6月1日(水)
圭一「転校生?」
魅音「知恵先生が話しているのを聞いちゃってさ。今日来るらしいよ」
レナ「どんな子かな?かな?」
沙都子「男性らしいですわ。なので、圭一さんと同じ洗礼を受けて貰いますわよ!」
圭一「って、沙都子!お前、いつの間にあんなトラップを!!」
教室の入口には、圭一が転校して来た時と同じタライが落ちて来るトラップが仕掛けられていた。
沙都子「どんな転校生も私のトラップを受ける義務がありましてよ!」
圭一「そんな義務あってたまるかー!!」
教室が騒いでいると扉が開き、タライが転校生と思われる人物に直撃した。
???「キャッ!?」
沙都子「どうですか?私のトラップのお味は…え?」
そこには、転校生と思われる長髪の生徒が顔を俯けて泣いていた。
???「痛い…痛いよ…。うっ…うっ…」
知恵先生「誰ですか!?こんな悪戯をしたのは!!」
圭一は、とっさに声を上げた。
圭一「すみません!転校生が来るって聞いたので、悪ふざけのつもりで俺が仕掛けたんです!女性だと思わなかったので申し訳ありません!!」
知恵先生「前原君!二度とこんな悪戯してはいけません!わかりましたか!」
圭一「はい!深く反省しています!!」
圭一は、穏便に済ませようと沙都子のトラップを自分の仕業にして、深々と土下座をした。
知恵先生「反省したならいいです。皆さんにお話があります。前原君が先ほど言った様に、このクラスに転校生が来ました。…お名前言えますか?」
???「グスッ…。名前は夜白美影(やしろみかげ)と言います。宜しくお願いします…」
転校生は涙を拭いながら一番後ろの席に座った。
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授業が終わり、休み時間になった。
魅音が、転校生に声を掛けた。
魅音「やぁやぁ、本当にごめんね!さっきのアレはウチのクラスじゃ日常茶飯事でさ。美影ちゃんにはきつかったかなぁ~」
圭一「おい、魅音!タライが落ちるのを日常みたいに言うな!俺の頭が変形してしまうわ!!」
圭一と魅音が、ボケとツッコミで場の空気を緩和させたところで沙都子が謝りに来た。
沙都子「申し訳ございません!先ほどのは、私の仕掛けたトラップなんです!美影さんに痛い思いをさせてしまって…。私、反省しております!」
レナ「美影ちゃん…。沙都子ちゃんも謝ってるから許して上げて…」
美影に、沙都子が謝罪の意思を見せ、レナもフォローして許す様にお願いした。
クラス一同も彼女の事が気になり、その様子を窺っていた。
美影は、泣くのを止めて言葉を発した。
美影「大丈夫、大丈夫。気にしなくて良いから」
「「「えっ」」」
突然、美影の口から男性の声が発せられた。
そして、片手で自分の顔を隠していた長髪のカツラを取って素顔を晒した。
そこには、一目で男性と判る姿があった。
圭一「お、男!?」
魅音「ど、どういう事!?」
レナ「美影ちゃん!?」
沙都子「な、な…!?」
部活メンバー含むクラス一同は、美影の姿を見た瞬間に唖然となった。
美影「皆の反応見てて面白かったよ。ちなみに名前は美影じゃなくて御影。れっきとした男だよ」
魅音「へ…へぇ~。まさか、おじさん達を引っ掛けるなんてねぇ…。全然気づかなかったよ…」
魅音は、苦笑いしながらも感心した様に言った。
沙都子「まさか、この私が転校生に踊らされたって言うのですの!?」
御影「沙都子ちゃんの『許してくれなかったらどうしよう…』って言う顔、とっても可愛いかったよ!もっかい見せてよ!」
沙都子は、顔を真っ赤にしながら「覚えてなさい!」と言うと席に戻った。
休み時間が終わり、知恵先生が戻って来た。
知恵先生「あれ?美影さんは?」
御影「美影は僕で~す。知恵先生、騙してごめんね~」
御影は、美影の声で笑いながら謝罪を送った。
知恵先生「…自習にします」
知恵先生は、事態が呑み込めず頭を抱えて教室を後にした。
梨花は、ヘラヘラ笑っている御影を注意深く観察していた。