「提督、新しいメンバーかい?」
「そうだ、今回の件で駆逐艦が圧倒的に足りないと思ってな」
加賀から事情を聞かされてから数日後、提督から呼び出されて執務室に入ると新しい顔が増えていた。
「それで、この子達の指導を君に任せたいと思ってな」
「え、えぇ…」
提督から指示された命令は、俺にとって承服しかねる話だった。
だって、新しい顔は島風、雪風、夕立にイオナ。
最初の3人だけだったら、普通に従ったけど最後、左端に立っていた白髪に青い服、黒いスパッツをはいた女の子が普通に立っている。
(もう、訳がわからん…)
俺はそう思いつつ、提督に聞いてみる。
「提督、1つ良いか?」
「何だね?紀伊」
「俺から見て、左端に立っている女の子は何だ?」
俺が声を低くして聞いてみると、提督が慌てたように良い訳を並べ始めた。
「ち、違うぞ!私はただ単純に複数の小型艦を建造するために、資材を回していたらこの子が出てきて・・・」
「効率が良いのはわかっているが、損傷した場合の補修資材がかなり掛かると思うんだ」
「その資材を補ってあまりある分を回収しようと思って・・・」
「ほほう?つまり、それは彼女達を危険にさらすと言うことでいいか?お前、数日前に私になんて説教したっけ?」
「あ、あれはものの例えで…」
「じゃあ、今ここで執務室を51センチ主砲と
「わー!悪かった!悪かったから許してくれー!」
「…ふぅ」
提督が盛大に謝ってきたので、俺はため息を吐いて殺意を沈める。
そして、さっきまでのやり取りが嘘のような笑顔を向けて怖がっている彼女達にこう言った。
「いや~、すまんすまん。このバカが変なことをやらかさないようにお灸を据えたから今のは気にしないでくれ」
「は、はい」
彼女達はそう言ったものの、俺の殺意というかそういった凄みを感じ取ってしまって、完全に怯えきっている。
俺の初陣と入渠してから翌日、木曾達に頼まれて模擬弾を使った演習を行ったのだがその時の凄みがすごかったらしく、もう俺とは戦いたくないと泣きついてきた。
前日の決意は何だったのかと思っていたが、その様子を見ていた加賀と妙高にこってりと絞られたのでやり過ぎたなぁと考え直した。
つまり、何が言いたいのかというと木曾達が泣きつくぐらい、俺のオーラがすごいらしい。
(このオーラ、うまく使いこなせれば良いんだけどなぁ)
俺はそう考えつつ、思考を切り替えて提督に話しかけた。
「なぁ、提督よ」
「な、何だね?」
「こう言うのは伊勢や日向、球磨や木曾達の方がよかぁないですか?彼女達の方がこの子らにとっても、安心できると思うぞ?」
「し、しかしだね…」
「まぁ、自己紹介と見回りぐらいはしておくから判断は任せるよ」
「わ、わかった」
提督の了承をもらった俺は、改めて彼女達に自己紹介をする。
「えーっと、俺は――――――」
そう言いながら、彼女達も含めた戦い方を考え始めるのだった。
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イオナside
何だろう、この懐かしい感覚は。
あの
総旗艦ヤマトとは性格や考え方は違っても、ヒュウガやタカオ、コンゴウ達と似たような匂いを感じる。
でも、
私にはわからない。彼女がメンタルモデルと同じような雰囲気を感じる理由が。
私はどうすれば良いの?助けてよ、群像―――――コンゴウ―――――。
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紀伊side
「あー、疲れたー」
「お疲れ~」
「お茶と和菓子を用意した」
「おー、サンキュー」
島風達に、この鎮守府には何があるかを教えるために色んなところを見せて回ったが、俺が振り向く度に怯える上に途中から泣きそうになっていたから、それを見た加賀がキレて殴りかかってきたところを赤城達に止められたりもした。
おかげで、普段の数倍は精神的に疲れた。
「それにしても大変だったようね」
「大変ってもんじゃねぇよ、これで俺の第一印象はおっかないお姉さんになっちまった。あっ、おいしい」
あしがらの労いと、みらいが用意してくれた和菓子にありつきながら陸奥のからかいに、少しムキになって返してしまった。
とは言え、馬鹿にされるのも癪だから第一印象なんてこんなもので充分か、と思い直して話を進める。
「今回、増えたメンバーは島風と雪風に夕立。そしてイオナと名乗るメンタルモデルだ」
「メ、メンタ…?何、それ?」
「メンタルモデル。艦娘とは違う形で軍艦から具現化した存在らしい」
「そんな事ってあり得るのかしら?娯楽としての漫画ならともかく」
「ゼロとは言い切れねぇよ、現にイージス戦艦なんてのも存在しているしな」
大和の疑問に俺が答えると、陸奥が反論したので俺達が存在している事例を話した。
「見回りの時に確認したんだが、鎮守府付きの港湾施設にイオナ用の軍艦があった。恐らく、あれに乗って戦闘に出るのだろう」
「私達みたいに艤装を身に付けるって訳じゃないのね」
「あぁ、恐らくだがこの鎮守府で1番大きい艤装だろうな」
「確かに、私達も見に行ったけど船体が100メートル以上あったわよ」
メンタルモデルは、艦娘と違って人型に装備を合わせたのではなく、元になった船体に戦闘に必要なシステムを合わせた形だ。
イオナの身体も、人間とのコミュニケーションのために作られたようなものだ。
そんな奴と戦ったらどうなるか。
普通に考えると、イージス戦艦の俺ですら勝てる気がしない。
ロングレンジのミサイルを全弾、たたき込んだ後に主砲の砲弾を全て命中させても、クラインフィールドを飽和させることは難しいだろう。
「まぁ、何はともあれ、新戦力の参入は純粋に喜ぼうじゃないか」
「そうね、私達も張り切らないと!」
「先輩としての意地を見せるのです」
「あらあら、私も頑張らないと」
「戦艦として本領発揮ね」
俺達は、そう言い合ってから笑い合った。
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「今日の作業は終わりっと」
俺がそう言いつつ、やりきったのはプラモデルだった。
鎮守府に配属されてから1週間程度だが、読書ばかりだと面白くないので鎮守府内に設置しているお店で、ちょうど良い暇つぶしにプラモデルを買ってみた。
今、やっているのは機銃部分の取り付け作業であり、これで左舷にある対空機銃群の設置が終わったところだ。
どんなプラモデルをやっているかというと、艦娘の方じゃない戦艦武蔵のプラモデルだ。
趣味の範囲だが、こう言った作業は好きで前世でも多少はやっていた。
とは言え、こっちの世界ではやらないといけない仕事もあるため、プラモデルをやれる時間は消灯前の時間に限られてしまう。
「これ以上、起きていると明日の仕事に差し障るし、今日はここらへんで「コンコン」…ん?」
俺は作業をやめて、机の上を整理しているとドアをノックする音が聞こえたのでドアまで行き、開けると目の前には誰もいない。
そのため、目線を下げるとそこには響達、第六駆逐隊のメンバーが揃っていた。
「紀伊さん、ちょっといいですか?」
「…OK、部屋に入って」
彼女たちの顔が少しやつれていたので、理由を聞かずに部屋に入れた。
「さて…、消灯時間はもう過ぎているはずだが?」
「はわわわわ!ごめんなさい…なのです…」
「怒っている訳じゃないぜ?消灯時間を過ぎた時間に部屋に来た理由を聞きたいんだ」
電がばつが悪そうに謝ってきたので、気にしていない旨を伝えて話を促す。
彼女たち曰く、俺達に遠征時に助けてもらったのだがその時に何もできなかったことから、深海凄艦と戦う自信がなくなってしまったらしい。
しかも、その時に響達を救うために最後まで残った上に中破させてしまったという後悔の念が、彼女たちの心の中に引っかかって残り続けているらしい。
そのことを、あしがらたちに聞いてみると「あー、別に気にしてないと思うわ。だって次の日には鼻歌を歌いながら仕事してたから」と言われ、加賀たちに聞いてみても「特に問題はありません。あの人はそういう人ですから」と断言されてしまったらしい。
そのため、響達はかなり迷った挙句に俺の部屋に行って直接、聞いてみようということになって来たらしい。
それを聞いた俺は、響達を呼び寄せて電と雷を膝にのせて、響と暁を俺の脇に座らせてからこう言った。
「響達は俺達の家族だからな。家族のためならどんな状況でも戦うし、響達が傷ついて助けを求めたのならどこにでも向かう。だから、本当に気にしなくていい」
俺が落ち着いたトーンで、そう言うと泣きつかれてしまった。
そのため、彼女達が泣き止んだところで一緒に寝る羽目になった。
アルペのイオナたんペロペロ。
ということで、イ-401のイオナが登場。
イオナsideで意味深な考えをしている?何のことか、さっぱりワカランナー(棒)
タイトルで英語使っているのに金剛が一切、出てこないというタイトル詐欺だがいずれは出す予定なのであしからず。
という訳で、次回も待っていただけると嬉しーなー