Fate/ fallen brade   作:阿後回

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宣言通り、プリヤ編を進めました。
時系列的に言えば、誕生日一週間ほど前のお話。



第十話 狙いと嘘と誕生日

「・・・ハァ、結局、私達がやってきたことは無駄だったってわけね」

 

ため息をついた凛さん。

額に青筋を浮かべるルヴィアさん。

 

二人とも八枚目のカードについてバゼットさんへの交渉材料として使おうと必死に走っていたというのに、ついてみれば戦いは終わっていた・・・しかも、せっかく見つけた『八枚目』という交渉材料を、乱入者に()()()()()()()()()()()という恥を晒してしまったのだ。

 

そのあと、ルビーとクロから弄られて、怒った凛さんとルヴィアさんが宝石魔術を使ってさらにドンパチやって壊れてなかった家具なども、最終的に全部壊してしまったのだ。

 

「・・・それにしても、『ギルガメッシュ』・・・ね」

 

「なにか疑問でもありますの、ミス・トオサカ?」

 

眉間を指を当てる凛さん。

流石のルヴィアさんもこの状況で喧嘩を売るような真似はしないらしい。

 

「情報の出所を考えていたのよ。

カードは地脈深くにあるにもかかわらず、場所の詳細ではなく、カードの英霊の詳細を伝えるだなんて随分とおかしいと思うのよ・・・まるで、場所は知らないが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・・・」

 

ゾクリ・・・と、背筋が凍る。

美遊も、クロも、ルヴィアさんも、わたしをふくめて凛さんの言葉に気がついたのだ。

 

わたしたちの切り札の詳細を知っている・・・ということに。

 

 

「・・・・・なぁーんてね、そんなことあるわけないじゃない。ただ私が考えすぎただけじゃない。なにそんな顔をしてんのよ・・・それに、次のカードの宝具までわかったんだから、急いで作戦会議を進めましょ・・・もしかしたら、バゼットだけじゃなくそいつらまで襲ってくる可能性だってあるわけだし・・・もしかしたら、勝てなくて私たちに頼ってきた可能性のほうが高いと思うしね」

 

なんだ、ただの考えすぎか・・・・・

 

 

「それで、どうやって倒すかだけど・・・・・」

 

 

それからは、凛さんからバゼットと組んで戦うことを伝えられた。クロやルヴィアさんは少し不満そうだったけど・・・どうにか、なった。

 

 

でも、私は()()()()()()()

 

『そんなもの、あるはずない・・・・・』

 

八枚目のカードとその詳細をデモンズの人が言ったときに、美遊が小声で言った言葉だ。たぶん小さかったから、わたしにしか聞こえてないと思う。

 

・・・・・それが、どこか不安だったから、

 

 

「ねぇ、ルヴィアさん・・・美遊の誕生日って知ってる?」

 

 

 

 

東京から戻って少し経つ頃・・・・・

 

 

「・・・・・なんでさ?」

 

目の前にあったのは、大量の資料の山であった。

理由は数週間前・・・山科さんを含め、他探偵事務所の二人(俺の上司)プラス、その他数名による大実験(上に通さなかった)が起きてしまった。

 

 

その代償として、機器の一部が破損。

もちろん上は知らなかった。トップは出張でいなかったために起きた事態である。

 

 

戻ってきた、悠子さん(上のトップ)は激怒した。

 

 

・・・・・かの悪逆なる部下達の行動に。

そしてその結果が、この大量の事務処理である。

 

この一件に関しては、バゼット・フラガ・マクレミッツという不確定要素を確認した杏子さんが、イリヤを助けに行ったのが裏にあるのだが、それに賛同した一部の天才(バカども)がデジタルシフト内での実験を許可なくやってしまったために、機器の一部が壊れてしまったのだ。

 

当然、仕事だったからという

 

現在、自宅でその処理を半分ほど終わらせたのだが・・・・・

 

 

『マダ、この山終わらねエな』

 

 

資料の山はまだまだ山積みされていた。

家に持って帰ってやっているものの、資料にいたっては探偵事務所の処理まであるため、全部数えたら百は軽く超えるだろう。

 

『教イク機関トのテイケイに、でんしマネー、背景や世界観ノ統一、医療ノジツヨウカ・・・ソノタ諸々、政府に任さレタ事も入ってるゼ』

 

見ているだけでうんざりしてくる。

少し喉が渇いたな・・・下の階に降りて、お茶でも飲んでくるかな・・・・・

 

 

 

「・・・残念だったね、ちょうどルヴィアさんに用事があった日だったなんて・・・」

 

「別にいいじゃない、別の日に祝ってくれるって言ってたんだから」

 

「・・・わたし、今まで誕生日に祝われた事ないし」

 

 

そうすると、イリヤとクロエ、美遊がリビングにいた。

なんの話をしていたかわからないが、イリヤとクロエが固まっている。・・・どうしたんだ?

 

「いらっしゃい、美遊ちゃん」

 

「・・・・・はい、それと士郎さん、美遊でいいです」

 

「わかったよ、美遊・・・それでイリヤたちはなんの話をしていたのかな?」

 

美遊の一言にギョッとした表情を浮かべたイリヤとクロエ。

 

「えっと・・・保護者のルヴィアさんが少し用事で私の誕生日を前倒しにするという話でした」

 

『ソリャ、こいつ視てんノ話ダロ』

 

オグドモンは俺にしか聞こえない声で突っ込みする。そんな話なら、イリヤもクロエもこうまでして固まらないだろう・・・そういえば、強欲の剣(ツミノキオク)では、誕生日を祝う記憶がなかったな。

 

そうか、この子が祝われたことがない・・・とでも言ったのかな?

 

とあることを思い出したので、とりあえず用事を聞いてみる。

 

 

「イリヤ、確か美遊の誕生日って七月二十日であってたよな」

 

「えっ、あ、うん」

 

「美遊、その日って用事無いか?」

 

「いちおう、ありませんが・・・?」

 

・・・少し考えてから携帯を取り出す。

 

「ちょっと、待っててくれないか?」

 

 

そう言って俺はアラタさんに電話をかけた。

 

 

 

「・・・お兄ちゃん、ちょっとおかしくない?」

 

私は今の会話にお兄ちゃんとの会話に疑問を覚えた。

 

「・・・えっ、クロ、突然どうしたの?」

 

「確かに、おかしいと思う」

 

「えっ、美遊まで!?」

 

・・・・・美遊も気づいたか。

 

「お兄ちゃんは『確か美遊の誕生日って七月二十日であってたよな』って言った。でも、美遊や私たちが言いふらさない限り、美遊の誕生日って知り得ないんだよね。それに、凛やルヴィアまでついさっきまで知らなかったのに、私たちが言う前にお兄ちゃんが知ってるなんておかしいわよ・・・裏に何かあるに違いない」

 

「・・・・・まさか、お兄ちゃんは美遊のストーカーをやってたっ!?」

 

そして、イリヤのこの発言。

 

「そんな・・・士郎さん、ストーカーなんてしなくても、直接言ってくれれば・・・・・」

 

そして、お兄ちゃんがストーカーをやっていたかもしれないと考えた美遊だけど・・・・・まんざらでもない様子。

 

やばい、これは私がしっかりしないと!?

 

二人は妄想の世界に入る前に声をかける。

 

「待って!?何かあるとは言ったけど、まだお兄ちゃんがストーカーとも決まってないわ」

 

あっ、この答え方じゃ・・・・・

 

「「じゃあ、ストーカーの可能性もあるんだね(ですね)、クロ!!!」」

 

一方は焦り、もう一方はなぜか期待して私へと言った。

 

・・・・・そんな時、

 

「電話終わったからちょっと・・・って、どうしたんだ?」

 

お兄ちゃんが帰ってきた。

 

「・・・お兄ちゃんの・・・」

 

「・・・士郎さんの・・・」

 

 

「「変態!!!」」

 

 

「なんでさ!?」

 

 

イリヤと美遊の拳がお兄ちゃんのお腹に突き刺さった。

 

 

 

 

「・・・・で、それが理由か?

俺は美遊のストーカーでも、ロリコンでもないよ」

 

殴られた経緯を聞いて、物凄く疲れた。

なんで、美遊の誕生日を知っていたかどうかで殴られなきゃならないんだ。

 

「でも、なんでお兄ちゃんは美遊ノ誕生日を知ってたの?」

 

唯一殴ってこなかったクロエが聞いた。

 

「数週間前に、イリヤが風呂入る前に『まさか、美遊と同じ誕生日だったなんて』って呟いてたのを思い出したんだ・・・だから、俺は悪くない」

 

「結局あんたのせいじゃない!!!」

 

「すみませんでした!!!」

 

クロエがイリヤの頭を叩いた。しかし、実際、イリヤは呟いていたかは記憶にない。ただ強欲の剣(ツミノキオク)で知っていただけなのだが、それじゃ説明のしようもないので犠牲になってもらった。

 

「それで、士郎さんは誰に電話をかけていたんですか?」

 

美遊が戻ってきた俺に質問する。

・・・そうだ、これを伝えにきたんだった。

 

「ちょっと、知り合いに頼んで七月二十日に用事を開けてもらったんだよ」

 

「用事・・・なんで?」

 

復活したイリヤが聞いてきた。

 

「俺も二十日にちょっと用事があったんだが、二十日がイリヤの誕生日だって思い出してな・・・それを、その人に言ったら、パーティーを開こうって話になったんだ」

 

本当は、その人がイリヤたちに『とあるもの』を渡したかったから、ちょうどいい理由になったらしい。

 

「パーティー?」

 

「近くの海水浴場の海の家でやる予定だったんだが、それでよかったか?」

 

三人とも顔を見合わせる。

流石に、知らない人に祝われるのは嫌だったかな?

 

「士郎さん、私はそれで大丈夫です・・・クロエは?」

 

「私も大丈夫」

 

どうやら二人はそれでよかったらしい。

イリヤは少し首を捻っていたが・・・・・

 

「うーん、二人が大丈夫なら私も行こうかな」

 

最後にはそう言った。

 

 

 

 

「・・・・・やっぱり、お兄ちゃんは少し怪しい」

 

 

 

 




士郎が墓穴を掘り、若干ギャグテイストとなったこのお話。

政府関連の仕事は成功したことにより、内情を知る士郎にも幅寄せがきたなど、うまくいっているところはうまくいっている。

誤字・脱字、感想等あればよろしくお願いします。

番外編に関するアンケート

  • 1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
  • 2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
  • 3.FGO二部を暴走して終わらせる編
  • 4.始まらないヘブンズフィール編
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