【改稿版】ユグドラシルのNPCに転生しました。   作:政田正彦

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前置き


この二次創作オバロの世界における「吸血鬼の判別方法について」ですが

・赤い目
・白い肌
・特徴的な牙

などが特徴として挙げられましたが、原作でシャルティアと遭遇した人達の反応が、


盗賊(山賊?)=シャルティアを見ても幼い少女(おっぱい)としか思わなかった。(彼が無知であるか、暗かった、逆光だった為という可能性もあるが)

ブレイン(爪切り)=再生力を見たのと、その容姿の特徴から吸血鬼だと判断

ブリタさん含む冒険者の皆様=本来の姿(ヤツメウナギ)になったシャルティアを見て吸血鬼だと判断。

漆黒聖典=同上、あるいはアンデッド探知で気づいたか。


……と考えた結果、容姿で判別は難しいという事にしました。
吸血鬼であると断定できる判断材料は


・真祖である状態の姿(シャルティアとブリタさんが出会った時の状態、ヤツメウナギ)
・斬られてもすぐに傷がふさがる
・目を見せる事で催眠?ができる


などの判断材料があってようやく吸血鬼と断定できる、ということにします。
なので、今後は特に魔法や変装で隠すといったような事はしないこととします。

今回は無知な作者のために感想やメッセージで教えていただき、
誠にありがとうございました。

それでは長くなりましたが本編へどうぞ。


こんにちは、死ね。

 やはり、アニメや本で見聞きするのと、実際に見てみるのとでは印象が違うなあとエレティカは一人考えていた。

 

 原作ではただの雑魚に過ぎなかった天使達……おお、考えてみればかなりのサイズ、そして威圧感である。

 とはいえそのレベルでは、まんま羽虫に過ぎないのだが。

 

 ニグンの顔もこうしてみれば、いやなかなか、うん、もし私がエレティカではなく、人間だった頃の彼女だったならば今頃足が竦んでいたかもしれない。

 

 

 ……ちなみに、何故原作ではここに居るはずのアインズとアルベドが不在でエレティカがここにいるかというと、単にアインズがエレティカの意見を聞いて「考えてみればわざわざ俺が動くまでもないな?」と考え直した為である。

 

 こうして無力化から転送までの工程を丸投げされたエレティカだったが、むしろそれはゲートから直接拷問官へ「拷問するなら念の為に雑魚からやる方がいいですよ」と一言言っておく、という目的を達成するなら願っても居ない事であった。

 

 

 ……まぁ素直に聞いてくれるかどうかは別として。

 

 

 「では、一応警告をせよとの指示なので、警告します。無駄な抵抗は止めて、命を差し出しなさい。さもなくば、先の宣告通り、絶望を与えながら殺します」

 

 エレティカは、地面にハルバードを突き立て、両手を広げ、自称「勧告のポーズ」で、笑顔でそう言った。

 ……言っている内容はその笑顔からはかけ離れすぎて一瞬の困惑が彼らを襲う。

 

 「……娘、幼い子供なら手心を加え、見逃してやるとでも思ったか? ……お前は殺し、ガゼフも見つけ次第殺す。そしてその後ろに居る村人も殺す……天使を突撃させよ!」

 

 その命令に従い、天使が高速で少女に光の槍を突き立て、そして、対する少女はなんの抵抗も回避もせず、光の槍は呆気なくその体を貫いた。

 

 「……フッ! 無様なものだ、子供だからと容赦はしな……」

 

 と言い終わる前に、異変に気づく。

 

 天使達がその場から微動だにしないのだ。

 ガチャガチャと鎧を鳴らしながら必死に抵抗するように。

 

 「……これはひょっとして、命の差し出しは拒絶しますよ、という事でしょうか?」

 

 いつの間にか、天使の顔にアイアンクローを決めるエレティカ。

 背丈の関係上、本来空中に浮かんでいるハズの天使が、地に足を付け、その足で踏ん張っているという奇妙な光景がそこにあった。

 

 そのまま、メリメリと嫌な音が鳴り……頭が握り潰れた、と思った瞬間、天使は光の塵となって消えていった。

 

 「ば、馬鹿な!!」

 

 「何かのトリックに決まっている!!」

 

 「……私のご主人とそのご友人の方々が、貴方達の使うその羽……天使達と魔法に興味を持たれていらっしゃったのですが……それは貴方達を殺したあとにしましょう」

 

 そう言いながら、「やれやれ仕方ない」とでも言いたげに、面倒くさそうに、もったいぶってエレティカはハルバードを手に取った。

 既に先程までの真っ黒な笑みは無く、ただただ無表情に、無感情に彼らを見る絶望がそこにあった。

 

 

 「ではさようなら(死ね)

 

 

 瞬間、バンッ!と何かが爆ぜる音が鳴り響き、同時にエレティカの姿が消え、立っていた位置は、小さく土が抉れた。

 

 「なっ!?」

 

 認識することすら許されないスピードで事態は急転する。

 

 消えた少女は天使の真正面に姿を現し、一瞬で天使を叩き斬り、光に変え……終わる前に、次の天使へ、その鎧を蹴り、次の、次の、次の、そして最後の天使を叩き斬り、次は騎士達の番だ、とハルバードの切っ先を一人の騎士に今ふり下ろそう……としたところで、ビタッとその動きが停止。

 

 ようやく彼らの前に姿を現したと思ったら振りかぶるポーズで停止した少女。

 

 上空を見れば先程までいた天使達はただの一体も残ってはいなかった。

 

 肝心の少女はといえば「……あ」と、まるで何かを思い出したかのように呟くと、再び姿を消し……先程まで自分がいた場所へと戻っていった。

 

 ハルバードを向けられていた騎士はあまりの殺気に気を失ったらしくそこで倒れた。

 

 

 (そういえば、実力が見たいからすぐには殺してはいけないんだった。失敗失敗)

 

 「な、何が……起こった?」

 

 

 少女が消え、なにかが爆ぜるような破裂音が聞こえ、何かが連続して天使達を叩き切る音が聞こえ、騎士の一人に少女がハルバードを振りかぶったかと思えば、騎士を叩き切ることなく、何事か呟いて、「そこが定位置」とでも言うように先程まで居た場所に戻った少女。

 

 ……これが、たったの一瞬、時間にして数秒の出来事である。

 

 「う、うわあああああーーーーっ!!」

 

 一人の騎士が錯乱し、魔法を放つ。

 錯乱するのも無理はない。

 本当に、瞬きをするような時間の刹那、使役する天使を全て叩き切られたのだから。

 

 それに続いて次々に魔法が放たれていく。

 

 

 『こちらから確認しているが、どれもユグドラシルで見たことのある魔法ばかりに見えるんだが……お前から見てもそうか? エレティカ』

 「はい、はい。ええ、私から見ても、どれもユグドラシルで見たことのある物ばかりです」

 

 

 ……しかし当たらない。

 ただの一発も、少女に当たる気配はなく、こともあろうに少女は一歩も動かずにその魔法の全てを尽く躱し続けていた。

 

 

 『そうか……どこで覚えたのか、聞く必要があるな』

 「はい。そうですね、これが終わった後で聞いてみるとしましょう。きっと快く、懇切丁寧に教えてくれるはずです」

 

 「うわあーーーーっ!!!」

 

 

 そして、ある一人の騎士が錯乱したのか、あるいは魔力が切れたのか……石つぶてによる攻撃を仕掛けようとした。

 

 だが、その瞬間、ピゥン、という風が切れる音、そして一瞬だけ見えた光の筋が彼の頭を貫き、ズドンと爆発し、一瞬で彼の頭部を破壊、死亡させた。

 

 

 「な、何が……起こった……?」

 

 「もう、ご主人様ったら……」

 

 

 困惑したように騎士達、ニグンを含め、「今何が起こったのだ」とエレティカを見るも、エレティカ本人はたった今頭を吹き飛ばされた騎士自体には見向きもせず、どこか、全く違う方向に目を向け、「困った人だ」と呆れるように、あるいは照れるようにその先を見ていた。

 

 「きさっ、何っ――監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)!! かかれ!!」

 

 困惑し、「貴様、何をした!?」と言おうとしたニグンだったが、どういう訳か心ここに在らずといった様子の敵を見て、「油断したなバカめ!」とばかりに上位天使に指示を下し、その鉄槌をエレティカに振り下ろさせた。

 

 だが、振り下ろされた鉄槌は、こちらを見てもいないその少女の片手で、小動もせずに止められる。

 

 「あっ、すいません。少しよそ見をしてしまいました」

 

 言いつつ、止めている方とは逆の方の手でハルバードを構え直し、切っ先が見えない程の速さでハルバードを振るい、上位天使を雑多切りにした。

 

 気づいたときには既にバラバラと光となった上位天使を、顎が外れるのではというほどにあんぐりと口を開けながら激昂する。

 

 「じょ、上位天使を、一瞬で……!? こんな、小娘がァ!? あ、ありえるかぁ!! 上位天使がたったの一瞬で滅ぼされるはずがない!!」

 

 「た、隊長! 我々は、ど、どうすれば!?」

 

 部下の困惑の声にハッとしたニグンは、こういう非常時の為に国から持たされたあるものを思い出し、それを懐から取り出す。

 

 「最高位天使を召喚する!!」

 

 『あれは……輝きからするに……超位魔法以外なら封じ込めることができる、魔封じの水晶……エレティカ、最大限に警戒せよ』

 

 「ハッ、承知しました」

 

 とはいえ、エレティカはこれの中身がまかり間違っても最高位天使等とは呼べない糞雑魚かませ天使さんであることを知っているのだが……一応、警戒する振りだけは必要だろう。

 

 

 「見よ!! 最高位天使の尊き姿を!! 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)!!!」

 

 

 そうして放たれた光から翼を広げ現れたのは……まぁ、うん、成る程……たしかに何も言われず、ユグドラシルの知識も無く「これが最高位天使ですよ」と言われたら信じてしまいそうな、強大(笑)な天使であった。

 

 「これが……切り札、という訳ですか?」

 

 「そうだ!! 貴様にはこの宝を使うだけの価値があると判断した!」

 

 「…………」

 

 「恐ろしいか? 年相応に怯えてしまうのも無理はな――」

 

 「下らないですね……」

 

 思わず、「はっ?」と間抜けな声がニグンの口から漏れる。

 今、奴は何といった?

 

 「聞こえませんでしたか? 貴方の言うその切り札とやらがあまりに幼稚でお粗末で下らない物だったので、落胆していたんですよ。これではあの御方と私の今までの警戒が、全て無駄になってしまいました」

 

 「何を……何を言っている……!? まさか、いや、そんなハズはない!! お前のようなちっぽなクソガキにぃっ!!! 最高位天使が負けるハズがない!!! ハッタリだあぁぁ!!」

 

 駄々をこねる子供のように絶叫し、そして最高位天使(笑)に「ホーリースマイトを放て!!」と指示を下す。

 

 原作ではアインズがあえてこれを受けたが、別に親切に受けてやることもないだろう。

 あれは単にあの作品において「敵の切り札の攻撃を真っ向から受けてもピンピンしてるモモンガ様TUEEEE!!」っていう場面なのであって。

 

 無論今エレティカが立っているのはそんな原作、作品の中の世界ではない。

 故にわざわざそこで立ち止まってやるもなく、ひょいとその光の柱を躱した。

 

 「なぁっ!!?」

 

 「あの、もういいですよ?」

 

 ホーリースマイトによる轟音が鳴り止み、少女は口を開く。

 

 「もう戦わなくていいですよ、今のが切り札だったんでしょう?

 

 もう貴方達のデータは取り終えました、もう用無しです。

 

 貴方達が生かされている理由はたった今無くなりましたので、もう無理して戦おうとしなくても結構です。

 

 あぁ、結果が分かっているのにいちいち抵抗するのも面倒でしょう?

 

 ですからそこで大人しく横になって下さい。

 

 とはいえ一応、歯向かって来たので、今更絶望を与えないという訳にも行きませんから……腕の一本や二本、あるいは足の一本や二本、あるいはもう二度と詠唱が出来ないように喉を潰しましょうか、それともそのちんけな自尊心をズタズタにするためにおなじくちんけな***でも切り落とし、それを目の前で豚の餌にでもして差し上げましょうか?

 

 腕、足、喉、性器、目、内臓、神経、精神、記憶、誇り……さぁ、どれを潰しましょうか? どれを潰して欲しいですか? あるいは、これだけは潰して欲しくない、というものはありますか?」

 

 「あ、ひ、あぁ、ぁ……!!」

 

 

 先程まで、その驚くべき身体能力、素早さでもって、一瞬で距離を詰めて天使達を屠っていたというのに、彼女は今、一歩、一歩と、恐怖を煽るように、今まで見たことがないほどドス黒い笑顔を浮かべながら、彼らに、両手いっぱいの絶望を、今、与えようとしていた。

 

 「ま、まま、待ってくれ!! え、エレティカどの、いや、様!! 私達の! いや私だけで構いません!! い、命を助けてくださるのであれば、望む額のよう、用意を……!!」

 

 少女は歩みを止めない。

 

 しかしニグンが命乞いを言い終わると同時に、一瞬にして、顔から殺気が、悪意が消え去り……代わりに、その年齢からは考えられない程の、妖艶な色香を思わせる笑みで、ゆっくりと言い聞かせるように囁いた。

 

 

 「ダァ~メッ……♥」

 

 

 そうして、ハルバードは今日一番の大きな風切り音を鳴らしながら振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 「君命に従い、賊共の殲滅及びナザリックへの転送、完了しました」

 『うむ、よくやった』

 

 こうして、カルネ村での騒動は幕を閉じ、私はナザリックへと帰還した。

 

 裏でナザリック五大最悪の一角「役職最悪」、特別情報収集官……いわゆる拷問官である、ニューロニスト・ペインキルとの邂逅で盛大に罵倒されたりした挙句、それを耐え抜き、全力のヨイショによって事なきを得て、結果として、一人の騎士、一番最初に私が切りかかろうとしただけで気絶してしまった男が、情報の漏えいを防ぐ為の呪いとも言える魔法により死亡。

 

 以降はこの魔法をどうにかするか、また別のアプローチから情報を聞き出す必要があり、今この時点で拷問などにかけることは情報を失うことになりかねないという結論に至り、彼らは今、第二階層の一区画「黒棺(ブラック・カプセル)」にて、”あまり食いでのない餌”もとい”苗床”ついでに”おつまみ”として扱われることとなった。

 

 体の中を虫が食い荒らす激痛と、皮膚と肉の間を虫が走る悍ましい程の嫌悪感に晒され、口の中に全力で食いちぎろうとしても異常な程硬い外殻で守られた虫が入り込んでいることにより、舌を切って死ぬこともできない、体力の低下や栄養が足りずにとか虫がやりすぎて、という理由で死にそうになってもどういうわけかすぐに回復させられてしまう、まさに生き地獄であった。

 

 エレティカは当初の目的であったニグンの生存は達成できたのでそれ自体は毛ほども気にしていない様子だったが。

 

 彼から齎される情報が今後どういう影響を与えるかは不明だが、まぁ……数ある二次創作を読んでいるうちに、ニグンのような奴でも好きになってしまう事がたまに、極希にあったりするので、そういった事が遠因でニグンを生かそうと思ったのかもしれない。

 

 結果的にはモモンガの胃腸が「あぁぁ貴重な隊長格の情報源を失ってしまったあァァァ」と悲鳴を上げなかったという位しか今のところ変化はないのだが。

 

 ……いや、変化といえば、エレティカは今現在、何かを見落としているような、何か大事なことを忘れているような気がしていた。

 

 

(何、この違和感……? 原作で本来起こっていたハズの出来事が、起こっていない?)

 

 

 本来は発生するハズだったイベントが何かの不都合でフラグが立っておらず、発生しなかったというような感覚だろうか。

 

 

(思い出せ。原作での本来のニグンとの戦いを)

 

 天使との戦い……いや違う。

 ガセフ? 関係無いだろう。

 ニグン、そう、ニグンが関係していた筈だ。

 

 ニグン……その名前を思い浮かべ、エレティカは最後に彼を見た姿を思い返した。

 

 

 『ばげ、もぼぉっ!! 私が居なくなればっ……本国の者達が黙ってはいないぞ……!!』

 

 

 

 本国。

 

 

 『なんらかの情報系魔法……使って…………私の”攻勢防壁”が起動したから大して覗かれては……』

 『”本国”…………俺を?』

 

 

 ……そうだ、あの場面で、初見、「今のなんだったんだ?」というほんの数秒のシーンがあった。

 

 「攻性……防壁……!!」

 

 バリンッとガラスが割れるような音を立て、監視する魔法を阻害したあのシーン。

 タラリと冷や汗が流れるのを自覚する。

 

  

 

 

 

 

 

 「ひょっとして私、見られてた……?」

 

 

 

 

 

 

 私に、攻性防壁のスキルはない。

 

 元々、主人の囮等で、「みられてなんぼ」な状況である事が多かった為である。

 

 

 すっかり忘れていた……。

 

 

 ……いや待て、見られていたのはもうこの際良いとしよう、良いとしようじゃないか。

 百歩、いや千歩位譲って、”私の戦闘がスレイン法国に見られていた”事はもういい。

 

 問題はそれによって、どんな影響が出るのか?

 

 

 一つ、土の巫女姫の生存。

 

 本来はモモンガの攻性防壁により爆死するというなんとも無惨な死を遂げる土の巫女姫さんであったが、今回それはない。

 

 

 二つ、そしてその土の巫女姫が生存する事により、スレイン法国では破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)の復活ではないかという大騒ぎは無くなる。

 

 

 その代わりに「単騎で陽光聖典を殲滅出来る程の戦闘能力を持つヴァンパイア!?」と大騒ぎになり漆黒聖典が駆り出されることになるかもしれないので、シャルティア洗脳回避と喜ぶわけにも行くまいが。

 

 ……というかむしろ目標がヴァンパイアの娘になった分、厄介度が増したような気がする。

 

 十中八九、対ヴァンパイア用の装備とかで出くわす事になるに違いない……!!

 

 ……これもう私スレイン法国に目をつけられたと思っていいのでは?

 タイミング的に、流石に名前までは判明していない、と信じたい……。

 

 

 ……でも、ひょっとすれば、相手が竜王ではなくたった一人のヴァンパイアになった事により、カイレが出てこなくなる、なんて事はないだろうか?

 

 仮にも”警護される立場”であるカイレだ。

 

 たかが強いヴァンパイアというだけで国の宝具を使うだろうか?

 

 彼女しか適性者が居ない超貴重なアイテムなのに?

 

 

 十分に有り得る話だ。

 

 

 もしこれで本当に彼女がいなくなってくれれば、仮に出撃した漆黒聖典とシャルティアがぶつかっても洗脳されるということは無くなるだろう。

 まぁ多分そうでなかったとしても、シャルティアにはご主人様がついているのだから、心配ない、むしろ過剰戦力だとすら思うのだが。

 そう楽観視出来る問題でもないが。

 

 とにかく、油断はせずに事に取り掛かる事にした。

 スレイン法国がどう動くか気になるものの、ここで考えていても仕方のない事だ。

 私は決意を新たに、次に、どう介入するべきかについて考える事にしたのだった。


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