Fate/ fallen brade   作:阿後回

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海編終了!!!


第十一話 海と祝いとプレゼント

「・・・流石にこんなに多いとは思わなかったんだが?」

 

「・・・本当にすみません」

 

アラタさんは頭をかきながら、車の鍵を閉めた。

理由は、イリヤ達と俺達のパーティーに参加する予定だった人数の認識の違いである。イリヤ、美遊、クロ、・・・ここまでは俺達の認識であった。しかしイリヤは、イリヤのクラスメイトたちも含めていたのである。そして、十人の運転になったから・・・アラタさんは唸ったのであった。しかし、俺もイリヤ達の考えを認識しきれなかった部分もあったので、まあ、八人・・・それも子供なら何も問題ない・・・ギリギリ全員乗れたので話はついた。

 

 

「・・・まあ、オレから言ったことだしな、これ以上ぐちぐち言うつもりはもうねぇよ」

 

はあ、と少しため息をついているのは、たぶんもう少し『アレ』を持って来れば良かった、と思っているのだろう。

 

 

「「「海だッッ・・・・・!?」」」

 

 

そうすると、イリヤ達の大きな声とともに、大きな音が鳴り響いた。

 

「ん、ちょっと・・・待ってろ!?」

 

アラタさんが走り出した。

何に気づいたのだろうか?

 

「おい、そこの車・・・待てッ!!!」

 

見た方向にはイリヤ達に何か渡して去っていく車・・・まさかッ!?

 

 

「チッ・・・逃げやがったな、ナンバー覚えたからなッ!!!」

 

 

 

 

 

「・・・まだ、怒ってるんですか?」

 

「そんなんじゃねぇよ」

 

先程まで、車に轢かれた少女の親御さんに、謝りに行っていたアラタさん・・・運良く、誕生日パーティーを請け負ってくれた海の家を営んでいる家族が親御さんだったので話はすぐについた。しかし、親御さんが『傷がないみたいだからもういい』と、言ってもアラタさんは頭を下げ続けた。そうしていると親御さんのほうが折れてしまい、パーティーの準備を手伝うことで話がついてしまった。アラタさんはしぶしぶという形であったが、『友人の妹の誕生日パーティーを壊さないように』とエリカに怒られていたので、ようやく頷いてくれた。

 

 

「アラタさん、次のオーダーよろしく!!!」

 

「はいッ、わかりました!!!

・・・・・じゃあ、またパーティーで」

 

 

 

・・・・・そして、

 

 

「「「せーの・・・」」」

 

 

「「「イリヤ&クロ&美遊、お誕生日おめでとうーー!!!」」」

 

 

少女たちと男二人の声が、彼女たちの誕生日を祝った。

注文していたかき氷を中心に大きな机の上いっぱいに料理が並べられる。

 

「さっきはすまなかったな、せっかくの誕生日だったのに・・・」

 

「ううん、タツコを心配してくれたんだもの。別に構わないわ・・・それより、アラタお兄さんも食べましょ」

 

アラタさんのほうは、クロエに謝ってるいるし・・・

 

「まさか、ここも嶽間沢家が経営していたとは・・・」

 

「やるな、タツコんち」

 

子供達は食べ物に夢中・・・

 

 

・・・主賓のほうはと目を向けると、少し戸惑った様子の美遊が座っていた。

 

「どうしたの、美遊?」

 

どうやら、イリヤも同じ心配をしていたらしい。

イリヤは少し躊躇いがちに美遊へと聞いた。

 

 

「ねえ、イリヤ・・・誕生日って祝うものなの?」

 

 

会場内がピシリと固まる。

・・・そういえば、誕生日を祝っているところを強欲の剣(ツミノキオク)で見た覚えはなかったな・・・・・

 

「ジンジャーエール、ウメェーー!!!」

 

車に轢かれた子・・・タツコちゃんの空気の読めない一言が、この変な空気を壊した。

 

・・・しかし、誕生日・・・か。

 

「美遊」

 

「何ですか、士郎さん?」

 

美遊は本当に疑問を持った目で俺を見た。

彼女ならどう言っただろうか・・・と、少し考えるけど、それでも『あんたのの言葉で伝えなさい』と言いそうだなと思い・・・彼女へと伝える。

 

「誕生日ってのはさ・・・今まで、生まれてきたこと、自分が生きてこれたこと、周囲の人に生かされてきたこと・・・そして、これからも自分は必死に生きていくことを感謝すると同時に、周囲の人たちへこれからも一生懸命生きていくことを宣誓をする日・・・なんじゃないかな?」

 

「生かされてきたこと・・・感謝と、宣誓・・・」

 

 

()()()()()()()()()()()()()・・・でも、彼女には何か響いたみたいだな・・・少し、恥ずかしい。

 

「でも、そんな堅く考える必要はないさ・・・誕生日はお前たちにとっては特別な日なんだから、祝われる側はいつもより幸せな日だと思って・・・」

 

照れ隠しとともに、カバンの中のプレゼントを取り出す。

 

 

「ただプレゼントを受け取ってくれるだけで、祝う側(こちら)は嬉しいものなんだよ・・・三人とも誕生日おめでとう」

 

 

三人へとラッピングされた包みを渡した。

 

「お兄ちゃん、開けていいの?」

 

「いいよ、むしろ開けて感想を言ってくれたほうが嬉しい」

 

三人は包みを開ける。

 

「・・・これって、ブレスレット?」

 

「しかも、三人で形が違う」

 

そう・・・ブレスレット。

イリヤには星、クロエには剣、美遊には月の飾りがブレスレットにはついている。

 

「これって、お兄ちゃんが選んだの?」

 

「ああ、バイト帰りに駅に寄って買ってきたんだよ」

 

正確には、やらかした二人からの被害を受けた分の仕事を悠子さんに届けるときに、駅に寄って買ってきたものだ。仕事が終わったのが一昨日だったので、選ぶのにはあまり時間をかけなかったが、こういうのは自分で選ぶべきだったのは理解していた。

 

「えっ、お兄ちゃんが!?」

 

「自分で選んだの!?」

 

「そんなにおかしいのか!?」

 

そこまで、俺自身はやらかしてはいないと思うのだが・・・・・

 

 

「「お兄ちゃん、ありがとう」」

 

 

でも、イリヤ達の笑顔が見れたのなら、それでいいか。

 

「士郎さん」

 

「生まれてきたこと」

 

「生きてきたこと」

 

「周囲の・・・イリヤや士郎さん、みんなに助けられてきたこと」

 

「その全てに感謝と・・・」

 

 

「これからも一生懸命に生きていくことに誓いを・・・ありがとうございます、士郎さん」

 

 

その表情に少し憂いを帯びていたのは、他でもない彼女自身がたぶん俺だけがこの世界で知りうる事象なのだろう。

 

「おっもーい!!!」

 

彼女達はその言葉を笑った。

しかし、俺はその言葉がどれだけ尊いかを知っているから・・・こんな日々が続いて欲しいと思う。

 

そんなとき、アラタさん側三人へと『アレ』を取り出した。

 

「じゃあ、俺からもプレゼントだ」

 

三人はそれぞれ一人ずつに渡された、三つの()()を開ける。

 

「・・・これは?」

 

三人は一枚の紙を取り出して、アラタさんに聞いた。

 

「実はオレ、『カミシロ』でプログラマーのチーフとして働いてんだけど、そのチケットはまだ市場に出回ってない『カミシロ』の新しいシステム、通称『EDEN』のβ()()()()()()()()()なんだよ」

 

「「βテスト?」」

 

イリヤとクロエは首をひねるが、美遊は手が震えている。

 

「イリヤ・・・βテストって言うのは、開発中の製品を試験運用すること・・・つまり、一般の人よりも先に製品を使用できること」

 

「・・・えぇッ!?」

 

イリヤは驚いたようだけど、クロエはまだ納得していない様子。

 

「でも、そのシステムってどんなものかわからないし、『カミシロ』が作っているシステムがそもそも子供が楽しめるようなものなの?」

 

カミシロが今まで作っていたのは、大人用のゲームや市場に出回っているプログラムなど・・・たしかに一般的に有名ではあるが、子供用となると、そこまで楽しめるようなものではなかった・・・クロエの懸念も事実だろう。

 

「いや、システム自体には問題ないと思う・・・それに、政府にも認められて、今後教育機関や医療などにも手を出していく・・・といった具合に、今のうちに勉強しにいくのもありかと思うぞ」

 

 

「ーーッ、アラタさん!?」

 

「機密事項ってことはわかってんよ、これ以上は言わないって」

 

「・・・ってことは、お兄ちゃんも『カミシロ』に関係しているの?」

 

つい、アラタさんに声をあげてしまったせいで、クロエ達に俺がカミシロの関係者ということがバレてしまった。

 

秘密にしていたことがわかったのか、俺の近くに寄って聞こえないように話しかけてくるアラタさん。

 

「お前、まだいってなかったの?

おたくは、カミシロの今後の経営の重要部分を担ってるんだから、家族ぐらいに話したらいいのに・・・」

 

「いや、そんなことしたらカミシロが魔術に関係しているの可能性があると思われるじゃないですか」

 

「わかった、その辺は隠してやるよ」

 

よしっ!!話はまとまった。

アラタさんは俺から離れて、俺がどうしてカミシロの機密事項を知っているのかを話しだした。

 

「実はな・・・こいつは、今カミシロが開発中の、機密中の機密の『EDEN』のゲームの『イラストレーター』のチーフをやってるんだよ、こいつが徹夜や遅く帰ってきた時には、だいたいこの仕事を請け負っているんだ・・・つまり、学校を卒業したら、カミシロが雇ってくれることが決定しているんだよ」

 

実際にやっているんですが、バイトで遅くなっていることをバラすのやめてもらえませんかね・・・法律違反なんで。

 

「お兄ちゃんがッ!?」

 

イリヤは驚き、

 

「うーん、なんか怪しい」

 

クロエは頷かず、

 

「それって、ほうり・・・むぐ!?」

 

「はいはい、お兄さん凄いことにやってるんで、黙っていようね」

 

美遊は友達に口を塞がれる・・・危なかった。

ナイスだ、イリヤのクラスメイト!!!

 

「怪しむのも、驚くのも、別にいいが、実際にβテストでカミシロの作ったものを見てくれれば、士郎の努力がわかると思う・・・だから、見にきてくれると士郎も嬉しいし、オレも宣伝できて嬉しい」

 

 

 

「すみません、ちょっといいですか?

このチケットって政府公認っていってましたよね・・・じゃあこれって、市場でいったいどれくらいの値段になるんですか?」

 

眼鏡の少女・・・スズカちゃんがアラタさんに聞いた。

 

「どうだろうな・・・もともと、クローズドでしかも、関係者の方々の子供限定でやる予定だったからな・・・もし、市場に出回るんだったら、値段につけられないんじゃないか?」

 

・・・と、冗談半分でアラタさんは言った。

ピシリと固まる彼女たち。

 

 

「「「え・・・えぇーーーー!!?」」」

 

 

 

「いやいや、アラタさんのは半分冗談だよ・・・少なくとも、100万ってところが妥当なんじゃないか?」

 

「それでも値段は高いよ!?」

 

俺の答えにイリヤは突っ込んだ。

でも、まだリリースされてないうえ、実験のβテストの段階だから、そこまで高くないはず・・・・・だけどな。

 

 

結局、そのあとこのチケットで大騒ぎになった。

 

実は、俺は一度この話を断っていた。

理由は、友人たちの前でこの話をして、友情が壊れないかという疑問であったが・・・・・

 

「おい、そんなものより、海で遊ぼうぜ!!!」

 

「そんなものってなんだぁ!?

このチケットかなり、貴重なんだぞ!!!

 

「楽しかったら、言った時のこと教えてね、イリヤちゃん」

 

「ってか、子供にこんなもの渡すんじゃないわよ」

 

「あわ、あわわわ・・・とりあえず、お兄ちゃん預かってて!!!」

 

「・・・・・士郎さん、これって、それほど高いものなんですか?」

 

とまあ、こんな終始こんな感じで、それでも楽しそうにしていたのは嬉しかった。

 

 

そんなこんなで、もう帰りの時間になり、車の中で子供たちは寝てしまっていた。

 

 

 

「イリヤ達の誕生日、ありがとうございました」

 

士郎が車で感謝してきた。

 

「別にいいさ・・・次は、こんなむさ苦しい男とじゃなく、恋人行けよ・・・そっちの方が、オレにとっては話のネタになるし」

 

「いえ、別に俺は恋人を作るつもりはありませんよ」

 

・・・・・はあ、エリカちゃんがかわいそうだな。

 

 

「こっちも、こっちで先が思いやられるな」

 

 

 

 




今日のうちに、番外編『暴食』終わらせます(宣誓)!!!

実は、凛とルヴィアさんがいない件について・・・・・

カミシロが国家プロジェクトをおこして裏で工事をしています。そのせいで工事が一切進んでいないので、凛とルヴィアさんは別のところに行っています。

誤字・脱字、感想等あればよろしくお願いします。

番外編に関するアンケート

  • 1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
  • 2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
  • 3.FGO二部を暴走して終わらせる編
  • 4.始まらないヘブンズフィール編
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