「わたしが・・・どうしたい?」
お兄ちゃんは何を・・・・・
「そう・・・・・どうしたいんだ?」
お兄ちゃんは先程と同じ笑顔でわたしに言った。
けれど、わたしが言いたかったのはそういう事じゃなくて・・・・・
「イリヤはきっと・・・
お兄ちゃんはわたしを見てそう言った。
わたし自身、お兄ちゃんに選んで欲しいって思っていたから、どうして聞くんだろうとわたしは思った。
「イリヤは友達を助けられる力があって、それを使ったけど友達を傷つけてしまった、ここまではわかる。でも話したってことは、友達は
内心で・・・・・ドキッと、心臓の音が鳴った。
お兄ちゃんは魔術のことを知らないのにはずなのに、なぜかそう言ったのが怖くなった。
「それでも・・・イリヤには解決できるチカラがあって、でも、友達を傷つけてしまった。だから行きたくない。いや、違うな・・・美遊なら大丈夫と言ったから、美遊ちゃんはイリヤと同等の力を持っている。だから・・・・・」
(いやっ、聞きたくない!!!お兄ちゃんの口からそれだけは・・・・・)
「
お兄ちゃんの声が響いた。わたしの本当の心のを暴かれたみたいで、心が折れる音がした。
お兄ちゃんにだけは知って欲しくなかった。
そんな醜いわたしの心を知って欲しくなかった。
耳を塞ごうとしたわたしの手を取ってお兄ちゃんは言葉を続ける。
「イリヤはさ・・・『明日』って言葉・・・・・どう思う?」
突然、お兄ちゃんはそんなことを言った。
「明日?」
「そう『明日』・・・昔さ・・・・・よく話したよね。まだ、高校生にもならない子供たちが、悪を倒しながら旅をする話」
昔・・・というよりも、お兄ちゃんはわたしが一人で寝るようになるまで、沢山のお話をしてくれた。それは、子供たちが悪い奴らをやっつけるお話だったけど・・・それが、なにか関係があるのかな?
「そのお話には・・・正義の味方なんてものは出てこないんだ」
「えっ・・・でも、あの話って」
あのお話はたくさん悪い奴らが現れて、主人公たちがそれを倒しながら世界を救うお話だったんだけど・・・・・お兄ちゃんは少し笑いながら話し始める。
「あの物語の主人公たちはね・・・誰しもが、より良い『明日』を求めてるんだよ」
そういえば、あの話の主人公たちは、絶対に自分が正義なんて言葉は言わなかった。むしろ、戦いたくなんてないって言って、戦いから逃げ出す人や、恨んで、殺したいって願って失敗している人もいた。
でも・・・それがなんだって言うの?
今のわたしには関係ないじゃなんか・・・・・
(もう、ほっといてよ)
「イリヤは今『私には関係ない』って思ったよね」
「それが・・・・・どうかしたの?」
わたしは不満そうにしながら、お兄ちゃんに返事をした。
「まあ、最後まで話を聞いてくれないか?」
わたしはその言葉に渋々頷いた。
「それじゃあ続きを話そうか」
「あの主人公たちが求めるより良い明日って言うのはね・・・・・自分たちが幸せになれる『
少しだけムッとした気持ちになる。
小さい頃に、『正義の味方』だと思っていた『理想』を汚されているような感じがする・・・それでも、お兄ちゃんは話を続ける。
「物語の主人公たちは、みんな迷って、悩んで、必死になって考えたものの中から選んで、それでもたまに失敗や間違いを犯して取り返しのつかないことになって、もう嫌だって嘆いて足を止めたり、諦めて逃げ出したり、失ったものを数えて後悔したりする奴もいる・・・
お兄ちゃんの言った通り、主人公たちはたしかに悩んだり、後悔しながらも立ち上がって戦っている・・・今、動かないわたしとは大違いだ。
「この話を聞いてもう一度聞くけど・・・・・イリヤはどうしたいんだ?」
(そんなこと言われても・・・・・)
「そんなこと言われても、わかんないよ!!!
お兄ちゃんはわたしにどうして欲しいの?わたしはわかんないからお兄ちゃんに聞いてるのに・・・お兄ちゃんは変な話をし始めるし、そんなこと言われたって、わたしは物語の主人公みたいに立ち上がれないし、行動もおこせない・・・本当に、どうしたらいいのかなんてわかんないよ!!!」
わたしはお兄ちゃんの言い方に本当に苛立った。
「どうしたらいいの?」
「どうすればいいの?」
「ねえ、お兄ちゃん・・・どうすればいいのかを教えてよ!!!」
わたしの質問にお兄ちゃんは一回、ため息を吐いて静かに言った。
「俺はイリヤに『
「なに・・・それ、わたしはわからないからお兄ちゃんに聞いてるのに、なんでお兄ちゃんはそんなことを言うの!?」
お兄ちゃんはふっと笑った。
「イリヤはたぶん後悔したくないから俺に頼ったんだと思う」
図星だ。
失敗したり、間違えだったとしても誰かのせいにできるから、お兄ちゃんに聞いた。
(わたし、とっても意地汚いな)
「それでも、俺はイリヤに選んで欲しい」
お兄ちゃんはわたしとは手を握って、懐かしそうにそう言う。
「もしかしたら、選んでもより良い明日なんてこないかもしれない」
「もしかしたら、明日はもっと苦しいかもしれない」
「選んだのは失敗だったって後悔するかもしれない」
お兄ちゃんの手が震えている。
きっとお兄ちゃんも、そう思った経験があるんだと思った。
「それでもさ・・・・・」
「自分で選び取った道なら、イリヤはきっと・・・
わたしは、お兄ちゃんのその
笑っているのか、怒っているのか、泣いているのか、どんな風に例えたらいいのかわからない表情だった。
「もう一度聞くよ・・・イリヤはどうしたいんだ?」
「くっ・・・!?」
『美遊様、これ以上は戦ってはいけません!!!
一度鏡面世界から出て、態勢を立て直しましょう!!!」
凛さんとルヴィアさんは宝石を使い果たしてもう戦えない。
最後の希望だったライダーの
これ以上、戦っても負けるのはわかっている。
(・・・・・それでも!!!)
イリヤをこれ以上巻き込まないためにも、ここで勝つ必要があった。
(しまった!!!)
現実は甘くなかった。
障壁を破った風の刃が一瞬の隙をついて、わたしの目の前にきてしまった。杖を盾にしようとするも、間に合わない。
流石に、もうだめだと思った。
しかし、痛みはこず、わたしはまだ生きている。
「大丈夫・・・美遊?」
かつてわたし達を追い込んだバーサーカーがそこにいた。
いや・・・違う、そこにいたのは・・・・・
「どう・・・して・・・・・?」
「わたし、もう逃げないから・・・あとはわたし達に任せて」
そこで、わたしの意識は消えてしまった。
「あなたが強いことは知ってる」
目の前に立つ、剣を持った金髪の女性。
「正直言って、怖いし・・・あなたみたいな人と戦いたくなんてない」
戦うのが怖かった。
美遊をここまで追い込んで、凛さんやルヴィアさんが鏡面世界から脱出していたのを知ったから・・・余計に戦うのが怖くなった。
「それでも・・・わたしは逃げないって
手の甲に赤く光る三つの模様が見える。
「だから・・・力を貸して、バーサーカー!!!」
一つ模様が消えると同時に、力が湧いてくる。
女性がかまいたちのような攻撃を仕掛けてきても、この力はビクともしない。
『イリヤ、そういえばお前宛にこんなものがポストに入っていたぞ』
わたしが美遊を助けに行くと決めたあとすぐに、お兄ちゃんから渡された封筒。
その中には、Mに奪われたバーサーカーのカードが入っていた。
不思議とそのカードが気になって、鏡面世界に入る前に触って見た。すると、カードの使い方が手に取るようにわかった。
そうじゃない・・・・・バーサーカーが教えてくれたんだ。
「わたしはあなたに勝って、美遊と友達になる!!!」
女性は風の刃が効かないことを見抜いた瞬間、接近戦に切り替えてきた。
(わかる・・・相手の動きが手に取るように・・・・・!!!)
あらゆる方向からくる剣撃を、バーサーカーの剣で防いだり、受け流す。
女性が達人なのは今までの動きでなんとなくわかる。
けど、バーサーカー自身がわたしに力を貸してくれているおかげで、相手が次にどんな攻撃がくるのかがわかる。
女性が剣に魔力を込めた。
(右に避ける!!!)
右に避けた後すぐに、風の斬撃がわたしの横をすり抜けた。
それを見た女性はわたしから距離をとった。
わたしは近づこうとしたその時・・・・今までとは比べ物にならない魔力が、女性の剣に集まった。
(なにかがくる!!!)
「『
(ダメっ・・・避けられない!!!)
巨大な光の奔流がわたしを襲った。
その瞬間、
大きなバーサーカーの背中がわたしを守っている。
一回、二回、三回とバーサーカーの背中が光に飲み込まれては現れてわたしを守って、十二回目でようやく光が消えて無くなった。
バーサーカーの背中がなくなった瞬間にわたしは駆け出した。・・・もうバーサーカーはわたしを守ってはくれないとなんとなくわかったから・・・・・わたしは女性に接近した。
女性はもう一度光を集めようとしたが、もう
赤い模様が一つ消える。
だけど、まだ足りない!!!
「やるよ、バーサーカー!!!」
自分よりも大きな剣を構える。
そして、もう一度・・・最後の赤い模様を使って叫ぶ。
「『
赤い模様のから出た魔力を使って、わたしはバーサーカーの宝具を使う。
剣撃が女性に向かう。
わたしにはわかる。一回の一撃で相手の急所を破壊する恐ろしい技だったことが・・・・・
(・・・・・それでも)
「それでも・・・わたしはあなたに勝つ!!!」
最後の一撃が決まった。
既に女性は消えてなくなり、カードへと変化した。
(・・・・・
剣を持つ騎士の絵柄のカードだった。
「やったよ・・・わたし、勝ったんだ・・・・・」
そうして、わたしはセイバーに打ち勝った。
逃げ出した奴→ダークマスターズ編にて逃げ出した立川ミミ、フロンティアの現実へ逃げた主人公神原拓也など
失敗した奴→スカルグレイモンに進化させた太一やテイマーズでメギドラモンへと進化させた松田タカト、セイバーズにおいてルインモードにした大門マサル
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編