俺が普通に暮らす為の村作り   作:燈祁

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投稿済みの読み返したら誤字も抜け字も改行ミスも大量でした…
少しずつ訂正してます

追記:アルトリアがリビングからでていった方向を修正しました。



出来るだけ啜らないで

屋敷までは案外近く、五分もせずに到着した。

正面右側には大きな玄関があり、丁度其処に人が入っていくのが見える。

 

「お、帰ってきたか」

「何方ですか?」

「未来の病気を治療した医師ですよ。シホウに詳しい話をしたいと言っていたので、昼ご飯が出来るまでの時間に聞いてくると良いでしょう」

「分かった」

 

玄関に入ると、明るい色の髪をポニーテールにした男性と、金の混じった癖の強い髪を後ろで緩く束ねた少年が靴を仕舞っているところだった。

 

「む、おかえり、燐、アルトリア」

「ん?ああ、おかえりなさい」

「たっでーまー」

「ただいま戻りました」

 

挨拶から、彼等もこの屋敷に住んでいるのだろうと予想が付く。

 

「お邪魔します」

「ああ、いらっしゃい。

ボクの名前はロマニ・アーキマン、ボクもこの家に住んでるんだ。どうぞゆっくりしていってね」

「ありがとうございます」

 

男性の方は、話し方から緩い印象を受ける。

 

「ゲーティア、私はおかえりじゃないの?」

「未来はもう兄君と住む家が帰る場所だろう。此処は友人の家とでも思えば良い」

「…ふふ、そうだね、ゲーティアの家だもんね!」

「……ああ」

 

未来にゲーティアと呼ばれた少年は、先程よりも表情が和らいでいる。

未来が「おかえり」、と言われる可能性があったということは、治療の間は此処に居たのだろうか。

 

「お前等はアルト達にについてって手ぇ洗ってこい。あ、真琴はこっちな。それ一旦冷蔵庫に入れとこうぜ」

「ああ、助かる」

 

真琴は燐と共に暖簾を潜っていった。

残された七人はアルトリア、少年、ロマニと共に反対側の廊下を歩く。

その間、未来は少年に外の様子を語っており、少年は時折相槌を打ちながら静かにそれを聞いていた。

 

「うわ、広い」

 

与一が思わず声を漏らす。

洗面台の正面には大きな鏡が張られており、蛇口は二つついていた。

 

「前は蛇口一つだったんだけど、朝とか足りなくてねぇ」

「タオルは、そうですね……此処に新しく掛けましたので、皆さんは此方をどうぞ」

「ありがとうございます」

 

後が詰まっていることも有り、さっさと手を洗う。

 

洗面所を出ると、ロマニが「えっと、未来ちゃんのお兄さんって誰かな」と問い掛けてくる。

 

「俺だが」

「ご飯出来るまで一寸お話ししたいんだけど、良い?」

「ああ。……兄ちゃん一寸行って来るよ」

「うん、いってらっしゃい」

 

未来に微笑んでから、士方はロマニについて角を曲がって行った。

 

「我々は先にリビングに行きましょう」

 

アルトリアに案内され、先程真琴が潜った暖簾を抜けてリビングに向かうと、キッチンで手を洗ったのか、既に真琴が食卓に着いていた。

エプロンを付けて忙しく動いている燐の様子から、まだ調理は始まったばかりのようだ。

 

「士方は如何した?」

「彼なら治療の説明を別室で受けていますよ」

「そうか。何処に座れば良いか聞かなかったのだが、席を移動した方がいいだろうか?」

「いえ、特に決まっていませんので構いませんよ。……席が足りませんね。椅子を出してきます」

「手伝うぜ」

「いえ、一つだけですし、スーツを掛けてくる序でなので大丈夫ですよ。ありがとうございます」

 

アルトリアは優一郎の申し出を断ると、燐が椅子の背に掛けていた背広を取って、玄関側に出て行った。

残されたシノア達が席に着くと、少年が口を開く。

 

「まだ自己紹介をしていなかったな。私はゲーティア。君月士方を連れて行った男の使い魔だ」

「使い魔、ですか」

「ああ、人と余り変わらないがな。助手のような物だと思ってくれれば良い」

 

平然としているということは、未来は知っていたのだろう。

 

「未来と兄君以外は後であの医師の面談があるだろう。……クルル・ツェペシについて聞きたければその時に聞くと良い」

「…ああ」

 

唯一吸血鬼の特徴を持っているため見分けられたのだろう、ミカエラを見据えてそう言った。

 

暫くしてもう一つの入口から椅子を持ってアルトリアが戻ってきたのとほぼ同時に、玄関側からもう一人入ってくる。

 

「あれ、ウチで食べることになったの?いらっしゃい」

 

私服なのだろう、長袖シャツとスウェットという出で立ちにはなっていたが、その人物は先刻シノア達に山崎退と名乗った男性だった。

ウチと言うことは、彼もこの家の住人なのだろう。

 

「お邪魔してます」

「あ、これはご丁寧にどうも…」

 

シノアの言葉にしっかりと返してくる。

いきなり現れた時の不信感がなければ、にこやかで礼儀正しい青年、といった印象を受ける。

 

「アルト、退、出来たの持って行ってくれ!」

「はいよー」

「今行きます」

 

いつの間にか料理は出来上がっていたようで、配膳を手伝おうとシノア達も立ち上がり掛けるが、「客人なのだから座っていて構わない」と水を配り終わり、フォークとスプーンを取ってきたゲーティアに止められた。

配膳が終わる前に、ロマニが士方を連れてリビングに現れた。

 

「お兄ちゃんおかえりなさい!」

「ただいま、未来」

「わ、もう出来るところだったのか。良いタイミングで戻って来れたねぇ」

 

二人が席に着くと同時に、燐も自分の皿を持って空いた席に座った。

 

「今日のメニューは俺特製ナポリタンでーす!どーぞ召し上がれ!」

「「「「いただきます」」」」

 

フォークとスプーンでパスタを巻き取る。

この家の住人や、シノア、三葉、真琴はスプーン無しで巻いているようだ。

 

「……!……」

 

一口食べた後、無言でパスタを口に運んでいく。

シンプルだったがコクがあり、軍で食べていた料理よりも美味しく感じられた。

 

あっと言う間に全員が食べ終わり、それぞれの「ご馳走様」に燐が返事を返していく。

 

「燐舐めてたわすっげぇ旨かった!」

「量も質もだった!」

「だろー?」

 

先程燐を疑った二人は素直に燐を褒めている。

 

「あの、一寸良いかな」

 

ロマニがシノアに話し掛ける。

 

「何でしょうか」

「えっとね、士方君と未来ちゃん以外は、カルテを作る為にボクと面談して欲しいんだけど、キミからでいいかな?」

 

どうやら近くに座っていたから声を掛けられたらしい。

 

「わかりました」

「ありがとう。じゃあ、客室があるからそこで。他の子達は此処で待っててね」

 

そう言ったロマニと共に、シノアはリビングを出て行った。

 




次回は士方も含め各々の面談の様子になります。会話多め。

屋敷の見取り図

【挿絵表示】

本文との矛盾は多分無い筈。寸法は適当です。
え?こんな建物実際建てられない?
魔法で補強してるんですよきっと……

~奥村燐~
外国に居た時間が長いため、洋食が得意。
人数が多いので材料を余分を持って買っていた。

~アルトリア・ペンドラゴン~
おかわりを三回はしている。
スーツにケチャップを飛ばすミスなんてするわけがなかった。

~ゲーティア~
未来と同じ位の年に見えるが、大分落ち着いた雰囲気を見せる。
何時か見送るのだとしても、友人が増えることは嬉しい。

~君月未来~
年上だろうとは思うが、本人が良いと言っているし、とゲーティアを友人認定した。
彼と話すのは楽しい。

~君月士方~
知らないうちに妹に異性の友人が出来ていて戸惑っている。

~百夜優一郎~
思っていたより燐が料理出来るタイプで驚いた。
見た目の年齢が余り変わらないからか、気安く接している。
多分この村に馴染むのが早い。

~早乙女与一~
思っていたより燐が料理出来るタイプで驚いた。
優一郎同様、余り見た目の変わらない燐に余り気負わない。

~百夜ミカエラ~
クルルの話を早く聞きたい。
「強引に治療する」、のがどんな方法か気になっている。

~柊シノア~
あんなに警戒していた退がいい人そうで少し申し訳ない。
村などの様子から、誘いを受けて正解だったと思っている。

~三宮三葉~
ロマニを見てこんなふわふわしたのが医者なのか?と思った。
ロマニとゲーティアが似ていることに気付いている。

~鳴海真琴~
結構荷物が重かった。
荷物を仕舞った冷蔵庫の大きさから、あと数人は住人が居るだろうと思った。

~ロマニ・アーキマン~
ゆるふわ系医者。
この村は自宅療養が基本で、丁度往診から帰ってきた所だった。

~山崎退~
シャワー浴びて着替えて部屋でゴロゴロしていた。
そろそろ昼ご飯かな、と思ったので二階から下りてきた。
外国に長く居たわけでは無いが、色々な国に行ったときに、不自然に目立つことのないよう其処のマナーをきっちり守れるようにしている。
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