就活(リアル)がひと段落がついたので、投稿しました。
『異世界に行ってきたんだ』
お兄ちゃんの唐突な一言。
誰も信じられそうにないと言った顔をしていた。
しかし、わたしはなぜかは納得していた。
どうしてなのかわからなかったけど、お兄ちゃんの言葉は本当なんだって理解することができたんだ。
「いやいやいや、流石にそれは信じられないわよ。
だって、並行世界を渡るのにも魔法が必要なのよ。それを一介の少年が・・・・・」
だけど、凛さんはみんなの言葉を代弁するようにその言葉を言った。
その瞬間、
その『一言』は言ってはならなかった言葉だと気づいたのは、彼を見ていなかったからだ。
「・・・ははは、流石に信じられないよな」
「でも、本当なんだ・・・アイツらはたしかに生きていたんだ」
『生きていたんだ』
わたしはこの言葉に違和感を感じた。
「・・・ねえ、お兄ちゃんがそんなふうに泣くくらい大切な人だったの?」
そう聞くとお兄ちゃんは、自分が泣いていることに気づいていなかったようで、驚いた顔で、急いで服の袖でゴシゴシと涙を拭いた。
「大切だったよ・・・
その言葉にわたしはもう何も言えなかった。
お兄ちゃんの『本音』はわたしの心に突き刺さったからだ。お兄ちゃんが本気なのは声を聞くだけで伝わって来た。それだけで、わたしの頭の中は空っぽになっている。
それだけ
凛さんたちは驚いていた。
お父さんとお母さんは悔しそうな表情をしている。美遊は泣いていた。
クロは・・・ただ悲しそうだった。
「そう思ったなら、士郎はなぜ戻って来たんだ?」
それはお父さんの口から出た言葉だった。
お父さんはその言葉を言い終わった後、思わず口に手を抑えた。その様子を見たお兄ちゃんは、少しだけ寂しそうに微笑んだ。
「
そこで私に疑問ができた。
『戻らなきゃいけなかった』
・・・それは、どういうことなのだろう?
わたしやみんなのことをどうでもいいと思えるくらい、本当にいたい場所に行けたのに・・・なんで戻らなきゃいけなかったんだろう。
お兄ちゃんは天井に手を伸ばした。
そのときの顔が少しだけ、白く染まった気がした。
「・・・このぐらいでいいか」
そこからパキパキッと音がなった。そこには、何にもない場所だったはずなのに、うちのテレビぐらいの大きさの水晶が現れた。
「・・・これは、いったい・・・?」
「ただのテレビの代わりだよ」
お兄ちゃんは平然と言った時に、水晶がテレビの画面みたいに映像が流れ始めた。
「実際に見てもらった方がはやいんじゃないかと考えて・・・始めから見るのは長すぎるから、ある程度カットしたものを流すか・・・」
大きな画面から今より若くて小さなお兄ちゃんが映し出される。それは、大量の本が置いてある施設のような場所だった。
「そうだな・・・きっかけは本当に馬鹿みたいなことだった」
お兄ちゃんは当時はうちの家にはなかったパソコンを使って調べ物をしようと電源を入れていた。
「夏休みの宿題で『冬木の大災害』について調べようと、図書館のパソコンを使おうとした時に突然光り始めたんだ」
パソコンの画面の中から突然光が現れて、水晶の映像を超えた。
「「えっ!?」」
「何!?」
「・・・眩しッ!?」
「・・・シェロッ!?」
明かりがついている部屋をさらに太陽が照らすように光が放射される。
「・・・聞いていたが、まさかこんなに光ったなんて、予想してなかったぜ・・・・・!?」
「そうだね・・・事前に知っていなければ、少し慌てていただろうね」
お兄ちゃんが連れてきたアラタさんとユウゴさんとの会話の声が聞こえてきた時、光が収まっていた。
そして、わたしは画面の変化に気がついた。
「懐かしいな、確かこんな出会い方だったんだよな」
映像から現れたのは宇宙空間・・・その中心にいるのは3対の羽を持つ少年天使だった。
『やあ、初めましてでいいのかな・・・?
僕の名前は『ルーチェモン』というんだ。衛宮士郎くんでよかったよね』
映像の中のお兄ちゃんがコクリとうなづいた。
『
『あんたはいったいなんなんだ?
なんの目的で俺をここへと連れてきた!!!』
天使・・・ルーチェモンに向かってお兄ちゃんは質問をした。少し、怒りを滲ませた・・・ううん、少し違うかもしれない。お兄ちゃんの表情には怒りとは違う何かを、わたしは感じていた。
『まずは、僕らの存在の説明した方がいいね』
『僕らはデジタルモンスター。
電子の世界に住む、君とは違う生命体だ』
大袈裟に手を広げてルーチェモンはそう言った。
『・・・電子の世界・・・?』
『そう、電子の世界の世界・・・通称、『デジタルワールド』を救ってもらいたくて君を連れてきたんだ』
天使は自身の顎に手を当てて、愉快そうにお兄ちゃんを見ている。その姿勢にはどこにも頼むような気持ちなんかは感じ取れなかった。
『その姿勢のどこに、『俺』に救ってほしいという思いがあるッ・・・俺を馬鹿してないで、さっさと図書館へと返せ!!!』
・・・やっぱり、どこかお兄ちゃんの言葉にはなにかに
ルーチェモンのその一言で理解することになるなんて、思いもしなかったけど・・・・・
『本当に返していいのかい・・・?
君は、求めていたんだろ・・・『心の穴』を埋める何かを・・・・・』
『・・・・・ッ!?』
「・・・
ルーチェモンは確かにそう言った。
映像のお兄ちゃんが動揺していたのが、見えていたからなんとなくだけど、お兄ちゃんにも自覚があったように見える。
『君に存在する『心の穴』・・・ずっと存在しているんだろう・・・なにをしていても、なにを感じようとも、決して埋まることのない『心の穴』を』
『・・・どうして、それを知っている?』
『さあね、君が僕たちの世界で旅をしていけばわかるんじゃないかな?』
ニヤリと笑って、お兄ちゃんを誘う姿は、天気ではなく悪魔に見える。クロがたまにお兄ちゃんを誘っている姿を見ることがあるけど、それとは違う嫌な感じがわたしの背筋を這いずる感じがした。
『それに僕たちは本当に困っているんだ。
いままで幾度となく世界の終わりが来そうな事件があったんだけど、今回は違う・・・僕たちや君たちの世界どころか、もしかしたらありとあらゆる世界というんだ定義すらなくなることになるかもしれない』
・・・ルーチェモンは、小馬鹿にする笑いから、少し難しい表情へと変わり、お兄ちゃんへと説明を続けた。
今、大事なことを言ったような・・・・・
「・・・って、世界の終わり!!?」
映像が流れている途中なのに、大きな声で叫んでしまった。静かにしていた周りのみんなと比べて、叫んでしまったわたしは恥ずかしくて、頰に手を当てながら周りを見た時・・・みんなは唖然としていた。
「・・・イリヤ、
穏やかな声でありつつも、お兄ちゃんの声には寂しさが存在した。わたしの声が聞こえようとも、お兄ちゃんは映像は流し続ける。
『それに、その様子だと君が現在欲しがっている
欲しがっているもの?
・・・次々と不安な言葉がルーチェモンが言っているし、それを肯定するように苦しそうな顔をしているお兄ちゃんが見える。
『あんた全て見透かしているんだな、どれが欲しがっている『
『苦虫を噛み潰したような顔をする必要はないというのに・・・それに、安穏とした世界よりもずっとはやく、君の『生きる理由』が見つかるかもしれないよ』
静かに『生きる理由』と言ったルーチェモンの笑みには、どことなくただの少年らしい無邪気な笑顔と言葉自体の奇妙さに異質さを感じたけれど映像のお兄ちゃんはルーチェモンの顔を見ていなかった。
『五年の歳月をかけて見つかることはなかったものが、見つかるかもしれないよ。世界を救うという理想の果て・・・つまり、戦い続ける日常の中で』
力みすぎて震えるお兄ちゃんの手は、少しずつだけれど力が抜けていくのが見えた。
『・・・もういい、わかった』
「そうだ、ここから」
そのときのお兄ちゃんの目は、
『俺を連れて行ってくれ』
「始まったんだ」
♦︎♦︎♦︎
二人の旅路が始まった。
最初の七日で、おばけに出会った。
おばけは世界の危機をすでに知っており、手助けをするために俺の仲間になった。
次の七日で赤いオタマジャクシと出会った。
同類とは違うと差別されていた。
俺はそれが許せなかったから、赤を助けるためにおばけとともに青たちを倒していった。
赤いオタマジャクシはそれに感謝して、俺たちの旅路についてくるようになった。
次の七日でタマゴと出会った。
天使がそれを連れて行けと言って、俺たちはタマゴを持って行った。
次の七日で黒いシスターと出会った。
青を倒した件で騒動に陥ったが、なんとか説明をして納得してもらった。
しかし、シスターは俺たちを自身の旅路に巻き込んでいった。
そこから、人助けの旅路が始まった。
次の七日でタマゴが孵った。
中から出てきた悪魔はとても素直で、自身の役割を俺に伝え、旅路へと加わった。
次の七日で小悪魔と出会った。
いたずら好きなそいつは、街を追い出されてしまったのだが、人助けという成り行きで俺たちのの旅路に加わることになった。
次の七日で死神と出会った。
死神は俺を殺すために立ちはだかった。
俺たちは力を合わせ戦った。
しかし、死神に敵うことはなかった。
そんななか俺たちに奇跡が起こり、おばけが強くなって死神を追い払うことに成功した。
それから、死神は何度か俺たちと戦うことになったが、旅路の仲間に加わることになった。
次の七日
次の七日
次の七日
次の七日
次の七日
次の 七
次 七
あれから半年が経った。
俺が旅路で多くのデジモンを助けるために、事件や災害に首を突っ込んで行くたびに仲間たちは強くなって行った。
俺はなにをすればよかったのだろうか?
仲間が強くなるたびに自分の力不足からくる無力さと、身勝手な自身の行動に疑問を持ち始める。
ルーチェモンの呼び出しがきた。
いったいなんの呼び出しだろうか?
次
次
次
ようやく仲間を助けられる力を手に入れた!!!
次
あいつが死んだ。
俺はいったいなにをしていたのだろうか?
わからない。
もうどうすればいいのだろう。
次の七日
最近、うまく笑えなくなった。
仲間にも俺の行動が制限されることが多くなった。
なにを救えば『師匠』は帰ってくるんだ?
次
結局、俺はどうすればよかったのだと考えることが増えてきた。だけど、そんなことを考えても、今更なことはわかっているんだ。
俺は『この世界を守りたい』
他の誰でもなく、『俺』と『師匠』に誓ったのだから
次
次の七日、
俺がこのデジタルワールドへと来てから、もうすぐ一年になる。
『奴』の復活が近づいていることを、ルーチェモンには伝えられる。
明日は最後の試練だ。
気を引き締めよう。
・・・・・・次の七日、
俺たちは『バケモノ』と出会った。
今回は、士郎君の始まりを別視点で見る話と、士郎君の過去編・『今は遠き日の記憶』編に繋げる話です。
作品としては日記ふうに書きましたが、登場人物には映像として士郎君がうまく編集して見せていることでしょう。
・・・・・決して、過去編を考えていないなんてことはありませんよ?
過去編のほうは『番外編』の記憶として、断片的にマスターたちの夢として表すつもりです。
それでは今回の話で明確になった部分をあげましょう。
明確となったのは二つ、時間軸と『士郎君の精神』です。『士郎君の精神』は後々『あとがき』として活動報告に出すので、時間軸の話をしましょう。
時間軸を記すのであれば、
地球:デジタルワールド=1:52
・・・と、地球よりも52倍のはやさのデジタルワールドという設定です。
これは『アドベンチャー01』の世界に似たような感じだとイメージしてくれたらありがたいです。
まあ、士郎君が実年齢より一歳サバ読んでいるということが、今回の話で発覚したということです。
今回の話を終えたところで、次回からは『今は遠き日の記憶』編の『傲慢』に繋げる話から始まります。
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編