『色欲』の試練から一週間経った。
仲間の一人だったデジモン・・・シスタモンノワールが
良くなった面は、妹のシスタモンブランは戦闘に対しての執着が消えたり、ジエスモンを除く、ロイヤルナイツやオリンポスの面々と連合が組めたこと。
・・・・・悪くなった面で言えば、
「・・・たっ、助けてくれ!!!」
チッ、また起こりやがったか。
悲鳴の上がる方へと全力で走った。
そして、
「もう、死ねよ」
弓を持ったシロウだった。
「ちょっと、待ってくれ。大罪のパートナー・・・なんでガーベモンに攻撃をしようとしている」
「・・・チッ」
ロイヤルナイツのマグナモンのほうが先についたか・・・
「お、俺達、腹減ってて・・・食料庫があったから・・・つい・・・・・そしたら、こいつが突然」
「オイラ達は悪くねぇ、こいつがいきなり襲って来たんだ!!!」
「やめろ、弓を向けるな!?」
騒ぐガーベモンとヌメモン達・・・それにムカついたのかシロウは静かにガーベモン達へと弓を向ける。
「待ってくれ、とりあえず大罪のパートナー・・・事情を聞かせてくれ」
マグナモンは両者を急いで落ち着かせ、シロウへと説明を要求した。
「食料庫と言ったね、彼が食料庫を無断で使用したのか?」
「こいつが漁ったのは、幼年期、成長期限定の食料庫だ。備蓄自体はこいつが襲う前はそこそこあったが、俺が見に来た時には中でこいつらが備蓄を漁り続けていたが、その頃には備蓄自体もうほとんど駄目にされていた」
幼年期、成長期限定の食料庫をこいつらが漁ったことが原因か・・・人だかりができているから、近くによれねぇ。
「たしかに、幼年期や成長期の備蓄を食ったが、まだたくさんあった!!!」
「たかが、幼年期や成長期の食事よりも俺達完全体や成熟期が食って何が悪い!!!」
「殺されるような真似はしていないぞ!!!」
ガーベモンはロイヤルナイツで有名なマグナモンが止めに来たことにより助長してやがる。シロウは過剰に行動しただけで悪くねぇのに、気にくわねぇな。
「・・・黙れ」
シロウは静かにそう言った。
「・・・は?聞こえねえよ」
「大きな声で言ってくれませんか?」
「ロイヤルナイツの前で言えるんだったらな!!!」
助長したガーベモン達がシロウを煽りやがった。
「ちょっと待て、俺はまだ・・・・・」
マグナモンが自身の中立を説明しようとした時・・・・・
「そうか、死ね」
シロウは一匹のヌメモンの頭を撃ち抜いた。
「なっ!?」
「ひっ・・・ヒイ!?」
その行動にマグナモンは驚き、ガーベモン達は恐怖する。
「お前らは確か、生産の方にいたデジモンだったよな・・・ウィルスバスターズとの戦いの前線に出ない完全体と成熟期がいるとルーチェモンに聞いたことがある・・・ほかの完全体や成長期は前線に出て戦っているのに、お前らは平穏な生産部隊でのうのうと暮らしているうえ、備蓄を食い荒らす害虫だ・・・以前の俺は
「・・・一度、まさかお前・・・シロウなのか?」
「髪が
「なんで、一度は見逃してくれたじゃないか!?」
そういや、俺と出会う前に備蓄を荒らしたデジモンを追放したと、ルーチェモンは言ってやがったな・・・シロウが『命は助けてやってくれ』とか懇願しやがったから、生き延びた奴らだったが、まさかオグドモン対策連合の中のメンバーにはいっていやがったってことか・・・・・
「見逃した・・・?じゃあ、言ってやる・・・二度目はないから、今ここで殺してやる」
もう一度、一匹減ったデジモン達は悲鳴をあげた。マグナモンは頭を抱えている。
チッ・・・俺が出るしかないか。
シロウは、マグナモンを無視して、ガーベモンを殺そうとした。
「・・・死ね」
「待てよ」
俺はガーベモン達を射抜こうとした腕を掴んだ。
「なんのつもりだ、インプモン?」
「こいつらの処遇はロイヤルナイツに任せる・・・それでいいなマグナモン」
「えっ、ああ、それでいい」
「なっ!?」
シロウが弓を向けたことで、気絶していたガーベモン達を連れて行くマグナモン。
「・・・なんで、止めた?」
「・・・・・」
「なぜ、逃した!!!」
シロウは今までと違った冷酷な目で俺を睨んだ。
ここ一週間でシロウは変わり果てた。
肌の色は浅黒く変化して、髪の色は真っ白へと変わった。それに比例して、少しずつ優しさという感情が消え、正しさだけで動くようになった。
俺は別に構わねぇが、シロウがなぜか気に食わなかった。
「ハッ・・・自分で考えろよ」
それから2日後、俺達は『暴食』の剣の前に立っていた。
気分は最悪、気にくわねぇやつと一緒に戦うなんざ本当は嫌だった。
「さっさと行くぞ」
「おい、もう少し警戒しろ!!!」
俺は
夢を見た。
・・・・・正直言って、胸糞悪かった。
正義の味方なんてくだんねえもん目指している馬鹿が、失敗した話だった。
宗教なんてくだんねえもんはわからねえし、知りたくもねぇ・・・ただ、縋り付いた人間全員を、世界のために殺しちまったのは理解できねえ。
弱い奴は死ねばいい・・・と俺は思う。
もともと、デジタルワールドはそういう世界だった。
だが、シロウが来てからは何かが変わった。
やっぱり、俺には理解できねえな。
そんなところで目が覚めた。
真っ赤な世界。
それだけしか言いようがない場所だった。
シロウも目が覚めたようだ。
「ハッ・・・俺も結局はあんな風になるのかよ」
シロウはそう言った。
たしか、見た未来はシロウの未来だったんだよな・・・・・
それを思い出して、さらに
そして、二つの影が現れた。
「『Matrix Evolution』」
そうパートナーが叫んだ時、二つの影が一つになって一体のデジモンが現れた・・・そいつは見たことのあるデジモンだった。
「『デュークモン』」
「合体しているだけなら、消してやるよ!!!」
『
・・・・・しかし、
「なんで、二つに別れないんだよ!?」
デュークモンの影は二つに別れなかった。
オメガ・ブレードもどきの力が効果がないとすると、シロウ自体の戦闘力が激減する。
だが、デュークモンは未だに襲ってこない。
「下がってろ、俺がやってやる」
「七大魔王どころか・・・成熟期に進化できないインプモンじゃ勝てないに決まってるだろ!!!」
「うるせぇ、俺がやらなきゃ、誰がやるんだよ!!!
この空間は他の剣で得た力なんて使えないのは知ってんだ!!!てめえはそこで見ていろ!!!」
「おい・・・待て、戦うな!!!
シロウはまだ俺に戦わせないように言う。
「
そんなシロウの惨めな姿に、
「てめえは何のためにここに来た」
「戦うためだ」
キレた俺にも平然と返すシロウ。
そんな姿にまたイラついてくる。
「戦うだと・・・
「笑わせるだと・・・ふざけるな!!!
俺は『
何なんだよ、何で今のこいつを見てると
「それが、《《ノワールを殺した俺の唯一できることなんだよ》!!!」
「ふざけんなッ!!!」
我慢の限界だった。
キレていても、どこかで我慢していた俺・・・だが、こいつのあまりの見苦しさに我慢することができなくなった。
「ああ゛、もう・・・柄にないことぐらいわかってんだがよ・・・てめえのやってることはただ《『死んだノワールに押し付けているだけじゃねえか》》!!!」
シロウはその言葉に少し傷ついた様子だが・・・・・
「
シロウは涙を零しながら言った。
「小さい頃、夢を見たんだ
絶対に助からない地獄から救い出してくれた二人・・・そんな生き様に憧れたんだ・・・でも、現実は非情で・・・この世界に来てたくさんのことを知った」
バケモンのやつが言っていた。
シロウの原初は地獄であった・・・・・と
「この世界で・・・俺の
ファスコモンが言っていた。
シロウにはこの世界ずっとにいて欲しい・・・・・と
「だから、俺は一度『正義の味方』を捨てたんだ!!!
ノワールに夢を語ったんだ・・・『
ノワールのことで最も傷ついたのはシロウだった。
ノワールを誰よりも愛していたのは、シロウだと周知の事実だったことを霞むぐらい、その後の行動はノワールがいなくても正しくあろうとしていたから・・・・・
「だけど・・・
「
ああ、
「世界が許してくれない?バカにしてんのかてめえは!!!
そうだ、好きだったんだ。
初めての試練の後、過去を吹っ切ったこいつが・・・・・
みんなのためじゃなく、自分の思った行動を率先してやろうとしていたこいつが・・・・・
ノワールの隣で笑っているこいつが・・・・・
「何が世界が許してくれないだ・・・だったら、
「力がないんだったら身につけろ。世界が立ちはだかるんだったら一緒に敵対してやる。お前が苦しんでんなら、
「世界だって、なんだって踏み台にしろ!!!
お前が幸せになれるんだったらなんだってしてやる・・・俺はお前のパートナーだ!!!」
「今度幸せになることが許さないなんて言って見やがれ・・・俺が・・・
その瞬間、光が満ちた。
泡のような光だった。
その一つ一つには記憶があった。
『ねぇ、貴方の名前はなんて言うの?』
『シロウさん・・・戦闘準備です!!!』
『シロウ君、またこれ作ってよ』
その中は
『お前たちは、先にカルデアに帰っていてくれ』
『シロウさん逃げてください!!!』
『フン・・・虫ケラ風情が我等の前に立ちはだかると言うのか』
『―――
『さあ、魔術王・・・魔術の展開は十分か?』
『ほざくなよ、虫ケラ風情が!!!』
『・・・・・立香、マシュ・・・俺は『正義の味方』になれたよ』
決して、不幸な記憶ではなかったのだから。
「なんだ、幸せになってるじゃねえか」
シロウの手のひらのデジヴァイスから、シロウが出していないのに、二つの銃が現れる。
「アンソニー?」
「ちょっくら借りるぜ」
なぜかそれを手に取らなければならないと思った。
アンソニーは光輝いた・・・そうして、俺の姿は大きくなり、そして力が溢れてくるのを感じる。
「背中に違和感があるが・・・どうする、お前も戦うか?」
シロウは笑って首を振る。
「お前に頼むよ・・・ベルゼブモン」
「フッ・・・そうだな、俺が買ってきてやるよ」
赤い騎士はまだ俺たちの方を向いて立ち止まっていた。
「随分待たせたようだな」
『生憎と、このデュークモン・・・弱い敵に試練を受けさせるつもりなどありわしない』
「ハッ・・・じゃあ、この姿でも役不足だってのか?」
デュークモンは首を振った。
「その姿であるならば、このデュークモンの宿敵として相対してもいい・・・では、行くぞ!!!」
「ああ!!!」
俺へと攻撃してきた
その攻撃も今では遅く見える。しかし、それは相手も同じだ。俺の銃弾は硬い盾と鎧に防がれ、あまりダメージが通っていないように見える。
しかし、均衡状態は崩れ去った。
俺とデュークモンは力の溜めに入ったのだ。
「どうやら考えていることは同じのようだな」
「あいにくとこのデュークモン、やすやすと負けてやるつもりなどないのでな。全力でいかせてもらう」
力を溜め終わった陽電子砲で魔法陣を書いた。
その中心へと陽電子砲を向けた。
そして、相手も盾の溜めが終わったようだ。
「聖なる光が敵を撃つ」
「こいつは俺たちの世界への決別の一撃だ!!!」
『ファイナル・エリュシオン』
『カオス・フレア』
そして、俺の一撃がデュークモンを貫いた。
「ルーチェモン」
「なんだい、シロウ」
「俺は生きることに決めた」
「そうか・・・その覚悟、どこまで続くのか楽しみにしているよ」
そう言ったシロウの髪は真っ黒に染まっていた。
第四特異点で立香たちを守るために犠牲になったが、その生涯に悔いなく終わることができた人です。
誤字・脱字、感想等あればよろしくお願いします。
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編