「しかし、艦隊旗艦は提督と一緒に今回の演習を大本営に報告しに行かないといけないとはね」
「仕方なかろう、そういう風にまとめてしまったのだから」
「お偉いさんは君の艦隊に注目しているんだよ」
「確かに、イージス戦艦が誕生したという報告を受けた時の動揺は今までの比ではなかったわ」
俺や提督、女性提督や翔鶴は現在、大本営への報告を済ませて横須賀鎮守府に帰宅途中である。
本来、こう言うのは提督だけで済ませる話なのだが、大本営のトップは俺に対して興味を持ったらしいので顔を出した。
基本的には提督達で報告をしていき、その補佐を俺や翔鶴でやっていったため、それほどイヤらしい質問は受けなかったがそれでも艦娘は兵器、という雰囲気は充分に感じられたのであまり好きになれなかった。
そしてこの日、演習後と言うこともあって鎮守府に戻ってからは自由時間になった。
その日の夜、風呂場
「あぁ^~、身体が暖まるんじゃ^~」
「声が完全におっさんになっていますよ、紀伊さん」
俺が低い声でそう言うと、加賀からそう注意された。
「何を言っているんだ、加賀は」
「え?」
「お前さんは湯船に入って癒やされないのか?」
「まぁ、癒やされはしますが…」
「そういう時にな、癒やされる心境を言葉に表現するのがさっきのやつさ」
俺がそう力説すると、大和達からは色んな意見が出てきた。
「紀伊、それを言うなら心がぴょんぴょんするんじゃー、じゃないの?」
「それってどこのアニメネタなの?」
「確か、ごちうさというアニメだったような…」
「どこで知ったんですか?大和さん」
「吹雪ちゃん達に教えてもらってね」
「よく知っているな」
俺はそう言いつつ、他の艦娘達の会話を聞いていた。
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1日目の夜
LINE
呉鎮守府 遠征艦隊 艦娘グループ
みらい
『夜遅くにすみませんm(_ _)m皆さん、起きていますか?』23:30
紀伊ージス
『ほいほい、どした?』23:31
加賀です
『なにか用?』23:31
戦艦大和
『起きてるわよ?』23:32
ぽいぬ
『夕立も起きてるっぽい!』23:32
みらい
『明日、皆でどこかに行きませんか?折角、横須賀に来たんですから』23:34
ぽいぬ
『賛成っぽい!』23:35
雪風は沈みません!
『いいですね!どこにします?』23:35
紀伊ージス
『おー、いいね。どこにする?富士急とか?』23:35
加賀です
『やめなさい、夕立達を泣かせる気ですか?』23:36
紀伊ージス
『冗談だよ~』23:36
加賀です
『…』23:36
紀伊ージス
『はい、さーせん』23:36
ぽいぬ
『謝るのが早いっぽい…』23:37
雪風は沈みません!
『返信が早かったです』23:37
みらい
『あの…』23:38
紀伊ージス
『すまんすまん、それでどこにします?』23:39
戦艦大和
『確かに、それが決まらないとどこにも行けませんからね』23:40
加賀です
『…まあいいでしょう。それで?候補地は決まっているのですか?』23:41
みらい
『それがまだ決まってなくて…』23:41
紀伊ージス
『さすがに鎮守府周りはないよな?
みらい
『そうですね…大和さん達はなにか、あります?』23:42
戦艦大和
『横浜とかに行ってみたい気もしますが』23:42
加賀です
『それもいいですがテーマパークにも行ってみたい気もします』23:43
ぽいぬ
『テーマパークがいいっぽい!』23:43
雪風は沈みません!
『どこにしますか?』23:43
紀伊ージス
『有名なのだとディ○ニーランドとかかな』23:44
加賀です
『ディズ○ーランド…ですか。いい案だと思うわ』23:44
戦艦大和
『何で知っているんですか?紀伊さん』23:44
紀伊ージス
『インターネットにアクセスしたらいくつか、候補が出てきたけど』23:45
加賀です
『他に何があるんですか?』23:46
紀伊ージス
『よみゆりランドやとしまえんなんかがあるけど、楽しめるかが疑問だ』23:46
ぽいぬ
『じゃあ、デ○ズニーランドで決定ぽい?』23:46
雪風は沈みません!
『私もさんせ~!』23:46
みらい
『私は構いませんが、大和さんや加賀さんはどうします?』23:47
戦艦大和
『私もそこで構いません』23:47
加賀です
『なら決定ね、みらい、時間調整はお願いね?』23;47
みらい
『わかりました、お任せ下さい!』23:48
紀伊ージス
『じゃあ、明日に差し支えない程度に寝ておけよ?じゃないと大変だからな』23:48
ぽいぬ
『は~い!』23:48
雪風は沈みません!
『それじゃあ、お休みなさい!』23:48
加賀です
『私も寝るとするわ』23;49
戦艦大和
『じゃあ、お休みなさい』23:49
みらい
『私もちゃんと寝ておこ~っと』2349
紀伊ージス
『んじゃ、おつつ~』23:50
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紀伊side
「…ふっ、まさかディズ○ーランドに行けるとはね」
みらいからのLINEで、ディ○ニーランドに行けるとは思ってもいなかった。
この世界が、元の世界と似ているのは知っていたがディズニーランドまでもがあるとは考えもしなかったし、あったとしても内容が違っていると認識していた。
だが、ネットにアクセスできる範囲では元の世界のディズ○ーと変わらないように見えた。
(まぁ、明日になれば全てがわかる)
俺はそう思いつつ、ベッドに入って意識を落とした。