機動戦士ガンダムSEED DESTINY〜インフィニティー・セイバーズ〜   作:剣舞士

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ようやく第3話を投稿できたぁ〜( ̄∇ ̄)


しかし、デブリ戦まではいけなかった……申し訳ないです。




第3話 女神の出陣

戦況が刻一刻と悪化して行っている中、アスランとカガリが乗ったザクは、ザフト軍関係者の集まる臨時対策本部へと降り立った。

周りでは、負傷者の救護、損傷したMSの改修などが行われていたり、また、避難勧告が出た地域の対処なども話し合われていた。

 

 

 

「こっちはダメだ! 動ける機体は、ミネルバのドッグに向かってくれ! あっ?! そうだよっ、負傷者もだよ!」

 

 

 

副官クラスのザフト軍兵士が、大きな声を荒げながら指示を出していた。

そんな中、とりあえず指示に従って、新造艦ミネルバの元へと歩きながら向かうアスラン達のザク。

 

 

 

「っ……」

 

「んっ……んんっ……」

 

「っ!? カガリっ!?」

 

「んっ……ア、スラン……?」

 

「カガリっ、大丈夫かっ?!」

 

「あ、あぁ……大丈夫……だ」

 

「すまない……つい……。今、安全な場所を探すから……」

 

「いや……」

 

 

 

ようやく意識を取り戻したカガリに、アスランも内心ホッとした。

しかし、そんな心すらも、周りに見える惨状を見せられたら、一瞬にして凍えてしまう。

 

 

 

「それにしても……これは……」

 

「っ…………」

 

 

 

 

カガリの言葉に、アスランはただ、黙って機体を動かすことしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方で、コロニーの外では、強奪部隊の母艦たる『ガーディー・ルー』と、警備に当たっていたナスカ級との戦いが終盤に向かっていた。

予想外な展開になすすべなく、ナスカ級はガーディー・ルーの放った《ゴッドフリート》によって貫かれ、木っ端微塵に爆散した。

 

 

 

「ナスカ級、撃沈!」

 

「後方に敵艦2! ナスカ級とローラシア級です!」

 

「さらにMS接近! ゲイツが三機!」

 

「加速20パーセント! 回頭10! MS呼び戻せ!」

 

「ふむ……」

 

 

 

オペレーターの声に、仮面の男、ネオ・ロアノークは俯いた。

そして、もう一度オペレーターの方を向き、気になっていたことを問う。

 

 

「彼らは?」

 

「いえ、まだのようです」

 

 

 

彼ら……とは、無論コロニー内で新型機の強奪を行なっている三人の事だ。

彼らは普通のナチュラルとも、普通の軍人とも違う。

故にこんな大胆な作戦を思い付き、それを実行させようとしたわけなのだが……。

 

 

 

「失敗……しましたかな?」

 

「…………」

 

 

 

ガーディー・ルー艦長たる、イアン・リーは、そんな言葉を投げかける。

 

 

 

「港を潰したと言っても、あれは軍事工廠です……時間をかけていては、こちらが不利になります」

 

「わかっているさ……でも、彼らが最初から出来ないとわかっているなら、俺もこんな無茶な作戦、やらせはせんよ……」

 

「…………」

 

「外へ出て時間を稼ぐ……艦を任せるぞ!」

 

「ハッ! 格納庫っ、《エグザス》出るぞ! 良いかっ!?」

 

 

 

 

なんらかのトラブルでも発生したのか……。

彼らの力量は知っているが、先程イアンも言った通り、アーモリーワンは軍事工廠であり、ましてや明日は新造艦の進水式もあるため、それなりにMSや戦艦などの戦力を持ってきているはずだ。

なので、もうあまり時間はかけられない。

ネオはそのことを踏まえ、自らも出撃することにした。

そして、アーモリーワン内では、三機の新型機がもたらした惨状に対する収拾が行われていた。

 

 

 

 

「どう?! 本部とのコンタクトは取れた?」

 

「ダメです! 本部、依然応答ありません!」

 

「工廠内ガス発生! 『エスバス』から『ロナール』地区まで、レベル4の退避勧告発令!」

 

「っ…………」

 

 

 

 

新造艦ミネルバ内では、外の状況を把握しきれておらず、また対応の指示すら来ていない状態に、艦長たるタリアも、副長であるアーサーも困惑も焦りを感じていた。

 

 

 

「艦長っ……これ、まずいですよね? もし、このまま逃げられでもしたら……!」

 

「そんなことされてたまるものですかっ……! でも、一体どこの部隊かしらね……? こんな大胆な作戦を実行してくるなんて……っ!」

 

 

 

未だ全貌が明らかになっていない正体不明の敵に、タリアは歯がゆいと言った感じだった……。

そして、当の敵は、外で更なる交戦を繰り広げていた。

 

 

 

「よしっ、《エグザス》出るぞ!」

 

 

 

ガーディー・ルーのカタパルトデッキから飛び出して言ったのは、一機のMAだった。

紫を基調としたガンバレル搭載型の機体。

本来、ガンバレル装備を使用する際は、高い空間把握能力に秀でていないと扱えない。

しかし、ネオのその能力は、連合パイロットの中でもピカイチだ。

 

 

 

「フッーーーー!」

 

 

 

迫り来るMS三機。

しかしネオは不敵な笑みを浮かべたままだ。

こちらのMSは、一機落とされてしまったため、出ていたもう一機は下がらせた。

そんな中を、単機で出撃し、迫り来る銃弾の雨をことごとく掻い潜る。

そして、お返しとばかりにガンバレル四基を射出。内蔵されている二連装のビーム砲を放ち、瞬時に三機のMSを撃破してしまった……。

 

 

 

 

 

 

ッーーーーーー!!!!!

 

 

 

 

(なんだ…………っ!!?)

 

 

 

突然、なにかの気配を察知したレイ。

しかし、それがなんなのかはわからない。

そして今は、目の前の敵機を抑えなくてはならない状況だった。

戦線を空中へと移したシン達の戦いは、さらにヒートアップしていた。

スティングはカオスの機動兵装ポッドを射出。

内蔵してあるビーム突撃砲を撃ち、インパルスの死角から狙ってくる。

 

 

 

「くそっ! なんて奴らだよっ、奪った機体でこうまでっ……!」

 

 

 

 

新型の機体は、強力ではあるが、その扱いが難しいはずなのだ。

しかし、強奪した三人の動きは、歴戦の戦士そのものの動きだと思っていいほどに洗練されていた。

しかも、機体を強奪してから、使いこなすまでの時間が極端に短いため、その技量の高さを頷けている。

 

 

 

「チィッ!」

 

「ハハッ!」

 

 

 

シンの他にも、レイはザクのビームトマホークを展開して、アビスに斬りかかるが、アビスはビームランスで受けると、瞬時に弾いて、レイのザクに蹴りを入れ、強引に引き剥がす。

そして、体勢を崩しているチャンスを逃すまいと、シールド内にある三連装のビーム砲を放った。

 

 

 

「くっ……!」

 

『レイッ!』

 

「っ……!?」

 

 

 

突如聞こえた通信越しの声。

そして、アビスの放ったビーム砲から守るように、レイのザクの前に、灰色の機体が割って入った。

ビームを盾で受け止めて、これ以上の追撃を許さないとばかりに、灰色のザクはアビスをビーム砲で狙い撃つ。

 

 

 

「イチカかっ……!」

 

「悪い、遅くなった!」

 

 

 

白い機体の前で、同じ姿をした灰色の機体がやってきたため、アウルはうんざりしたような表情をする。

 

 

 

「ったく、まだいんのかよっ!」

 

 

 

胸部の《カリドゥス》と背部の《バラエーナ改》二門を放つアビス。

レイとイチカは、左右に分かれて、レイが真正面からビーム砲で反撃し、イチカは側面に回り込む。

 

 

 

「チッ!」

 

「これで3対3だっ、フェアプレーの精神でいこうぜっ!」

 

 

 

イチカのザクが、ビーム突撃砲を左手に持ち替えて、左腰にマウントされていた対艦刀を、右手で引き抜く。

刀身は鋭く光る銀色をしており、その刃筋には、ピンク色のレーザーが迸る。

 

 

 

「はあああああッ!!!!!」

 

「このっ、雑魚がぁーー!!!!」

 

 

 

対艦刀を振り上げ、思いっきり上段から叩きつけるように斬りかかる。

アビスはビームランスで受け止めるも、その鍔迫り合いの状態から動けない。

 

 

 

「レイっ、今のうちにカオスをっ!」

 

「ああっ……!」

 

 

 

未だカオスと交戦しているインパルスの元へと、レイのザクが向かう。

 

 

 

「チィッ!」

 

『シンっ!』

 

「っ!」

 

 

 

高機動のMA形態に変化して、インパルスを翻弄するカオス。

そこにレイも加わり、逆にカオスを追い詰めていく。

 

 

 

「ちっ、いい加減にしつこいっ!」

 

 

 

ポッドによる多角的な攻防。

背後や真下、真上からビームを放ってくる。

そんな中、シンは残りの一機、ガイアの行方を捜していた。

すると、ガイアはコロニーの外壁に向かって、右手のビームライフルと、背部のビーム突撃砲を発射。

おそらく、外壁に穴を開けて、そこから逃げようとしているのだろう。

一応、外壁には対ビーム加工をした塗装や装備を配置しているが、それも無限に効力を発揮するとは限らない。

 

 

 

 

「くっそおぉぉぉッ!!!!!」

 

 

 

 

インパルスは対艦刀を収納し、両手にビームブーメランを握る。

狙うは隙だらけのガイア。

二本のビームブーメランがガイアに向けてまっすぐ飛んでいく……が。

 

 

 

「させるかよぉッ!!!!!」

 

「しまったっ!?」

 

 

 

 

イチカの鍔迫り合いを引き剥がしたアビスが、ガイアに迫るビームブーメランめがけて、胸部の《カリドゥス砲》、背部の《バラエーナ改ビーム砲》、両肩部のシールド内にある《三連装ビーム砲》を全て放つフルバーストを放ち、ビームブーメランを完璧に破壊する。

 

 

 

「ちっ!」

 

「すまん、抜かれた……!」

 

 

ガイアの前に立ちはだかるように、カオス、アビスが現れる。

 

 

 

「ミネルバッ! 《フォースシルエット》をッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、未だ混乱冷めやまぬ地上では、ガス発生によって退避勧告が発令され、避難する者たちや、その対応に追われている者たち、また外にいる敵母艦と、強奪された三機の行方や情報を待っているものたちもいる。

そんな中、未だにドッグに取り残されている新造艦ミネルバには、ある人物が乗り込んでいた。

ミネルバのブリッジへと入るドアが開き、そこからぞろぞろと人が入ってくる。

その真っ先にいた人物は……。

 

 

 

「ぁ……」

 

「?……っ、議長っ……!?」

 

「状況はっ?! 一体どうなっているんだ!?」

 

 

 

プラント最高評議会議長……ギルバート・デュランダルその人だった。

そして、その後ろを紫服の文官たち数名が入ってくる。

議長と面識のあるタリアが、議長に話しかける。

 

 

 

「議長、どうしてこちらにっ?!」

 

「この事態の収拾をせねばならんからな……っ、だが、外では危険だと言われて、せめてミネルバに乗ってくれとの事だったんだよ……。

それで? 今の状況はどうなっている? あの三機の新型はどうした?!」

 

「おそらく港を潰された可能性が大きいですね……。それと、敵母艦の情報も、未だ入っておらず、本部との連絡も取れておりません。

そして、強奪された三機については、ミネルバ配属となるMSパイロット達が、今もなお交戦中です」

 

「チィッ……そうか、ありがとう……艦長」

 

「いえ……」

 

 

 

 

明らかに苛立っている議長の姿に、ミネルバクルー達も自然に黙り込んでしまった。

そんな時、そのミネルバ配属のMSパイロットの一人であるシンからの通信が入ってきた。

 

 

 

 

『ミネルバッ! 《フォースシルエット》をッ!!!』

 

 

 

 

直接受けたオペレーターである『メイリン・ホーク』は、すぐに指示を仰ごうと、艦長であるタリアの方を向く。

 

 

 

 

「………………いいわ、許可します! 射出してっ!」

 

 

 

艦長の決定に、副長であるアーサーは驚いたが、艦長のタリアが議長の方を向き、催促する。

 

 

 

「もう、機密も何もないでしょう?」

 

「っ…………あぁ」

 

 

 

この緊急事態では、やむ無し……と言った表情で、議長は頷いた。

そして、オペレーターのメイリンによって、『フォースシルエット』の射出準備が行われた。

 

 

 

『フォースシルエット、射出スタンバイ! シルエットハンガー1番を開放。プラットホームに移動開始します!』

 

 

 

『1』と書かれたハンガーが開き、そこから新たなシルエットフライヤーが現れる。

中央カタパルトに登るためのプラットホームに移動をし、やがて、気密シャッターが閉鎖されて行く。

 

 

 

『中央カタパルト、エンゲージ! シルエットフライヤー、発進、どうぞ!』

 

 

 

メイリンの言葉に反応するようにして、シルエットフライヤーのスラスターが点火する。

カタパルトデッキの電圧が高まり、フォースシルエットは、勢いよく飛び発つ。

折りたたんでいた大きな羽根を広げ、大推力のスラスターと、複数のバーニアスラスターがシルエットフライヤーを一気に加速させる。

空を切り、飛び発つシルエットフライヤーを、アスランとカガリが搭乗していたザクも、その目に写した。

シルエットフライヤーは、どんどん高度を上げていき、インパルスのいる場所へと登って行く。

一方、強奪機とシン達の戦いも、戦局のバランスが崩れ始めていた。

 

 

 

 

「うっぜぇなっ! この剣野郎っ!」

 

「うおおおっ!!」

 

 

 

ビームランスと、二本の対艦刀が交錯する。

両手に抜いた対艦刀《オーバーエッジ》……それを淀みない動きで振り回すイチカのザク。

この動きや装備の違いに、アウル達も流石に気づいた。

 

 

 

「こいつっ、接近戦だけは化け物みたいに強えっ……!?」

 

「まだまだっ!」

 

 

 

後退を強いられるアビスと、それを追撃するザク。

両手の対艦刀を振り上げ、思いっきり斬りかかる。

アビスはそれをビームランスを振り抜き、はじき返し、連装砲で牽制するが、ザクもスラスターを全開にして、流れるように連装砲を躱す。

 

 

 

「くそっ、敵地だからってバカスカ撃ちやがってっ……!」

 

「チィッ!」

 

 

 

 

一方、シンのインパルスと、レイのザクはカオスを追い詰めようとしていた。

しかし、高機動のMA形態に変形して、機動ポッドを射出。

装備が《エクスカリバー》一本で戦うインパルスを集中的に狙い撃つ。

シンはシールドでビームを受け、近づいてくるカオスに、思いっきり《エクスカリバー》で斬りつけた。

しかし……。

 

 

 

パキィィィィンーーーー!!!

 

 

 

「っ……!!!!???」

 

 

 

斬りつけた瞬間に、カオスの持つ巡航機動防盾……シールドで防がれて、さらには真っ二つに折れてしまった。

それで、インパルスの手持ち武装は、ビームライフルとシールドが一つずつに、腰部の両サイドに格納されている折りたたみ式の対装甲ナイフが二つのみになってしまった。

これを好機と思い、スティングはシンに集中砲火を放つ。

成す術なしのインパルスは、シールドでただ防ぐだけだったが、カオスの前を緑色のビームが飛んでくる。

 

 

 

「シンっ!」

 

「っ……!」

 

 

 

 

レイの援護によって、カオスはインパルスから引き離され、アビスは今もなおイチカと交戦中。

そんな中を、新たなバックパックを搭載したシルエットフライヤーが横切る。

 

 

 

「シンっ、今だ!」

 

「ああっ!」

 

 

 

イチカの言葉に、シンは即座にシルエットフライヤーを追いかける。

そして、背部のソードシルエットを解除してパージ、シルエットフライヤーもフォースシルエットをパージし、インパルスの背部と、フォースシルエットが赤いレーザーサイトで繋がれる。

次第に二つは合体し、VPS装甲が『赤』から『青』へと変化し、コンパクトだった機動シールドは、上下左右へとスライドし、有効防御面を拡大させた。

 

 

 

 

「「「っ!!!??」」」

 

「フッ……」

 

「やった……っ!」

 

 

 

 

インパルスの真価は、本体そのものであるコアスプレンダー、上半身のチェストフライヤー、下半身のレッグフライヤーを合体してMS形態になるという機構を取っていることによって、生存性と戦闘状況継続に秀でている部分だ。

さらに、今やってのけたように、各シルエットの換装により、多種多様な戦闘スタイルに移行することができる。

ソードシルエットから、フォースシルエットに換装したインパルスは、その高機動を生かして一気に加速する。

ビームライフルで射撃を行うカオスに向けて、ジグザグに飛び、回避しながら肉薄する。

背部に装備したある《ヴァジュラビームサーベル》を抜くと、一気に間合いに侵入して、カオスに対して斬りかかる。

カオスは寸でのところで回避し、直撃を避けるが、パイロットであるスティングは未だに驚きを隠せない。

 

 

 

 

「こ、こいつはっ…………!!!」

 

「装備を換装するっ?!!!」

 

 

 

アウルも始めてみる機構に驚き、イチカとの交戦を避け、三連装ビーム砲をインパルスに向けて放った。

しかし、機動シールドが広くなり、有効防御面が大きくなった今のインパルスに、その攻撃はむしろ悪手となった。

 

 

 

「ッーーーー!!!」

 

「なっ……!?」

 

 

 

六本のビームの光が一斉にインパルスに降り注ぐが、そんなもので止まるインパルスではない。

逆にアビスに肉薄すると、そのまま盾をアビスに向けてぶつけた。

まるで電流が流れたかのような衝撃が襲い、アビスはそのまま後方へと飛ばされる。

そして、インパルスはそのまま外壁を攻撃し続けるガイアの元へ……。

 

 

 

「はあああああーーーー!!!」

 

「いやぁっ!!? こっち来ないでぇっ!! あっち行ってぇぇっ!!!」

 

 

 

泣き叫ぶように発するステラの言葉。

ビームライフルでインパルスを威嚇するが、乱れた感情で放つビームは、インパルスの横を通り過ぎる。

シンはビームサーベルを振り抜き、ガイアを斬り裂こうとするが、ステラもまた、やられまいと必死に逃げる。

 

 

 

 

「ええいっ! こんのおぉぉぉッ!!!!」

 

「くそっ……!」

 

 

 

アビスがフルバーストを放ち、その砲弾がコロニーの外壁へと新しい。

見た目は異常ないのだが、これ以上くらい続けたら、いつ穴が開いてもおかしくはない。

フルバーストを放った後のアビスに対して、イチカが斬り込む。アビスは盾で受けながら、うまい具合イチカからの斬撃を受け流す。

 

 

 

「けど、だからってぇっ!!!」

 

 

 

今度はカオスがMA形態となり、ガイアを攻めるインパルスの背後から近づく。

 

 

 

 

「落ちろおぉぉぉッ!!!!」

 

「はっ……ぁあっーーーー!!!」

 

 

 

猛スピードで近づいてくるインパルスに、ステラの表情は強張った。

迫ってくる死への恐怖で、体が硬直してきたのだ。

しかし、そんなインパルスの背後からカオスが接近する。

背部のセンサーブロックがスライドすると、そこから、アビスの胸部についているものと同じ《カリドゥス複相ビーム砲》が現れる。

さらに、右手のライフルに、機動兵装ポッドに内蔵してあるビーム突撃砲……それら全てを一斉に放つ。

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

ビームはまっすぐインパルスに向かって飛んで行くが、それらのビームは一切インパルスにあたることなく、その脇を素通りし、全てコロニーの外壁へと向かっていく。

やがて、それらのビームが着弾した瞬間、大きな衝撃とともに、アーモリーワンのコロニーに、大きな穴が開いてしまった。

 

 

 

「「「っ!!?」」」

 

 

 

宇宙空間との遮蔽物がなくなってしまったため、コロニー内の空気が、徐々に外へと流れ出る。

その勢いを利用し、ガイア、アビス、カオスは外へと離脱していく。

 

 

 

「くそっ……!」

 

「お、おいっ、シンっ!? ええいっ……!」

 

「シンっ! イチカっ! ちっ……!」

 

 

 

外に出て行った三機を追いかけるために出て行ったインパルスを、イチカが乗るザクが追いかける。

そして、出て行った二人を追いかけるレイのザク。

三機は外壁を抜け、宇宙へと飛び出して行った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その間、ミネルバでは、損傷した緑色のザクが艦内へと入ってきた。

たまたまその場にいた、アリサとルナマリア、そのほかにも艦内の憲兵隊や整備班のメンバーが、ザクのコックピットから降りてくるアスランとカガリの姿を確認し、不審に思っていた。

 

 

 

 

「な、なに? あの子たち……!」

 

「えっ……あの人って……」

 

 

 

ルナマリアは近くにいた憲兵から銃を借り受け、その場にアリサと共に、降りてくる二人に問いただした。

 

 

 

「そこの二人! 動くなっ!」

 

「え……」

 

「っ…………!」

 

「なんだお前たちは、軍の者ではないなっ……?! 何故その機体に乗っているっ!」

 

「まさか……!」

 

 

 

銃を向け、相手を威嚇するルナマリア。

しかしその横にいたアリサが、信じられないと言った表情で、口を開いた。

 

 

 

 

「オーブの……アスハ代表……っ?!」

 

「えっ?」

 

「銃を下ろせ。そちらの彼女が言った通りだ……。こちらはオーブ連合首長国代表の、カガリ・ユラ・アスハ氏だ」

 

「っ!?」

 

 

 

カガリの盾になっているかのように前に出ている青髪の護衛、アスランが口を開く

 

 

 

「俺は随員のアレックス・ディノだ。デュランダル議長との会談中に今回の騒ぎに巻き込まれ、避難もままならないまま、こちらの機体をお借りした。

代表は怪我をされているっ、傷の手当てを頼む! それから、デュランダル議長はこちらに入られたのだろう? 面会を求めたい!」

 

 

 

淡々と話すアスラン……いや、アレックスという青年。

あまりにも手馴れた指示に、ルナマリアも整備班や憲兵の者たちは呆気に取られていた。

しかし、そんな中で、信じられないと言った表情で固まったままの者がいた。

 

 

 

「なんで……こんな所に、アスハ代表が…………!!」

 

 

 

サファイアのような蒼い瞳を持つ銀髪の少女、アリサだった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、シン、イチカ、レイの三人が外へと出て行ったのを見たミネルバの副長、アーサーが叫んでいた。

 

 

 

「艦長! あいつらっ、何を勝手な事をっ! 外の敵艦はまだっ……!!」

 

「インパルスのパワー、危険域です! 最大であと300!」

 

「ええっ!!?」

 

「っ…………インパルスまで失うわけには行かないわ! ミネルバっ、発進します!」

 

「ええっ!!?」

 

 

 

タリアの言葉に、クルーたちは言葉を失う。

しかし、そんな静寂に包まれたブリッジの中で、たしかに聞こえた声が……。

 

 

 

「頼む……タリア……!」

 

 

 

ギルバート・デュランダルだった。

議長も賛同しているとなると、この決定は覆せないものになるだろう。

副長であるアーサーも、これ理解し、即座に行動に出た。

 

 

 

「ミネルバ、発進シークエンススタート! 本艦はこれより戦闘ステータスに移行する!」

 

「FCSコンタクト! 兵装要員は、全ての即応砲弾群をグレード1に設定!」

 

 

 

艦内のシステムが、全て戦闘モードへと変更されていく。

艦長のタリアは後ろを振り向き、議長へと下船を促した。

 

 

 

「議長も早く下船をっ……!」

 

「タリア……とても残って報告だけを待っていられる状態ではないよ……」

 

「しかしっ……!」

 

「私には、権限もあれば義務もある…………私も行くっ……! 許可してくれ!」

 

「っ…………」

 

 

 

 

議長からの頼みとあらば、否定するわけにもいかない……。

タリアは悩んだ末、議長の乗船を許可した。

そして、メイリンのオペレーションと共に、発進準備が滞りなく進んで行く。

 

 

『本艦はこれより発進します! 各要員は速やかに所定の位置についてください!』

 

 

 

ミネルバを停泊していたドッグでは、ケーブルやら安全装置などが外されていき、コロニー底部から宇宙空間へと即時発信できるように稼働していた。

その頃、外に出て行ったシン達は……。

 

 

 

 

「っ……くそっ、どこに行ったんだっ……!」

 

 

 

先行するインパルス。

あたりを見回しながら、逃げた三機の行方を追っていた。

その後ろを、灰と白のザクが追いかけてくる。

 

 

 

「シンっ! 待てって、落ち着け!」

 

「シンっ、一旦引くんだ! 闇雲に探してもっーーーー!!!」

 

 

 

必死に探すシンと、それを辞めさせようするイチカとレイ。

しかし当の三機は、シン達が探しているエリアを遠く離れ、母艦であるガーティー・ルーへと入っていた。

その様子を、紫色のMA……《エグザス》に搭乗するネオは静かに眺めていた。

 

 

 

「なるほど……たしかに、これは俺のミスかな?」

 

 

 

コロニーにへばりついた状態だった機体を浮かせ、これ以上の追撃をさせないために、ネオはインパルス達がいる方向へとスラスター全開で向かった。

その間、無事ガーティー・ルーへと入った三機。

スティングとアウルも、無事帰還できたことに安堵していたが、ステラは自身の両肩を抱きしめ、気持ちを落ち着かせようとしていた。

 

 

 

「大丈夫っ……死んでない……大丈夫よね? ステラっ……!」

 

 

 

まるで自分に言い聞かせるような言葉だった。

そして、ガーティー・ルーでもまた、艦を離れていたネオからの作戦指示が入ってきていた。

 

 

 

「ロアノーク大佐から入電!」

 

「ん?」

 

「ガーティー・ルーは、三機収容後に『ブルー18、マーク3、アルファに進行せよ』とのことです!」

 

「んっ…………」

 

 

 

 

艦長であるイアンは、その指示に従い、ガーティー・ルーを発進させた。

その頃、ミネルバもまた、発進シークエンスの最終段階に入っていた。

底部のゲートが解放されていき、ミネルバを固定しているアームが、徐々にリフトダウンして行く。

 

 

 

「ミネルバも出港するのか? プラントの状況は、そんなにも悪いのか……」

 

 

艦内を歩いていたカガリとアスラン。

その随員として、ルナマリア、アリサ、それから憲兵たちがついて行く。

 

 

 

「まぁ、こんな事態ですので、新造艦であるミネルバも、退避するんじゃないかと思いますが……」

 

「そうなのか……しかし、なんでこんな……っ!」

 

「っ…………」

 

 

 

カガリの問いに答えたアリサは、なんとも複雑な表情をしていた。

何故このアーモリーワンにいるのか、そして何故、よりにもよって、このミネルバへと入ってきたのか……そして、何故二年前のあの日…………。

 

 

「っ…………!!!」

 

 

 

奥歯を噛みしめるアリサ。

そんな表情を見たものは、誰もいなかった……。

一方ブリッジでも、最終工程へと入っていた。

進路に障害は無く、即時発進可能だった。

 

 

 

「機関始動、ミネルバ発進するっ。コンディションレッド発令!」

 

「ミネルバ発進! コンディションレッド発令!」

 

 

 

 

艦長のタリアの指示により、ミネルバ艦内に、戦闘態勢移行を示すコンディションレッドが発令された。

 

 

 

『コンディションレッド発令! 戦闘要員は所定の位置につき、パイロットはブリーフィングルームに集合した下さい! 繰り返しますーーーー!!!』

 

「「「「っ!!!!???」」」」

 

 

 

 

突然の警報発令。

しかも、戦闘態勢移行モードである『レッド』だ。

ミネルバ艦内にいたアスランとカガリ、いや、その場にいた全員が驚いていた。

そんな中、カガリの護衛をしていたアスランが、驚きの色を交えた声を上げた。

 

 

 

 

「戦闘に出るのかっ?! この艦は……っ!?」

 

「えっと……」

 

「アスランっ!」

 

「ぁ……!」

 

「っ?! アス、ラン……?」

 

「あぁ……」

 

 

しまった……とばかり、口ごもるカガリ。

アスランは先程、自分の名前はアレックスだと言ったが、カガリの言った名前……アスランは、ザフト軍の兵士ならば、知っているただ一人の人物と同じ名前だ……。

 

 

 

 

「っ……………ルナっ、あなたはアスハ代表の事をお願い! 私はブリーフィングルームに行くわ!」

 

「え、ええっ……わかった!」

 

「申し訳ありませんが、私はここで失礼いたします……」

 

 

 

アリサもまた、アスランの正体については気になるものがあったが、緊急自体につき、その事は後回しにした。

カガリ達に敬礼をして、アリサは急いでブリーフィングルームへと駆け出した。

一抹の不安が、彼女の頭の中で思い浮かんだからだ……。

 

 

 

 

(イチカっ、無事なのよね……っ!?)

 

 

 

家族であり、かけがえのない者……。

今もなお戦闘中のはずだった彼と、他の二人。

彼らのことも思いながら、アリサは走ったのだった……。

 

 

 

 

 

一方、その頃……まだ宙域で強奪機を探していたインパルスと、それを追うザク二機。

そんな三機の元へ、紫のMAが急速に接近していた。

 

 

 

 

ーーーーーーッ!!!!!!

 

 

 

「んっ……!!?」

 

「レイ、どうした?」

 

「何か来るぞっ……!」

 

「え……?!」

 

 

 

レイにしか感じない、何かを感じとったのだろう。

すると、その正体が明らかになった。

インパルスに対して、物凄いスピードで近づく一機のMA。

自身の機体から、二つのガンバレルを射出し、ビーム砲をインパルスに対して放つ。

 

 

 

「なにっ!? どこからっーーーーはっ……!」

 

 

 

縦横無尽に放たれるビームに反応して、直撃するものだけをシールドで受け止める。

するとそこに、機体底部についているレール砲を放ちながら横を通り過ぎる機体を視認した。

 

 

 

 

「シンっ!」

 

「なんだアレっ!? MAかっ?!」

 

 

 

その様子を見ていたレイとイチカは、シンの加勢に入ろうと、スラスターを噴かせる。

しかし、その後方からも、接近する敵の機影を確認した。

しかもそれは、戦艦レベルの大きさを誇るものだった。

 

 

 

 

「あれはっ……!」

 

「艦……あれが敵母艦なのかっ……!?」

 

 

 

インパルスは敵MAと交戦し、後方からはその母艦がやって来る。

明らかにまずい状況の中、エグザスに乗るネオは、さらにインパルスに攻撃を仕掛ける。

 

 

 

「さぁて、その機体もいただこうかっ……!」

 

 

 

 

敵のと交戦も始まった今日この日。

進水式もまだ行われていないこの状況で、ミネルバは、宇宙域へと飛び立つ。

最終隔壁が開き、外の宇宙を見にした。

そして、高速アームが解除され、ミネルバは、その船体を宇宙へと投げ出し、出港した。

 

 

 

「機関最大っ、ミネルバ、発進しますっ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 






次は多分デブリ戦まで行けると思いますので、よろしくお願いします( ̄∇ ̄)


感想よろしくお願いします!


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