょっと緊張して…」
「そっか…でも、うん。正々堂々と戦いましょう。まぁ、あなたはハリーとだけどね」
Mr.オリバー…いや、前にウッドと呼んでくれって言われたからね…うん。
ウッドは朝食の間ずっと、選手に「食え、食え」と勧め、自分はなんにも口にしないものだから、サンドイッチを口に突っ込んでやりましたわ
それには、皆苦笑い。
それから、他のグリフィンドール生はまだ誰も食べ終わらないのに、状態をつかんでおくためにフィールドに行け、と選手を急かした。選手が大広間に出ていくとき、また皆が拍手した。
「セドリックー!行ってくるねー!」
「あぁ!頑張れよ!」
フィールドにて…
「よーし……風らしい風もなし……太陽は少しまぶしいな……目が眩むかもしれないから用心しろよ……セティナの機嫌も大丈夫……グラウンドはかなりしっかりしてる。よし、キック・オフはいい蹴りができる……」
ウッドは後ろにチーム全員を引き連れ、フィールドを往ったり来たりしてしっかり観察した。遠くの方で、ついに城の正面扉が開くのが見え、学校中が芝生に溢れ出した。
「ロッカー・ルームへ」
ウッドがきびきび言い、全員中へと入った。
真紅のローブに着替える間、選手は誰も口をきかなかった。あのいつもふざけてるフレジョでさえ…
あっという間に時が過ぎ、ウッドの声が響いた。
「よーし、時間だ。行くぞ……」
歓声の中、選手がフィールドに出ていった。観衆の4分3は真紅のバラ飾りを胸につけ、グリフィンドールのシンボルのライオンを描いた真紅の旗を振るか、「行け!グリフィンドール!」とか「ライオンに優勝杯を!」などと書かれた横断幕を打ち振っている。スリザリンの方では、観衆が緑のローブを着て、スリザリンの旗に、シンボルの銀色の蛇を煌めかせていた。スネイプ先生は1番前列を陣取って、暗い笑みを漂わせていた。
「さあ、グリフィンドールの登場です!」
リー・ジョーダンの声がグラウンドに響く。
その声に、私はドクドクとなる心臓を落ち着かせるため息を吐き吸い込む。
「ポッター、ベル、ジョンソン、マリント、ウィーズリー、ウィーズリー、そしてウッド。ホグワーツに何年に1度出るか出ないかの、ベスト・チームの広く認められていますーー」
「そして、こちらはスリザリン・チーム。率いるキャプテンのフリント。メンバーを多少入れ替えたようで、腕よりデカさを狙ったものかとーー」
スリザリンからブーイングが起こった。
(…確かにそうかも。)
「キャプテン握手して!」
フーチ先生の合図でフリントとウッドが歩み寄り互いの手をきつく握り締めた。
「箒に乗って!…では、さーん…にー…いちっ!」
14本の箒がいっせいに飛び上がり、ホイッスルの音は歓声で掻き消された。
クァッフルを最初に取り、私はスリザリンゴールにまっしぐら。そして…
「セティナ、ブラッジャーをかわせ!ーーゴール!10対0、グリフィンドール得点!」
2回目にアンジェリーナが得点を入れ、私たちはガッツポーズをした。
「あいたっ!」
フリントがアンジェリーナに体当たりをかませ、アンジェリーナが危うく箒から落ちそうになった。
観衆が下からブーイングした。
「悪いわりいな、見えなかった!」
フリントがそう言い、次の瞬間、フレッドがビーターの棍棒をフリントの後頭部に投げつけ、フリントはつんのめって箒の柄にぶつかり、鼻血を出した。
「それまで!グリフィンドール、相手のチェイサーに不意打ちを食らわせたペナルティー!スリザリン、相手のチェイサーに故意にダメージを与えたペナルティー!」
「そりゃ、ないぜ。先生!」
フレッドが喚いたが、フーチ先生はホイッスルを鳴らし、ケイティーがペナルティー・スローのために前に出た。
「行けっ!ケイティー!」
競技場がいっせいに沈黙に覆われる中、リー・ジョーダンが叫んだ。
「やったー!キーパーを破りました!30対0、グリフィンドールのリード!」
その後、フリントのペナルティー・スローがあったがウッドが守った。
「グリフィンドールの攻撃、いや、スリザリンの攻撃ーーいや!ーーグリフィンドールがまたボールを取り戻しました。セティナ・マリントです。グリフィンドールのセティナ・マリントがクァッフルを取りました。フィールドを矢のように飛んでいますーーあいつめ、わざとやりやがった!」
まさにその通り。箒を捕まれ、進行方向を下にされ落ち掛けた…その後、スリザリンのゴールキーパーを破りペナルティは決めた。
「40対0!ざまぁ見ろ!汚い手を使いやがって。卑怯者ーー」
「公立中立な解説が出来なかったらーー!」
「先生、ありのまま言っているのです!」
ー ハリー
興奮でドキッとした。スニッチを見つけたのだーーグリフィンドールの3本のゴール・ポストの1本の根元で、微かに光っているーーまだつかむわけにはいかない。マルフォイに気づかれたら……。
急に何かに気を取られたふりをして、ハリーはファイアーボルトの向きを変え、スピードを上げてスリザリンのゴールの方に飛ぶと…うまくいった。後をつけてきた。
2人のビーターが迫ってきたため、ファイアーボルトを上に向けた。ボールとデリックがボクっと嫌な音を立てて正面衝突した。
「ハッハーだ!お気の毒さま!ファイアーボルトに勝てるもんか。顔を洗って出直せ!さて、またまたグリフィンドールのボールです。ジョンソンがクァッフルを手にしていますーーフリントがマークしていますーーアンジェリーナ、やつの目を突ついてやれ!ーーあ、ほんの冗談です。先生。冗談ですよーーアンジェリーナがセティナにクァッフルを渡しました。すざましい速さで飛んでおります。」
「ケイティー!」
「セティナがケイティーにクァッフルを渡し…ゴール!50対0!」
その後、スリザリンがウッドにブラッジャーを打ち込み、ペナルティーでアンジェリーナが入れゴール!
60対0
60点差…ここでスニッチを掴めば優勝。何百という目が迫っている。ハリーはその視線を感じた。
そして、見つけた。スニッチが自分の6.7メートル上でキラキラしているのを見つけ、スパートをかけた
が、スピードが落ちた。
愕然としてあたりを見回した。マルフォイが前に身を乗り出してファイアーボルトの尾を握り締め、引っ張っているではないか。
「こいつーっ」
「ペナルティー!グリフィンドールにペナルティー・ゴール!こんな手口は見たことがない!」
「このゲス野郎!」
「このカス、卑怯者、このーー!」
マクゴナガル先生はリーのことを叱るどころではなかった。自分もマルフォイに向かって拳を振り、帽子は頭から落ち、怒り狂って叫んでいた。
ペナルティーも外してしまった。
このことで、グリフィンドールは乱れて集中力を失い、逆にスリザリンはマルフォイがハリーに仕掛けたファウルで活気づき、有頂天だった。
スリザリンが得点を入れたものの、セティナがまた点を返していった。
今度はハリーがマルフォイにピッタリと張りつきマークした。
(皆、頑張ってるんだ。マルフォイなんかを絶対にスニッチに近づかせてなるものか!)
そのことにより、マルフォイはイライラしていた。
現在の得点
80対20
アンジェリーナがクァッフルを持っており、マルフォイ以外のスリザリン選手は、ゴール・キーパーも含めて全員、アンジェリーナを追って疾走していた。
ハリーはくるりとファイアーボルトの向きを変え、箒の柄にピッタリ張りつくように身をかがめ、前方めがけてキックした。まるで弾丸のように、スリザリンチームに突っ込んだ。散り散りになり、アンジェリーナはノーマーク状態。
「アンジェリーナ、ゴール!90対20!」
そのとき、僕は心臓が止まるようなものを見た。マルフォイが勝ち誇った顔で急降下しているーーあそこだ。芝生の1、2メートル上に小さな金色に煌めくものが。
「行け!行け!行け!」
僕は箒を鞭打った。
ブラッジャーをさけた。マルフォイの踵まで追いついた……並んだーー。
僕は両手を箒から放し、思いっきり身を乗り出した。マルフォイの手を払いのけた。そしてーー。
「やった!」
そう、勝ったのだ。グリフィンドールが!
手の中に、スニッチが羽をばたつかせてもがいているのを、指で感じた。
「優勝杯よ!わたしたちが優勝よ!」
腕を絡ませ、抱き合い、もつれ合い、声を嗄らして叫びながら
グリフィンドール・チームは地上に向かって降下していった。そして、僕たち全員肩車されていた。
ダンブルドアが大きなクィデッチ優勝杯を持っている。
ウッドがしゃくりをあげながら優勝杯を僕に渡し、それを天高く掲げた…