6月21日(火)
圭一と御影は、学校を休んだ。
沙都子「圭一さんの嘘つき~!今日こそはと思って楽しみにしてましたのにー!」
レナ「圭一君、やっぱり体調治らなかったんだ…。でも、御影君まで休むなんて…」
魅音「確かにね~。もしかしたら、御影はズル休みかも!」
三人は、同時の欠席について論争していた。
梨花は、苦い顔をしていた。
梨花は、昨日の事を圭一に弁解したかったが、御影と欠席してしまったので嫌な予感が拭えなかった。
魅音「そうだ!今日、婆っちゃがおはぎを作ってるんだよ。お見舞いついでに二人に持って行こう!」
こう提案した魅音に、レナは言った。
レナ「魅ぃちゃん、レナもおはぎ作り手伝いに行って良いかな?」
魅音「良いよ。じゃあ、帰りにウチにおいでよ」
魅音とレナは、園崎家で圭一と御影へのお見舞いの品としておはぎを作りに行った。
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一方、圭一と御影は二人で食料を買い溜めしに行っていた。
自宅には二人分の食料はなく、保存にきく物も少なかった。
彼らは、自宅籠城を覚悟で多くの食料を買い込んでいた。
圭一「これだけあれば、とりあえず一週間はもつだろ」
御影「そうだね。流石に月単位で籠城すると怪しまれるけど、圭一君の両親が帰って来るまでならもちそうだよ」
二人が買い貯めた食料を整理していると玄関のチャイムが鳴った。
圭一「誰だ?こんな時間に?」
御影「見てきなよ。僕はここで整理してるから。何かあったら遠慮なく助けを呼んで良いよ」
圭一は、覗き穴から誰が来たかを確認した。
魅音とレナだった。
居留守を使うべきかと考えた。
しかし、変な素振りをすると怪しまれると思い、キーチェーンを掛けたままドアを開けて対応した。
魅音「よ!元気?圭ちゃん?」
圭一「どうしたんだよ…?こんな時間に」
レナ「これ、おはぎを持ってたの。圭一君、お腹が空いてると思って作って来たんだ」
レナは、おはぎの入っている箱を開けて中身を見せた。
圭一「…これ、数多くないか?」
レナ「本当はね、御影君の分も作ったんだけど、留守で居なかったの…」
魅音「もしかしたら、居留守使ってかもね~」
圭一は、ドアの隙間からレナの持っていた箱を受け取った。
レナ「圭一君…。何か困った事ない?」
圭一「どうしたんだよ。急に…」
レナ「最近の圭一君、ちょっと変かなと思って…。もし困った事があったらレナ達に相談してね」
魅音「そうだよ!おじさん達だって圭ちゃんの事、心配してるんだからさ!勿論、御影の事もね」
圭一「大丈夫だよ…明日までには元気になるからさ…」
魅音「そっか。じゃあ、また明日ね。圭ちゃん!」
魅音は笑顔で、レナは心配そうな顔で、この場を後にした。
圭一は、おはぎの入った箱を持ってリビングに戻った。
食料を整理していた御影が言った。
御影「聞こえたよ。レナちゃんと魅音ちゃんが、おはぎを持ってきてくれたんでしょ?一緒に食べようよ」
圭一「あぁ…」
箱を開けるとおはぎがたくさん入っていた。
御影は、その内の一つを無造作に取って口に入れた。
圭一も一つ取り、食べようとした時だった。
『ガリッ』
圭一「えっ?」
おはぎを食べたとは思えない音が、御影の口の中からした。
御影は、突然口を抑えて圭一の持っているおはぎとおはぎの入ってる箱を奪い取り、トイレに鍵を掛けて逃げ込んだ。
圭一「おい!御影どうしたんだよ!」
圭一は、何が起こったのか分からず混乱した。
耳を澄ますと、トイレの流れる音と水道の水が流れる音が何度もした。
御影は、片手で口を抑えながら出て来た。
圭一「御影、大丈夫か!?何があったんだ!?」
御影は、首を横に振って空いている手でメモ帳に走り書きをした。
『喋れない』と。