お風呂からでたリリーに話を聞けば、やっぱり謝らないことにしたらしい。
「なんかスッキリしたわ!シャーロット、今日はもう寝ましょう!」
うん、と返事をしてそのあとに先程のことを言おうか迷ったものの、リリーにまた、悩ませるわけにもいかないので黙っていることにした。
シリウス・ブラック。
そいつに関わる気はもうないのだけど、あいつはお調子者でいたずら好きでしかもルックスもいいほうだからモテるし、頭もいいから人気者だ。
しかし、そのブラック家という肩書きを背負って生きる運命の奴。
「明かり消すわよ~」
すっかりご機嫌なリリーにうん、と頷いた。
リリーも隠れた人気があるが、ポッターのせいで男も寄り付かなくなってしまったが、可愛らしい見た目のためかポッターとお似合いとも言われている。
リリーはポッターのことを毛嫌いしているというのに可哀想な話だ。
みんなには男好きだの好きかって言われているがリリーほど心の綺麗な女の子はいないとおもう。
リリーの言葉にうん、と返すとにひまわりのような笑顔でありがとう、といわれた。
そのとき、ポッターの気持ちがわかったような気がした…、もちろん私は同性愛者ではない。
___
はぁ、と溜息をつきたいところだ。
今日も朝がやってきてしまった。
「おはよう!」
リリーの元気な声におはよう、と気怠げにかえすと、頬をふくらませて怒り始めた。
「人からの挨拶は…あ、いや、魔女からの挨拶はありがたく受け取ってその人よりも、元気に返すものなの!」
はぁ、と適当に返していると「あんたねぇ!」と怒られてしまった。
今日の朝食のかぼちゃスープがさめてしまうから、はやく行きたいのだけれど、そんなことをいうとリリー様の機嫌をさらに損ねてしまう。
あの天使のような笑顔はどこへやら。
今日は眉を寄せて、目を見開き、口をへの字にして笑顔とはほど遠い顔である。
「ごめんね、リリー」
目を潤ませて言って見せると、ふんっと鼻をならせて「今日は許してあげるわ!」と決め台詞を言われた。
嗚呼、やっぱり昨日の向日葵のような笑顔は錯覚だったようだ。
それとも、こっちが夢だったのだろうか。
部屋を出るとポッターがいた。
いつもどおり愛の言葉を並べたがまるでそこにいないかのような完璧なスルーをし、そのあともポッターはめげずにアピールをしたが、リリーはセブと一緒にいる時間を作ったためか、嫉妬はひどくなり、セブへのいじめはひどくなる一方で、リリーのポッター嫌いはましてしまった。
三年生にもなると、リリーとポッターの噂は耳にもしなくなったし、リリーもそれなりに満喫しているようだったが、ポッターの悪ガキぶりは増したようであった。
そうすると、自然に私とシリウスも離れていくわけで、あの会話からもうすでに三年もたっていた。
ポッターはリリーを未だに好きなようだったがリリーはポッター?誰それ?とまでいっていた。
気付かないふりをしていたのだ。