爺さんから貰った指輪を通して、魔力の塊が消えたのを遠くで感じる。
「・・・イリヤは勝ったんだな」
少しの安心感と自身の無力さを実感した。
(こんなことを思うなんて・・・きっと、
『暗闇』
『鎖』
『黒髪』
・・・たとえ夢だったとしても忘れないであろう光景。
『テメぇもサッサ都選んダホウがいいん邪無いカ?』
考えていたことを理解して、今の俺には到底、選ぶことすらできないであろう『選択』をオグドモンはせまった。
(そんなのわかっているさ・・・・・)
「・・・・・三年前から」
希望なんて消えてしまった。
絶望などと言葉には表すには生易しく。
『
それでも『
『・・・・・ズイ分と、ナマったモンだ』
(・・・えっ)
オグドモンの一言・・・疑問に思った、そのとき・・・・・
「ふーん・・・やっぱり、三年前の記憶はあったのね」
いつのまにか自身の部屋のドアが開いていて、そこにはアイリさんとセラが立っていた。
「・・・・・あっ!!!」
つい、口から漏れた言葉に自身が失策を気づいた。
(この、三年で警戒をここまで緩めていたのか・・・)
ただ考え事に集中してしまっただけで、自身の近くに人が来たことにすら気づかなかったことに驚愕する。
「・・・とりあえず、おかえりなさいアイリさん」
作戦1、とりあえず話をそらそう。
「ええ、ただいま・・・それで、三年前の・・・あの一週間のこと話してくれるわよね?」
・・・・・笑顔が
「ははは・・・なんのことでしょうか?」
『ソレは無理アルンじゃネエか?」
オグドモンの言葉と同時に、セラがポケットからスマートフォンを取り出して、アプリを起動した。
「『・・・・・三年前から』・・・・・証拠です。
これで・・・話してくれますね・・・・・」
セラの手の中にある証拠と、アイリさんの『やっぱり』という言葉には、有無を言わさない感じがする。
『・・・・・イウのカ?』
『アイツ』の声から嗤いが消えた。
必要最低限、オグドモンには関わってくるから・・・・・
しかし、俺の答えは決まっている。
「俺は話すつもりはありません」
二人の顔はさっきの俺のように驚愕へと変わった。
アイリさんたちが知りたかったように、俺も教えたくないのだから仕方がない。
「・・・シロウ、なんで答えてくれないの?」
アイリさんは質問を変えた。
『まあ、当然だナ』
アイリさんはたぶん、少しでも情報が欲しいんだろう。
情報さえ手に入れば、
(まあ・・・結局は無理だろうし)
異世界のことは言っても理解されないうえ、余計な詮索をされても厄介なことになるのは間違いない。
「・・・たんに俺の覚悟が決まっていないだけだよ」
だから俺は、本当のことを
奇しくも、俺がオグドモンへの返答しようとした言葉と同じであった。
(・・・・・それに)
「それに、アイリさんたちだって、俺やイリヤに隠していることがあるでしょ」
二人は肩を揺らした。
やはり、この世界でも聖杯戦争は起こったのだ。
『イキ物ってのハどれも同ジだな。
ヘイコウ世界デも異世界でモ、ヤル事なすコトホトんド変わんネエな』
オグドモンの言う通り・・・こんなに表面上は平和であっても、魔術や魔法は存在するし、吸血鬼なんて生き物がいる。
(結局は『普通の世界』なんてものは存在しないんだよな)
見ている光景には『死』が存在していた。
意味もなく差別して、意味もなく騙して、意味もなく呪って、意味もなく殺して、意味もなく喰らって・・・自身の『
(本当にくだらないな)
俺は
今まで
(・・・・・そんなこと、考えても仕方がないよなぁ)
しばらく考え事にふけっていた意識を、二人へ向けた。
二人と視線が合う。アイリさんは必死に悩んでいおり、セラはそれを見て辛そうにしている。
しかし、考えた末にアイリさんの答えが決まったようだ。
「・・・・・ここで、話したら・・・シロウは言ってくれるのかな?」
その答えであるのならば、
「・・・いや、
だから、しばらく待ってくれませんか?」
これが・・・今の俺が答えれる唯一の答えだ。
(
それは、別に今答えなくても良いということだ。
(・・・・・
イリヤの魔力の方向を見る。
あそこにはきっと、
それは、
「・・・ッシロウ!!!」
俺がアイリさんとの会話の最中に、余所見をしたのでセラが大きな声でそのことを正そうとした時、アイリさんが手を挙げてセラを止めた。
「・・・・・そう、わかったわ。シロウがそういうのなら待つことにしようかな」
アイリさんは泣きそうな顔をしながらそう言った。
俺の部屋から二人は出て行った。
「・・・きっと・・・・・きっといつか話します」
俺は閉まったドアに向かってそう言ってしまった。
「ギャハハはははは・・・・・?」
『彼』は『彼』自身の声に違和感がなくなったことに気づいた。
「・・・はあ、ようやく『
・・・・・やがて、『神殿』を出る頃あたりになった。それでも、足元の鎖は
神殿を出たら、
この光景で再び『彼』は思い出す。
「こっちは『楔』の繋がりが
『彼』は『神殿』の階段の一番上に座って足を伸ばしたり、ばたつかせたりしながら、『鎖』で
「もう
「・・・・・さっさと
「まあ・・・無理だろ、『今』のままじゃ」
彼は『
昔の『彼』できたことは、
「・・・・・
かつて、
彼にとって『ほし』のように照らす『それら』を見るのは、もうすでに日常になっていた。
「さっさと選んでくれよ『衛宮士郎』。
どっちにしろ、
ジャラジャラとなる『鎖』で遊びながら、天を見上げた。
誤字脱字等あればよろしくお願いします!!!
ー追記ー
第1章のあとがきを活動報告に書きました。
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編