当小説では高校生位ってことにしといて下され
小さい頃レ〇ブロックで理想のおうち作りしてたなぁ
追記:5000UAありがとうございます!
中に入ると、玄関の先に引き戸が一つ。脇には靴箱だろう、戸棚が幾つかある。
扉を潜ると、そこは広いリビングダイニングだった。
言われた通り、大きな窓の前にテーブルとシンプルなデザインの椅子が置かれている他は何も無い。
手前側には、トイレに続く扉が一つと、壁に出来たへこみに棒が渡され、木製のハンガーが幾つか掛かっている。外套掛けだろうか?
正面には、何人かで作業できそうなキッチンと、奥へ続く通路が見える。まだ冷蔵庫は設置されていないようだ。
右側の壁と通路の先には同じ扉が並んでおり、突き当たりは窓になっている。
「おー…!」
「広いねー!」
後から入ってきた優一郎達も感嘆の声を上げる。
燐とアルトリアは外で待っているらしい。
未来の機嫌も直ったようだ。
「えっと、こっちの壁と、通路の扉は全部個室。
広さも殆ど同じ筈だな。
風呂と洗面所は通路の方なー」
最後に入ってきたクロウに言われ、刺さっていた鍵を回して抜き、手前の個室を開いてみる。
ベッド以外の家具がない為、とても広く感じられた。
洗面所の方は扉がなく、多人数での使用を想定しているのか、鏡、洗面台、湯船が大きめに作られている。
洗濯機を置くだろうスペースは空いていた。
「全部引き戸なのは、怪我防止とスペース節約だね。
…うん、じゃあ俺は一寸お先に失礼するわ」
そう言って、クロウが玄関から出て行った。
残されたシノア達はどの個室を使うか話し合っている。
「何方か希望のある方はいらっしゃいますか?」
「特にないよ」
「ないな」
暫く協議した後、じゃんけんで勝った人から奥に詰めることになった。
結果、通路左の洗面所側が、奥から優一郎、未来、右側の奥から士方、シノア、与一、ミカエラ、三葉、鳴海の順で入るようだ。
それぞれの荷物を部屋に置いて、食卓に座り魔法について話して待つ。
「何なんでしょうね、魔法って…」
「体質、とも言っていたが違う物なのだろうか?」
「未来、他になんか魔法見たりしたか?」
「えっと、待って。
燐とアルトリアに話して良いか聞いてくる」
そう言って未来が席を立ったとき、耳慣れない音が鳴る。
呼び鈴だと思い、近くに座っていた鳴海が玄関を見ると、扉の横に付けられたベルが独りでに揺れていた。
音の止まったベルをよく見ると、繋げられた棒が柱を貫通しており、外から揺らせるようになっているのだろうと予想する。
足音に気付いたのか、磨り硝子の向こうから燐の声がする。
「未来の兄貴治せる奴が来たぞー、開けてくれー」
「あ、ああ。今開ける」
扉を開けると、燐と、その後ろに赤い髪の青年が居た。
黒縁のメガネを掛け、大人しそうな顔をしている。
「入るぞ」
「お、お邪魔します」
鳴海が二人を連れてリビングに戻ると、青年が口を開く。
「僕は入江正一。
えっと、君月士方君って……」
「俺だ」
正一を見た未来が燐に尋ねる。
「燐、ロマン先生じゃないの?」
「ああ、病気じゃなくて怪我だからな。
分担してんだよ」
答える燐の後ろを通り、正一が士方の横で膝をつく。
「治癒するから、怪我を見せて貰って良いかな…?」
「…おう」
要求を受け、士方が服を捲り上げる。
三葉の手を借りて包帯を取ると、グレンに貫かれた傷が現れた。
簡単に縫われてはいるが、それが傷の痛々しさを増している。
「うっ……」
怪我を見るのが苦手なのか、口元を押さえて正一が呻く。心なしか顔色も悪いようだ。
「あんた、大丈夫か…?」
「…うん、大丈夫。先に抜糸……いや、鋏ないな……燐君に燃やして貰うか?……いやそれだと灰が……ぅわっ!?」
不安そうな士方の声に覚悟を決めたのか、真剣な顔つきになる正一。
ブツブツと呟いていると、三葉に肩を叩かれる。
「ああ、すまない。驚かせるつもりは無かったんだ。
抜糸なら私がやろう。鋏は持っている。」
どうやら部屋の荷物から取ってきたようだ。
三葉が腹側と背中側、両方の抜糸をする。
士方は顔を顰めていたが、妹の手前とあってか声は漏らさなかった。
「未来さん、あまり見ない方が良いですよ?」
「…お兄ちゃんはずっと病気の私を見ててくれたから。
私もちゃんと見てるよ」
「──そう、ですか」
シノアの忠告にそう返す未来。
隣に居た燐が、無言でくしゃくしゃとその頭を撫でていた。
抜糸が終わると、再び正一が士方の前にしゃがむ。
「じゃあ、熱くは無いと思うから、じっとしててね」
そう言って正一が傷を見つめる。
すると、傷口が突然黄色い炎に包まれた。
「!」
「…士方、熱くねぇの?」
「熱くはないな。カイロ当ててるみたいな感じだ」
君月は少し驚いただけで、苦しむような様子はなかった。
「正一はな、『怪我を燃やす』魔法が使えるんだよ。
他の魔法で怪我をどうにかすると、魔法を使う奴か使われる奴の寿命が削られて、すっごく速く治るだけなんだけどな?
この炎で焼くなら削られるのは魔力だけだからさ。」
だからロマンではないのだと、燐が未来に言う。
正一に目を戻す燐は、まるで眩しい物を見ているように未来には見えた。
炎が燃え尽きると同時に正一が尻餅をつく。
「っはぁ…終わったよ」
「お疲れ、正一」
燐の手を借りて立ち上がった正一の宣言に、士方は傷口のあった所に手をやるが、刀傷は何処にも無くなっていた。
「おお、すっげぇ」
「痕もないよ…!」
見ていた優一郎と与一もペタペタと触ってみるが、違和感は感じられない。
「お兄ちゃん、もう怪我大丈夫?」
端で見ていた未来が士方に問い掛ける。
「…ああ、心配掛けてごめんな」
「ううん、良かった」
頭を撫でられつつ告げられた答えに、未来は心底安心した笑みを見せた。
「あの、ありがとうございました」
「え、あ、うん。どういたしまして」
正一に近づいたシノアが礼を言う。
相手が面識の無い女性だからか、正一はオドオドとしてしまっている。
「治療費とか、如何すれば良いのでしょうか」
「あ、それなら大丈夫。
今回はクロウさんの依頼だったから、向こうから貰うよ」
「!そうなんですか」
「…もしお礼がしたいって言ってくれるなら、冷蔵庫とか僕の所で買って欲しいな。
本業は機械技師なんだ」
「…わかりました。
燐さん、案内の時に連れて行っていただけますか?」
「あ、だったら正一送る序でにそっから行こうぜ。
もう士方もガンガン歩き回れるだろ?」
「おう」
「うし、金持ったら出発な」
そう言って燐は正一を連れて玄関から出て行く。
シノア達は茶封筒を持ったのを確認して、それに続いて表に出て行った。
寸法適当ですが見取り図どうぞ
【挿絵表示】
~入江正一~
滅多に大怪我するような人が居ないので、普段はのんびり農作業と機械いじりしてる。
外見は家庭教師ヒットマンREBORN!の入江正一の十年後の姿。
大学を出てブラック企業に入ってしまい、出張で近くに来たときに樹海に立ち入る。
幻覚だと思って、薬草取りに来ていたクロウに身の上話をした所、「じゃあうちの村でのんびり暮らさない?」と誘われ入村を決意。
会社を辞め、周囲には「富士山の近くで雇われた」と説明し、村と外を行き来する買い出し係になる。
村のバイク好きの青年と意気投合し、二人で機械整備の店を開いている。ここに士郎を加えると、弄れない機械はほぼ無くなる。
魔法が発現して以降は外見の変化が止まっている。実年齢は三十代。
さん付け君付けちゃん付けは外見年齢で変える派。
~君月士方~
ようやく完治。
声を出さなかったのはお兄ちゃんの意地。
妹と被るからと士方呼びされるようになった。
~君月未来~
彼女個人のお悩みはこれでほぼ解決。
兄達より一寸だけ魔法に慣れてる。
~鳴海真琴~
呼び鈴が鳴った際、一応警戒して未来を止めた。
一番の目的は生き延びる事だが、家族となったからには守らねばという気持ちもある。
~柊シノア~
お財布の紐握ってる。
自分の家と違って士方さんの家は仲良いなぁとか思ってる。
~三宮三葉~
男前女子。縫ったのも多分彼女。
縫い跡が残らなくて良かったと思っている。
~早乙女与一~
これで家族全員全快なので安心。
飛び付いたりするのでスキンシップ嫌がらなそう。
~百夜優一郎~
ぶっ倒れた時凄く心配したので、回復して一安心。
何かと触って確かめたがるタイプ(偏見)
~百夜ミカエラ~
吸血鬼なら簡単に回復するのに、と思った。
優一郎達がまた闘うと言うなら吸血鬼のままの方がいいかな、と考えている。
~奥村燐~
炎の扱いを正一に教えたことがある。
自分の炎と違って治すための炎というのが少し羨ましい。
未来を見て、自分の弟を思い出していた。
~クロウ・アーキマン~
村の見廻りと、吸血鬼クロウとしての外廻りが普段の仕事。
村と名乗ってはいるが、規模がもっとでかいので時間が掛かる。