A-150戦艦で深海棲艦に殴り込み!   作:八雲ネム

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第9話 横須賀メンバーと演習中! 前編

~輸送機 機内~

 

「よし!全員、注目!」

 

 横須賀からの通信があって、コックピットに行っていた提督が戻ってきてそう言った。

 

 そして、今後の予定について言ってきた。

 

「先程の通信の結果、予定を変更して伊豆諸島周辺海域にてパラシュート降下を行う!パラシュート降下の後、現場海域にて着水をして演習を決行!尚、双方共に互いの艦娘については一切、把握していないので如何に早く正確な情報を入手して作戦を立てるのかが、勝敗の鍵になる!」

 

 演習と言うよりか、実戦に近い形でやるつもりか。それはそれで面白いな。

 

「また、互いの提督は演習をモニターするだけなのでそのことは留意してほしい。何か質問はあるか!?」

 

「何で横須賀に直接、行かないんだ?」

 

「その方が、互いのリアルな艦娘が見れると言うことらしい」

 

「なるほどね」

 

「他に質問は………内容だな。じゃあ、降下準備!」

 

 提督がそう言うと、俺達は降下用の装備をいそいそと装備していった。勿論、艦娘が艤装をつけた状態でもパラシュートが機能するような装備だ。

 

 その装備の中に、酸素マスクがあった。

 

「………パイロットの人!今の高度を教えて下さい!」

 

『今の高度は3万2000フィートです。パラシュートは1000フィートで開きますのでその間は鳥の気分が味わえますよ!』

 

「…みらい、この状況を突っ込んだら負けだろうか?」

 

「何を言っているんですか、紀伊さん。パラシュート降下なんて滅多に味わえませんよ!」

 

 俺がみらいにそう愚痴ると、みらいは嬉しそうに言い返してきた。

 

 高度1万メートルの高高度から降下して、低高度でパラシュートを開くHALO降下を艦娘にやらせるとか、向こうの提督は絶対に鬼畜だ。後で文句の1つでも言ってやろう。

 

 俺がそう思っていると、装備の着用を確認した提督がパイロットに合図を出して、後部の艦娘用のドアが開いた。

 

 そこから見える風景は、ほとんどの雲が輸送機の下にあってある意味で絶景だな。

 

《残り1分で降下を開始する。艦娘は指定位置で待機せよ》

 

 そのアナウンスと共に、俺達は移動を開始してドアの前で立ち止まった。

 

《ベイルアウトボトル、作動》

 

全て正常(オールグリーン)

 

《艦娘の各員、降下準備》

 

 降下の手順としては、俺達は2人一組の三組で一緒に降下して高度300メートルでパラシュートが開いて着水するらしい。

 

「楽しみっぽい!」

 

「あぁ、くそ。腹を決めたぞ、存分に楽しんでやる」

 

 三組のうちの先陣は俺と夕立であり、真ん中はみらいと雪風、後陣は大和と加賀である。

 

《2、1……鳥になってこい!幸運を祈っている!》

 

 カウントダウンが開始され、ゼロになった時に俺達は鳥になった。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「全員、無事かー?」

 

「けほっ、海水を少し飲みましたが大和は無事です」

 

「このぐらい問題ないわ、大丈夫よ」

 

「この程度で雪風は沈みません!」

 

「楽しかったっぽい!」

 

「電子機器も無事、いつでも戦えるわ」

 

 俺が皆の無事を確認すると、すぐに陣形の指示と作戦を組み立て始めた。

 

「まず、加賀を中心に輪形陣を組もう。大和が先頭、みらいが右、俺が左、夕立が右の後ろで雪風が左の後ろだ。模擬弾の確認と装填が完了したら第3船速ですぐに出発する。みらい!」

 

「はい!」

 

「スタートと共にシーホークを出してくれ。俺は3機を飛ばす」

 

「理由を聞いても良いですか?」

 

「俺らのレーダー範囲内で敵艦隊を発見しやすくするためと、潜水艦対策のためだ。大和!」

 

「はい!」

 

「レーダーに敵艦が映ったら正確な位置を知らせるから砲撃のタイミングは任せる!」

 

「「わかりました!」」

 

 俺の指示に、みらいと大和は了解してくれたので陣形を組んで待っていると、スタートの号令が無線を通して聞こえたので俺とみらいは、レーダーなどの電子機器をオンにしてシーホークを発艦させた。

 

 レーダーの映った敵艦は、合計5隻なので恐らく1隻は潜水艦なのだろう。

 

 そのため、2機のシーホークを敵艦隊に向かわせてから加賀に指示を出した。

 

「加賀さん、攻撃隊を発艦させて下さい!」

 

「わかったわ…第一次攻撃隊発艦!」

 

 今の所、打てる手は打ったが敵の出方がわからない以上、これで様子見だな。

 

 そうしている内に、敵艦隊にも変化が現れた。

 

「敵艦隊から航空機が発艦しています!トラックナンバー1001からは20機、1004からは30機が発艦を確認、尚も発艦中…嘘!?」

 

「450kn以上での速度とか、レシプロ機じゃ不可能な速度だ!空母とおぼしき、艦影は現代艦だな!?」

 

「そのはずです!」

 

「対空警戒!対空警戒!敵航空機から攻撃が来るぞ!加賀!」

 

「距離をとらせるわ!」

 

 向こうの空母がジェット機を扱える現代空母なら、加賀の艦載機は圧倒的に不利だ。

 

 加賀に呼びかけたと同時に、レーダーの照射を感じ取った。

 

「みらい!ECMを展開して、ミサイルの攻撃に備えるぞ!」

 

「!紀伊!敵航空機からのミサイル攻撃と共に随伴艦からの攻撃も来たわ!発射艦数は2!合計ミサイル数169発!」

 

「スダンダートミサイルである程度、迎撃するぞ!ECMは展開を続行!チャフとフレアとばらまいて、残ったミサイルは127ミリ砲とCIWSで迎撃する!」

 

「了解!」

 

 現代艦同士での戦いになると、ロングレンジからの先制攻撃が基本になるため、攻撃をされた方は能動的な防御が必要となるので慌ただしくなる。

 

「私達の出番はまだないようですね」

 

「これが…21世紀の戦い、なのね」

 

「さっきから妨害電波が飛び交って頭が痛いっぽい…」

 

「…雪風の出る番がないです」

 

 そんなやり取りを、直に見ていた大和達は紀伊とみらいのやり取りに関してそれぞれの感想を呟いた。

 

《本艦の左90°、まっすぐ突っ込んでくる!》

《目標まで14,000!》

《副砲!撃ちー方、始め!》

 

 ECMを展開し、スタンダートミサイルを発射したことによって向かってきたミサイルの半分を破壊したところで、俺に搭載していた127ミリ対空砲が火を吹いた。

 

 みらいの方も、妖精さんに指示を出して127ミリ砲が主砲なのだが必死に撃ちまくっている。

 

《敵ミサイル、残り10発!》

《チャフとフレアを展開!》

《CIWS、AAWオート!》

 

 この弾幕によって、80発ほどだったミサイルは残り10発になったが、未だにその脅威は退いていない。

 

 そのため、俺達はチャフとフレアを放出するのと同時に、CIWSによる弾幕を展開。

 

 すると、ギリギリのところでミサイルを全弾、迎撃に成功した。

 

 これで1発でも撃ち漏らしていたら、加賀は少なくとも中破判定だっただろう。

 

《こちら、シーホーク!》

「こちら、紀伊!どうした!」

《敵艦隊を発見しました!》

「了解した!俺とみらいに画像を送ってくれ!」

《了解!》

 

 先行させていたシーホークから、敵艦隊の詳細な画像が送られてくる。

 

「でかい空母だな、それにミサイルを撃ってきた現代型の艦娘か?ずいぶんと胸部が小ぶりだな」

 

 その画像には現代型の艦娘とおぼしき、空母が2隻と巡洋艦サイズが2隻、駆逐艦が1隻が映っている。

 

 恐らく、残りの1隻は水中に隠れているだろうし、そいつは無視していい。

 

 この画像を見た俺は、みらいと加賀に指示を出した。

 

「みらい!本艦と共に90式対艦誘導弾で敵の艦隊にダメージを与えるぞ!」

 

「了解!」

 

「加賀!攻撃隊で残存する戦闘能力を奪ってくれ!」

 

「わかったわ!」

 

 俺がそう言うと、俺は2隻の空母に対して合計6発の90式対艦誘導弾を発射して、みらいも巡洋艦サイズの艦娘に合計6発の90式対艦誘導弾を発射した。

 

 一方の加賀も攻撃隊を全機、発艦させて敵艦隊に向けて飛ばしていった。

 

 え?敵の攻撃隊?対艦ミサイルを全部、撃ち尽くしたから慌てて艦隊に戻って防空に当たろうとしているらしい。

 

 その前に、俺達の攻撃が当たるだろうけど。




普通の艦娘だと思っていたら、現代兵器をバンバン使っていた

完全に別世界だけど、二次創作だから問題ないよね!(適当)

ということで、次回で演習編は終わらせます。

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