センター終わったと思えば定期試験とA日程………次話も大分遅れてしまうと思います……
9000UA、60お気に入りありがとうございます!
追記:タグに入りきらなくなってしまったので作品名は粗筋に入れます
追記2:マテリアル内の 髪に触れた→髪に触れることで 黒い鼻眼鏡→黒塗りの鼻眼鏡 に修正
追記3:三葉→真琴の呼び名を鳴海→真琴さんに変更
追記4:キャラ紹介に「髪に」を追加
村の西、森にほど近い場所にその建物はあった。
アルトリアはここが石鹸やシャンプー、トリートメントを売っている店だと言うが、サインポールと共に掲げられた看板には堂々と「因幡探偵事務所」と書いてあり、優一郎達を困惑させる。
「アルトリアさん、あの、本当に此処なんですか?」
「ええ」
カランカランとベルを鳴らして入店すると、花か何かの良い匂いがする。
部屋の左手にはバーバーチェアが二つ鏡に向かって設置され、右手側には机と幾つかの椅子、棚には石鹸なのか、紙に包まれた掌より少し大きいだろう物が並べられていた。
右手奥側にはカウンターと、店の後ろ、住居スペースに繋がるだろう扉があり、カウンターの椅子には店番なのか、癖のある金髪を後ろでくくった少年が座っている。
彼は来客に気付くと「いらっしゃい」と言いながら席を立ち、此方を一瞥すると馴染みなのか燐に話しかける。
「奥村さん、コイツらが噂の新入りですか?」
「おう。石鹸とかシャンプー、あと洗剤とかも見繕ってやってくれるか?」
「わかりました。オーダーメイドじゃなくて良いですよね?もう一寸したら洋が戻ってくると思うんで、先に他のやります」
目つきはキツいが礼儀正しい少年のようだ。
洋、とは他の従業員の名前なのだろうか。
「今ウチの所長は外行ってて、髪関連はそっち担当だから後回しになります。先ずは石鹸のサンプル出すんで、そっち座ってて下さい」
そう優一郎達に指示を出すと、カウンターの裏から木箱を取り出して持ってくる。
「石鹸の香り付けに使ってる精油とか粉とかです。どれも製法は一緒なんで、アレルギーとかないなら香りでどれが良いか決めて下さい」
箱に並べられた小瓶にはコルクで軽く蓋がされており、それぞれ「バラ」「ツバキ」「ラベンダー」「コーヒー」「柑橘系」「茶」「紅茶」などのラベルが貼られていた。
先程感じたのはこれらの香りが混ざったものか、と納得する。
それぞれ小瓶を手にとって香りを嗅いでみていると、因みに無いのはこんな感じ、と言って少年が棚の包みを一つ開けてくれる。
「香りはないけどその分柄付けてるんで、値段は変わらないです」
中の石鹸は淡い黄色だったが、中心に鮮やかな赤で紅葉があった。
どうやら金太郎飴のような作りらしく、直方体の裏側にも紅葉は描かれていた。
村の外で使われているものと多少違うが、石鹸らしい香りがする。
一緒に入っていたカードには原材料や使用時の注意、使用方法等が書かれており、見た限り拒否反応が出そうな物は入っていない。
数分後、それぞれが違う香りを選んでしまったため、最初だと言うこともあって無臭の物を、それと洗剤や歯磨き粉も購入することになった。
燐と話して優一郎達の現状を把握した少年は、洗顔用の石鹸も試供品として付けてくれるようだ。
「あの、お代は」
「ああ、シャンプーとかも買うんですよね?そっちと一緒に会計…」
「ただいまー」
店の裏、住居スペースの方から声がする。
「所長が帰ってきたみたいなので呼んできます。一寸待ってて下さい」
そう言うと少年はカウンターの奥に消えていった。
『おかえり洋、客来てるぞ。シャンプーとか見に来てる』
『マジで!?行ってくる!』
『あ、おい!初見さんなんだからビビらすなよ!?』
『わかってるって~!』
そんな会話が聞こえた後、奥から跳ねた赤髪に縁なし眼鏡の青年が出てくる。
「ようこそ!因幡探偵事務所、へ………そんなっ……髪、痛んでる…可哀想に……」
「うえっ!?」
挨拶をしたかと思えば、涙ぐみながらそれぞれの髪に触れて回って手入れがどうの色が良いだの硬さがどうだとのと言っており、理容師なのか探偵なのかそれともただの変態なのかと優一郎達が再び混乱すると、ビシッと音を立てて青年の頭にチョップが落ちる。
「いてっ」
「完ッ全にビビってんじゃねーか!先ずは接客、趣味は後!」
「だって閃、髪の毛がさ~」
「返事ッ!」
「はぁい」
後頭部を擦った彼は此方に向き直ると、改めて挨拶をしてきた。
「改めて、ようこそ因幡探偵事務所へ。俺が所長の因幡洋だ。こっちは助手の閃」
「どーも、影宮閃です。所長は探偵って言ってるけど、実態は何でも屋ですよ」
「いいだろー?探偵でも」
「一発でそうだって分かる奴は居ないから説明しなきゃなんだよ!」
嗜め方から普段もこういったやり取りをしているだろうと窺える。
恐らく敬語の外れた口調の方が少年の素なのだろう。
「で、シャンプーと…トリートメントもいる?」
「お、お願いします」
「カットはする?」
「洋、今日来たばっかで生活用品だけ揃えて回ってるらしいからやめとけ」
「そうか、残念だな……あ、蜂蜜の匂いって平気か?」
「はい、大丈夫です」
「オッケー」
そう言うと壁際の棚の下部の引き出し──先程閃が洗剤や歯磨き粉の入った容器を取り出した所の隣──を開き、中から硝子製のシャンプーボトルを二つ取り出して机に置く。
「蜂蜜主体のシャンプーとトリートメント。使い方はこっちの紙な」
先程見た石鹸の物と同じ装飾のカードが二枚渡される。
此方の成分も問題無さそうだ。
「初めてって事で、ボトルはサービスだ。次からはこれ持ってきてくれれば新しいのや違う種類の作って入れるぞ」
この店の商品は洗って繰り返し使用しやすいように硝子製の容器を使用しているらしい。
「なあ、ここって結局何屋なんだ?」
シノアがお代を払っている後ろで、優一郎が燐に尋ねる。
「便利屋兼床屋兼石鹸屋?」
「なんだそれは」
「因幡本人としては便利屋じゃなくて探偵業らしいし、後の二つは趣味の範囲らしいぞ」
「趣味で店を開くのか……」
「すごいね」
そう話している男性陣の目線の先では、シノアを除く女性陣がキャッキャウフフと棚の石鹸を見ている。
飾り石鹸もあったのか、時折手にとって眺めているようだ。
「……ねぇ、便利屋……探偵って稼げるの?」
「ん?ああ、畑の手伝いやら薬草探しやらの肉体労働ばっかりだし、それなりに数がありますから」
ミカエラは探偵業に興味を持ったのか、女性陣に軽い説明を終えた閃に話し掛けている。
「人は足りてるの?二人でやってるみたいに聞こえたけど」
「バイト雇ってるんですよ。お客さんもやります?歓迎しますよ」
「え、いや……一寸考えさせて。…僕以外にもバイトの話教えても良い?」
「どうぞ。ただ人数が多くなれば面接かなんかで落として減らしますけど」
「わかった、ありがとう」
と、丁度そこで支払いが終わったようだ。シノアが女性陣に声を掛けている。
「そっちは何も買わなくて平気か?」
会計をしていた洋が燐に尋ねる。燐達はここの常連なのだろうか。
「うんにゃ、今日は足りてる。もう数日したら来るわ」
「わかった」
「商品が肌に合わなかったらまた来て下さい、一寸値は張りますけどオーダーメイドとかできるので。あと畑のわからない所の指導とか手に入れたい品物の店探しとかがあれば是非依頼して下さい」
「髪切るときは来てくれ、手入れもきっちりして完璧なキューティクルに仕上げてやるから!」
という二人に見送られて店を出る。
硝子容器同士がぶつかるといけない、ということで商品は手分けして持った。
「アルトリア、次は何処に行くのだ?」
「次は布団を買いに行きましょう。鳥にアレルギーがある者は居ませんね?」
「あぁ……いや、ミカエラ、真琴さん、未来、鳥アレルギーはあるか?」
「「「無いよ(ぞ)」」」
「うん、大丈夫だそうだ」
「いいでしょう。では出発です」
そうして、一行は村の中心へ向かう道から一本外れた小道を歩いて行った。
石鹸とかの手作りについてある程度調べたけど正確ではないと思います、あんまり信用しないで下され。
材料の調達についてはその内書きます。
~君月未来~
飾り石鹸は初めて見た。
香り付けはりんごの皮希望。
もうりんご好きキャラで通す。
~百夜ミカエラ~
バイトの件で即答しなかったのは人間に戻る際に死ぬかもしれないこと、強くなるのに掛ける時間の事があったため。
優一郎達に話して他の面子に行って貰うべきかと考えている。
~因幡洋~
探偵事務所所長兼理容師兼シャンプー・トリートメント職人。
外見はキューティクル探偵因幡の因幡洋。
年に関わらず知り合いは苗字、名前、あだ名で呼び捨て(呼びやすいのを選ぶ)。
「人狼」体質(「不可視の人狼」とは別物)であり、髪に触れることで相手の情報・記憶を知ることが出来る。
情報の取得を快感として感じるため髪フェチに。
当小説だと髪色何でもありなので変身後の特殊能力は無くなっている。
物心ついた頃には人間の母親と二人、人狼であることを隠して街で暮らしていた。
父については人狼であったこと位しか教えられなかったが、亡くなった母親の遺髪から記憶を読んだ際に名前や外見は把握している。
警察として働いていたところを「いずれ住みづらくなる」とクロウ達に誘われ、外見の変化が止まってしまっていたことも有り村に移住。
その際能力を捜査に生かすため唯一人狼であることを明かしていた相棒の警部に貰った首輪は保護の魔法を掛けた上で今でも付けている。
村に移住してからは探偵業を営むが、以前行き倒れていたのを拾って少しの間世話を焼いた赤い髪に黒塗りの鼻眼鏡の青年が旅費稼ぎにやっていたものを見本にしたため実質便利屋である。勘違いとわかった今も名称は探偵のままである。
閃の事は自分と同じような体質と言うことも有り弟として可愛がっている。
ツンデレにもめげない。
好みの髪質(黒髪ストレート)が居なかったためシャンプー払いについては言わなかった。
士郎がバイトしてるのはここ。
~影宮閃~
探偵事務所助手兼石鹸職人。
外見は結界師の影宮閃。
同年代、年下、家族は名前呼び捨て。それ以外はさん付けで敬語を使うようにしている。
幼少期に両親と死別、引き取られた先で先祖返りの「化け猫」体質を発現、多少心を読めた為森に捨てられた。
森を彷徨っている所を燐に保護された後、相手の情報を知ることの出来る体質持ちとして洋に引き合わせられる。
現在は兄弟として洋と二人で暮らしているがツンデレなので慣れてない人から見ると嫌ってるように見えるかもしれない。
変態でどうしようもないけど弟として愛してくれてるのはちゃんとわかっている。
燐は「俺達はもう一寸伸びる筈」仲間であり恩人なので割と懐いている。
今回は未来が居たためチョップだったが、居なければ爪で額をさっくり刺していた(流血沙汰)。
兄がシャンプーやらを作っていた余りの材料で石鹸を作っていたらはまった。
女の子っぽい・金髪+ツッコミ・猫で因幡洋の助手を一人でこなせるという発想からこの立ち位置に。