俺が普通に暮らす為の村作り   作:燈祁

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4000UAありがとうございます!

追記:題名入れ忘れ修正しました



出来るだけ可愛く

ギャリーとクロウと共に、自分が寝起きしている部屋に向かう。

 

部屋の前で立ち止まると、ギャリーは持っていた大きなトランクから、白っぽい服を出してクロウに手渡した。

 

「未来ちゃん、中でこれに着替えよう」

 

そう言ったクロウと部屋に入り、パジャマにしていた服を脱ぐ。

渡されたのは長い紐の付いた、ワンピースのようにも見えるVネックの長袖Tシャツと、兎の模様のタイツ、白い厚めの生地で、太腿の部分が少し膨らんだ短パン、そしてウサ耳パーカーだった。

全体的に白とピンクに彩られている。

 

ドア越しにクロウとギャリーが会話している。

 

「しっかし、アンタなんでまたウサ耳なんて付けさせたの?」

「うちの子達はもう皆そんな可愛いの着てくれないから…可愛い子に可愛い服着せて楽しみたいじゃん?」

「あー…、そうね。似合うなら尚更ね」

「ま、イヴちゃんの服はお前が一から十まで作るから似合うに決まってんだろーけどな」

「んなっ、一寸クロウ!」

「あっはっは、ドアを開けられなければどうって事無いね!」

「…アンタがチェスでアタシに負けた時の写真バラ撒くわよ」

「すんませんでした!」

「…あの、クロウ?着替え終わったよ」

 

扉越しに綺麗な直角のお辞儀をするクロウに声を掛ける。

 

「あ、うん……うん、うんうん、すっごく可愛いよ未来ちゃん!」

「入るわよー?」

 

俺の目に狂いはなかった!と天に拳を突き上げているクロウをデコピンで呻かせてからギャリーが入ってくる。

 

「あら、本当ね。とっても可愛いわ、未来」

「あ、ありがとうございます…」

 

褒められて恥ずかしいのか、スカートの裾を掴んでモジモジとしているが、腰に付いた長い紐が揺れ、可愛さを加速させているだけのようにも思えた。

 

「一寸腕を回したりして動いてみてくれるかしら?キツいところや緩いところがあれば言って頂戴」

「はいっ」

 

未来は両腕を大きく回したり体を捻ったりしているが、余り違和感は感じていないようだ。

 

「…大丈夫です」

「そう!良かったわぁ」

 

手を合わせて喜ぶギャリー。

「仕上げね」と言って、大きめの桜のモチーフの付いた髪留めを付けてくれる。

髪留めに触れていると、デコピンの痛みから立ち直ったクロウがギャリーに話し掛ける。

 

「ありがとな、急な仕事に対応してくれて」

「良いのよ、アンタは何時も払いとかしっかりしてるしね。…じゃ、アタシはもうお暇するわ」

「ああ、見送りするわ」

 

三人で玄関に戻る。

じゃあね、と手を振って、トランクを持ってギャリーは屋敷から出て行った。

 

玄関を見て、未来はふと、外に履いていく靴がない、と思うが、クロウが「お客様用」と書かれた靴箱から出した箱を幾つか持ってくる。

色も形も、表記された言語さえバラバラだった。

 

「未来ちゃん、これ履いてみて」

 

箱から出された茶色で短く、丈の低いブーツを履いてみるが、少しサイズが大きく、歩き辛かった。

其れを伝えると、「それじゃあ、こっちは?」と言いながらまた別の靴を出してくる。

今度は黒い靴で、踵がピンク、足首に巻くリボンが付いている。

こちらはサイズがぴったりだった。

 

「ん、じゃあ其れにしよう」

 

そう言って、箱を全て靴箱に戻した未来に向き直る。

 

「さて、未来ちゃん。今から俺は一寸仕事着に着替えてくる。

お兄さんを迎えに行くにあたって、幾つか気を付けなきゃいけないことがあるから、リビングで燐とアルトリアから説明を聞いておいて。

すぐに此処を出発するから、トイレは先に済ませてね。

おーけー?」

「!おーけー!」

 

クロウと別れ、トイレに寄ってからリビングに向かう。

アルトリアと燐はソファにいたが、今朝までのラフな服装ではない。

二人ともきっちりとスーツを着こなしている。

 

「未来、着替えが終わったのですね。大変可愛らしいですよ」

「お、ウサ耳。クロウの趣味か」

 

そう言って声を掛けてくるが、二人の外見の違いの方が未来には衝撃的だった。

アルトリアの目と髪は淡い金色に変わり、肌は死人のように白く、歯と耳が尖っていた。

燐は大きな違いこそ無いものの、その目はアルトリアと同じく金色に染まっている。

歯と耳は元々尖り気味だったが、更に尖ったように見える。

 

「…ふ…二人ともどうしたの、目とか、肌とか」

 

問い掛ける声が少し震えてしまう。

 

「ああ、すみません。驚かせてしまいましたか。これも含めて説明しますね。」

 

曰く、魔法使いだとバレないように、村の外では皆で吸血鬼のふりをしていて、そのために魔法で姿を変えているらしい。

 

「ニセモノの名前を名乗ったり、口調を変えたりするから、なんかスパイごっこしてる気分だぜ?」

「楽しい?」

「おう!」

 

二人から偽名を教えて貰い、何度か口に出して確認する。

 

「…クロウは?」

「彼奴は…あー…そのまま。」

「彼女は一人二役をこなしているんですよ。

もう一つの方は偽名を使っていますね。

…昨日一回口調が崩れていたでしょう?彼方が素で、今は本名で演じている役の口調ですね」

「…そっか」

 

気を遣わせてしまっていたようだ。

確かにあの口調で最初から喋られていたら、クロウを怖がってしまっただろう。

 

階段を駆け下りて来る音が聞こえ、クロウが勢いよくリビングに入ってくる。

 

「おまたせ!」

 

そう言ったクロウは、森の中でうっすら見えていたスーツ姿であり、二人同様歯と耳を尖らせていた。

目は元々金色だったので、変わっていないように見える。

 

「説明は終わった?」

「おう。…ネクタイ曲がってるぞ」

「おっと」

 

ネクタイを直し終えると、「行こう」とクロウが言う。

 

玄関で先程の靴を履くと、差し出されたクロウの手を取って、未来は屋敷の外に踏み出した。

 




やっと屋敷から出るよ!此処まで長かった!

~君月未来~
あざとかわいい。
今回の服装は、結月ゆかり 穏の服から、腰の緑の円盤を無くし、花を一寸小さくして、腕輪を外して、ヒールを低くしたものに、鏡音リンappendのような、少し膨らみのあるタイプの短パンを穿いている。上のミニワンピからギリギリ見えるぐらいの丈。
花の髪留めはそのまま。
アリス役は終わりなので白ウサギに。

~ギャリー~
同居人と中々くっつかない為、周りからじれったいと思われている。
チェスでクロウに勝った際、没になったり残っていた試作品を着せて写真を撮った。

~クロウ・アーキマン~
長らくズボンで過ごしてきた為、スカートを穿いたことは数える程度しかない。
屋敷の住人に可愛らしい服を着せるのが楽しみだったが、最近は皆着てくれない。
靴は村の外の物を纏めておく倉庫から、朝の内に移動させておいた。

~アルトリア・ペンドラゴン~
アーサー・ペンドラゴンの正体。小さい頃名乗っていた、双子の兄の名を再び借りている。
第一位始祖代理で目立つので、出来るだけ印象を変えようとした結果。
移動に村の住人が数人必要なのでついていく。

~奥村燐~
何時もと違う言動をするのが一寸楽しい。
移動に村の住人が数人必要なのでついていく。
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