俺が普通に暮らす為の村作り   作:燈祁

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すいません…11話(できるだけ不思議に)を改稿前の文章にしてしまっていました…
前書きと靴箱の名前部分に追加があります。
名前は大した違いではないですが、前書きの注意書きは此方にも貼っておきます。

※※Fate/Grand Order第一部における重大なネタバレがこの話以降出ます※※
※※現在第一部プレイ中の方、今後FGOプレイ予定の方はUターンをお勧めします※※

追記:題名訂正しました



出来るだけ怖がらずに

クロウが固まっていると、玄関の方から話し声がする。

話が終わったのか、足音が一人分、リビングに近付いてくる。

 

「ただいまー」

「けーりー」

「お帰りなさい」

「…お帰りぃ…」

「えっ、クロウ如何したの」

 

入ってきたのはロマニだった。アルトリアから事の顛末を聞いて、「あー、それは仕方ないね…やっぱりボクの名前は呼びにくかったか」と笑っている。

未来はロマニに駆け寄る。

 

「ロマン先生!」

「わ、走ると危ないよ!?…如何したの?未来ちゃん」

 

ロマニは膝をついて、未来と目線を合わせる。

深呼吸を一つして緊張を解し、大きく息を吸って言う。

 

「先生!私の病気、治してくれてありがとうございます!」

 

ロマニは少し驚いた後、へにゃりと笑う。

 

「どういたしまして。…長く医者やってるけど、何度言われてもこれは嬉しいねぇ」

「だろ?」

 

クロウは何時の間にか復活していた。

 

「ただいま。燐、千尋は部屋か?」

「お、おけーりゲーティア。多分寝てる。そろそろ飯出来るし、起こしてきてくれ」

「わかった」

 

燐と言葉を交わし、トイレ側の出口に向かう少年。

彼は燐や士郎、士方よりも少し年下、未来に近いように見える。

 

「ゲーティア-、戻ってきたら未来ちゃんに自己紹介なー」

「了解した」

 

クロウとすれ違いざまに言葉を交わす。

 

「未来ちゃん、彼奴が俺達の息子」

「…ロマン先生にはちょっとにてるね」

「お、わかる?」

 

ロマニの顔を見る。

微笑んでいるロマニは白、無愛想な表情の彼は褐色の肌。

髪の色は、ロマニよりも彼の方が濃く、混じった金色の目立つ不思議な色合いをしていた。

瞳はロマニが黄緑、彼は暗い赤。

其処まで違う色と印象に囲まれながらも、その顔立ちはよく似ているように思えた。

 

「まぁ、僕と彼奴は血が繋がっているようなものだからね」

 

少し困ったような顔で微笑むロマニは、未来に曖昧な答えを返す。

と、其処に件の彼と、欠伸をしながら千尋が戻ってくる。

 

「疲れてるだろ?ロマニはあっちでゲーティアと未来ちゃんとお喋りして待ってなよ」

 

そう言い残して三人をソファの方に追いやると、クロウはアルトリアと千尋と共に燐の手伝いに行ってしまった。

辺りにはカレーの匂いが漂っている。

こうして対面すると、彼の仏頂面は、少し恐い、と未来に感じさせる。

見た目よりも大人びた、低めの声で彼は話し始める。

 

「…では、自己紹介をさせて貰う。私はゲーティア。ロマニに造られた使い魔であり、訳あって息子として振る舞っている。」

「…君月未来です、ロマン先生の患者…元患者、です。…つかいまって?」

 

治ったのだから、元で良いだろうかと思い、名乗り直す。

兄が読み聞かせてくれた絵本などでは、猫や梟などの生き物か、悪魔が使い魔と呼ばれていた筈だが、彼はそのどちらにも見えない。

 

「ボク一人だと、沢山魔法を使いたい時に、手が足りなくてね。手伝ってくれる人が欲しいって思って寝たら、朝ゲーティアが目の前に居たんだ」

「外見が似ているのは、ロマニの姿を基に作り出されたからだな」

「…なるほど?」

 

真似をしたのなら、似ているのも納得である。…何なのかはよく分からなかったが。

 

「ゲーティアも未来ちゃんを治すの手伝ってくれたんだよ」

「そうなんですか?…あの、ありがとうございます」

「構わない、そのための私だからな」

 

落ち着いた口調で返される。

少しだけ微笑んだ彼を、ロマニがニコニコと見ている。

 

「出来たぞー」

 

燐が呼ぶ声に、テーブルの方に戻る。

それぞれの前には、ドレッシングの掛かったサラダと、野菜がメインのカレーが並べられていた。

 

「「「「いただきます」」」」

 

全員で手を合わせてから、スプーンでカレーを掬う。

甘口のカレーは未来にも食べやすく、気を遣われたのかと思うが、ゲーティアとロマニ、クロウ以外が七味などを振りかけて味を調節しているのが見える。

基本甘口なのかもしれない、と未来は安堵した。

 

カレーの具は、南瓜や茄子に柔らかい豚肉が混じっている上に、チーズが掛かっていた。

付け合わせの福神漬けは余り癖のない味で、カレーを食べる手を一層進めさせた。

サラダは甘酸っぱいドレッシングが掛かっており、カレーの味をリセットするのに丁度良かった。

 

食べ終わると、燐が席を立つ。

キッチンに消えたかと思うと、「今日のデザートはプリンでーす!」といいながら、お盆に人数分の金属製プリンカップを載せたものと、同じ数の小皿を、それぞれ両手に持って出て来た。

それを見た士郎が竹串と小振りのスプーンを配る。

 

隣のアルトリアに教えて貰いながらプリンを小皿に出す。

すの殆ど入っていない、綺麗な表面のプリンを掬って口に運ぶ。

苦すぎないカラメルが、プリンの控えめな甘さを引き立てている。

 

「「「「ごちそうさまでした」」」」

「おー、お粗末様ー」

 

歯を磨く為部屋を出るもの、片付けを始めるもの、とそれぞれ立ち上がって行動を始める。

手伝いをしようと自分の皿を持ってキッチンに行った未来は、洗い場に居た燐に皿を渡す。

 

「お、サンキュー。どうだ?夕飯美味かったか?」

「とっても!」

「っしゃあ!」

 

ワクワクした顔で問い掛けてきた燐に、未来は即答する。

士郎の料理と同じくらい美味しかったのだ。

ガッツポーズをした燐を見ていると、後ろから声が掛かる。

 

「未来ちゃん、片付けは俺とロマニが手伝っておくから、ゲーティアと歯磨きに行っておいで」

 

そう言ったクロウの横にはゲーティアが立っている。

 

「わかった」、とクロウに返すと、ゲーティアに「行くぞ」と言われる。

風呂場にあった大きな洗面台に向かう。

並んで歩いていると、ゲーティアが話し掛けてくる。

 

「この村には、私のように人間では無い者も居る。

もしも恐怖を感じるのなら、姿を現さないようにするが」

「…大丈夫です」

 

人間で無くても、自分を助けてくれた人の一人なのだ。未来に怖がる理由はもう無かった。

 

「…そうか。…見た目の年齢は余り変わらない。アルトリア同様、私にも敬語は不要だ」

 

一瞬だけ、先程のように微笑んだかと思うと、照れ隠しのように言葉が続けられる。

 

「…うん!」

 

元気よく頷き、人間の少女は、人外の少年と廊下を歩いて行った。

 




作者の小学生の時のクラスに、既にテノールに配属される低さの声の男子が居たので、CV.子安やCV.杉田のショタが居ても可笑しくはない(錯乱)
某絵師さんのショタゲーティア見てて書きたくなっちゃったんです…お許しを…

歯磨きの描写忘れてた…此処までもちゃんとやってたことにしといて下され…

~君月未来~
適応力が高い。人間じゃないと聞いても魔法使いの村ならとあっさり納得した。
肉体年齢は14歳、精神年齢は12歳くらい(記憶が少し飛んでいるため)を想定して書くことにしました。

~ゲーティア~
靴箱の名前を入れ忘れられた人。ごめん。
外見はFate/Grand Orderの人王ゲーティア……が若返った姿。
生まれてすぐはロマニと同じ位の外見年齢であり、息子ではなく使い魔だと言い張っていたが、「家族だって言ってくれる奴は貴重なんだぞ?一寸だけでも答えてやれよ」、との説得により少年の姿を取って息子扱いを受け入れた。
最近では満更でも無さそうにしている。
味覚はロマニ譲り。
服装はバスターTシャツ(燐が村の外で買ってきた)に無地の黒パーカー、ズボン。
腕が欠けたりはしていないが、金の文様はある。

~クロウ・アーキマン~
カレーの辛さの好みは特に無く、大体そのまま食べる派。
生まれつき子供が産めない体だったので、ゲーティアが現れたときはとても喜んだ。

~ロマニ・アーキマン~
甘口派。
魔力はあるけど一度に幾つも魔法を使うには手が足りないなぁと思って寝たらゲーティアが生まれた。
どんどん人間らしくなっていくゲーティアを見るのが嬉しい。
片付けの当番をゲーティアと代わった。

~アルトリア・ペンドラゴン~
七味を一皿ごとに加えていって味の変化を楽しむ派。
アーツTシャツを所持している。

~奥村燐~
士郎に負けなかった!とご満悦である。多分ニコニコ鼻歌でも歌いながら皿洗ってる。
ゲーティアを説得した奴。ぐだ男とカラーリングが同じなので我が運命枠に入って貰った。
主たるロマニに次ぐ、ゲーティアの優先順位の二番目に置かれてるけど自覚はない。
エクストラTシャツを所持している。クイックは退にあげた。

~衛宮士郎~
洋食ではまだ燐に分があると思っている。
当番ではなかったので、机の上を片付けた後は歯を磨きに行った。

~黛千尋~
やはり寝ていた。
当番ではなかったので、さっさと歯を磨きに行った。
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