Aqoursと失われた記憶   作:ねぎぼうし

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【番外編】明けましておめでとう!

「はぁ……最っ悪だ……」 

 

自室で1人、布団に入って呟く。

現在1月1日。僕、黒澤蒼輝は、病で突っ伏しました。

39度3分ですって!

いやーめでたいわクソッタレがぁっ!

 

「今日は練習で北海道のスクールアイドルがくるんだっけな?」

 

じゃあお見舞いはないな……。

別にこられてうつしちまったら悪いし。

仮にもアイドルだ。

だがやっぱり…

 

「年始からボッチて……」

 

年男を恨み倒してやる。

そう決めて布団から出る。

 

「昼飯……」

 

カップラーメンでいっか……。

ここにおいてあるのか知らんが。

台所へぶっ倒れる寸前のまま行くと、

テーブルの上に、

 

「……あぁ、きっといい嫁さんになるんだろうなぁ……」

 

『暖めてお食べください。お体を大事に。

            

                  

                   ダイヤ』

 

と、置き手紙と共に、ラップがかけてある料理。

やっさしいなぁ……。

もう妻にしたい!ハイハイ変態ですよそうですよ!

ちゃちゃっと食べ終わり、布団に戻る。

 

「さてっと……」

 

布団から隣を見ると大量の本。

記憶戻す手掛かりないかと思ってダイヤさんに持ってきてもらったがお腹一杯で眠気が……。

 

「はぁ……おやすみぃ」

 

目を閉じ、睡魔に従うことにした。

 

─────────

 

「んん……」

 

……今何時?

時計を見るため周りを見渡すと、

 

「あ、おきたのね」

 

そこには……。

 

「よ、善子!?なんでいんの!?」

「ヨハネ!お見舞いよ……。三人でね」

「そうか、さんきゅ……。いやお前らアイドルなんだしうつしたら困る。無理して来なくても」

「余計なお世話よ。来たくてきたんだから」

「でもさ」

「善子ちゃんの言う通りずらー」

「ヨハネ!」

 

花丸……。

 

「あんまり気にしすぎなのは悪いずら。ね?ルビィちゃん?」

「うん!あ、これ、のっぽパンです」

 

のっぽパンが、二、三個はいったレジ袋を渡してくる。

体感ではまだ昼食べたばかりなんだがな。

改めて考えるとお腹すいているな。

 

「三人とも……ありがとうな」

「別に。言ったでしょ、来たいから来たって」

「そんなこと言ってー、来るかどうかですごく悩んでたじゃん」

「ルビィは余計なこと言わないでいいの!」

「マルたちが一緒にって言ったらついてきたんだよね?」

「ズラ丸まで!」

 

みんな優しくて涙が……。

 

「……ねぇ、あんたは二年生のこと、どう思ってるの?」

「二年生?千歌たちのことか?どうして急に?」

 

恋バナはないぞ?

 

「私達、後からAqoursに入ったじゃない?だから二年生に少なからず感謝してるのよ。でもAqoursとしていられるのはもう少しじゃない?だから……」

「僕にとってのAqours、二年生を知りたい、ね」

 

三人がうつむく。

そうだな、確かに、あと踊れるのは決勝だけだもんな。

 

「そうだな……。おもえば、僕を拾ったのは二年生二人だったよなぁ」

 

梨子と千歌。

初めて会ったときは、超警戒して、どう逃げようかとか考えてたっけ。

 

「ホントに、あいつらに拾われてよかったよ。Aqoursに出会えて、巻き込まれて、今記憶なくして高熱とか最悪の状態だけどさ、」

 

一度息を吸い込んで、おもっきし笑顔で!

 

「最っ高に楽しいよ!二年生はその場所を作った、最高の三人だと思う!友達関係を見るのも楽しいしな♪」

「好きなのね、二年生のこと」

「異性としてではないぞ。でも、否定はしない」

 

ていうか何気に超恥ずかしいこと言ってんじゃん。

 

「そう。っと、私達はこれで帰るわ」

「ん、そうか。ありがとな」

「いいわよ。ルビィもついてきなさい」

「なんで?」

「話したいことがあるのよ。黙ってついてきなさい」

「うん!」

 

テクテク出口へ三人が向かう。

なんかアレだな。善子が普通に喋ってると違和感凄いな。

三人が出ていったあとのっぽパンを食べながら考える。

 

「二年生か……。あ、のっぽパンうめぇ!」

 

空腹だと何でも上手くなる理論はマジだった。

叫んでちょっと体力えぐれたけど。

ちょうど三本目を食べ終わった頃、玄関のチャイムがなる。

 

「あ、はいはーい!どうぞー!」

 

すると玄関から、

 

「蒼輝くーん!大丈夫ー?」

 

ありゃ?この声は……

 

 

「千歌!に、梨子、曜さ……じゃなくて曜!」

「もうクセになってるね。もう曜さんでいいよ?」

「あ、マジですか?」

 

いつも釣られるから助かる。

 

「まさかとは思うが……お見舞い?」

「そのまさかよ。千歌ちゃんが行くって聞かなくて……」

「せっかくだから三人できたんだ!!ハイ、これヨキソバ!家で作ったんだー!晩御飯まだでしょ?」

「うわー!おいしそー!じゃねぇわ!熱うつるぞ!?アイドルだろ!決勝近いんだし」

「いいから!千歌が来たいから来たの!」

 

なんか同じ台詞を前に聞いたな。

似てるなぁ……。

いや、問題はそこじゃない。

問題は……

 

「ヨキソバさんきゅーな。ハハ……」

「食べて食べて!」

「い、いま?」

「いま!」

 

さっきのっぽパン三個食べてお腹一杯なんだけど貰わないのも悪いしなぁ。

ヨキソバを貰って、ラップ外してその場で食べる。

あぁ、腹一杯できつぅい!

 

「……ねぇ、三年生のこと、どう思う?」

 

…………。

 

「どうしたの?急に周り見渡して?」

「いや、隠しカメラでもあんのかなと思って」

「何言ってるの?」

「なんでもない。それより何で?」

「私達はAqoursを作ったのはダイヤちゃんから聞いた?」

「聞きましたよ。たしか二代目でしたよね」

「それで、私達にAqoursってつけてくれたのも三年生なんだよね。でも三年生がAqoursでいられるのは」

「決勝で終わり、か」

 

また同じような話を……。

 

「そうだな、三年生か……」

 

過去がいろいろあったって聞くなぁ……。

 

「なんかさ、お前ら人間関係エグいよな」

「……どういうこと?」

「なんでもない。三年生ねー?何気にダイヤさん、家で凄いスクールアイドルの話をするんだよ?ルビィに隠れてね。そのたび、スクールアイドル好きなんだなって、感じるよ。でも結果、悲しい顔して、終わる、とか言って、いえいえ!弱気ではいけません!とかなんか情緒不安定になるんだよ。めんどくさいけど、大好きなんだよ。Aqoursが」

 

まーた恥ずかしいことを語るなぁ僕。

本心だけど。

 

「あーもう、帰れ帰れ!いつまでもいられちゃ迷惑だ!恥ずかしい!」

「ハイハイ。帰ろっか」

 

またもゾロゾロ玄関へ。

 

「んにゃろ……。あー恥ず」

 

ホントになんなの今日?

 

「ただいま帰りましたわ」

「あ、ダイヤさん。お帰りなさ……」

「あ、蒼輝、大丈夫だったー?」

「あ、果南さーん♪大丈夫でしたよー♪ってなんできてんだよッ!」

「ワォ!ノリツッコミデースネー!」

「そーですねー!もう聞く気も失せるデジャビュですからねー!?」

 

お前らアイドル以下略!

 

「お待ちくださいね、晩御飯用意しますので」

「あっ、ダイヤさん、僕は」

「熱39度3分だっけ?大丈夫?」

「あっはい!元気ですよ?ダイヤさん、ぼくのっぽパ」

「ホスピタルは行きましたか?」

「あ、いえ、ただの熱なので。ダイヤさーん?僕はヨキソ」

「ホントに?インフルとかだったら」

「大丈夫ですって!ダイヤさん!僕はもうお腹いっぱ」

「でも一応さ」

「だああああああああっ!大丈夫だっつってんだろ!喋らせろやっ!」

「蒼輝さん!お客様ですわよ!」

 

あ、なんかしゃべりにくい雰囲気になった。

おまけに料理始めてるし……。

もう、いいや……。

すると果南さん。

 

「……ねぇ、一年生のこと、どう思う?」

 

ガバッ!!

 

「……どうしたんデスカ?急にスタンダップして?」

「いや、割りとマジで隠しカメラねぇかなって」

「ワッツ?」

「なんでもないですよ。はぁ……もういいや……。一年ね、ハイハイ」

「なんかヤケクソになってない?」

「なってますよ!」

 

なんたって三回目だからなぁ!?

 

「もういいや。何で急に?」

「私達はもう卒業する。三人バラバラになっちゃう。そんな中、花丸とルビィは内気だし、善子はアレだし」

 

アレて。

 

「私達がバラバラになったあと、大丈夫か心配で……。一応先輩だし」

「一応でも、立派な先輩じゃないですか」

 

チラッとダイヤさんを見て、声を細める。

 

「じつはルビィですが、ダイヤさんがいない間、僕によく言うんですよ。卒業して離れても、自分だけで大丈夫だからお姉ちゃんには心配してほしくない、って」

 

つまり、僕はダイヤさんとルビィの相談を同時に受けているわけで。

たまにおんなじこと言ってんなぁとか、思って笑いを堪えるこっちの気持ちを考えて欲しい。

 

「安心していんじゃないっすか?Aqoursに触れて三人は、きっと成長してますよ」

 

以前の三人、知らないけどね。

 

「それよりまだこんなとこにいていいんですか?」

「え?」

「終バス。もう外暗いですよ?」

「あぁっ!?」

「鞠莉さんは大丈夫だな。果南さんは送って貰ったら?」

「そうするよ。また明日ね!」

 

ゾロゾロと以下略!

 

「はぁ……。なんかもう疲れた」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫でないです……」

 

だってまだダイヤさんの料理を……。

 

「コーヒーですわ。心を落ち着かせみては?」

「……え?晩御飯作るんじゃ」

「いえ、洗い物に皿の跡がありましたので、ひょっとしたらもう食べたのかと」

 

あ、ヨキソバの皿……。

 

「一度横になってください。新しいタオルですわ」

 

ダイヤさん……。

 

「……いい嫁さんだなぁ」

「は?」

「ダイヤさん嫁にしたら絶対幸せだわ」

「そ、蒼輝さん!?どうしたんですの急に!?」

 

心の声がダダ漏れなだけです。

 

「もう!一度横になって下さい!」

 

可愛いのはさておき、言われた通り横になる。

こんな年始もいいなぁ……。

ツッコミまくった疲れが一気に僕を襲って意識が遠退く……。

 

「よっと……」

 

コツン、とおでこに衝撃を感じ、意識を戻すと、至近距離にダイヤさん!

ヤバいヤバい!顔と顔の間5cmぐらいしかないって!

 

「ち、近い!近いですよ!」

「あ、す、すいません!いつもルビィにしていたもので……///」

 

顔真っ赤にしないで恥ずかしいから!

と、パニックになっていると扉近くからポトッと音が。

振り向くと、顔を赤くしたルビィがカバンを落としている。

 

「……お、お邪魔しました」

 

スーっとドアから出ていくルビィ。

ダイヤさんと僕は顔を見合せ……

 

「うをおおおおおい!?違うってルビィイイイイッ!?」

「キス……お姉ちゃんと蒼輝さんがキス……」

 

スッゴい勘違いしてるー!?

普段僕のことお兄ちゃんって呼んでるくせになんで今は蒼輝さんなんだよ!?

慌てて出ていったルビィを二人で追いかける。

 

「ルビィ!お待ちなさい!これは蒼輝さんを襲っているのではなくて!いえ口説かれはしましたが!」

「ダイヤさああああんっ!?」

 

待って!ホント待って!?口説いた記憶ないし、ルビィも襲ったとか言ってないよね!?

なんかダイヤさんの中で凄い誇張されてる!?

 

「二人とも一回落ち着……いて……」

 

ふと意識が遠のいて……。

 

「ピギッ!?そ、蒼輝さん!?熱があるのに無理をしますから!」

 

ダイヤさんがピギッって言った!?

じゃねぇ!ダイヤさんのせいで無理してんだよ!!

ていうか!

 

「気が付いたらなんだけどさぁ!?僕いまダイヤさんの胸の中にいるんですけどぉ!?」

「倒れかけたのでつい……」

「ルビィ、花丸ちゃん家で止まるから!」

「ダイヤさんとめてええええ!ゼェ…ゼェ…!」

 

前言撤回!もう……こんな年始は嫌だよおおおおおっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拝啓 神様。

明けましておめでとうございます。

記憶を失って少したちますが、こちらはドタバタ元気にすごしております。

記憶は失いましたが、Aqoursと出会え、そう悪いことだけではないようです。

最後に、こんな素晴らしい運命に巡り合わせていただいた神様へ一言。

 

正月ぐらい、楽に過ごさせろよクソッタレッ!




明けましておめでとうございます!
中学生の妹が、「年明けた瞬間に投稿してよ」とか抜かしまして、大急ぎで書き上げたものがこちらになります!
時間軸としては、2期10話がこれです。
ヨハネの話したいことは、アニメ内でのツンデレ台詞だとお考えぐさい!
通常は5~8話辺りで、進行しています!
それではまた!今年もよろしくお願いいたします!
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