Fate以外は出ないのかって?登場順が遅いだけでバンバン出る予定じゃよ!
…一話に既に居るしね…
未来が泣き止んだ後、ロマニは
「他の患者さんの所にも行って来る。また夕方会いに来るよ」
と言って出て行った。
未来は部屋に残り水差しからコップに水を注いでいる女性に声を掛けようとして、未だ名前を知らないのだと思い出す。
「あ…えっと、お姉さん」
「…ん、俺?そっか、名前まだだったっけ。クロウ・アーキマン。クロウ、って呼び捨てにしてくれて構わないよ。…未来ちゃんって呼んでもいい?」
「うん。…お兄さん、なの?」
苗字が同じ事より、一人称の方が気になった。
外見から女性だと思ったので余計に気になる。
「ああ、日本語を教えてくれたのが男の人でね。口調が移っちゃって。」
「直さないの?」
「今更だし、面倒だからね。旅行の時とか、変態に絡まれないから便利だったよ?」
差し出されたコップを受け取り、水を一口飲む。
ひんやりとして気持ちがいい。
クロウの方に目を向けると、フォークで林檎を刺して、空いた左手を更にして構えていた。
兄以外に食べさせられるのは流石に恥ずかしいので慌てて断る。
「じっ、自分で食べれるっ!」
未来は、自分で思っていたより大きな声が出たことに驚く。
クロウも驚いたのか、金色の目を見開く。
「そう?じゃあ、はい。どーぞ」
林檎が刺さったままのフォークを皿に置き、それごと渡される。
ベッドを汚さないように、横から足を下ろし、腰掛ける体勢になってから、「気にしなくていいのにー」と言うクロウからそれを受け取った。
固形物は久しぶりに食べる気がする。
揃えた太腿に皿を1度置いて、「いただきます」と手を合わせてから林檎を食べる。
小さい欠片だったはずなのに、噛む度に甘い汁が口の中に広がり、シャキシャキとした食感がべたつきを感じさせない。
ごくりと口の中の欠片を呑み込むと、自然と次に手が伸びる。
いつの間にか皿は空になっていて、少し残念に思う。
「ごちそうさまでした。」
「ふふ、お粗末さまでした。林檎半分丸っと食べれたね。美味しかった?」
言われた量に、そんなに食べられたのか、と驚きながら、こくりと頷く。
兄とマンションに二人で暮らしていた頃は、もう果物なんて腐った物しかなく、軍の施設では点滴で済まされていたのだ。
新鮮な果実が美味しく感じられるのは当然と言えた。
「よかった、コックさんに三時のおやつにも出してくれるようお願いしておくね」
そう言われた未来は、三時がとても待ち遠しくなり、時計を見ると、六時半を示していた。
ふと、水分を取ったからか、それとも時間を意識したからか、トイレに行きたくなってくる。
「えと、クロウ、トイレってどこ…?」
「あ、行く?一寸待ってね…」
そう言うと、彼女はベッドの下に隠れていたスリッパを引き出した。
「少し大きいかもだけど…」と言う彼女に「大丈夫、ありがとう」と断って、スリッパを履いて立つ。
久々に立ち上がったからか、少しふらついてしまい、クロウにしがみついてしまう。
予想されていたのか、しっかりと受け止められて、体勢を立て直す。
「手、繋いでいこっか」
「…うん」
恥ずかしさに少し顔が赤くなるが、転ぶよりは良いと思い、クロウに手を引かれて廊下に出る。
もう日は昇っていて、部屋正面に並ぶ窓からは、低い木の柵を挟んで、土が踏み固められた道に沿って、家と畑が日に照らされて続いているのが見える。
キョロキョロと見回すと、左右に見える廊下はそれなりに長く、家と言うよりお屋敷だ、と思う。
角にある扉の前で止まり、ドアノブに手を掛けたクロウから「一人で入れる?」と聞かれるので頷いて手を離し、ドアを開けて貰う。中には洋式のトイレと、固形石鹸の置かれた洗面台があり、動くのに充分なスペースが確保されていた。
トイレ用のスリッパが置いてあるのでそれに履き替えて入る。
後ろから「タオルも石鹸も好きに使ってねー」と聞こえた。
手を洗って外に出ると、クロウの横に、兄の士方と同じ位の年に見える、短い赤毛の青年がいる。
「大丈夫だった?」
「うん、大丈夫。…この人は?」
声を掛けてきたクロウに尋ねる。
「ああ、この人がコックさん。コックさんというか、家事全般を手伝って貰ってる。」
「初めまして、俺は衛宮士郎。この家で家政夫をやってる。…いや、お手伝いさんの方がわかりやすいか?食べたいものがあれば遠慮無く言ってくれ。」
目線を合わせてくれたその人に、「君月未来です、よろしくお願いします!」、と言ってお辞儀をすると、「ああ、よろしくな」と笑顔で返してくれる。
「アレルギーとか、苦手な物は無いか?無ければ朝食のメニューはとりあえず俺が決めるけど…」
「無い、お願いします」
「わかった。」
病気ではあったが、幸運にもアレルギーは無かった。
食べられないものがあれば、マンションの中で死んでいただろう。
遠くから男性の声が聞こえる。
「しろー!洗濯やっとくぞー!買い出し頼んだー!」
「わかったー!」
返事をした士郎は「もうそんな時間だったか」、と呟き、クロウと未来に「じゃあ、また後で!」と言って走り去って行った。
クロウと手を繋ぎ、部屋に戻ると、
「十時までは俺とお喋りしてもいいし、もう一回寝ても良い。本が読みたいなら、幾つか持ってくるけど…」
とクロウが言う。
未来は迷い無くお喋りを選ぶ。
未だ聞けていないことが残っている。
「此処は何処なの?」
「日本だよ。こっそり暮らすための場所だから、地図には載ってないんだ。」
「…ほんと?」
「ほんとだよ!どうして地図に載らなかったかは、お兄さんを迎えに行くときに実際に見せてあげよう!」
自慢げに言うクロウが出した言葉に、質問を重ねる。
「お兄ちゃんを迎えに行くって?」
「お兄さんはね、未来ちゃんが此処に…さっきのお医者さんの所に行ったって知って、働いてたところを辞めて、今は友達と一緒に暮らしてるんだ。病気が治ったら、俺と未来ちゃんで迎えに行くって言ってあるから、一緒に行こうね。」
「…お兄ちゃん、病気が治ったの、喜んでくれるかな」
兄の負担が減るのは嬉しいが、もう面倒を見なくて済むのだと、自分を置いて何処かへ行ってしまわないだろうか。
言葉に隠したはずの不安が見抜かれたのか、
「妹の病気が治って喜ばないお兄ちゃんお姉ちゃんは居ないよ。」
「…だと、いいな」
笑って告げられた言葉が、本当であって欲しいと、願う。
ずっと未来ちゃんのターン!
この村がメインの舞台なので、村の中に居る時の描写がどうしても長くなってしまいますがご勘弁を…
幼女のトイレシーンを描写するなんてサービス、この作品には無いよ!
~クロウ・アーキマン~
括られた長い黒髪に金目の女性。
余り胸が大きくないため、口調も相まって、スーツ姿を見た君月未来に男性と間違われかけた。
肌は白いが、顔立ちからは人種が特定できない。
外見は挿絵を参照のこと。
【挿絵表示】
今回は長袖Tシャツにズボンという、比較的体型が分かりやすい服装だった。
~衛宮士郎~
短く赤い髪に、金色の目の青年。
屋敷の家事は最早彼が居ないと回らない。
外見はFate/stay nightの衛宮士郎。
服装はいつものユニ〇ロTシャツ。
~君月未来~
起きたらなんか洋室に可愛い服着て寝てて吃驚した赤髪赤目の少女。
名古屋で暴走している間の記憶は殆ど無く、病室から実験室に移されてなんか痛いことされてたと思ったら森の中だった、という感じ。
誰かが名前を叫んでいた気がする。
没個性なRPG主人公みたいになってしまっていて申し訳ない。
お兄ちゃんと再会できたら、お兄ちゃん大好きっ子を前面に押し出される予定。
服装は、アニメ血界戦線のホワイトのワンピース。
此方も実験と暴走のことを気遣って、寝ている間にクロウが患者服から着替えさせた。