6月23日(木)
放課後。
圭一は、御影と早々に教室を後にした。
クラス一同は、昨日の事で圭一達に話し掛ける事が出来なかった。
誰も居なくなった教室に、圭一と御影は姿を現した。
圭一は、昨日の一件で御影と四六時中行動している事、御影が喋れない事までバレてしまったと危惧したからである。
御影は自分で助けを呼べず、御影を守れるのは圭一しかいないと思った。
北条と名の付いたロッカー。
圭一は、沙都子のロッカーが二つある事に文句を言った事があった。
しかし、それは沙都子のロッカーではなく、行方不明の北条悟史のロッカーだった。
一度だけ中を見た事がある圭一は、その中にバットがある事を知っていた。
これを持って帰って次の日から自宅籠城すれば、両親が帰って来るまでどうにか出来ると思った。
圭一は、バットをベルトとズボンの間に差し込んだ。
圭一「待たせたな、御影。帰ろうぜ」
御影は、コクコクと頭を振った。
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圭一は、喋れなくなった御影とジェスチャーでコミュニケーションを取れる様になった。
帰り道、圭一と御影が歩いていると見知らぬの二人組の男性が居た。
圭一が異常に気付いてバットを構えようとした時だった。
男達が素早く動き、一人は御影を捕まえ、一人は御影の腹に一撃を与えた。
御影は、両手を掴まれており、成す術なく脱力した。
圭一「御影!!」
御影は、意識朦朧とする状態で圭一にジェスチャーした。
『逃げろ』と。
御影は、もう一撃受けて意識を失った。
圭一は戦おうと思った。
しかし、相手は二人。
しかも人質まで取られている。
圭一は、御影を守る事が出来なかったのを後悔して泣きながら逃げた。
二人捕まる位なら一人が大石さんを呼んで助けを呼んだ方が確実だと御影に言われたからだ。
圭一は雑木林をかけ走り、追っ手から切り抜けようとしたが、足が滑って崖から落ちて気を失った。
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圭一が目を覚ますと自分の寝室だった。
レナ「圭一君、大丈夫?大丈夫?」
レナが心配そうに声を掛けて来た。
圭一「レナ…!?どうして…!?」
レナ「圭一君、道端で倒れてたんだよ。何があったの?」
圭一「御影…御影は何処だ!?」
レナ「御影君…?居なかったよ。一緒だったの?」
圭一は、飛び上がると自宅の中を探し回った。
しかし、御影の姿はなかった。
圭一「そうだ!大石さんに電話すれば…!」
圭一は、急いで大石に電話しようとした。
そこに魅音が現れた。
魅音「圭ちゃん!道で倒れてたんだって!?レナに聞いて驚いたよ!」
圭一「み、魅音…!?」
まるで、電話させまいとタイミングよく現れた魅音。
レナ「魅ぃちゃん、監督には電話した?」
魅音「電話したよ、すぐ来るってさ」
圭一「か、監督…?誰だよ、監督って…?」
レナ「監督は、『監督』だよ」
レナは笑いながらそう答えたが、圭一にはその笑いが恐怖にしか見えなかった。
魅音とレナは、挟み撃ちしながら圭一に少しずつ迫って行った。
まるで自分の行動を制限するかの様に。
魅音「そうそう。圭ちゃんには、罰ゲームを受けて貰わなきゃね~」
圭一「ば、罰ゲーム…?なんだよ、それ…」
レナ「おはぎの箱にあった手紙の罰ゲームだよ。だよ」
知らない。
おはぎの箱の中身は御影が処分したからそんな物があったかすら。
魅音「大丈夫だよ、圭ちゃん。すぐ終わるからさ~」
じわりじわりと接近する魅音、背後にはレナ。
圭一は、二人の笑い声を聞いて意識が途絶えた。
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鹿骨市の寒村、雛見沢で女子生徒殺人事件が発生した。
容疑者は、雛見沢村在住の少年、前原圭一。
容疑者は、自宅にクラスメイトの女子二名(竜宮礼奈・園崎魅音)を呼び寄せ、金属バットで撲殺。
犯行現場は自宅玄関。
被害者ともみ合った形跡が認められた。
容疑者は、犯行現場と思われる自宅玄関で倒れているのを発見される。
発見時、容疑者は意識不明の重体。
直ちに村内の診療所に搬送し手当てをしたが、意識は戻らず24時間後に死亡した。
先週に発生した富竹氏事件の異常な死に方との酷似に、警察は関連性があるものとして捜査を開始する。
異常な死に方に何らかの薬物の使用を疑うが、富竹氏事件と同様に一切検出されない。
本件と直接的な関係があるか不明だが、容疑者達と同じクラスメイトの夜白御影は、同日以降行方不明であり関連性を調べている。