就職したら世界が滅びそう   作:高菜チャハーン

3 / 18
今日カルデアからお客さん来るから。あんたが仕掛けた魔術道具片付けときなさい。

………は?……把握してない?………バカじゃないのあんた!

はぁ、、、じゃあ誘導してきなさい。それくらい出来るでしょ。


3話 疲れた

我が家は深い森の中にポツンと一軒だけ建っており。家の周囲は畑やら工房やらで結構開けているので、空から見たら一発でわかる。つーか、バレる。

 

だから空からやって来ればいいんだから、わざわざ森を抜けようなんて思わないだろ?だから誘導って言ったって、ヘリコプターをどこら辺に下ろすとかさ、そういう事だと思ってたんだけどな?

 

 

「上から見たら一発でバレるなんて、そんなザル警備を魔術師がするわけないだろ?」

 

 

あのやろう許さん。だってさ、この森を抜けるのに徒歩で4時間かかるんだぞ?マジで陸の孤島。文字通りの消滅集落。俺達家族が移住したら誰も居なくなるからな。

 

しかも森を抜けるとなったら、俺が作った魔術道具をいくつか停止させなくちゃいけない。

 

蜃気楼を作り出して視界を歪めたり、霧を人口的に発生させたり、人避けの結界で巨大迷路作ったり。そんな感じのやつを森のいたるところに配置して、それが藤見家の魔力以外を察知したら発動するようになってるからな。

 

魔力を察知して発動した装置が何処にあるのか位はわかるから、カルデアからの客が森に入ったらどこら辺にいるとかはわかるけど、そのあとに誘導しろっていうのがめんどくさい。

 

だってさ、魔術道具が何処にあるのかわかってないから、客が何処にいるのかわかったらすぐさま向かって片っ端から装置を停止していかなきゃなんないし。

 

既に発動したあとだったら俺もその効果を受けるし。めんどくさい、だるい、やる気がでない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも帰られたら就職出来なくなる可能性が高いからやるしかない。そもそも把握してない俺が悪いんだろ?わかってるよ。

 

でもさ、しょうがないと思わないか?森の中だぜ?通学するときも、強化魔術をかけて最短ルートを選んでやっと30分まで時間短縮させたからな。めんどくさくて外出なんてしないし。

 

暇だから部屋で魔術道具作るか、読書するくらいしかやること無いんだよ。たまには森の中を素材集めしたり、魔術の鍛練するけどさ。

 

ようするに、暇な時間があるだけ、魔術道具が増える。数をこなせば製作時間は少なくなるし、素材と時間を使えば複雑な物も作れる。

 

けど、世界は平和で誰かを傷つける必要も無い。だから、家具や家電。調理器具や防犯グッズを魔術道具に仕上げる位しか作るものもない。

 

結果。森の中に防犯、索敵、足止め装置が一杯設置されるということになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤見家は代々、魔眼を保有する者が多いらしい。だから、千里眼とか宿ってくれてたら、俺が苦労すること無く客の位置も、装置の位置も全てわかった筈なのに。

 

しかし、無い物ねだりをすることに意味は無く、この目に宿っているのは別物。

 

 

吸魔の魔眼というらしいそれは、対象の魔力を奪うという一見チートに見える代物。

しかし、人の体には魔力の許容限界というものが存在する。それを超えれば魔力は毒でしか無く、しかも自分に流れる魔力の質とは異なるのだから、使用には危険を伴う。

 

魔力とは生命力であり、それを奪うということはA型の血液にB型の血液を混入するようなもの。って言ってたし。

 

魔術回路って神経みたいなもんなのにそこに異物混入する魔眼なんて、使いたくないじゃん?

 

 

そこで、魔術道具だ。魔術は扱いが上手い人ほど様々な行程を短縮出来る。逆説的に、多くの行程を処理することができれば扱いが上手くなくても、魔術を使える。ということなら。

 

媒体、術式、魔力供給。これをこなせば、簡単なものであれば魔術を誰でも扱えるというわけだ。例えば、金属に術式を彫り込み、そこへ魔力を貯めた宝石類を組み込む。そうすれば宝石類に貯められた魔力分、術式に応じた魔術が使える。

 

俺が作ってた魔術道具はこの仕組みで動いているし。宝石類に貯められた魔力は俺のものなので魔眼を使っても問題なく停止させられる。

 

 

 

 

 

 

だから俺が自分で作った魔術道具は自分で停止しなきゃいけないんだ。……………わかってるよ?わかってる。いくら面倒でも、カルデアの職員さんに山登りを強いる状況になってしまっている上に、魔術道具盛りだくさんでお出迎えとか。俺の就職の話しに来てもらってるのに失礼過ぎる。

 

 

といっても、目の前まで出ていって案内するのは気が引ける。というより、緊張でおかしくなる。なので、

 

 

魔術道具(使い魔)を大量に山に放ち、反応が起きた地点から随時、宝石類を取り外すことにした。

 

 

猫とか鳥とかなら木の下も上も対応できるだろ。行ってらっしゃい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、客人は無事、我が家に到着。俺も宝石類の回収終了

 

 

さーて挨拶行きたくないな。だって話するの怖すぎ、でも話をしないと始まらないジレンマ。

 

 

 

 

 

 

 

……………もういいや、腹括って帰ろう。どうせ、泊まり込みだし、いつかは関わらないといけないわけだし。

 

誰か趣味の合いそうな人がいいんだけどな。

 

 

 

 

「ただいま-」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




3話目になっても未だセリフが一言だけってどういうこと
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。