「ただいま、みんな」
アイリやイリヤは固まっているけど、少し起こった表情の黒いイリヤ・・・あれは話に聞いていたクロエかな?
こちらで起きていたことはセラやアイリに連絡をもらっていたけど・・・イリヤたちにも話が聞きたいかな・・・・・
そんなふうに考えていると、リビングの方からもう一つ足音が聞こえてきた。
「ちょっとイリヤ(さん)、どうしたの(んですか)・・・って、大師父(クソジジイ)!?」
遠坂の娘さんは僕をここへと連れてきた人物・・・キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグを見て驚いていた。
「儂のことをそう思ったったんか・・・生みの親として悲しいの」
「黙れこのクソジジイ!!!」
「・・・なんじゃと!!!」
それにしても、十年前に見たあの時よりもだいぶ大きくなったみたいだ。
「それにしても、切嗣っ・・・一週間前に連絡した時には、まだとうぶん帰れないっていってたのに、こんなにはやく帰ってこれたの!?」
あの時はいろいろと忙しかったけど・・・・・
「はやかったのは、例の件は舞弥の方に任せてきたからだよ。それで、どうやってこっちに来たかだけど・・・」
「こちらの御仁・・・宝石翁がの魔法で連れて来てもらったんだよ」
その前に一人の少女から使いを寄越すって連絡を受けていたのは、今は説明を省くとしよう。
「宝石翁ってことは・・・!?」
翁のほうを向くアイリに対し、翁は長く伸びた髭を触りながら・・・
「すまないが、どちらにも積もる話があるじゃろうから、とりあえずあがらせてもらえんかの?」
「・・・なるほどね、それで士郎がイリヤたちを助けたんだ」
僕はこの数ヶ月間に起こったことをイリヤとクロエから聞いた。
イリヤの宝石翁の礼装との契約から始まり、それによる遠坂家の娘さんとの出会いやサーヴァントとの戦い、カードの回収終了からのクロエがどんな風に生まれたか、そして魔術協会の使者との戦闘とギルガメッシュとの戦い・・・僕が思っていた以上にいろいろと起きていたみたいだ。
それにしても
「映像を見た二人に聞きたいんだけど、士郎の体の異常について何かわかったことはあるかい?」
「うーんと、体はわたしみたいな白い肌に変わったことな」
「髪は赤色だったのが、真っ黒・・・それも、綺麗な黒色じゃなくて塗り潰したような黒色に変わったのはすぐにわかったわよ」
体色と髪色の変化・・・それぐらいなら、珍しい魔術を使う者の代償としては有名だな。有名な者であれば、目の前にいる宝石翁も、吸血鬼へと体を作り変えられたとき、に今のような老人へと姿を変えている。
「他に何かあるかい?」
士郎が何者であるか・・・それが現状の問題だ。
今ではこの街で最も有名になった企業・・・カミシロが士郎と関わって来ているから、少しも油断はできないからな。少しでも、士郎についての情報が欲しい。
「あとは・・・って聞かれても・・・・・?」
「そうね・・・あとは、体から浮き出たなにかの模様かしら・・・」
クロエが話した言葉に、模様自体が魔術なのではないかと考える・・・それが、自身の知りうるものかどうしても知りたい。
「模様・・・それはいったいどんな形をしていたんだい?」
クロエは紙をとって、三又の槍のような形を書いた。
「こんな形を丸で囲んだ模様が体からいくつか出ていたのよ」
まるで見たことのない模様だったが、クロエはいくつかと言っていたな。
「それは正確に幾つあったのかと、覚えている限りでいいから、体のどの部位から浮き出ていたのかを教えてくれないか?」
「そういえば、目や手、足から出ていたのは見たよ」
「あとは左胸と背中、肩から一つずつ出ていたのをわたしは見たわ」
「・・・・・そうか、ありがとう」
イリヤとクロエの話から最低六つ、最大で十の模様が士郎の体に浮き出ていることが考えられた。
そして、居間に四人の人間が入ってきた。
先ほどの遠坂の娘さんと宝石翁、そして金髪の少女とイリヤと同じくらいの黒髪の少女・・・彼女たちが、ルヴィアさんと美遊という子だとすぐにわかった。
「どうやらそちらも話が済んだようじゃな」
翁の方も話がすんでいるようだ・・・僕が美遊らしき少女のほうを見ると、彼女は少し驚いた様子でこちらを見ていた。
「・・・ふむ、帰ってきたようじゃな」
その一言とともに、数時間前の僕の時と同じようにインターホンが鳴る。
玄関からひとりの人間の足音が聞こえた。
ドアがゆっくりと開き、僕が前に見たよりも少し大きくなった少年がそこに立っていた。
「「・・・お兄ちゃんッ!?」」
だが、士郎は話にでていた黒色の髪でなく、いつもどおりの姿で帰ってきた士郎がそこに立っていた。
「ただいま・・・って、親父も帰っていたのか」
士郎は呆れた様子で僕を・・・いや、僕の隣にいる人物を見た。
「・・・儂には何もないのか?」
にやにやと笑う翁を見てため息をつく士郎。
「親父を呼び寄せた話は聞いているし、はやかったのはあんたの魔法だろ・・・・・それともルヴィアさん、ちょっとお願いが・・・・・」
そう言って金髪の少女へと体を向けた。
やはり、彼女がルヴィアさん・・・でいいようだ。
「ええ、シェロッ・・・どんなお願いを叶えればいいのですか!!!」
最初の少し戸惑った声から、士郎の名前を言うときに大きな声へと変わり、最後には大きな声で叶えると彼女は言った。
士郎に惚れているのは一目瞭然だが、士郎の方はその姿に若干ひいているようだ。
「いや、ルヴィアさんの屋敷で話しをしたいんだ・・・俺のことを全部説明するときに少し大人数になるから、この家だと手狭だと思ったんだ。
それと、使用人の人々に聞かれない部屋で・・・身内以外には聞かれたくないんだ。もちろん魔術や機械などで盗聴できない部屋があれば嬉しいんだけど・・・・・」
「すぐに用意しますわっ・・・行きますわよ、美遊!!!」
「ルヴィアさん、ちょっと待ってください!!!
士郎さん、用意しますから絶対に教えてくだい!!!」
身内という言葉に反応した彼女は、気を良くしたのかすぐさま美遊を連れて走っていった。
「・・・それで衛宮くん、話してくれるのよね」
「遠坂、みんなもあとで話すから・・・とりあえず、ルヴィアさんの用意ができるまで待っていてくれ」
士郎はそう言って、部屋の外へと出て行った。
あのあと、車の中で悠子さんから親父へと連絡したことを伝えられた。そして家へとついたときに親父や爺さんがいたことに対して驚いた。
とりあえず、ルヴィアさんに頼んで部屋を用意してもらい、その間にノキアさんと御島兄妹を除いた
衛宮家やルヴィアさんと遠坂と美遊はすでにルヴィアさんの家に集合していた。
親父とお袋のほうは、杏子さんのことを知っていたから、驚いた様子で俺たちを見ていた。
これで全員揃ったのだが・・・・・
誰一人として喋っていなかった。
「ねえ、お兄ちゃん、その人たちは一体誰なの?」
ルヴィアさんの部屋はしばらく無言だった中、クロエが最初に彼らについての話を切り出した。
「一応、関係者だよ。それよりも、どうしてみんな喋らないのさ?」
「いやぁ、なんとなくタイミングを逃してしまってね、それにどうやら注目されてるみたいだし、喋りずらかったんだよ」
千歳さんは頭をかきながら苦笑していた。
それを見て少しため息をついた悠子さんが話を始める。
「とりあえず、紹介でもしましょうか・・・私の名前は神代悠子。カミシロエンタープライズの社長の娘です」
それを皮切りに杏子さん、タクミさん、アラタさん、千歳さん、勇吾さんの順に紹介を終え、俺へとこの場にいる全員の意識が向いている。
「それでようやく説明するのか、士郎」
「・・・ちょっとまって、大師父は衛宮くんの体について何か知っていたと言うのですか!?」
遠坂が俺の首を振る前に、爺さんに説明を求めた。
「知っているもなにも、
そして、その言葉で周りの空気が変わった。
驚愕、怒り、疑問・・・それぞれの感情が衛宮家から爺さんへと向けられる。
・・・・・爺さん、余計なこと言いやがって!!!
「そこも俺が説明するので、静かに聞いてくれないか?」
誰かが声を出す前に、すぐさま俺は自分が答えると言った。
なんとかそこにいたメンバーはそれで止まったが、俺の説明がやはり難しくなったのが、現状だな・・・・・
・・・・・やばい、どこから説明すればいいかわからない。
「それで、シロウ・・・説明してくれますよね?」
先ほど、真っ先に爺さんへ殺気を向けたセラの怒りが、こちらへと向いてきた・・・とりあえず、これから話すか。
「はあ、最初は
これが、一番無難だからな。
「・・・まるで、『衛宮士郎』自体の話をしはじめるみたいな話し方だね?」
「その通りだよ、親父・・・俺は『とある理由』により、
カミシロメンバーと爺さん以外は驚いているようだ。
「・・・と、言っても断片ぐらいだけなんだけど・・・まずはここから説明しないと始まらないからな」
『ーーーは、生きなさい』
俺は一瞬だが、ノワールのことを思い出す。
少し、自分にイラついた。
俺は迷い続けた結果が・・・これなんだと、カミシロメンバー以外の全員を見て、そう思った。
それでも進むために、俺は言葉を選んで話し始めた。
「これはたった一人の『
次回は衛宮士郎についての説明回・・・から、過去編へと突入します。
士郎がなぜ最後に愚かな人間と言ったのかが明かされます。
誤字・脱字、感想等あればよろしくお願いします。
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編