6月12日(日)
圭一「わりぃ!寝坊した!」
魅音「遅いよ、圭ちゃん!」
圭一は、自転車を漕ぎながら、魅音とレナに合流した。
今日は、近所の玩具屋でゲーム大会が行われる日。
優勝者には、五万円という賞金が贈られる為、多くの子供達が参加していた。
レナ「圭一君。御影君は来れないの?」
圭一「誘ってみたんだが、来れるか分からないってさ」
圭一とレナは、転校生の夜白御影の話をしていた。
初日に、クラス一同と先生を騙した彼は、クラスの中でも一目置かれる存在となった。
魅音は、御影を部活入部へと誘ったが断られてしまった。
魅音は、一筋縄で行かないと悟ったのか玩具屋のゲーム大会を御影に教えた。
御影「凄いね!五万円なんてあったら、何でも買いたい放題じゃないか!皆に一人一万円の撮影料渡して、『雛見沢分校美少女写真集』を作るってのも良いね!勿論、ポロリもあるよ!」
その言葉に、圭一は『グッジョブ!』と親指を立て、レナは鼻血を吹き出し、魅音は苦笑いをして、沙都子は悲鳴を上げて罵倒し、梨花は顔は笑っていたが…内心は笑っていなかった。
魅音「動機はどうあれ、やる気は見せてたから来るんじゃない?おじさんは負けるつもりはないけどね!」
開始時刻になったが、御影の姿は見えなかった。
ゲーム大会は、部活メンバーが上位を取る形で進行し、圭一と魅音が互角の死闘を繰り広げていた。
ゲームの終盤、時計が15時を指した時、魅音が言った。
魅音「ちょっと待ったー!この勝負ここまで!後は、園崎魅音に預からせて貰うよ!」
魅音は、そう言うと早々に席を離れ、店から出て行った。
圭一は、そんな突然の物言いに納得出来ず、魅音の後を追った。
圭一「こらーっ!魅音!逃げる気かー!」
魅音「ごめん、圭ちゃん。おじさん、これからバイトなんだよねー」
圭一「バイト!?そんなの聞いてないぞー!」
店長「まぁまぁ、優勝賞金は次回に回すとして。今日のところはこれで」
圭一は、店長から茶色い紙袋を受け取った。
御影「やぁやぁ、寝坊しちゃってね。ゲーム大会は、もう終わっちゃったのかい?」
圭一「御影!?」
御影は、笑いながら申し訳なさそうに出現した。
魅音「御影、遅いよ!何やってたの!?」
御影「ごめん、ごめん。昨日の夜、ずーっと写真集の事を考えていてね。夜更かしして寝坊しちゃったんだ」
沙都子「救えないバカですわ…」
御影「優勝者は圭一君かな?圭一君が優勝出来るんだったら、僕ならダントツで優勝したのに惜しい事をしたなぁ」
魅音「残念、今回の勝負はお預け。圭ちゃんのソレは、ただの参加賞だよ」
御影「そっか。じゃあ、中身見せてよ。別に減る物じゃないでしょ?」
御影は、圭一の持っている紙袋に興味を示して言った。
圭一が袋を開けると、中から可愛い女の子の人形が出て来た。
圭一「え~、なんだよこれ~」
魅音「圭ちゃんには、見合わない物が出たね~」
圭一は、バツの悪そうな顔をしながら誰かに人形を渡そうと思った。
御影「圭一君!誰かに人形を上げようとしてるんでしょ!?レナちゃんに上げる事を推薦するよ!レナちゃんだって欲しがりそうな顔をしているし、何より可愛い物が一番見合う女の子だからね!」
御影のその言葉が後押しになったのか、圭一はレナに人形を渡した。
圭一「そうだな。御影の言う通り、可愛い物って言ったらレナだな!」
御影「そうだよ、圭一君!特に魅音ちゃんには、こんな可愛い物なんて見合わないもんね!」
魅音は一瞬残念そうな顔をしたが、咄嗟に笑って返した。
魅音「もう御影~、よく判ってるじゃない!おじさんもさ、どうして男に生まれなかったんだろうって思う時あるんだよねぇ~…。じゃあ皆、また明日!」
魅音は、そう言って自転車でこの場を後にした。