俺が普通に暮らす為の村作り   作:燈祁

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村の紹介中々進まん…
そろそろ期末なのでゆっくり進行です

村の市場とか建物は狼と香辛料みたいな感じをイメージしていただければ良いですかね…
服はそれぞれ作りや時代が違うけども。

追記:燐のマテリアル少し追加しました
追記2:三話迄誤字・抜け字訂正しました
追記3:紙皿→包装紙



出来るだけ安く

アルトリアと燐について行くと、段々と人通りが増えてくる。

どうやら市場は村の中心にあるようだ。

 

「お前等なんかアレルギーとかある?」

「いえ、特にはありません」

「そーかそーか」

 

先程から何故か燐とアルトリアは機嫌が良い。

何かに気付いたのか、未来が燐の服を引く。

 

「燐、もしかしてまたご飯作ってくれるの?」

「おー、何作るかは売ってるもん次第だけどな!」

 

やったぁ、と未来が喜びの声を上げる。

 

「お兄ちゃん、燐のご飯はすっごく美味しいよ!」

「そうなのか?それは楽しみだな」

 

妹に甘い士方はそう言って微笑んでいるが、他のメンバーは少し違った。

 

「へー、あんま料理とかするようには見えねーけどな」

「てっきりこう、適当に作って『質より量!』とか言う派だと思った」

「お前等言ったなー?俺の飯食ってその旨さに驚きおののくがいー!」

 

優一郎達の言葉にそう返して高笑いをキメる燐は、とても年上には見えなかった。

実年齢を気にしないこの村らしい光景である。

 

辿り着いた市場は、村の中心に相応しい賑やかさだった。

売られている物は青果、パン、アクセサリー、肉、クレープ、陶器、服、魚等多岐に渡る。

包装紙などの消費を抑えるためか、パン等はその場で食べるか、持参した容器に入れて貰うようだ。

 

「……武器屋、か」

 

食料品店を回る燐が「二十分くれ、材料買ってくるからこの辺好きに見てろ」、と言い残した為、シノア達はアルトリアと共に市場を見て回っていた。

そんな中真琴が見付けたのは、剣や銃など、明らかに殺傷能力のある物を集めた店だった。

武器の横には林檎が並べられており、些かアンバランスな見た目である。

 

「おや、君は新入りかい?」

「は、はい!」

 

ライフルを興味深そうに見詰めていた与一に、店主らしき青年がおっとりとした口調で声を掛ける。

明るい茶色の髪と緑がかった黒い瞳を持っており、穏やかな微笑みを浮かべていた。

見たところは真琴と同じ位の年齢に見える。

 

「店主、この武器は何のための物なんだ?」

「狩猟用、又は護身用だよ。吸血鬼やらヨハネの四騎士やら、外は危ない事が沢山あるからね。

そのまま使う人も居るけど、魔法を『武器の力だ』って誤魔化すために持って行く人も多いんだ」

 

ナイフを磨きながら答えてくれる。

外に行く人間がそれなりに居る、と言うことだろうか。

 

「ああ、こんにちは、ソウジ」

「やあ、アルトリア君」

 

隣の店の装飾品を見ていたアルトリアが、店主に声を掛ける。

 

「ミライ、彼は昨日食べたあの林檎を作っている方ですよ」

「そうなの?……お兄さん、林檎とっても美味しかった!」

「おや、どうもありがとうお嬢さん。頑張って育てた甲斐があったよ」

 

どうやら未来は並んでいる林檎を食べたことがあるようだった。

 

「村に慣れるまでは余り外に出ないだろうし、今の君達には武器は要らなそうだね。

お嬢さんに気に入って貰えた記念に、林檎はお安くしとくよ」

 

にっこりと人の良さそうな笑みを浮かべる店主。

商売上手、はたまた年の功か。

 

「ソウジ、今日は私達の奢りなので。林檎を十個程いただけますか?」

「はぁい、袋は貸した方がいいかな?」

「ええ、一つお願いします。今日中に返しに来ますね」

 

値引きされた林檎を自分達の分まで上手く購入したアルトリア。

交渉事には慣れているようだ。

 

「おーい、お待たせー!」

 

通りの少し先を、大きく膨らんだ布製の袋を掲げながら燐が駆け寄ってくる。

大きさからするとかなり重そうだが、軽々と持ち上げていた。

 

「ではソウジ、ありがとうございました。皆さん、行きましょう」

「お兄さん、ありがと-!」

「ふふ、どういたしまして。またどうぞ」

 

ヒラヒラと手を振る店主に背を向け、燐と合流する。

 

「燐、材料は揃いましたか?」

「応!何作るかはお楽しみだ!」

「ええ、楽しみにしておきます。皆さん、私達の家に移動しましょう」

「近場なのですか?」

「───あれだよ」

 

シノアの質問に燐がその指で指し示したのは、村の北側にある、一際大きな屋敷だった。

 

「彼処が俺達の家だぜ」

「……かなり大きいな」

「お兄ちゃん、燐達のお屋敷はリビングがとっても広いんだよ。廊下も長かった!」

「へぇ、それは凄いな」

 

感想を聞く君月の横で、与一が気付く。

 

「彼処らへんのだけ二階建てなのかな」

 

此処まで村の中で自分達の見てきた建物は、大半が一階建てだった。新たな自宅も例外ではない。

 

「この村の北端の建物であり、最初期の家々ですからね。

何度か建て替えられていますが、日の光を遮る位置ではないので二階建てのままなのです」

 

そうアルトリアが説明する。

最初期、と言うことは、村長を名乗るクロウもその中に住んでいるのだろうか?

 

そうミカエラが考えていると、優一郎の声が聞こえる。

 

「な、早く行こうぜ!俺もう腹減った-!」

「──うし、んじゃあ、俺に付いてこいっ!」

 

そう言って燐は屋敷へと歩き始める。

昼食への高まる期待と共に、シノア達は村長の家に向かったのだった。

 




~軸川ソウジ~
武器商人及び林檎農家。
外見はファイ・ブレイン神のパズルの軸川ソウジ。
見た目年下は性別に関わらず君付け(本家女子の呼び方覚えてませんので勘弁…)
幼少期から林檎が好きで、「林檎の木から林檎の木へ転移する」魔法、つまり限定的なテレポーテーションを発現しており、こっそり色々なところへ遊びに行っていた。「透明化」の魔法も無意識に行使していたため、誰にも気付かれず様々なところを見て回った。
村にも何度か転移しており、クロウから村の端の土地を貰って林檎を育てていた。
村への出入りの影響から、他の魔法使いほどではなかったものの、外で暮らしているときから老化は遅くなっていた。現在は他の魔法使いと同じく殆ど止まっている。
世界が滅んでからは、置き去りにされた武器などをこっそり集めたり、外に用があった人が拾った武器を買い取っては村で売っている。
元々商品の値段を高めに設定しており、自作のパズルを解けたら値引き、とすることが多い。
戦闘能力自体は低いため、第一位始祖の部下として咄嗟に振る舞うことはあるが、正式に役を当てられる事は無い。

~鳴海真琴~
武器が売っているのを見て、ここも完全に平和というわけではないのか、と思った。
一応全員護身用に小型のナイフは持っている。

~君月未来~
久々に食べたものである林檎の印象が強く残っている。
自分でも育ててみたい。

~君月士方~
妹と一緒に外を歩いている、というのが嬉しい。
対応が甘い。

~百夜ミカエラ~
クロウについて余り知らなかったんだな、と思っている。
多くの人で賑わっているところを見るのは久しぶりだった。

~百夜優一郎~
鬼呪装備以外の武器をじっくり見れて楽しい。
拳銃を見るのは初めてだった。

~柊シノア~
此処まででかなりの量のお裾分けをもらっているので、数日は買い物をしなくても済みそうでほっとしている。
アルトリアが割って入らなければ、出来た余裕分の金を林檎に少し使おうかと思っていた。

~早乙女与一~
元上司の鬼呪装備と店頭のライフルを比べていた。
装備を増やすなら銃だと考えている。

~三宮三葉~
装飾品を見ていたら、店員にそれは呪いがあるだの曰く付きだのと脅されてびびった。
後で冗談だと言われて安心したが、この村には本物もある。

~アルトリア・ペンドラゴン~
交渉関係は、昔旅をしていたときの経験から割と得意。
林檎は四つがシノア達用、六つが自分達用。
この村ではビニール袋は殆ど使われない。

~奥村燐~
材料を買い込んできた。
アルトリアと燐はシノア達と一緒に食べるよう言われていたので多目に買った。
グルグル見てたら高笑いさせたくなった。
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