リアルが再び忙しくなってきたので、また不定期になったり、投稿が遅くなる思います。
・・・それは、バケモノだった。
神殿から噴出する黒い靄。
それが少しずつ形をとっていき、一本の足が生成される。
ただそれだけの存在だというのに、その不気味さは今まで出会ったどんな敵よりも恐ろしかった。
「成熟期・完全体は幼年期・成長期を別の拠点へと逃すんだ!!!」
隣にいたルーチェモンが透き通った声で叫んだ。
その声から、このことが現実であるという自覚を俺自身の中に刻み込むことができた。
「究極体は足止めに徹しろッ!!!
バケモン、オタマモン、ファスコモン、ブラン、ファントモンは進化の準備をーーッ!?」
俺は全力でそう叫んでいると、俺とルーチェモンの
『
その攻撃の余波をなんとか踏ん張って堪える。しかし、攻撃の余波は想像以上の威力の上、
「・・・だ」
ルーチェモンが小さく呟いたのが聞こえる。
「
俺はその言葉に納得とともに『戦慄』を感じていた。
理由として・・・
ルーチェモンは成長期でありながらも、かつての四大天使・・・現在の三代天使の一席に置かれていたデジモンである。そんなデジモンでさえ、見ることすらできない存在が敵に回っていることが何よりも理解ができなかった。
「喰らいやがれ、『バインドレッドトリガー』!!!」
「ヤレ『デルブリッツ』」
「『ダイナキャノン』」
マグナキッドモン、ガンドラモン、キャノンドラモンの銃撃の雨が
「へへへ、やったか!?」
マグナキッドモンが自身の絶対の攻撃が命中したこと、相手が見えなくなったことから油断をしてしまう。
それも仕方のないことだった。
究極体の・・・どのデジモンも歴戦の強者すら一瞬で屠ることのできる必殺の一撃である。砂煙が舞う中でもあのバケモノにもダメージが存在するはずだと俺も少し気を緩めてしまった。
「士郎・・・決して油断をするな!!!」
ルーチェモンのその一言を聞いた瞬間、
『グラドゥス』
呆然としてしまった。
俺は彼らの実力を知っていたからだ。
彼らはロイヤルナイツや七大魔王よりは弱い・・・しかし、決して弱くはないのだ。むしろ究極体の中では上から数えた方が早い部類に入る。
そんな彼らをバケモノは一瞬のうちに倒してしまった。
今まで絶望なんて踏み越えてこれた。
・・・だけど、
「主、大丈夫か?」
・・・このまま、負けるのか?
『・・・シロウ?』
師匠が死んだ時を思い出した。
「・・・どうした、契約者!?」
嫌だ
「ねえ、しろー・・・しろーったら!!!」
・・・このまま死ぬのか?
師匠が消えた瞬間を思い出した。
「敵が来る・・・さっさと冷静になれ!!!」
嫌だ
「シロウ、しっかりしてッ!!!」
・・・このまま失うのか?
「テメエ、なにぼさっとしてやがる!!!」
その答えを言う前にとっくに俺の体が行動を起こしていた。
「
悲痛が
聞こえない。
嘆きが
聞こえない。
叫びが
聞こえない。
俺にはなにも聞こえなかった。
♦︎♦︎♦︎
戦闘の音が鳴り響く。
戦場には倒れ伏した仲間たちの姿があった。
「・・・ああ」
次々と仲間が倒れていく中で、バケモノへのダメージが一切存在しないことを自覚していく。
「・・・ああああ」
究極体の力でも倒せないと自覚させられ、
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァアーーーーー!!!」
絶叫だった。
俺には何もできなかったという事実を理解した。
こんな中でも戦闘は続いている。
仲間が戦っている。
・・・・・それでも、
この絶叫によってバケモノは俺に気がついた。
バケモノが近づいてくる。
どうでもいい。
バケモノが足を止める。
どうでもいい。
バケモノが足を振り上げる。
どうでもいい。
バケモノが足を振り下ろす
「・・・どうでも
「
いつのまにか、赤のマントと白の甲冑の騎士が俺を助けていた。
「・・・ジエスモン、どうして?」
そのとき、俺の体が浮いていた。
「てめえ、莫迦にしてんのかァ!!!」
首が苦しい・・・俺は胸倉を掴まれたことにようやく気がついた。
「俺の姉貴分が命賭けてまで戦ってんのに、パートナーのてめえが諦めてどうすんだよ・・・命かけろよ、
てめえは『パートナー』だろうがッ!!!」
視界が揺れる。俺を叱ったジエスモン。その言葉が俺の絶望しか見えなかった目に、ようやく現実への実感を湧かせた。
「・・・
周りを見る。
・・・俺は何をやっていた?
こいつらは俺を守る為に戦ったのではないのか?
それなのに俺は勝手に絶望して、現実を見ずにどうでもいいなんて思っていたのか・・・・・
「・・・・・ふざけるな」
自分自身が恥ずかしかった。
今でも自分を殴りたい気持ちでいっぱいになった。
そんな中でも、バケモノは襲ってくる。
『グラドゥス』
久しぶりに死を実感している。
・・・
デジソウルを全身で燃やす。
そうしてバケモノの足の着地点を予測して拳を突き出した。
バケモノの足と俺の拳が
『轍剣成敗』 『鉄拳制裁』
後押ししたふたりの手によって、弾き返したんだ。
目の光が薄れゆくなか、師匠の顔を思い出した。
俺はあの人に近づけたのかな?
♦︎♦︎♦︎
『もういいわよ、シロウ。よく頑張ったわね』
少し短いですが、今回はここで終わりです。
結構難産だったのですが、対オグドモン戦・・・『敗北』ということにさせていただきました。
オグドモンの今回のステータスは『超究極体上位』です。
もともと作っていた『独自設定()』の表を明確にした感じです。
『究極体レベル』、『超究極体下位レベル』が一瞬でやられるのはどうかと・・・・と思うかもしれませんが、この話ではそこらへんのことを含めて『負けイベント』として扱っています。
正確に言うと、究極体クラスの表記に限り『下位』が何体束になろうが『上位』には勝てないと言うことにしています。
・・・なぜかって?
理由としてあげるのであれば、究極体からの能力のインフレが激しいからです。キングエテモンのように弱い存在もいれば、ロイヤルナイツなんて肩書き持っている奴も存在します。アニメでも主人公補正がなければ倒せない敵ですら存在します(アポカリモン(01)やベリアルヴァンデモン(02)、イグドラシル(セイバーズ)など)。
Q.では、なぜシロウが弾き返せたのか?
それについては、次回以降に話すことになります。
Q.次回は?
リアル(就活)の方が後半戦に入ったので、10月中旬ごろまでには出す予定です。
誤字・脱字、感想等あればよろしくお願いします。
番外編に関するアンケート
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1.間桐雁夜に召喚されるZERO編
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2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
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3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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4.始まらないヘブンズフィール編