A-150戦艦で深海棲艦に殴り込み!   作:八雲ネム

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第2話 戦闘 ~アウトレンジから戦ってみる~

 歓迎会から数日後

 

 今日も雷達は資源回収のため、遠征に出張っていて戦艦群は暇を持て余している。

 

 その一方、俺はこの世界についての知識を身につけるために鎮守府に設置してある図書館で、様々な本を読みあさっている。

 

 元々、読書好きな俺にとって興味のある分野は自分で学ぼうとする傾向がある。

 

 そのため、暇な時間を見つけては図書館で本を借りて読んでいる。

 

 また、工房でも90式対艦誘導弾やアスロック対潜ミサイルの発展型のVL-ASLOC対潜ミサイル、SH-60Jシーホークなどを開発した。

 

 チャフやフレアも開発したため、敵のミサイルにも対応できるはずだ。

 

 その分、資材をそれなりに消費したので後で妙高さんにぶん殴られるのは必至なのだが、それ以上に提督が新しい艦娘を建造するのに消費していったので、彼のほうが怒られそうだ。

 

 そんな訳で、新たに建造した艦娘が完成したと言うことでそっちに向かうと見慣れない顔が4人、提督と話していた。

 

「どうも~、戦艦紀伊だけど君らが新しい顔かな?」

 

「あっ紀伊、丁度よかった。君以外にもイージス艦ができあがったよ」

 

「俺以外で・・・と・・・お?」

 

「どうした?」

 

「早速、通信ネットワークで答えてきた。よろしくな、あしがらとみらい(・・・)

 

「よろしくね、紀伊姉さん!」

 

「よろしくなのです」

 

 あしがらは元気いっぱいなのだが、みらいのほうはあまり口数が少ないな。

 

 あしがらはあたご型護衛艦の2番艦として建造されたのだが、みらいはゆきなみ型護衛艦の3番艦として建造された架空の軍艦だった。

 

 少なくとも俺はそう記憶しているが、この世界では実際に建造されてしまったようだ。

 

 となれば海鳥とかも見れるかなぁと思いつつ、他の2人にも声を掛ける。

 

「よろしくね、お2人さん。えっと・・・」

 

「長門型戦艦2番艦の陸奥よ。あまり無茶はしないでよ?」

 

「大和型戦艦1番艦、大和です。一緒に戦いましょう」

 

「陸奥に大和か、よろしくお願いね?」

 

 陸奥と大和は艦これの服のまんまなのだが、あしがらとみらいはセーラー服の色違いで装備としては51センチ連装主砲がないのと、12.7センチ単装砲が1基だけで他は俺の装備に準じている。

 

 そんな訳で、新しいメンバーとこの鎮守府について色々と喋っていたら突然、俺の無線に通信が入ってきた。

 

『誰・・・返事・・・て!紀伊・・・!』

 

「ん?なんだ?」

 

『だ・・・か・・・返事・・・して!お願い!紀伊!しれ・・・かん!』

 

「この声・・・響か?」

 

 俺は通信の出力を上げる。

 

 同時に、あしがらとみらいの無線にも同様の通信が入ってきているらしく、俺達で顔を見合わせて無線を傍受する。

 

『雷、しっかりするんだ!』

 

「響!状況を報告しろ!」

 

『!良かった!雷が大破した!』

 

「!?ちょっと待て!提督!」

 

 普段は冷静な響からは焦りの声が聞こえたため、提督に無線をオンラインにするように伝えた。

 

「何があった!」

 

 提督が無線機のマイクにそう言ったら、響から状況報告があった。

 

『司令官!我が艦隊は帰投中に敵艦隊と遭遇!球磨さんや木曾さんが中破!電や雷が大破してかなり危ない!至急、援軍を求む!』

 

「わかった!」

 

 提督はそう言って、無線を館内放送にしてこう言った。

 

『レッドアラート!レッドアラート!総員10分以内に出撃準備をして港に集合せよ!繰り返す、総員10分以内に出撃準備をして港に集合せよ!』

 

 それを聞いた瞬間、俺からも大和達にこう言った。

 

「よし!俺達も出撃する!準備ができ次第、港に集合せよ!」

 

「「「「はい!」」」」

 

 その号令と共に、それぞれが準備を始めた。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「全員、揃ったな?」

 

「えぇ、いつでもいける」

 

 提督の確認と共に、俺がそう返したので状況説明と作戦概要を伝える。

 

「まず、状況についてだが遠征中の球磨を旗艦とする木曾、響、暁、電、雷の艦隊が敵艦隊と遭遇、交戦中とのことだ。規模は南方棲戦鬼が1、戦艦タ級が2、同じくル級が4、重巡リ級6、イ級が8だが球磨と木曾の活躍によってイ級を4隻撃沈させたので残り4隻になっている。しかし、残り17隻の深海棲艦がいるため、状況はさほど変わっていない」

 

「とにかく、多いわね」

 

「このままなら大変じゃん!」

 

「そうだ、だから臨時編成を行う」

 

 陸奥と飛龍がそう言ったのを聞いた提督は、撤退の支援をするための編成を発表した。

 

 それによると、イージス戦艦の俺を旗艦としてあしがら、みらい、赤城、加賀、妙高の主力艦隊と大和を旗艦とする陸奥、伊勢、日向、扶桑、山城、利根の支援艦隊で分けた。

 

 飛龍と蒼龍、そして軽巡の3人は鎮守府を守る艦隊として残る訳だが、鎮守府をガラ空きにするのもいかがなものかと言うことで残ってもらった。

 

「勝利条件は味方の艦隊の脱出援護だから無理に殲滅しなくて良い!危なくなったら逃げても構わんから、主力艦隊と支援艦隊は出撃せよ!」

 

「戦艦紀伊、出撃します!」

 

 俺がそう言って走っていき、六角形の出撃のパネルに飛び乗ると周囲からアームが出てきて、発射機やらCIWSなどが装着していった。

 

 そして、射出させる鎖が伸びてきて俺の足下に届くと一気に射出していた。

 

「戦艦紀伊、いっきまぁぁぁす!」

 

 射出時の姿勢を維持していると、同じ速度で戦闘に必要な装備が身につけられていって、右腕にヘリポートの飛行甲板取り付けられるのと同時に海に出た。

 

 SPY-1レーダーなどは、射撃時などの正確なコントロールが必要な場合のみに取り付ける必要があるだけで、普段からレーダーはオンにしている。

 

 そのため、対空レーダーで目標海域の上空を調べると、かなり危険な状況だった。

 

「80km先、空中目標は160以上、さらに上がってきてやがる。味方艦隊を確認、損失艦はゼロ。赤城!加賀!制空権確保用に戦闘機を出してくれ!」

 

「わかったわ!どのぐらいの戦闘機を出せば良い!?」

 

「ひとまず、通常の半分は出しておいてくれ!後は俺らで打ち落とす!」

 

「あまり無茶はしないで下さいよ?」

 

「おう」

 

「・・・では、第一次攻撃隊、全機発艦して下さい!」

 

 赤城と加賀から、艦載機が飛び出すのと同時にあしがらとみらいに通信を出して、俺達からもSH-60Jシーホークを合計で4機、発艦させた。

 

「紀伊さん?艦載機なら私達が出しましたが?」

 

「今のは対潜哨戒と水上レーダーに使うから赤城達のだと無理だ」

 

「なるほど・・・わかりました」

 

 そんな会話をしていると、先行させていたシーホークからデータが送られてきて、それを確認すると大型艦が2隻も増えている。

 

 しかも、航空機を出し続けているから空母ヲ級だな。

 

「あしがら!みらい!90式対艦誘導弾を2発ずつ、発射してくれ!目標は空母ヲ級!」

 

「了解!」

 

「わかったわ!」

 

 彼女達がそう言うと腰のSSMから2発ずつ、90式対艦誘導弾が発射されてシーホークの中継のよってヲ級に向かっていく。

 

 その際、かなりの風があったようだが先頭にいる俺は、そのことを注意できなかったので後で謝っておこう。

 

 

「90式対艦誘導弾、全弾、命中!ヲ級の撃沈を確認しました!」

 

「わかった!シーホークは全機、母艦に着艦してくれ!」

 

 90式対艦誘導弾を発射してからしばらくして、シーホークとSPY-1対空レーダーにいた妖精さんが同時に、報告してきたのでシーホークを帰還させる。

 

 じゃないと、俺達の戦闘に巻き込まれるからな。

 

 そして、シーホークが戻ってきて着艦作業中に加賀がこう言ってきた。

 

「紀伊さん!攻撃隊が敵機と敵艦、そして遠征艦隊を発見!遠征艦隊は全員、無事を確認しました!敵を挟んでタ級とイ級3隻、さらに敵機で追撃を受けているそうです!」

 

「了解した、加賀!これより、本艦とあしがら、みらいは対空戦闘に入る!味方機は破片に巻き込まれないように敵機から離れるように指示を出してくれ!」

 

「わかりました!」

 

 そして、俺はあしがらとみらいに指示を出した。

 

「あしがら!みらい!データリンク開始!各艦、割り振られた目標に対してスタンダートミサイルを発射せよ!」

 

「了解!」

 

「サルボォ!」

 

 その声と共に、それぞれの背中のVLSから多数の白煙と共にミサイルが発射され、目標へと向かっていく。

 

 この攻撃と赤城達の攻撃隊によって、上空援護を失った深海棲艦達の中で南方棲戦鬼と戦艦タ級、そしてル級に対して俺に搭載してあった90式対艦誘導弾をそれぞれ2発ずつ、発射して作戦海域に突入していった。




漫画「ジパング」のみらい登場。

性能は原作に基づいてやっていこうと思うので、海鳥なんかもいます。

とにかく、ヒャッハー!していこうと思います

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