Fate/ fallen brade   作:阿後回

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第三話 暮海探偵事務所とオグドモン

「現実とは思えない・・・か?」

 

内容としては三流レベルの荒唐無稽なお伽話。

だが、その話を証明するにあたって、目の前に置かれた二振りの剣は『恐怖』と『安寧』を併せ持って存在している。

自身の知らない世界・・・それに対して、恐怖を抱かないというのがおかしい。すぐに恐怖を振り払い、ワシは衛宮少年の今後に興味を持った。

 

「お主は、これからどうするのじゃ?」

 

「とりあえずは、『監視役(・・・)』にでも会いに行く・・・・・ところで、ここはどこなんだ?」

 

会話後の彼は諦観の念が薄まり、年相応の笑みを浮かべていたが、窓を開けた瞬間に驚きの声を上げる。

 

「イギリスじゃが?」

 

その一言に、諦めたような表情になった。

その表情から、彼が最後にこの世界にいたのは『日本』だったことを思い出す。

 

「なあ、爺さん・・・誰にもバレずに日本に戻れる手段はないか?」

 

「えっと・・・そうじゃな・・・・・」

 

頭の中で今まで作った礼装の内容を確認する。

 

(あれはダメじゃ・・・これも、それも・・・・・おう、そういえばあれがあったんじゃった!!!)

 

自身の作った礼装の中でも最高クラスの『収納箱(・・・)』を思い出した。

 

「クックック・・・それなら良いものがあったはずじゃ」

 

 

 

 

「ふう、やっと着いたの」

 

“ガタッガタガタ”

 

あれからワシ達は一日をまるまる使い、日本へと向かった。

そして現在(いま)、『暮海探偵事務所』の前までやってきたのじゃが・・・・・

 

“ガタガタガタガタ・・・ガタッガタッガタン!!!”

 

「たっく、うるさいのう・・・これ、少し待っておれ・・・よし!開けたぞ」

 

ガタガタと音を鳴らす『宝箱(・・)』の鍵を開けて、蓋を持ち上げる。

 

・・・・・すると、

 

「おいッ、テメェ!!!

いきなり、人を『箱』の中に突っ込むとはどういうつもりだ!!!」

 

同時に、衛宮少年がいきなり飛び出してきた。

それも、怒りながら。

 

たった一時間(・・・・・・)だけどな、あの中物凄く揺れんだよ。一体、何を乗って移動したんだ!!!」

 

怒る理由は当然、人一人を箱の中に入れて(・・・・・・・)飛行機の『貨物室(・・・)』に入れられたことだろう。

 

「悪かったと思っているが、あの方法が一番はやく『暮海探偵事務所(ここ)』に来ることができたんじゃ」

 

「へ・・・ここ?」

 

そう言って衛宮少年は振り返ると、怒り顔が驚きの声とともにかき消える。

 

「まさか・・・・・あんた」

 

「考えている通りだとも。

そのおかげで、『少年』はこんなにはやく戻ってこられたのじゃからな」

 

少年が見る先は我が礼装の一つ『ゼルレッチの宝箱』。

第二魔法のによる『屈折空間』により少年は収納され、特殊な空間であるがため内部と外部での大きな時間の隔たりが存在するものである。

この礼装とワシの立ち位置によって、衛宮少年は日本へと戻ってこられたのじゃ。

 

「その・・・いきなり、怒ってすまなかった。・・・・・あと、ここまで連れてきてくれて、ありがとう」

 

衛宮少年は行ったことを恥じ、自身の間違いと感謝の念を伝えた。

 

 

「おい、うちの前で『爺さん』と『孫』のような行動をとるな。

それに、今日は休業日だ。依頼があるのなら・・・・・」

 

ワシが背後から来る気配(・・・・・・・・・・・)に気づかなかった。声を後ろからかけられた瞬間に驚くが、すぐに『監視役(・・・)』がいるのだと思い出した。それに他にも理由がある。後ろを振り向いたとき、目の前には『絶世』という言葉が似合う程の美女が買い物袋を片手に立っていたからだ。

 

「・・・・・いや、その手の客ではないようだ。

『衛宮士郎』・・・君についての説明は受けている。そこの『ご老人』も関係者ではあるようだ。さあついてきてくれたまえ」

 

そして女性は『暮海探偵事務所』の鍵を開ける。

 

「ようこそ、衛宮士郎君。安心と信頼の『暮海探偵事務所』へ」

 

 

 

 

「ふむ・・・そうやって君はイギリスから帰ってきたわけだね」

 

衛宮少年はこれまでの経緯(いきさつ)を丁寧に話し、自身の行ったことについて話していた。

 

「それでは、こちらのことについて少し話しをしよう。

すまないが、『助手君』・・・例の資料を頼む」

 

「はい、わかりました。『杏子さん』」

 

助手と呼ばれた少年『相羽タクミ』は、棚の中から一冊のファイルを取り出して衛宮少年に渡す。

 

「現在、君のことを知っている人間は(・・・・・・・・・・・・・)ここにいる『私達』と『ご老人』を含めて『七人』」

 

資料には彼女達以外に、『白峰ノキア』、『真田アラタ』、『神城勇吾』と『神城悠子』という少年少女の名前が載っている。

 

「ご老人と『私』以外は、あの世界を救った『英雄』だ。

なぜ私が選ばれたのかはわからないが、できる限り君が平和に暮らせるよう(・・・・・・・・・・・)に努力しよう」

 

「お願いします」

 

少年は子供でありながらも真剣な表情でそれ(・・)に取り組もうとしている。

 

 

 

『きゃはハハハ歯波ハ葉はハははは破!!!』

 

突如として、探偵事務所に響き渡る子供の笑い声。

ここにいる全員が反応を示す。しかし、誰一人として警戒することはなかった。なぜなら、その声の中心は衛宮少年から出ているからだ。

 

「この声は一体?」

 

「はあ、やっぱり聞こえる見たいですね」

 

衛宮少年の諦めた表情を浮かべていた。

 

 

「この声が『オグドモン』そのものです」

 

その一言に全身の怖気がたった、

それは他の二人も同様であり、恐る恐るといった様子で相羽少年が聞いた。

 

「たしか・・・オグドモンは封印(・・)されたんじゃ・・・・・?」

 

少し諦めた表情には妙な確信があった。

 

『イッタ通リ堕ロ。去っさとセツメイしろ』

 

「そうだな・・・・・はあ、オグドモンはたしかに『封印』はされたが、もともと『曖昧な存在』であるため、この世界にとって(・・・・・・・・)『異質な存在』には聞こえるようです」

 

「『異質な存在』?」

 

相羽少年の疑問の声が聞こえる。

 

「ええ、『異質な存在』。

『並行世界』や『異世界』の自分自身(・・・・)を知っている存在に対しては・・・・・特に」

 

『けっ局アンタ等ノセイデコイツはこうな成ったんだ。その上『監視役』都破特にワラエルなおい!!!』

 

オグドモンの甲高い声に肩を揺らした相羽少年。

 

「少し黙ってろ、話が進まない」

 

衛宮少年の一言で、気配が消される。

 

「このように、オグドモンは声とかは聞こえますが、基本的には俺が自ら『封印』を全て(・・)解かなければ、なんともありません」

 

 

 

 

そのあとじゃったかな、ワシに教会やらなんやらから連絡がきて、ワシはイギリスに戻らなければならなくなったのは・・・・・

 

まあそのあとももうひと騒動、少年達があったそうじゃがワシにはわからんしのお。今度また聞いても見るか・・・・・

 




次回から、本編がようやく進みます

番外編に関するアンケート

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  • 2.岸波白野に召喚されるEXTRA編
  • 3.FGO二部を暴走して終わらせる編
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