わかっているとは思いますが、カルデアではマスター候補生が訓練をするための施設や、生活を行うための設備が整っています。
主な作戦はAチームが担当しますが、貴方も訓練は怠らないで下さい。
きたる2015年1月30日……ファーストオーダーまでに十二分な用意をしておいて下さい。
そろそろ着陸しようという頃、どうやら調子を取り戻したらしいオルガマリーさんに怠けないよう釘を刺されてしまった。
しかし、先ほどオルガマリーさんが溢した言葉。レイシフト。その先では様々な危険が待ち受けているらしいし。事前情報の確保や基礎身体能力、魔術の扱いの向上は生還率に大きく影響するのだろう。
そういえば。オルガマリーさんとDrは俺を向かえに来たんじゃなくて、カルデアで何をするか、どんな目的で活動してるとかの詳しい説明をしに来たんだったな。
オルガマリーさんは母さんに振り回されてたし、Drは俺とオタ談義してたし、完璧に忘れてたな。
まぁ、カルデアに着いてから何も知りませんじゃあ、お話にならないし。Drに軽くでも聞いておくかな。
人理継続保証機関カルデア…………人類の未来を保証するための機関。この地球に魂があると仮定し、その魂をコピー、そして複写した擬似天体『カルデアス』そして、その魂を近未来観測レンズ『シバ』によって観測でき、
日本の冬木という町で行われた聖杯戦争、その魔術師の儀式を解析することで、英霊『サーヴァント』の召喚を応用した霊子ダイブ『レイシフト』により、時代への介入を可能した。
これらの神の御業とも言える技術を理論ではなく、実現させている擬似霊子演算器。
この他にも様々な説明をしてもらったが、多過ぎて覚えてない。ごめんねDr。
つまり、レイシフトとは人類の未来を継続させるための行為であり。文字通り、世界を救う戦いだ。
危険度は世界滅亡級。死亡率はレッドゾーン。Aチームがいくら優秀な魔術師を集めた7人だとしても、やがて欠員が出るだろう。
だが。いや、だからこそ48人もの人材を用意したのだろう。その中には一般人も居るようだし、レイシフトを行える残機は一つでも多い方が良いということだろう。
俺はもちろんAチームではないし。存在価値と言えばこの魔眼くらいなんだけど…………………もしかして俺って、マスター候補生としてじゃなく。この魔眼に関する論文発表を建前に時計塔から研究費の援助という名の財政管理の一貫だったらするのか?
そうだとしたら、シミュレーション室とかで毎日魔眼発動させなきゃなのか?
それは………………嫌だな。とても嫌だ。
目が痛くなることもそうだが。そもそもこれは乱発して良いようなものじゃないからだ。
この魔眼の能力は『相手の魔力を奪う』だが、それは魂食い等と比べるとそもそも奪う対象が違う。
古来より、処女の生き血や心臓等と魔力は深い関係にある。それは魔術を行使するための触媒だったり、幻想種や魔獣の魔力リソースとして捧げられたりと様々だ。それは一重に、処女の生き血や心臓が多くの生命力を持つからに他ならないからだ。
生命力は魔力とイコールと言っていい。魔術回路が 変換する際の収率は100%だからな。
生命力を直接奪う魔眼もあるらしいが、この『吸魔の魔眼』は恐らくそれの上位にあたるものだろう。
何しろ魔力であれば何でも吸収できる。その上、生命力を魔眼の魔術回路で変換して魔力を奪うことも出来るのだ。その代償か、魔力を奪う際に激痛が走るようになっている。
目は最も脳に近い臓器だ。そこに激痛が走るとなれば脳に影響を及ぼす可能性もある。半身不随や記憶喪失が起こることは滅多に無いと思うが。長時間の魔眼発動ではそれもあり得る。
極端な話、この魔眼の限界を試そうと実験されたら、激痛によって意識が薄れている俺が魔眼を乱発して周囲の生物が全滅。その上俺は記憶喪失でその実験のことは全て忘れてる。
なんてこともあり得る。
いや、そもそも実験体としてじゃなくマスター候補生としてカルデアに来たわけだし。Aチームが頑張ってくれれば、訓練した記録を残すだけで給料貰えそうだし。その間カルデアの施設を使いまくれるのは良いな。
レイシフトでは過去に直接向かうようだから、その記録を閲覧したり。図書室に籠ってひたすら読書も出来るとか。
補欠最高じゃね?
貴方も、いや、Aチーム以外のマスター候補生のことだよな。今は俺が一人だから貴方達って言わなかっただけだよな