A-150戦艦で深海棲艦に殴り込み!   作:八雲ネム

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第1話 出会い

「・・・という訳で、響は知っていると思うが新しく建造された紀伊だ。計画倒れだった戦艦が現代化改装によって新しく生まれ直したのが彼女だ。現代艦だからみんなとは少々、違うところがあるが仲良くやってくれ」

 

 歓迎会の前に提督が説明してくれたのだが、この世界では2010年代に入ってから深海棲艦が出現し始めて、その対抗策として艦娘が生まれたらしい。

 

 それまでは、通常兵器で戦っていたが限界が生じてきたため、第二次世界大戦の記憶と性能を持つ艦娘が試験的に投入され、それがうまくいったために今では大量に投入されているとのことだった。

 

 俺が目覚めたのが艦娘が投入されてから2年後で、他の鎮守府でも艦娘達が各海域で順調に戦っているらしい。

 

 それと共に、海上自衛隊から日本国国防海軍に改変されたとのことだ。

 

(ふむ、サービス開始時期は違うがこの面子(メンバー)だと艦これの初期に当たるのかな。聞く限りでは艦娘もそれほど多くないらしいし)

 

 俺はそう思いながら、自己紹介を知る。

 

「俺はイージス艦紀伊型戦艦1番艦の紀伊。よろしくお願いします。緑茶と甘いものが好きです」

 

 俺がそう言うと、あちこちから歓声と拍手が上がってそれが静かになったところで提督が提案をした。

 

「んじゃまぁ、紀伊のために皆も改まって自己紹介をするか!」

 

「「「さんせー!」」」

 

 彼女達がそう言うと、最初の紫色の服に髪の毛の後ろで束ねた妙齢の女性が来た。

 

「私、妙高型重巡洋艦、妙高と申します。共に頑張りましょう」

 

 俺が頷くと、次に黒いタイツに着物を着た女性が2人、出てきた。

 

「航空戦艦、伊勢です。後部飛行甲板と、カタパルト2基で、航空戦力を運用可能よ」

 

「伊勢型航空戦艦日向、一緒に戦おう」

 

「おぅ、共に頑張ろう」

 

 伊勢型かー、彼女達は航戦になると汎用性が高かったから良く艦隊に入れていたなぁと思いつつ、次の紹介を待っていると、黒髪ロングとショートヘヤの着物を着た女性が来た。

 

「扶桑型超弩級戦艦、姉の扶桑です。妹の山城共々、よろしくお願い致します」

 

「扶桑型戦艦姉妹、妹のほう、山城です」

 

「よろしくねー」

 

(不幸戦艦姉妹が来たー、ピンチの時は助けてあげよう)

 

 扶桑姉妹に限った訳ではないが、俺の高性能さはそこにあると思うんだよ。

 

 圧倒的な火力や射程、防御力や回避は戦場における韋駄天になり得ると考えているから、能力値分は働こう。

 

 俺がそう思っていると、次は巡洋艦になるようだ。

 

「はじめまして、利根型2番艦、筑摩と申します」

 

「よろしく」

 

 航空巡洋艦か、索敵には困らなそうだな。

 

「あたしは軽巡、北上。まーよろしく」

 

「こんにちはー。軽巡洋艦、大井です」

 

「クマ―。よろしくだクマ」

 

「軽巡、多摩です。猫じゃないにゃ」

 

「木曾だ。お前に最高の勝利を与えてやる」

 

「おう」

 

 球磨型軽巡が5隻とも揃っているのか。結構、充実しているな、この鎮守府。

 

 個性的な自己紹介の後、小学生のように小さな駆逐艦の自己紹介だ。

 

「暁よ。1人前のレディーとして扱ってよね!」

 

「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」

 

「雷よ!かみなりじゃないわ!そこのとこもよろしく頼むわねっ!」

 

「電です。どうか、よろしくお願いいたします」

 

 軽巡でも思ったのだが、そういっぺんに言わなくてもいいんだけどなぁ。

 

 と思っていると、次は空母みたいだ。

 

(ん?あのコントラストは・・・)

 

 俺の視界に入ったのは、赤の弓道着と青の弓道着に橙色の着物と緑色の着物が見えた。

 

「航空母艦、赤城です。よろしくお願いしますね」

 

(赤城キターってことは・・・)

 

「航空母艦、加賀です。貴女は対空、対艦戦闘に長けていると聞いています。まぁ、期待しているわ」

 

(加賀さんは相変わらず、冷静沈着だな。そういうところが好きなんだけどな)

 

「航空母艦、蒼龍です。対空戦闘に期待しているわ」

 

(かなり気さくだな。それがいいところでもあるんだが)

 

「航空母艦、飛龍です。一緒に戦いましょう!」

 

(飛龍は明るいな)

 

「おう、空母機動艦隊に負けないように頑張るんだぜ」

 

 俺がそう言うと、最後の1人が出てきた。

 

「糧給艦、間宮です。後で食べに来て下さいね」

 

「あっはい」

 

 間宮さん、いたんだね。

 

 と言うか、もしも俺が大食いキャラだったら間宮さんの定食を全部、食べてしまいそうで困る。

 

 戦闘がない時は、自重しよう。

 

 ん?そんなことよりも、この鎮守府の艦娘って結構、充実してないか?

 

 一航戦や第六駆逐隊、航空戦艦に巡洋艦と編成をうまく組めば死角はないな。

 

 赤城さんや加賀さんに、軽巡と重巡を2隻ずつにすれば、対潜戦闘や対艦戦闘にも対応できる。

 

 この提督、かなり運がいいな。

 

 

 とまぁ、少し驚きはしたが自己紹介が終わったので、今後の方針について話していく。

 

「今後は紀伊にも艦隊に入ってもらい、共に戦ってもらう」

 

「1つ、いいか?提督」

 

「何だ?木曾」

 

「紀伊は“ミサイル”てゆーすごい長い射程の兵器を持っているんだろ?てことは鎮守府から攻撃した方が効率的じゃないか?」

 

「確かに、現代化改装によって戦闘能力は飛躍的に上がっているが、深海棲艦は基本的に海中から出てくるからな。遙か遠くから撃っても当たる頃には海中に隠れてしまう」

 

「なるほどな」

 

 木曾の続いて、いくつかの質問があったが基本的には提督が答えてくれた。

 

 その結果、輸送任務などの細々とした業務は軽巡や駆逐艦に任せて危なくなったら俺が出撃する、という形に収まった。

 

 この方が、資源的にも効率がいいからね。




さすがに紀伊と響だけだと寂しいから、色々と加えてみました。

入れてほしい艦娘がいたら教えてくだちぃ。軽空母とか駆逐艦をメインで。

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