【改稿版】ユグドラシルのNPCに転生しました。   作:政田正彦

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更新が遅すぎて内容もう忘れたよ~って人~?

は~い…………。



……俺だけじゃないよね?

ほんとすみません、仕事忙しくて……でも大丈夫です!
最近仕事クビになったんで!!!(白目)











そこに正座しなさい。

 漆黒聖典との闘いから数時間後。エレティカとシャルティア、そしてペロロンチーノは、予定通り先に王都へと向かっていったセバス達との合流を果たすべく、再び馬車での移動となっていた。

 

 行きとは違い人が多くなったので、ナザリックから馬車(移動用のマジックアイテム)を久々に取り出し、馬車二台での移動となっていた。

 

 片方にはクレマンティーヌとカジット、そして新たに着いていく事になったブレイン・アングラウスの三名が乗り込んでいる。一応、監視の目は届くようになっているが……今更監視が必要かどうかは定かではない。

 

 なんせ、一人は目の前で絶対的な力の差を目の当たりにしている。一人はその力にほんの一端とは言え触れている。一人は彼等の持つ力があれば自分の願望が今度こそ叶うかもしれない千載一遇のチャンスを手に出来るかもしれない。

 

 そんな三人が彼等を裏切ろうと思うはずも無く。

 

「……って事は、俺らがやるべきは……“ご主人”の望む、“明日いなくなったとしても困らない、殺したり食ったりしても大丈夫な奴”を探し出し……その情報をご主人に伝える、って事で良いのか?」

 

「あ、あと武技が使える奴なら尚良いみたいね~。な~んでわざわざ私達みたいなのを使ってまでそんな事するかは……分からないけど」

 

 クレマンティーヌから言わせてみれば、あれだけの実力があるのであれば、国の一つや二つでもさっさと支配なり滅ぼすなりして、人だろうが何だろうが好きにすればいいのではなかろうか、と思わないでもない。

 

 あの蹂躙から鑑みるに、心優しい神、というわけではないのだろうし。

 

「だが、幸いにも、お互い“その手の連中”との縁は深いからのう……特に苦労する事もなく情報自体は渡せるじゃろうて」

 

 実際、一人は法国の大反逆者にして、英雄の領域(あくまでもこの世界での基準)に足を踏み入れた戦士。

 一人はズーラーノーンという秘密結社の元幹部。

 そしてもう一人はかつて王国最強と謳われる戦士と互角の戦いを繰り広げた男であったが、つい先程までは盗賊の一派で傭兵のような事をしていた男。

 

 当然、裏の事情にもそれなりに精通している。

 

 命令が「探し出して殲滅せよ」ならまだしも「探すだけ」なら、この三人だけで十分だろう。それが三人の共通見解である。

 

 ……まぁ、もっとも、もし彼らがダメだったとしても、ナザリックには八肢刀の暗殺蟲等を含む、隠密に長けた下僕達が居る為、その気になればこの程度の情報は丸裸に出来そうなものだが……というか既に、ペロロンチーノ含め至高の御方である3名の周囲には彼らが控えているのだが。

 

 ……いや、だからこそだろうか。

 

 彼らにとっては敵の情報より御方に降り掛かる何か……具体的にそれがなんなのかは明らかではないが、明らかではないからこそ、その情報の方が重要なのだろう。本来の歴史と違って一人から三人に増えているので人員を割く余裕もない。

 

 故に、至高の御方から離れて情報収集という発想すら……。

 

 

 ……そして、そんな事にいつかは気付く日が来るかもしれないペロロンチーノが乗車しているもう片方の馬車には、彼を含め、吸血鬼の二人の姉妹が乗車していた。

 

 だが……何故か姉妹のうち一人……エレティカはガタガタと揺れる馬車の床に正座させられており、ペロロンチーノはそんな彼女を厳しい目つきで見下ろしていた。シャルティアはそんな両者をおろおろと見守るばかりである。

 

 

「……エレティカ」

 

「はい」

 

 

 不意にペロロンチーノから口を開く。ただ名前を呼んだだけだが、その声色には明らかな怒りが含まれていた。聞いた事も無い主人の怒りの孕んだ声色にエレティカはすぐに自らの行いが浅慮であった事、そしてそれが他でもない主人の怒りを買ってしまった事を悟っていた。

 

 

「なんで怒っているかは、分かるな?」

 

「……度重なる行き過ぎた独断専行……そこにシャルティアまで巻き込んで、ワールドアイテムを所持する輩と一戦交えたという、下手をすればこちらがどうなっていたか分からないような危険を侵した事、ですよね……?」

 

 

 考え着く全ての自分の浅慮だった行為と愚かさを列挙する。単独行動に至っては、既にクレマンティーヌの件で一度注意を受けているというのに、舌の根も乾かぬ内の再犯であった。

 

 いくらペロロンチーノにとってエレティカが大切な存在だからと言っても……いや、だからこそ、これは許せる行為ではない。

 

 そう、たとえ、眉をハの字にしてうるうると涙目になりながら「ですよね……?」と不安げにこちらを上目遣いで窺い見るエレティカがばちくそに可愛くても、今だけは心を鬼にしなければならないのだ。

 

 

「……結果的にこうして勝利出来たから良かったようなものの……このワールドアイテムの効果を聞いただろう? あれはお前たちのような精神系の魔法が効かない種族に対してですらその耐性を貫通して相手を洗脳するというワールドアイテムだ。この危険性は分かるよな?」

 

 そう言いながら、件の敵の集団から鹵獲したワールドアイテムを指し示す。

 

 傾城傾国。ワールドアイテムの一つであり、黄金の龍が刺繍されたチャイナドレスであるそれは、「精神支配無効の者にも精神支配を与える」という効果であり、同時に大人数を支配する等といった制限無く無限に魅了する行為は出来ないという点以外、非常に強力なアイテムであると言えた。

 

 簡単に言えばこれを使われていたらエレティカやシャルティアでも、相手の手の内に堕ちていた可能性があったのである。

 

 説明を聞いてシャルティアは顔を青褪めさせた。

 

 もし姉の提案通りに囮を使っていなかったら……鎖を使って拘束を受け、そして精神を支配されていたのは、自分か姉のどちらかかもしれなかったという事実に。

 

 

「はい……もし、負けていたら私は……どうなっていたことか」

 

「そうだ。だから……もう二度とこういった勝手な行動はしないでくれ」

 

「……はい」

 

 

 シュン……と効果音が聞こえてきそうな程目に見えて落ち込むエレティカ。彼女自身としても、「もう少しうまいやり方があったのではないか」「今更ながら危険過ぎる賭けだったのでは」「そもそも漆黒聖典が居なかったらどうするつもりだったのか」といった自責の念が渦巻く。

 

 

 しばし、沈黙がその空間を満たす。

 

 

 やがて、先にその沈黙に耐え切れずに口を開いたのは、やはりと言うべきか、ペロロンチーノの方であった。

 

 

「……とはいえ、だ! この世界の実力者を捕縛出来たし、そのお陰で色々と分かりそうだし……何か事が起こる前に、危険なワールドアイテムの回収もできた。モモンガさんへのお土産話もこれでもかという程出来た。結果は上々過ぎるくらいじゃないか?……それに、エレティカ」

 

「っ、は、はい」

 

 

 先ほどまでの声色とは打って変わって優し気に、諭すように話すペロロンチーノ。エレティカの頭をさら、と撫でながら、目を細め、心底嬉しそうに言葉をつなぐ。

 

 

「何より、お前が無事であった事が嬉しいよ」

 

「……! ご、ご主人様……っ」

 

 

 カァ、と顔が熱くなる。……先ほどもあった現象だが、アンデッドなのにどうして顔が熱くなったりするのだろうか。心臓は動いていないのだから、顔に血液が集中する、なんてこともない筈なのだが。

 

 

「シャルティアもだぞ?」

 

「わ、私もでありんすか?」

 

「当たり前だ」とペロロンチーノは笑い、少し離れて座っていたシャルティアを手招きし、床に座っていたエレティカを立たせて自分の傍に招き席に座らせる。

 

「シャルティアもエレティカも、そしてナザリックの皆も、そして俺も。……もし死んだとしても、後で生き返れるかもしれない。お前たちにはもしもの時の為に蘇生アイテムも持たせては居る。……けど、だからって、お前たちが傷ついたり死んだりしても大丈夫って訳じゃないんだよ」

 

 

 気付けばペロロンチーノは二人を抱き締めていた。

 

「だから……情けない事を言うと、今さっきお前達の報告を聞いて俺は……少しだけ恐ろしかったんだ。……まあ、お前達なら余程の事が無い限り大丈夫だと信じてるけどな」

 

 しかし、今回のようにワールドアイテムという例外もある。

 

 更に言えば、相手が自分達同様に異世界に来ているプレイヤーとかだったら、きっと今回のように上手くいっていたかは分からないだろう。そんなものが居るかどうかは定かではないが、定かではないという事は、居る可能性も有るという事だ。

 

「情けない主人でごめん、だけど、だからその……もう少し自分の身を大事にしてくれ。これは命令じゃなくて、俺個人として……お前達に、お願いだ」

 

 二人は、それを情けないとはとても思えなかった。一度リアルに旅立たれてから、もう来ないのでは、もう会えないのではないかと思っていた彼女達には。

 

 

「申し訳、ありません……」

 

「申し訳ございませんでした……」

 

「や、もういいって……これから、気を付けていけばいいんだ」

 

 

 しばらくそうしていた後、さて、と彼は現実に向き直り……「今回の件、どう報告したものか」と頭を抱えた。

 ……まぁ、そう遠くない未来、結局包み隠さず報告された二名もまた、頭を抱える事となるのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『マジで……?』

 

 このように。

 

 

 三者はお互いひと段落ついたので、そろそろ情報交換しとくかと連絡し合い、ナザリックに転移し、円卓の間で会議する事となった彼等は、ペロロンチーノの……そしてエレティカのぶっ飛び具合に同時に同じセリフが口から漏れた。

 

 

 方や建設作業中に現地で伝説と呼ばれているハムスター(?)と戦闘(?)をしてその支配権限を手に入れ、ついでに、森を支配していたらしいトロールとナーガも()()()()一捻りして、森を完全に支配下に置き、着々と偽ナザリック建設に勤しんでいるぶくぶく茶釜。

 

 方や、冒険者として名を上げ始め、ぶくぶく茶釜が遭遇した魔獣を「ここでは使わないだろうから」と支配権限を譲り受け、街で「立派な魔獣を支配した凄腕の戦士」として認識され始めた……が、今のところただそれだけでしかない、強いて言えば漆黒の剣という冒険者グループと仲良くなった位のモモンガ。

 

 

 

 そして一方、()()()ペロロンチーノは、町でエレティカに自由行動を許したら犯罪者と出くわしたが女の子だったので一応殺す前に縄で縛りあげて国の裏事情等々、知っていることを吐かせようとした所、思っていたよりヤバい情報(プレイヤーがこの世界では神扱いされている事やそれに関する諸々の事情等、法国という国の実態等)を手に入れた。

 

 その情報の見返りに彼女を生かし、今後は案内役として活用することにした事。

 

 また、その際彼女と協力関係にあった、ズーラーなんちゃらとかいう秘密結社の幹部だというハゲを、彼女と協力して成果を挙げられれば、という条件付きで彼の母親を蘇生、以後は彼の全てをナザリックに捧げるという事となった事。

 

 さらに、王都へと向かう途中で餌にかかった盗賊の一派を壊滅。雇われていた武技を使える戦士を仲間に。

 

 さらにさらに、盗賊の一部が抜け道から逃げ出しているという事実に気付いた姉妹が敵を追って森へと眷属を放ったところ、全く別の一派、後に漆黒聖典と呼ばれる法国の最強戦力と何故か遭遇し、戦闘となったが勝利。

 

 さらにさらにさらに、相手はなんとワールドアイテムを所持しており、それが傾城傾国というアンデッドのような精神支配無効化を持つ相手でも関係なく精神支配出来るワールドアイテムであったこと、そしてそれを鹵獲したこと。

 

 現在、ワールドアイテムの持ち主を含む漆黒聖典はナザリック送りにし、現在はまだ生かさず殺さずの状態。

 

 

 

「待って待って、情報量が多すぎる! ちょ、どうなってんの!? え、一日で起こった出来事よね!?」

 

「はい」

 

「はいじゃないが? はぁ……ちょっと、リストでも作らないと整理出来ませんね……ちょっと待ってください」

 

「すみません、お願いします。実は俺もちょっとまだ困惑してるんですよね……えっ? うちの子、ひょっとしてヤバすぎ?」

 

「アンタんとこの子だろうが!!」

 

 

 

 結果として、会議は夜通し行われた事は言うまでもない。




モモンガ「なんか墓地の方で秘密結社がアンデッド使って何かしようとしたり英雄の領域(笑)に踏み込んだ女が同行の冒険者グループを皆殺しにしたりしてそれを解決する事で冒険者として名声を上げられるような気がしたけどそんな事なかったぜ!!!」

ぶくぶく茶釜「建築は楽しいなあ……楽しいだろおい?」
グ「は、はい」
リュラリュース「は、はい」

ペロロンチーノ「そんなことよりうちの子がヤバい。可愛さも含めてヤバい。」



※モモンガsideとぶくぶく茶釜sideはどこかに挿入投稿する形で追加します。




捕捉ですが、今作では隊長の武器に関して触れません。

神人である彼の武器が普通の武器なわけないだろうと予想でき、“みすぼらしい槍”という特徴からロンギヌス(神話上のロンギヌスも、見た目はみすぼらしい槍でしかないとされる)である可能性があるのではないか、という説がありますが、今のところそれが定かであるかは不明である為です。

ここでは、この槍はワールドアイテムではなく、神器級~伝説級の、ロンギヌスの存在を知り、その存在を利用したプレイヤーが作ったロンギヌスのレプリカ、みたいなもんだという事にしてください。

流石に、ナザリックに何でも消せる槍を持たせるとか怖すぎて私には書けないです。
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