資料を見直しながら、昨日のことを思い出す。
ー昨日ー
「とりあえず間桐・・・いや、間桐さん座ってください」
依頼人である間桐を玄関に留まらせ続けるのはダメだと思い、中へと入れた。書類が入っているダンボールで埋め尽くされた仕事場へ案内して、付近にダンボールが置いていない依頼人用のソファへ座るように進める。
「先輩・・・別に敬語じゃなくて良いんですよ」
「いえ、仕事ですので・・・間桐さんはコーヒーか紅茶どちらがよろしいですか?」
彼女が座ると同時にお湯を沸かす。
間桐は紅茶を選び、俺は紅茶の茶葉が入っている瓶を取り出す。
『確カ菓しがアッたヨナ』
(・・・そういえば)
オグドモンの言葉とともに、以前買い置きをしていた日持ちのいい菓子を取り出し、皿に盛りつけた。
そうこうしているうちにお湯が沸き、紅茶を入れて間桐のところへと持って行った。
「それじゃ、依頼の内容を聞いてもいいですか?」
彼女の反対側のソファに座り、内容を聞いた。
「シ・・・
思わず、声を荒げてしまった。
話しを聞く限り、問題は一年ほど前から始まったという。
「一年ほど前に、かなりの金額を銀行から引き落としてから、兄さんは夜遅く帰って来るようになりました。ここ二週間ほど前からは、平日にも遅く、休みの日は必ず朝帰りをし、この一週間に限っては中間テスト期間中にもかかわらず、家に帰らない日もありました」
『ソレ、お前二モあてはマルんじゃねーか?』
(うるさい!!!)
桜の話にオグドモンは突っ込んだ。
流石の俺もテスト期間はバイトを休みはしたが、心当たりがが多すぎて、若干申し訳なく思えてしまう。
まあ意識をなんとか切り替えて質問を始める。
「えっと、かなりの金額って言いましたけど・・・慎二君は一体どれくらいの金額を引き落としたんですか?」
「・・・先輩、それは兄さんの捜査に関係ありますか?」
間桐が少し疑うような視線で俺を見てくる。
「まあ・・・関係はありますよ。
少しでも情報があった方が、慎二君を見つけやすくなりますし・・・・・」
間桐は少し思案してから、『間桐慎二』と書かれた通帳を取り出した。
「残高を確認すると、兄さんは約三十万円ほど引き出しています」
「・・・三十万・・・か。
それじゃあ、ここ二週間の間に慎二君の様子がどうだったかを教えてくれませんか?」
「ここ二週間・・・ですか・・・・・?」
彼女は思い出そうとした。
「そういえば、平日に初めて遅く帰ってきた時にとても機嫌が良かったのを覚えています。そのときは、口論になりそうになった時に『せっかくいい気分なのに、桜の相手なんてしてられるか』って言っていたのを覚えています」
(『せっかくいい気分』・・・か)
その日の夜に慎二にとっていいことがあったっていうことだろう。
「・・・・・それで他にありませんか?」
「・・・あとは、ここ半年くらい、毎日手になにか『保湿クリーム』みたいなものを塗っていたことぐらい・・・ですね」
(手に塗っていたもの・・・・・?)
彼女はもうないと言った。
その後、俺は彼女を家に帰し、エリカへと連絡を入れた。彼女は忙しそうであったが、暇があれば調べてくれるらしい。
そして次の日・・・今日の深夜に、杏子さんから連絡があったらしい。
・・・・・書かれていた内容は、
『現状、こちらの状況も芳しくない。助手君も私達も
すまないが、良い機会だと思って一人で依頼を受けて欲しい。
初依頼でサポートしきれないのは申し訳ないが、こちらの状況が変化したらまた連絡する。
しばらくは帰れないので、いつもの掃除等宜しく頼む。
ー追記ー
依頼に成功したら、お詫びに私の新作のスペシャルブレンドをごちそ・・・・・』
・・・・・等々、書かれていた。
『ゲンジつ見ロ』
オグドモンがなにか言っていた気がするが・・・・・俺はなにも見てない。見てないったら、見てないんだ!!!
・・・・・とまあ、こんな感じで押し付けられたわけだ。
「まあ、『
仕方がないと思い、エリカの連絡を待ちながら午前中に集めた情報をまとめる。
可愛い女の子好き弓道部員M
『慎二ぃ・・・?
最近来なくなった以外にはわからないくらいかな・・・・・詳細がわかったら、連絡してくれ』
生徒会メンバーR
『あやつがどうした?・・・いなくなっただと!!!
そういえば最近、クラスで間桐が不穏なものを生徒に勧めているという噂を聞いた。今度会ったら説教をしてやる』
T先生
『間桐君・・・・・?それよりもお腹すいちゃったわ。お昼にしましょう、お昼に。それとたまにでもいいからお姉ちゃんに、弁当作ってきなさい、士郎!!!』
・・・・・生徒会メンバーR以外、なんの情報も得られなかった。
生徒会長Rの『不穏なもの』というのは、『悪魔巡礼』と書かれたチケットらしい。
・・・って、俺慎二からチケットもらってるじゃないか。
バックの中からチケットを取り出すと・・・・・
「なんでさ」
『悪魔巡礼』と大きく書かれていた。
「・・・ふふ、お兄ちゃんったら、隙だらけなんだから」
リンたちもずいぶんと甘いわね・・・・・
私がそう簡単に捕まるもんですか。
「・・・っと、今はそれよりも、お兄ちゃん〜〜」
なにか紙を持ってうなだれているお兄ちゃん。
(どう考えても、いまがチャンス!!!)
「おっにいっちゃーーーん!!!」
そうして、私はお兄ちゃんに抱きつく。
「ん、なん・・・うわっ!!
なんだよ、イリヤ・・・いきなり抱きつくなんて」
(・・・え?)
お兄ちゃんが振り向いた瞬間、お兄ちゃんの右目が
肌は薄気味悪いくらいに白に近づいて、まるで
「・・・イリヤ、なんでいきなり抱きついたんだ?」
(・・・・・あれ?)
肌はいつも通りの肌色で、目は決して血の色などではなく、黒色へと戻っていた。
「・・・どうした、イリヤ。どこか体調悪いのか?
なんか、いつもより肌が黒っぽい気がするが?」
(たぶん、私の見間違いだ)
「ううん、そんなことないよ・・・お兄ちゃんってば、妹の肌がそんなに気になるんだ」
「別に、そんなことはない。
気のせいなら気のせいで問題ないんだ」
お兄ちゃんは意外と慌てた様子もなく私に返事をした。
「あれお兄ちゃん、さっきから持ってるその紙はなに?」
「べっ・・・別に、イリヤには関係ないだろう」
そう言ってお兄ちゃんは紙を取り上げる。
(ふーん、怪しいんだ)
「それ、なんかエッチなものなんでしょ・・・お兄ちゃんったら、やらしーんだ〜〜」
「エッチなものなんかじゃない・・・これは、とっても大事なものなんだ」
お兄ちゃんはとっさに、私の手の届かない場所まで紙を持ち上げた。
「それじゃ問題ないよね、見せ・・・っへぶっ!!!」
痛っ・・・イリヤが呪いを使って、私に攻撃をしてきた。
「イリヤ、本当に大丈夫なのか?」
ここは、普通に・・・
「うん、ぜんぜ・・・っひぶ!!!」
・・・・・二回も・・・お兄ちゃんにもぶたれたことないのに!!!
もういい・・・怒った。
こちらも
「お兄ちゃん・・・キスを・・・・・!!!」
お兄ちゃんの悲鳴が聞こえる。
お兄ちゃんの驚いた顔がどんどん私の顔に近づいていく。
(やった・・・これで、お兄ちゃんは私のーー)
そこで、私の意識は途切れた。
二部が始まったのに、なぜ書いているのだろう(投稿ペースを守らなかった自分に原因があるんですが・・・)。
次回は、たぶん番外編です。
誤字・脱字、感想等あればよろしくおねがいします。
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編