第一夜 収束の裏側
「はい、わかりました。すぐに向かいます・・・だから、待っていてください」
士郎くんからの電話により、並行世界からの使者との戦闘に勝利・・・実験は成功したようだ。
「それでは皆さん、次に私が電話をかけてきたら『デジタルウェイブ』を止めてください」
「「「はい、わかりました!!!」」」
ここで、アラタさんや山科さんを含む私たちのチームが命令に従った。
私は地下から上がって、山の麓に出た。
そこに一台の車が駐車されていた。
「さあ、我らが助手くんとバイトくんを迎えに行こうではないか」
そして、私は考える。
彼の口調から
「・・・すみませんが、出発する前に二人、電話をかけさせてください」
杏子さんは頷いてくれた・・・基本的に
もう一人は、以前デモンズにハッキングしてもらった資料から、その電話番号にかける。
「はじめまして、こちら神城悠子と申しますが・・・」
『もしもし・・・君はいったい?』
・・・ここは?
そういえば、知らない人たちが襲ってきて、それをお兄ちゃんが助けに来てくれて・・・・・
「・・・・・お兄ちゃんッ!?」
目を開ければ、なんか襲って来た人はもう鎖で縛られてるし、ママはいるし、傷は治っているしで、わかんないことだらけだった。
・・・でも、一番わかんないことがある。
「
「久しぶりだな・・・イリヤ」
髪は黒く染まって、肌もわたしやママみたいな真っ白になってる。目の中や左手には、変な痣が入ってるし・・・
「お兄ちゃん・・・左目や左手の痣はどうしたの?」
「・・・ッ!?」
少し驚いたお兄ちゃんは、『やっぱり見えていたのか』と言って、わたしから離れていってしまった。
そんなとき、ママが近づいてきた。
「・・・・・ママ?」
「イリヤ・・・・・」
「・・・ママ、お兄ちゃんはいったいどうしたの?」
ママはゆっくりと首を横に振って、わたしを抱きしめた。
「シロウは・・・ううん、シロウにも言いたくないことがいっぱいあるの・・・でもね、イリヤ・・・わたしたちは家族だから、話してくれるときを待たなきゃいけないのよ」
お兄ちゃんは赤い髪の男の人話している。
そんなとき、美遊がこっちに駆け寄ってきた。
「・・・イリヤッ!?」
「美遊・・・よかった」
美遊は連れて行かれなかったみたい。
「イリヤ・・・ありがとう」
「美遊も連れて行かれなくて本当によかった」
「士郎さんが・・・士郎さんが助けてくれたの!!!」
美遊は泣きながら、わたしに説明してくれた。
その説明で、お兄ちゃんがなんでああなったのかはわからなかった・・・ただ、お兄ちゃんはわたしたちに話していない、大きな秘密を抱えていることがわかった。
「それでね、そこで士郎さんがッ・・・」
「アイリさん、ちょっといいですか?」
そのとき、お兄ちゃんとママの会話の声が出て聞こえてきた。
電話を終え、とりあえず迎えにきてもらう方向に話がついた。先程、イリヤに聞かれた内容が頭から離れない・・・・・それでも、頭を振ってアイリさんに話しかけた。
「なに、シロウ?」
少し涙の後がある。
『
そんな疑問が頭をよぎった。
何度も、『自分は間違っていなかった』と結論づけた『
「アイリさん、ちょっといいですか?」
それでも口は動いていた。
「なに、シロウ?」
少しはにかんだ笑みで、彼女は俺に返事をした。
「俺たちは迎えが来るので、アイリさんたちは先に帰っていてください」
「えっ、でも・・・」
アイリさんは戸惑っているようだ。
たしかに、この言葉には戸惑わせてしまうのも仕方がないと思った。たぶん息子だと思っている・・・いや、一緒に暮らしている人間が、ここまで変化するのは流石に心配になるだろう。
そこで、俺はタクミさんのほうを見た。
「俺は彼と一緒に帰ります」
「わかったわ」
それと、伝えなければならないこと。
「・・・
小声になってしまったけれど、アイリさんが固まった表情になったので、わかりやすかった。
「・・・ふう」
士郎君の話し合いが終わって数十分が経過した。
遠坂とエーデルフェルトのお嬢さんがたは文句を言いつつも、彼女らとともには無事帰っていった。
・・・・・しかし問題は、
「だから、タクミさんと私が後ろに乗るって言っているじゃないですか!!!」
「いや、助手君は助手席に乗って私の隣に座るべきだ」
・・・・・この問題をどうするかを考えることだ。
彼女らが帰って数分後、俺たちの迎えが来たが、俺が助手席に座るか、後部座席に座るかの喧嘩が始まってしまった。
どこかで見たことがあるが・・・思い出せないな。
士郎君は、アインツベルンのみなさんが帰ってから、すぐにどこかに消えていった・・・そのせいで、逃げて行きやがったという恨み言すら言うことができない。
「だいたい、いつも一緒にいるんですから、せめてこういう場所では譲ってくれたっていいじゃないですか」
「あいにくと、それは譲れないんだ。君に助手君を奪われたくはないのでね」
醜い言い争いを見ていても、理由がはっきりとしない・・・もし、アラタがいたら、『またこれか』・・・と言ってため息をついてしまうのはなんとなく予想ができた。
「「それで、タクミさん(助手君)はどっちに座りたいって言うんですか(だ)!!!」」
喧嘩がヒートアップしてきて、俺にまで飛び火してきた。
そこで、今まで探偵をやっきた俺の灰色の脳細胞をフル活用して、どうこの状況を乗り切るかを考える。
・・・・・これだ!!!
「えっと、悠子さんが助手席に座ればいいんじゃないですかね?」
うん、これなら喧嘩は止まるはずだ・・・・・
「「私たちが聞いているのはそう言うことじゃない!!!」」
あっさり、無視された!?
いつも悠子さんを止めてくれる勇吾がいない、仕事案件だからと割り込んでくる山科さんがいない、適当に茶化して誤魔化してくれる千歳くんがいない・・・・・
・・・この状況、いったいどうすればいいんだ!!!
はやく帰ってきてくれよ・・・士郎君。
そこから十五分、その喧嘩を止められなかった。
そんなときに、先程戦っていた穴から士郎君があがってきた・・・ひとりの、傷だらけで裸の少年を抱えて。
「すみません、俺とタクミさんを後ろの席に座らせてくれませんか?この少年をどうしても、連れて行きたいんです」
俺が言った時よりあっさりと二人は受け入れた受け入れた。
夜の街が見える。
私は見慣れた病室で布団に入っていた。
「・・・少し頑張りすぎたかな?」
・・・でもそのおかげで。
そう思って、手元の金と黒のカードを見た。
中心には金と黒の螺旋、二人の道化師は一方は金、もう一方が黒に染まっている。
空に光が見えて・・・きっと、君の作戦が成功したことがわかった。
それがどこか、悲しくて・・・
彼がひとりなのはなんだかとても嫌だった。
・・・・・
「・・・・・いるんだよね」
その言葉とともにゆっくりとドアが開かれた。
そこには何年も会っていないお兄ちゃんの姿があった。
「・・・・・いつから気づいていた」
悲しそうなその顔で、お兄ちゃんはそう言った。
「最初からだよ」
その顔が少し驚愕が混じっていたのも、少しだけおもしろかった。
「だって、あの事故以降、この部屋になる前も、《ずっと私の病室の前に立って帰って行くお兄ちゃんの姿》》をみんなが私を元気付けるために教えてくれたんだから、すぐにわかったんだよ」
千歳やシロウが教えてくれた。
いっつも、病室に行くたびに辛そうな顔をするお兄ちゃんのことを、毎回メールで教えてくれるんだから・・・そう付け足して、私は千歳から送られてきたメールを見せる。
「・・・千歳のやつ」
お兄ちゃんは少しだけ笑った。
そんなお兄ちゃんにひとつだけ頼みたいことができた。
「お兄ちゃんがどんな気持ちで、ここにきているのかはわからない・・・それでも、私のことを妹だと思ってくれるのなら・・・・・」
言葉が詰まった。
お兄ちゃんの顔が私を見ていた。
「
次回は、士郎の過去を進めるために今まで出てこなかたFate登場人物が続々と登場します。
・・・・・つまり、過去の話は次回ではない。
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編