6月15日(水)
登校した御影は、教室に着いて魅音に話し掛けた。
御影「おはよう!魅音ちゃん!」
魅音「あぁ、おはよう。御影」
間髪入れずに御影は、魅音の首を確認して指で触って来た。
それに驚いて、魅音は御影を突き飛ばした。
魅音「ちょ…!急に何するの、御影!」
御影「昨日の『詩音ちゃん』が『魅音ちゃん』じゃないかなぁ~って思って確認したかったんだ。傷跡がないって事は、詩音ちゃんにハートを届ける事が出来たんだね!ハートと歯跡をかけてみたんだけど面白い?」
魅音「あのさぁ、御影…。詩音、昨日の事でずっと泣いてるんだよ?『御影なんかにもう会いたくない!』って言ってるんだよ…」
御影「そっか!詩音ちゃん、ずっと僕の事を考えてくれてるんだね!『今は嫌い!』とか言っても、いつの間にか好きになっちゃうってパターンはあるし、嬉しいよ!」
レナ「御影君…。少しは反省しようよ…」
圭一「えっ!?本当に傷跡ないのか!?てっきり、魅音が自作自演してるのかと…」
御影「何言ってるの、圭一君!?魅音ちゃんの話を信じないなんて最低だよ!僕は信じてたのに!!」
梨花「相変わらず、ペラペラと嘘を吐くのです」
沙都子「もう慣れましたわ…」
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放課後。
圭一「よーし!部活だー!御影、今日こそ参加して貰うぜー!」
圭一は、御影を逃がすまいと教室の入口で手を伸ばしながら通せんぼしている。
梨花「ごめんなさいです。ボクは、やりたい事がありますです」
レナ「そっか。綿流しの練習だね」
沙都子「そうですわ。今度の日曜ですのよ」
魅音「そっか。じゃあ、今日の部活は中止だね」
梨花「ごめんなさいなのです」
沙都子と梨花は、一緒に帰宅してしまった。
圭一は、その事を疑問に思い、魅音に尋ねると魅音とレナが綿流しの話をしてくれた。
魅音「あっ、いけない!アタシも今日バイトだ。先帰るね」
魅音も教室を飛び出し下校した。
御影「僕も帰るよ。やる事があるんだ」
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圭一は、弁当箱を詩音に返しに行く為にエンジェルモートへ向かった。
エンジェルモートまで付き、弁当箱を確認して進もうとした時、後ろから襟首を掴まれた。
御影「危ないよ、圭一君」
圭一は、御影に掴まれて歩を止めた。
圭一の目の前にはバイクがあり、御影が掴まなかったら倒してしまっただろう。
圭一「わ、わりぃ!…って、何でお前がこんな所にいるんだ!?」
御影「詩音ちゃんに会いに行く為だよ!圭一君、昨日のそれを返しに行くんでしょ?」
御影は、指で圭一の持っている弁当箱を指した。
圭一「まさか、俺を尾行してたのか!?」
御影「そうしないと会えないからね!僕は一日たりとも時間を無駄にしたくないんだ!」
呆れた圭一は、今日は帰ろうかと考えたが、どうせまた着いて来るに決まってると思った。
昨日は突然だったが、今日は御影の奇行を止める事が出来ると思い、同行を許可した。
エンジェルモートに入ると詩音が居た。
詩音「いらっしゃいませー…って、圭ちゃん!?」
圭一「よ、詩音」
圭一の後ろから現れた御影が、詩音に抱きつこうとした。
御影「詩音ちゃん!会いたかったよー!」
圭一は、即座に御影の襟首を掴み、詩音は一瞬で距離を取った。
詩音「え~っと、どちら様でしたっけ?変人に知り合いはいないのですけど」
御影「酷いな~!昨日、永遠の愛を誓い合った仲じゃないか!!ほら、君の首に僕のハートが…あれ…?ない…?」
詩音の首には、御影の歯跡が見当たらなかった。
詩音「あんな傷痕晒してバイトが出来る訳ないじゃないですか。ファンデーションで隠してるんですよ」
御影「そ、そんな酷いや…!うっ…うっ…」
御影は、ショックのあまりか泣き出してしまった。
詩音「ほーら、何処の誰か判らない変人さん。他のお客さんのご迷惑になりますから、注文しないならお帰りくださ~い」
御影「うっ…うっ…。こうなったら、自棄食いだよ…。この大盛りスイーツセット、一つ下さい…」
泣きながら自棄食いする御影を置いて、圭一は詩音に弁当箱を返して帰宅した。